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SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】
昔の僕と今の君 ( No.9 )
- 日時: 2023/11/12 23:31
- 名前: 面人
もしあの時告白していたら、僕はどうなっていたんだろう。
もしあの時、僕が少しでも勇気を出していたらどんなふうな今を送れただろう。
真っ白に包まれた会場に立った僕はぽち袋を持ちながらそう思った。
今なんで僕はここにいるんだろう。
なんでだ。
どうしてだ。
僕はそんなことを考えながらも一直線でそこへ向かう。
小さな小さな足音をならしながら。
人をかき分け、そこへ向かう。
そして
僕は降り立った。
とある人の前へと。
ああ、懐かしいな、この感じ。
この実家のような安心感とは少し違うが似てるような、あの微妙な感覚。
そうか、もう届かないんだな。
もう、僕はそこにいないんだな。
「結婚おめでとう」
どこか清々しく、どこか悲しげな僕の陰は消えていくのだった。
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