管理人おすすめ本 過去のおすすめ -01-
管理人の独断と偏見のみでおすすめする各種小説です。
気になった本があれば読んでもらえるとうれしいです。
過去のおすすめ -最新- | 過去のおすすめ -01-
伊藤計劃(いとう けいかく)氏の書籍をご紹介。
HPチックなニュアンスを散りばめながら、現代(平成)的で硬派な印象の文章です。
34歳という若さで夭逝されましたが、今という時代を切り抜いた作品を残していかれました。
大家作品定番ともいえる「幼児期回顧」比較から今を不安視する系統ではなく、現在~近未来から現代不安を見つめる作風です。
クールながら良テンポのストーリーに加え、イデアや生活基盤について深く考えさせられます。クリントン元大統領(男性)も発言していましたが、脳の記憶をハードディスク交換のように移行できるようになる可能性が高く、足を移植するように脳(のデータ)も移植する。すると一体どこまでが自分と言えるのか、固有のアイデンティティとは何か、間もなくそういった命題に答えなくてはならない時代がくるようです。未来の若者たち、がんばれ!
縄文&弥生&古墳&飛鳥時代(古代全般)に関する書籍をご紹介。
古い時代になればなるほど事実関係がよくわからなくなってきます。個人の生活ひとつ振り返ってみても、自分が10年前何をしていたか真実だけ述べよといわれても難しいですね。主に戦後、古今東西の文献が紐解かれ様々な立場から見解が展開されようになりました。かなりカオス状態ですね。ゲノム情報を解析するような根気強い作業が続けられています。かなしいくらい浪漫の極みです。素人でも専門家でも、色々と考えてもよい自由があるのは幸せなことですね。
色々な本が出ていて読めば読むほど樹海です。何十冊でも何百冊でも読んで、郷土愛溢れる様々な立場から古代を眺めることができます。我々の想像以上に、祭や物語には意味があり古代日本近海はグローバル超多民族社会だったのかもしれませんね。
細野 不二彦(ほその ふじひこ)氏の漫画をご紹介。
様々なジャンルの漫画を描き、いくつものヒット作を生み出すことから、「手塚治虫の後継者」と呼び声が高い細野不二彦先生。メトロポリタン美術館のキュレーターを務めていた過去を持ちながらも、悪徳アートディーラーとして悪名を馳せてしまった主人公を中心に据えたヒューマンドラマを描いた「ギャラリーフェイク」はまさしく、細野版ブラックジャックと言っても過言ではないほど。また、放送業界の裏の裏まで描いた「電波の城」は、著名な芸能人からも支持されている作品!細野作品はどれも捻りが効いた作品ですので、ご一読されることをオススメします。
万城目 学(まきめ まなぶ)氏の小説をご紹介。
以前おすすめした「森見登美彦」さんと、ある意味に並んで語られる「京都が舞台」の作家さんです。映画にもなった「鴨川ホルモー」は、デビュー作ながら一番有名かもしれません。「ホルモー」とは、式神を一人100体ずつ操って合戦さながらの戦いをチームで行う、という説明されてもよく分からないスポーツ。この「ホルモー」を中心に、人を食ったような、だけど憎めないキャラクターたちが織りなす青春サークル活動劇です。登場人物たちの恋がこじれ、関係もこじれ、落ちに落ちてからの復活からがとても熱い展開となっており、文書も軽く、さらっと読めるので、是非読んで頂きたい一冊です。
江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ)氏の小説(ポプラ社)をご紹介。
現在は江戸川コナンで覚えているキッズ世代も多いかもしれません(?)。『名探偵明智小五郎(少年探偵)』シリーズは、読みやすさががっつり担保されておりながら、そうきたか感・ジェットコースター感ある作風で、老若男女問わず常に大人気ですね。特に飽きっぽい少年少女の目すら一時も逸らすことなくラストまで離さない、魅力ダダ漏れでありながら無印シンプルな文章は江戸川乱歩だからこそですね。一度ページをめくり出すとなぜか読むのをやめることができないのです。本当に名作ですね!
杉田 圭(すぎた けい)氏の漫画(コミック)をご紹介。
小倉百人一首は鎌倉時代に藤原定家によって選ばれたものであると言われています。普通授業ではカルマや生々しい政治背景等には徒に触らず歌そのものを純粋に鑑賞するスタイルがとられます。歌を詠んだ人々のわずかな記録を手掛かりに、生い立ちや事情を好きなだけ妄想したいですね。歌を単に詠んだ、というよりはむしろその歌をどうしても詠まなければならなかった事情があったと考える方が自然だったりします。どうしても伝えたかった(裏)事情は一体何か、など生々しくねちっこく想像すると、時間を忘れて古に没頭できますね。とてもうまく現代感覚と絡めてあり、百人一首の世界が意外と身近ですいすい読み進められます。面白い作品です!
森見 登美彦(もりみ とみひこ)氏の小説をご紹介。
主に京都を舞台とした作品が多く、またその独特な言い回しから醸しだされる世界観が不思議と心地よく、気付けばどっぷりと深みにハマります。誰にでもおすすめできるのはやっぱり「夜は短し歩けよ乙女」。なかでも、愛しの彼女が持つ“おともだちパンチ”には文面だけでやられてしまいそうな勢い。また、たぬきの兄弟とお母さんの(想像とはだいぶ違う)家族愛を描いた「有頂天家族」もおすすめ。先日発売された2巻はテレビで取り上げられるほどの大ヒットとなりました。
米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)氏の小説をご紹介。
アニメ「氷菓」でお馴染みの「古典部シリーズ」にてデビュー。一見してライトノベルかと思いきや、ガチガチのミステリー小説! というか、どの作品もミステリー。まだ読んでいませんが、「折れた竜骨」は剣と魔法が存在する架空の中世イングランド。魔法が存在する世界で、きちんとミステリとして成立するのか!と、もの凄く興味をそそられます。作品全般的に情景描写が丁寧で、しかも日本語が綺麗で語彙も豊富。またミステリーの詰め方も理路整然としており、ストーリーもそろそろ着地かとおもいきや更に二転、三転。毎回驚かされます。どの作品もおすすめですが、とっつきやすさでいうなら、まずは「氷菓」をおすすめします。ライトノベルではなく、ミステリーとしてお楽しみください。
青崎 有吾(あおさき ゆうご)氏の小説をご紹介。
ライトノベル作家を目指していたはずが、選評に「ミステリのほうがいい」と書かれたことからミステリ作家に転向し、大学在学中にデビューしてしまった、今注目の若手ミステリ作家です。ダメオタクの「裏染天馬」が推理の過程でどんどんキレッキレになる様子は、読んでいてグイグイ惹きこまれます。まだ著作数は多くはありませんが、「平成のエラリー・クイーン」と称される論理的な本格ミステリを是非ご堪能ください。田中寛崇さんのイラストも良いです!
小説 虎の巻orハウツー本or教科書をご紹介。
時に自分の世界に没頭するのもいいですし、時に現実(経済)に照らして自分のスキルを客観視してみるのもいいですね。世の中簡単な職業などというものはなく、ひたすらに意味のある時間を積んでいけるかどうかの分かれ道でしょうか。学生、社会人、自由人?関係なく目標に到達するべく感知力と辛抱力を鍛えていきましょう!思い詰めず気長に…しかし人生は短いので…悔いなく!
楠木 誠一郎(くすのき せいいちろう)氏の小説をご紹介。
歴史を知るときに「何から入るか」は結構運命のターニングポイントであったりしますね。受験勉強のようでつまらない、一面的な勧善懲悪造形すぎてドン引き…などなど。しかし、この『青い鳥文庫』の「~は名探偵!!」シリーズでは、小学生の大好きな下ネタも満載でありながら、大人が読んでも飽きない良テンポでラッスンゴレライ。さりげなく深い一節も散りばめられており、歴史への興味の入口に最適な本の一冊ですね。平易な表現でありながら歴史の浅瀬と深淵を感じさせる慎重な作風も魅力的です。児童小説なので読み口は非常に軽妙でストレスフリーなので、リラックスタイムの一冊としてお勧めですね。
奥田 秀朗(おくだ ひでお)氏の小説をご紹介。
文章の色が作品ごとにカメレオン的にくるっくる七変化するのがとても魅力的な作家さんですね。現代人の主にバブル前後?の中年層の心を、ずばりとしかも突き離さずに描いておられます。読者を笑わせにかかってくる文章も随所に仕掛けられており、本を閉じるタイミングが見つからないまま読み終わりまでゴーッと連れて行かれてしまいますね。『空中ブランコ』は直木賞受賞作品です。泣いて笑ってが人生一番ですね。
SCRAP(スクラップ)&鹿野康二氏のゲームブックをご紹介。
人が文字を書くのは決して高尚な目的だけではなく、ただ誰かを楽しくさせたりドキドキさせたりするためにも書かれたりします。文学小説カテゴリからは外れますが、エンタテイメント小説として、ゲームブック方式は(選択の幅が2乗で増えていくので疲れますが)読む者にとっても楽しい時間ですね。文字を読む時間は楽しいと感じるのが一番です。ただしドラクエ以前世代には少し形式的なギャップが厳しく受け入れられないかもしれませんので、苦行までして読む必要はありません…。
村上 春樹(むらかみ はるき)氏の小説をご紹介。
早稲田大学第一文学部演劇科卒業。最初の1行目から謎の引き込まれていく感覚が得られる体験は村上春樹作品ならではの楽しみですね。決して難しい言い回しは使われておらず、誰にでも分かりやすい言葉で魅力的に描かれています。たっぷりの比喩表現も普通の人なら持てあましてしまいそうなところ、村上作品では堂々とイメージ化されています。一見シンプルなのに奥深い余韻が残る作品が多いのもうなずけますね。
岡嶋 二人(おかじま ふたり)氏の小説をご紹介。
井上泉(いのうえ いずみ)と徳山諄一(とくやま じゅんいち)の共同ペンネーム。藤子不二雄的で日本小説界では珍しいですね。最初の数ページから一気にトップギアで走り出す世界観。独特のタイトルセンス。最初から最後までワーッと興奮状態で駆け抜ける気持ちよい読書時間ができます。また「ツァラトゥストラの翼」 (講談社文庫) は、今やなつかしのゲームブック形式だったりしますね。どの小説も楽しいので選び難いほどです。
梨木 香歩(なしき かほ)氏の小説をご紹介。
児童文学作家。同志社大学卒。タイムマシンでイザ異世界へGO的世界ではなく、自然の時間を普段通りに進みながら時空を遡っていくといった摩訶不思議な感覚になります。一見文体は草木染のようなふんわりとした優しいタッチなのですが、突いている場所はアミニズムのような畏れすらも感じる地点ですね。小説は、人間の(心を植物だとすると)生長のための大事な栄養になることを実感できる、素晴らしい作家さんのお一人ですね。
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