コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 下剋上☆吹奏楽部-うちの部活は顧問を暗殺しようとしています- ( No.3 )
- 日時: 2012/01/12 22:22
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1楽章 宣戦布告から始まった吹奏楽部生活
ここ、有馬高校は部活動が盛んに行われている高校である。
運動部はサッカー部は全国高校サッカー大会で1位の成績を収めた。バスケ部は男女共にインターハイ出場経験者。うち2回優勝。
文化部は演劇部が何かの大会で最優秀賞を受賞し、英語部がスピーチコンテストで見事に優勝。華道部は天皇陛下に花を贈ったらしい。
さてさて、ここで読者の皆様は気づいただろうか。
そう。文化部で1番有名な——吹奏楽部がないのだ。
ない訳じゃない。ただ、部員が集まらないのだ。しかも優勝経験もこれと言ってないらしいし。
「神楽」
「ハイ」
俺は後ろを振り向いた。
担任であるザキヤマだった。(本名:山崎太/やまざきふとし)
「ザキヤマ。どうしたんですか?」
「どうしたんですか、じゃねーよ。お前、今週いっぱいだぞ?」
「何がですか?」
「入部届け」
げ。その話は何度も無視していたのに。
この学校は部活動が盛んだ。故に生徒は全員、強制的に部活へ入部させられる。
去年、俺はコンピューター部を拠点として様々な部活や先輩や地域の方々へいたずらを仕掛けていた。そのおかげか、全校生徒のほぼ全員と友達になったと思う。
「お前、今度こそ何か成績を残せよ」
「嫌ですよ。またコンピューター部の幽霊部員になってもいいのなら。つーかいたずらで成績を残してるし、別にいいんじゃね?」
「よくない。それは成績と言わねー。悪名と言う」
何だよそれ。
どうしようかな。コンピューター部は結構プログラミングの大会とかあったけどサボったし。
「ま、考えとけよ」
「うーい」
成績かぁ。何を残せばいいのやら。
そんな俺に声がかけられた。
「神楽伊月君だよね?」
「ん?」
また名前を呼ばれた。
その方を向くと、金髪美人が立っていた。
有馬高校指定のカーディガンを腰に巻き、ピンク色のワイシャツに赤いリボン。スタイルはとてもいい。ボンキュッボンというのはまさにこの人の事を指す。金色の髪の毛は太陽の光を反射し、俺を見据える青い瞳はサファイアを彷彿させる。イギリス人のハーフだろうか。
はて。こんな人、友達にいただろうか。少なくとも同学年にはいない。
「初めまして。あたしは北園アリス、3年生よ」
「あ、先輩でしたか。どうも」
どうりで知らない訳だ。
アリス先輩はニッコリと笑うと、俺に問いかける。
「入る部活に困ってるの?」
「ハァ、まぁ」
「だったらちょうどいいわ。あたし達の部活に入らない?」
あたし達の部活? アリス先輩は何部だ?
……いや、待てよ。なんか嫌な予感がするな。
「我が吹奏楽部に入ってもらえないかしら?」
「すみません、丁重にお断りします」
ぺこりと頭を下げ、そのままUターンを決める。そして真っ直ぐにダッシュした。
だが、次の瞬間。
「先輩に背中を見せるなんて酷いじゃない」
「ぐはっ?!」
アリス先輩に笑顔でラリアットを決められた。
そう。あのラリアットだ。プロレスとかの技の。腕を相手にぶつける奴。
そして俺は、(半ば強制的に)吹奏楽部へ連行された。