コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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君は太陽
日時: 2010/07/20 15:28
名前: 時雨 (ID: bQbYMR0G)

初めまして。
時雨とかいてしぐれといいます。
初小説なので上手くかけないかもしれませんがよろしくおねがいします。

注意
これは恋愛系じゃなく友情系です。


登場人物

叶 美夜(かのう みよ)
とある中学に転入してきた転入生。
主人公。
過去につらい思い出があるため人が苦手。

山守 鈴音(やまもり すずね)
そこらへんにいる普通の女の子。
美夜の前の席。
明るくてやさしい。


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Re: 君は太陽 ( No.67 )
日時: 2010/06/24 23:38
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

29話

一週間後の日曜日。
今日は第二誕生日パーティーで鈴音と遊ぶ約束をしている。
待ち合わせ時間は午後の1時。昼食を食べてからいく。
行くところは遊園地らしい。
私は遊園地というデータはあるがいった思い出がないのでちょっと楽しみにしていた。
待ち合わせの時間まであと30分。
私は待ち合わせをする公園の近くにある図書館で暇つぶしをしていた。
ここからだと公園が見えるので鈴音がきたらすぐうにいける。
そしてあと15分というところで鈴音がきた。
そういえば登校するときも15分前にきていた。
癖・・・なのだろうか。
私は図書館から出て公園へ向かう。
といってもすぐ近くなのでそう時間はかからなかったが。
「誕生日プレゼント買ってきた?」
「もちろん、ってつけてくれたんだ」
鈴音は私の首をさした。
首には誕生日プレゼントでもらったペアのネックレスのやつの一つがつけてあった。
「うん。せっかくだし」
「私もよ」
みると鈴音の首にもつけてあった。
鈴音はフフと笑って手をだす。
「いこうか」
私はその手をとった。

信号が赤になったのでとまった。
この横断歩道をわたればすぐそこに遊園地がある。
早くかわらないだろうか。
目の前では車がいったりきたりしている。
そして車のほうの信号が赤になり、横断歩道のほうが青になった。
鈴音が横断歩道にでて。
私はその時見た。
車が突っ込もうとするころを。
運転手は携帯をしながら窓のほうをむいていた。
鈴音はそれに気づいていない。
今手をのばしたらきっと間に合う。
私は手を伸ばし鈴音の手をとるのを

拒んだ。

当然鈴音は向かってきた車にはねられた。
運転手はひく少し前にきづいたがもうおそい。
ブレーキをかけたのは鈴音を轢いたあとだった。
いやな狂音が響き渡る。
私ははねられた鈴音にちかよった。
鈴音の首に首飾りがつけられていた。

『私たちを守ってくれるの———』

そう鈴音はいった。
いったはずだ。
だからお守りなんて信じたくなかった。
あんなの詐欺だ。
本当は運なんだ。全部、なにもかも。
だけど、これは・・・
私は自分の手をみた。
これは———絶対私のせいだ。

あの時拒んだ手は静かに震えていた。

Re: 君は太陽 ( No.68 )
日時: 2010/07/15 20:59
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

30話

私は自分で自分を影だと思うことがある。
それは今も思いつづけていた。
私は光がないと生まれてこない、そんな存在じゃないかと。
太陽がないと生きていけないんじゃないかと。
前は美亜が太陽で今は鈴音。
私はその人たちといることで私の存在を無にした。
美亜は成績が優秀で親は私の生すらも無にしようとした。
鈴音はその存在自体でその明るさで私を無にした。
 
私が手を拒んだ理由。
答えは簡単だ。

————ただ、眩しすぎた。

美亜も太陽にしては眩しかった。
だけど、家族だったから。
いや、でも美亜の様子がわかっていたのに止めなかったところはその理由がはいっていたかもしれない。
鈴音は美亜よりも眩しかった。
美亜は家族だ。
そんなこともいれて私にやさしくしてるれていたのかもしれない。
だけど、鈴音は違う。
家族なんかじゃない。
なのに、私を許した。
そりゃ、私は影だから太陽がないといけない。
でも鈴音は眩しすぎるが故に影を濃くした。
影はひっそり無じゃなく有になった。
影の存在を許した。
無の存在を許した。
だから、お終い。
この少女の世界を終わらせるしかなかった。
太陽を壊すしかなかった。
だけど、
だけど———
「・・・なんで・・・」
私は倒れている鈴音にいった。
「なんで・・・涙がでてくるんだよ・・・!」
これが私の望んだ結果なのに。
これで私は無に戻れるのに。
「・・・・・・影なんか・・・いわせない・・・」
鈴音から声がきこえた。
「・・・みよは・・・私にとって太陽だった・・・」
「・・・・・・なにいってるんだよ・・・」
「・・・本当よ・・・・・・みよは・・・影なんかじゃない・・・無でもない・・・ガハッ」
吐血。
もう、救急車がきてもまに合わない。
車の運転手はオロオロしている。
そんな中で私は冷静でいた。
鈴音の最後の言葉。
美亜の時と同じだ。
場所が違うけど。
私は耳をすました。
「・・・・・・私を照らしてくれ・・・て・・・ありが・・・・・・とう・・・」
鈴音の目から涙がこぼれた。
私の頬を涙がつたう。
もう、流すことはないだろう。
鈴音も私も。
今———終わった。

私の影が

鈴音の命が

終わった。

そんな私に残ったのは。
感情と
後悔。

Re: 君は太陽 ( No.69 )
日時: 2010/06/27 12:45
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

エピローグ

その後の出来事。
私は何もいわれなかった。
誰からも。
鈴音を殺したのはおまえだと。
誰も
口にすることはなかった。
ただ、一人からいわれた。
「何で助けなかった」
と。
助ける・・・?
殺したのは———私だ。
「いや、殺したのは運転手だ。だから聞いている。何で手を取らなかった」
違う。
あの時取らなかったのは・・・鈴音が太陽だったからで・・・。
「おまえもあいつからすれば太陽だったはずだ」
———しらないっ。
私はなにも知らない。
「・・・一つだけいっておく」
その男の学生はいった。
「あいつはおまえの友達だ」
忘れるなとその人はいった。
あなたは・・・誰?
「俺は—————」
男の人は行った。

トモダチ

いなくなったあと、その言葉がのこった。

ともだち

鈴音・・・・・・。

友達

私はなんてことをしてしまったのだろう。
後悔と罪悪感が頭の中でグルグル回る。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐると。
掻き回して、
その後悔と罪悪感を一生胸に、生きることきめた。
それが死んでしまった太陽たちへの償い。
美亜と鈴音と私を繋ぐモノ。


今、私の中で太陽は———生きてる。

Re: 君は太陽(最終話) ( No.70 )
日時: 2010/06/27 21:54
名前: 時雨 ◆wCzwkCxPUw (ID: bQbYMR0G)

この作品にコメントをくれた方

見てくれた方

こころよりお詫び申し上げます。

次に書く「君は太陽Ⅱ」もよろしくお願いします。

Re: 君は太陽(最終話) ( No.71 )
日時: 2010/07/01 14:54
名前: 甘楽 (ID: .RPx9Kok)

いやー
面白かったー
ナイスだ 時雨ー
美夜がいい!
いやはや読むの遅くなってごめんなー
これからもがんばれよー


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