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- 無力くんの鬼な毎日
- 日時: 2010/08/09 10:23
- 名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)
こんにちは★
クリックありがとうございマス♪
この物語は現実世界と異世界を掛け合わせた物語です。
表現に乏しいと思いますが、優しく見守ってください♪
ぜひ読んでみてください☆
コメントよろしくお願いします!!
- Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.17 )
- 日時: 2010/08/09 10:20
- 名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)
★2-3★
東が転校して二日目。美しく咲いていた桜も葉桜に変わっていく。春の終わりを告げているようだ。
登校中、歩いていると肩を叩かれた。東が首をまわすと、頬に何かが当たった。指だ。
「やったー。ひっかかったー♪」
「ナル!」
「おはよう東。知ってる?荒井、骨折で入院だろ?」
「えぇっ!?」
初耳だった。確かに昨日の夜、血まみれにはなっていたが、骨折の様子は見られなかった。鳴海がニヤニヤしながら耳元でささやく。
「東がボコしたの?やるねー。」
「違うって!!」
思わず大きな声が出てしまった。周りにいた住民たちが顔をしかめる。
「わ・・・悪かったよ。だからそんな怒んなって。」
鳴海は苦笑いしながら両手を挙げた。
「東は力が無・・・いや、優しいからそんなことしないもんなぁッ。」
ぽんっと頭を叩いて、笑って誤魔化す。
太陽の熱が暑かった。
教室に入ると、予想どうりの反応だった。生徒たちが東を避けていく。目も会わせようとしない。隣を歩いていた鳴海が、面白そうにそれを見た。
「東ってさぁ、昨日なんかしたわけ?」
「いや・・・。」
鳴海はキョロキョロと教室を見渡した。生徒たちが教室の隅に溜まって、こちらの様子を窺っている。東は気にせず席へと向かう。
「おはよーさん!池戸くん・・・・・・と、」
小豆の視線が東の隣に移る。鳴海がニコッと笑う。
「えぇと、佐久間くん?」
「おぉ、思い出してくれた?」
「久しぶりやなぁ。」
「今日は面白いことがありそうなんだよね。」
そう言って、東の前の席に座る。東も、自分の席に座った。
と、その時。強い視線を感じた。何か奇妙な視線。突き刺さるような、締め付けるような、息苦しくなるような視線。振り向こうにも振り向けない、恐ろしさ。殺気に満ちた塊が、ゆっくりと東のほうへ近づいてきている。昨晩、感じたものと同じだった。
トントンッ
肩を叩かれ飛び上がる。勢いで振り向くとそこには紗彩が驚愕の表情で立っていた。
「どうしたの池戸くん!?すごい顔・・・。」
「あっ。橘か・・・。」
すとんと腰を下ろし、安堵のため息をつく。
「何かあったん?もしかして、<赤うさぎ>に命でも狙われとるん?」
「違うよ。大丈夫。ありがとう。」
「転校して昨日もああだったから、疲れたのよね。」
紗彩がクスクスと笑う。まぁそれもあるけど、と東はつぶやく。違うんだ、そんなことじゃない。
「そういえば池戸くん、昨日は大丈夫だった?」
無邪気に聞いてきたのは紗彩だった。
「あれッ」 昨日教室にいたよね?
声にならない部分が、むなしく心の中でこだます。
(昨日のはやっぱり違うのかな。でも橘そっくりだったしなぁ。)
東が深く考え込んでいると、紗彩が一つ、大きなため息をついた。
「池戸くん、ちょっとお願いがあるの。」
「・・・。え?あ、何?」
「こっち来て。」
そう言うと、紗彩は教室をさっさと出て行ってしまった。東が慌ててあとを追う。それを見た小豆がまた、きゅっと拳を握った。鳴海がどこか面白そうな表情をする。
太陽は、相変わらず暑かった。
♪続♪
- Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.18 )
- 日時: 2010/08/09 11:42
- 名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)
★2−3 続★
紗彩のあとを追いかけてやってきた場所は、「ここで告白すると成功する!」という言い伝えで有名な<幸せのケヤキ>の木の下だった。もちろん、東はこんな言い伝えは知らない。知ったところで何になるわけでもないので、無関心に近いだろう。
「お願いってなに?」
唐突に切り出した東を見て、紗彩は一歩近づいた。東の方が身長は高く、紗彩は少し見上げる形となる。
風が吹いて、ケヤキの葉がさらさらと鳴った。
瞬間、紗彩の表情が変わった。
瞳は漆黒に染まり、すぅっと細くなる。髪は彼女が動くのにシンクロして波打ち、感情の起伏を表しているようだ。笑顔なのに、何か違う。
そっと東の耳元でささやく。
「私の正体知ってて、よくばらさないね。優秀♪」
顔から血の気が引いていく。
「てことは、橘ってやっぱり<赤うさぎ>なの?」
「はぁ!?何言ってんの?私はそんなんじゃない!<鬼>よ。」
「殺人鬼?」
「そんなのと一緒にしないで!私は、この世に必要ない男を始末するのが仕事なの。男なんて嫌い。大っ嫌い!!でも池戸君は別♪あなただけは特別なの。分かるでしょ?」
ニヤリ。不気味だった。あんなに美しかった紗彩の面影はまったく無い。別人が目の前にいるようだ。あまりの豹変ぶりに、東は言葉を失う。
「驚いた?」
「かなり。」
「そうね、このこと誰にも言わないって約束して?それが私のお願い♪それじゃぁ。」
クスクス笑いながら紗彩は去っていく。東は昨日と同じように彼女の後姿に向かって叫んだ。
「どうして荒井を?」
くるりと振り返って紗彩は叫び返す。
「特別な存在の池戸くんのためのささやかな復讐だよ♪」
教室へ戻ると、小豆と目があった。その隣には紗彩が立っている。さっきとは違う、華やかな笑顔を向けていた。
「結婚・・・。したん?」
「はあっ!?」
衝撃爆弾発言。何を言い出すかと思えば・・・。
「紗彩から聞いたん。指輪、あげたんやろ?」
いつの間にか小豆の目には涙が溜まっていた。瞳をうるうるさせながら。声を振り絞って一言一言発するその言葉は、なんだか重みを感じさせた。
「ちょっと待った!!俺は」
そんなことをした覚えは無い!!と言おうとして、東は止まる。氷のように冷たい視線が東を刺していた。すぐ後ろに紗彩がいた。また耳元でささやく。
「何の話かは言えないから、こういうことにしておいたの。分かってくれるよね?」
「女ってのは、怖い生き物だな。」
東は顔を引きつらせて答えた。
そこから少し離れたところで、鳴海はじっとその様子を観察していた。
小豆の瞳から、とうとう一粒のしずくが落ちた。
- Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.19 )
- 日時: 2010/08/09 11:43
- 名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)
〜お知らせ〜
三日間(火・水・木)オヤスミさせていただきます★
また会いましょう!!
- Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.20 )
- 日時: 2010/08/16 10:09
- 名前: ちゃっぴー (ID: 8HM4KmaQ)
★2−紗★
まったく、男という生き物はどうしてああも野蛮なの!?
私が転校してまもなく、クラスの悪ガキ的存在な荒井孝助はもう一人の転校生(つまり、池戸くんであって私の初恋の人)にボールを投げ、ケンカをふっかけた。言葉よりも先に手か出るのね!!今までの中で最悪最低!!しかもあんなのに彼女扱いされるなんてたまったもんじゃないわ。
彼女扱いを受けたあの日、池戸くんに変な誤解をされた。すごくショックだった。さらにあいつは夜の教室に池戸くんを呼び出し、ボコボコにしようと計画をたてていた。そこで私は考えた。私が池戸くんより先に教室へ行って、復讐をしようか、と。実は私は引っ越す前の高校では女番長だとか、不良少女とか呼ばれていたくらい喧嘩を受けていた。転校してきてからはもう止めようかと思っていたけど、池戸くんを助けるためだもの。しょうがない・・・よね?
昔の私のあだ名は<鬼>。女子はもちろん、男子にも恐れられていた。相棒は金属バットのビート。鬼に金棒って言うでしょ?それに私はぴったりと当てはまったの。
♪続♪
- Re: 無力くんの鬼な毎日 ( No.21 )
- 日時: 2010/08/19 16:21
- 名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)
投票しといたぞ〜。
更新がんばれよw。
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