コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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日時: 2011/02/15 22:05
名前: No Ink Ballpoint (ID: S20ikyRd)

初めまして。
No Ink Ballpointという者です。
文章能力向上の為に、苦手な恋愛小説を頑張って執筆しようと思います。
このジャンルに関しては全くの無知で、初心者ですので、是非とも、痛烈な批評、アドバイスを戴ければと思います。
未熟な身ですが、どうかよろしくお願いします。

Episode1

Part1 蒼穹、紅く燃えゆ─The First Part─ >>1
Part2 五年後の僕の現在─Every Day─ >>2
Part3 煩悩─Passion─ >>4
Part4 この感情の正体─Unknown─ >>6
Part5 僕の恋路の応援団─Advisers─ >>12
Part6 我が家の晩餐─Dinner─ >>14
Part7 記憶─Past─ >>15

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Re: 蒼穹、紅く燃えゆ ( No.15 )
日時: 2010/12/26 15:08
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

Part7 記憶─Past─

晩御飯が終わってから数時間だが経った。
時刻は既に深夜に近く、鴉間家の三人は就寝の準備に取り掛かっている。
風呂から上がったばかりの翔は、濡れた髪をバスタオルで拭きながらリビングで視線をテレビに釘付けにしていた。
放送されているのはニュースで、放送されているのは、翔達が住んでいる、この雨槻の街で起きている事件だ。

(また…、火事か)

ぼんやり、と。
火事のニュースを見ている彼の脳裏に浮かぶのは、五年前の大惨事だった。
現在でも原因が究明されていない、発火元が不明な、街を煉獄と変えた大惨事。
あの大惨事で、翔は両親を亡くし、一度は死を覚悟した。
そして、

(志織は、倒壊した家の下敷きになって両足が動かなくなった)

当時、志織は両親と共に自宅にいた。
あの大惨事の焔に、家は呑まれ、焔に曝された家は一瞬の間に倒壊。
両親は崩れてきた家の瓦礫の下敷きになって即死、志織は下敷きにはなったが、死だけは免れた。
ただ、倒壊して落下した瓦礫が両足に押し潰し、後に救助された志織は搬送された病院で残酷な宣告を受けた。

貴方の足は二度と動かない、と。

それでも、彼女は絶望しなかった。
両親の死を聞いても、残酷な宣告を受けても、絶望だけは。
それは、兄である翔の生存があったからこそ。

(志織は僕が護ってみせる。どんな災厄からも)

無力な人間の、ちっぽけな願い。
堅く拳を握った彼は、ニュースを眺めながら、そんな事を思っていた。
ふと、その背中に声が掛かる。

「また見てんのか、そのニュース」

声の主は、振り向かずとも解る。
駄目ですか、トレンスさん、と翔はニュースから視線を変えず、彼の言葉に応えた。

「駄目じゃないさ。…ただ、火事のニュースを見たって、あんまし良い記憶は無いだろ」

…そうですね、と彼は脳裏に煉獄と化した街を浮かべ、唇を強く噛み締めた。
彼の言葉通り、確かに良い記憶は無い。
両親を失い、妹の両足の自由を奪った、あの大惨事。

「…、そういえば、トレンスさんと逢ったのは、あの大惨事の後だったね」

ああ、そうだったな。
翔の言葉に答えたトレンスの脳裏に、かつての記憶が浮かぶ。
殺風景な病室のベッドに身体を預けた幼年の可憐な少女と、少女の傍で、その華奢な手を握る少年。
志織と翔、両親を失った二人の元に訪れ、述べた言葉をトレンスは今での覚えている。

『選べ。この病院での治療が終わった後、孤児院に送られるか。見ず知らずの俺に引き取られるか』

無名の小説家。
見知らぬトレンスを訝しむ二人へ、彼が自己紹介の代わりとして述べたのは、そんな単語だった。
そして、その紹介と選択肢を受けた二人が選んだのは、トレンスの元に引き取られる、という選択肢。
そうして、引き取られてから幾多の日々を越え、現在に至る。

「施設に預けられるよりはマシって思ってトレンスさんの突飛な選択肢を選んだけど…、正解だった」

そりゃあ光栄なこった、と豪快な笑声が背中の方から聞こえてくる。
間違っていない、と翔は確かに確信していた。
トレンスの元に身を寄せてから、志織は自然に笑い、両足のハンデを抱えながら、幸せな日々を送っているのだから。

「ありがとう。トレンスさん」

「…俺も、正解だったな」

「何が?」

お前達を引き取った事だよ。
ふと、小さく述べられた言葉が翔の耳に入った時には、トレンスが去っていく足音が聞こえた。
翔は一人だけのリビングで、ぼんやりと火事のニュースを報道しているテレビを見て、ある人物を脳裏に浮かべる。
焔を霞ませる、紅の髪。
寂しそうな、哀しそうな笑顔。
かつて、死の淵から自分を救った一人の女性を。
そして、もう一人。
命の恩人である女性と瓜二つの容姿を持った、隣の席に座る一人の少女を。

(明日は、頑張って君と話すから)

だから、また明日。
彼はテレビのスイッチを消し、就寝の為に自室に向かった。
期待を胸に、明日を迎える為に。

Re: 蒼穹、紅く燃えゆ ( No.16 )
日時: 2010/12/26 18:46
名前: NightWind ◆MjV6.5TmZc (ID: EUGuRcEV)

インクさんの名前でしたので、すぐに読んでみました☆
さすがインクさん、文章がずば抜けていますね。
私も見習わなければ。

恋愛小説って難しいですよね。
恋愛部分をどうやって表現しようか迷うものです。
しかし、ファンタジーとなるとそういうところが無いところありますから書きやすい、と私の勝手なながらの解釈。
インクさんのこの独特の謎の雰囲気(?)が話に出ていてとても面白いです。
これからも頑張ってください。

Re: 蒼穹、紅く燃えゆ ( No.17 )
日時: 2010/12/26 19:03
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

NightWindさん。

おお、ありがとうございます。
いえいえ、まだまだ未熟の域を出ませんよ。
寧ろ、NightWindさんの文章を見習わせて戴きたいですよw

そうですね、難しいです。
見ているだけなら、書けるかなー、って思うんですけど、駄目ですね。
そうなんですよ、表現が難しいんですね、これが。
ファンタジーに関して言えば、NightWindさんの意見に賛成です。
基本は物語や世界観なので、恋愛は二の次ですから。
謎の雰囲気ですかw
うーむ、個性って事でしょうか?
ありがとうございます、頑張りますねーw

Re: 蒼穹、紅く燃えゆ ( No.18 )
日時: 2010/12/26 19:16
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jQHjVWGa)

ちょwwww来るの遅れましたwww

恋愛小説やってたんですか!!?
かなり面白いですねー・・・絶句です、はい(゜д゜ )

インク切れボールペンさんは恋愛もバトル系統もお得意なのですねw
もう全てに勝っていて素晴らしいとしか言えませんw

こちらも頑張って下さい〜。
応援してますよ(´・ω・`)ノシ

Re: 蒼穹、紅く燃えゆ ( No.19 )
日時: 2010/12/26 19:26
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

瑚雲さん。

来て戴けるだけで光栄ですよww

得意じゃないので修行の為の作品です。
いえ、全く物語が進展しない駄作ですよw
戦闘系は長く書いてたから多少は書けますが、恋愛系は全くです。
初心者なので、駄目な点があれば指摘をお願いします。

了解です、頑張ります。
応援に応えられるように懸命に頑張りますねー。


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