コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- たとえ・・・
- 日時: 2011/01/30 05:49
- 名前: 阿部大希 (ID: oHTfE6H6)
俺は、中学二年生の睦つかさ。今いるのは町の図書館だ。問題は場所じゃなくて時間なんだが、午後2時前後・・・別に長期休暇ってわけではない。俺は世間から言われる‘引きこもり’‘ニート’だ。二年生の春はきちんと学校に行っていたんだが、友達とふざけていた時、運悪く階段から落ちて、足を骨折。一週間くらい入院していて、その間授業はどんどん進み自分だけ追いてけぶりなきがした。実際そうなんだが、休み癖ってのがついてしまいズルズル行けなくなってしまった。別に友人といるのは楽しいし、勉強だってそこそこできていた。でも、もう無理。こうなってしまうと、学校に行ったらからかわれるだけ、勉強だって・・・変われない、変わったら自分が自分でなくなってしまう。なんて体のいい言い訳をしていた。
本来、中学生は学校に行くものだし、街中なんかで見つかれば、ちょっとした警察沙汰なのだが、俺は元々本が大好きで入学当時からのよしみで受付の人には許可を得ている。家にいては親がうるさいからな・・・そんなに大きい図書館でもないし、本も種類豊富ってわけでもない。休日だって、五人いれば多いほう。平日は一人いるかいないか。その程度だから、周りの目は気にしなくていい。実に居心地のいいところだ。っと今日は、そのいるかいないかの一人がいた。見たことのない人だ。歳は40前後、お世辞にもキレイとはいえないスーツを着ている。あっちも俺にきづいたようだ。
「・・・こんにちは」
俺は必要最低限のあいさつをしてさっそうと去ろうとしたら、
「あっ、ちょっとまちなさい」
ドキッとした。まさか説教をくらうのか、下手したら・・・なんて考えていてら
「あなた、なにか‘迷って’いらっしゃる」
俺は一応体を向けて、顔をうつ伏せにして聞いていた。
「あー、申し遅れました。私しがない‘占い’を少々やっていまして。あなたからそんな気がしたんです」
「はぁ・・・」
俺は、このご時世占いなんか・・・と心で馬鹿にして、とにかく警察沙汰にはならないように。っと願っていた。
「もっと具体的には・・・‘変わろう’としていらっしゃる」
「!!」俺は、初めて顔を上げ相手の顔を見た。占いはこんなに・・・こんなに的中なものかと。そりゃあ学校に行きたいし、小さながら‘夢’だってあった。やり直せるのなら、やり直してみたい!でも・・・
「でも、もうダメ・・・もう遅いと自分で止めている」
「はい。もう遅いんです。もう・・・もう変わっちゃダメなところまできてるんです」
俺は、初めて真剣になって話した。親でも、学校の先生でも、カウンセリングでもなく、初めて・・・
「・・・・・・私は今まで老若男女さまざまな人を見てきました。多からずあなたみたいな人いましたよ。原因はどうであれ、理由はどうであれ。それこそ、明日‘死ぬ’って人もいました。でも、それでも変わろうと、やり直そうとしていました」
俺は、もうこの人の言うことを毛ほども疑わず、信じていた。だからこそ、この言葉は,深く,重く!,強く!!心に届いた。
「たとえ明日死ぬとしても、やり直しちゃいけないって誰が決めたんですか?」
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