コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Memory Girl.
日時: 2011/03/04 19:47
名前: ぱこ ◆I0wh6UNvl6 (ID: E7aQ60YV)

こんにちは、はじめまして!
クリックありがとうございます(・ω・)♪
ぱこという者です。

このMemory Girl.(メモリーガール)というお話は、
記憶喪失になった平和を願う少女のお話です。
(平和のピースと記憶のピースをかけてます)

駄小説だと思いますが、
応援してくださると嬉しいです!
よろしくお願いしますm(_ _)m

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Re: Memory Girl. ( No.1 )
日時: 2011/03/04 19:56
名前: ぱこ ◆I0wh6UNvl6 (ID: E7aQ60YV)

 Cast
※主な登場人物なので物語が進むごとに増えていくかもしれません。
 完璧に覚えなくても大丈夫です。


(主人公)
楠瀬 心音 sinne kususe ♀
徐々に記憶を取り戻しつつある優しい少女。
だが少し変わっている。ペットに真っ白なペルシャ猫を飼っている。

(家族)
楠瀬 真嗚歌 maoka kususe ♀
心音の妹で心音が大好き。いつもくっついている。
みんなを気遣える優しくて面白い子。

(友達など)
日向 飛鳥 hityou hyuuga ♀
自分の名前が嫌いで『ひなた あすか』と名乗る。
少し引っ込み思案だが思いやりのある子。

風岡 レオ reo kazaoka ♂
一匹狼で仲間は作らない。だが慕われている。
個性的だが根は優しい。

Re: Memory Girl. ( No.2 )
日時: 2011/03/04 20:10
名前: ぱこ ◆I0wh6UNvl6 (ID: E7aQ60YV)

 prologue


1つ、また1つと蘇るピース(記憶)。

1つ、また1つと崩れてくピース(平和)。

人はどうして傷つけあうの?

・・・。

たくさんの時間を無くした私にはわからない。


     /

部屋の窓から、ゆっくりと明かりが入ってくる。
泥棒のように静かで、慎重に・・・。
もうとっくに目は覚めていたが、
それでも日の光はまぶしく感じられた。

真っ白のワンピースを着て、
真っ白のペルシャ猫と一緒に、
朝という心地よさを感じに外へ出た。

はるか遠くからのぼってくる太陽に「こんにちは。」
今太陽を感じているどこの国でも、
こんなに気持ち良い素敵な感覚を味わえたら、いいだろうに。

初めのうち、私がちょっとでも人と違う行動をとれば
すぐに心配され、おどおどした表情でこちらを見られる。
人間としての知識や理解はあったけれど、
性格や感情のズレがあった。
「すぐなれるよ。」
こんなてきとうな事を言った医者は許せない。
なれるどころか、私はこんにちはも言えなくなっていた。

でもある日のこと。
真嗚歌が言った。

「こころにはこころの心があるでしょ?」

最初は早口言葉かと思った。
そのぐらい、紛らわしかった。
でもその言葉には、ちゃんと意味があった。

「こころ(心音のこと)にはこころなりの心(人間の持つ心)というものがあるんだよ。」

と、教えてくれたのだった。
小さい子から何かを学ぶというのは、不思議な感覚だったけれど
平和を望むのに、こんにちはも言えない少女よりは
不思議ではなかった。

それ以来、ちゃんと自分の心を持つようにしている。
そして、私のあだ名も『こころ』になった。
ちゃんと心を持てるように、真嗚歌がつけた名前だ。

白猫が「ミャー」と鳴いた。
過去に思いふけるのはそろそろやめなくては。

朝ごはんの時間だ。

Re: Memory Girl. ( No.3 )
日時: 2011/03/04 20:28
名前: ぱこ ◆I0wh6UNvl6 (ID: E7aQ60YV)

 01/ワッフルガール


今日の朝ごはんは、
パン売りのおばさんが持ってきてくれる
特製のふわふわバターロールだった。
久しぶりに食べるパンおばさんのバターロールは、
なんだかなつかしく、優しい味だった。

「これ、嫌い。」
真嗚歌は、バターが苦手。
そんなにバターの味は濃くないよ、と
言い聞かせても断固拒否し続ける。
「これなら、いい。」
代わりに、ワッフルを皿にのっけてあげると
真嗚歌は満足そうにうんうんとうなずいた。
困った妹だ。
でもとてもすばらしい妹だ。

「まお、今年のハロウィンはワッフルになる!」
「ワッフル?」
「うん、ワッフルになる!」
私の家では、毎年必ずハロウィンをやる。
そして、私の家だけでなく町も、ハロウィンをやる。
毎年ハロウィンパーティがあって、
その日は町のどこからも「トリックorトリート」という声しか聞こえてこない。
「可愛いドーツィワッフルなの!」
ドーツィというのは、真嗚歌が好きな本の主人公。
ちょっと変わった姉を持つ、ドーナツ好きの女の子。
真嗚歌はちょっと変わった姉を持つ、ワッフル好きの女の子。

「それでー・・・こんな感じ!」
真嗚歌はハロウィン当日に向けて衣装作りを始めると言った。
今はまだ8月31日だと言うのに。
それでも真嗚歌は聞かない。
「ここは、こうかな?」
自分の思うドーツィワッフルを紙に描きたい、と
一生懸命手を動かしている。
8歳2年生の子にしては、よくできている。
でもそれを縫うのは私だ。

「できた!」
真嗚歌が描いたドーツィワッフルは、
体がすっぽり入る大きな布でできていて、手と足と頭が出る。
ワッフルの右上にはドーツィの好きなピンクのリボンがついていて、
とっても美味しそうだ。
「これで、コスチューム賞をとるんだ!」
もうこれじゃ何を言っても聞かない。
しょうがなく私は、ドーツィワッフルを縫い上げてあげることにした。

Re: Memory Girl. ( No.4 )
日時: 2011/03/04 20:53
名前: ぱこ ◆I0wh6UNvl6 (ID: E7aQ60YV)

02/スケッチブックの女の子


私と真嗚歌はドーツィワッフルのための生地探しに出かけた。
まずは、すぐ近くにある小さな商店街をのぞいた。
昔っぽい雰囲気が漂っていて、そこに手芸店がある。
「いらっしゃいませ。」
店の店員が営業スマイルで微笑む。

真嗚歌の思っているワッフルに、ぴったりな生地を探す。
真嗚歌は自分より何倍も高い壁に飾られている、
見本の生地を首を長くして見つめていた。
「首痛くするよ。」
そう言って肩車をすると、キャッキャと喜んでいた。
「あれがいい!」
真嗚歌が指さす先には、ちょうどワッフル柄と言っていい生地があった。
ほんわかした色で、いい匂いまで漂ってきそう。

「ありがとうございました。」
結局、買えたのは生地だけ。
私は次に、真嗚歌を街中のデパートにつれていった。
そこには可愛い雑貨や、手芸用のものもたくさんあった。
「それもいいな〜・・・。」
真嗚歌が見つめる先には、薄ピンクのスケッチブックがあった。
「買いに来たのはリボンでしょ?」
それでもまだ真嗚歌はあきらめてないようだった。

「あの・・・。」
声をかけられ、頭を上げるとそこには綺麗な黒髪の華奢な女の子が立っていた。
「このスケッチブック、どうですか?」
その子が手にしていたスケッチブックは、
真嗚歌が見ていた薄ピンクのスケッチブックとすごく似ていた。
話を聞くと、その子の母は絵画教室を開いているそうで
あまったから売りに来たのだと言う。
「なんだか、あなたたちとても素敵だなと思って。」
「だって、ワッフルだもん。」
真嗚歌はすっかり上機嫌で、ワッフルを連発している。
「すみませんが、ありがとうございます。」
私は深くお辞儀をして、その場を立ち去った。


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