コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ▽ 碧い空に手を伸ばして / 短編集
- 日時: 2012/12/17 19:45
- 名前: 祐希・花瑚・瑠那 (ID: FOqQFS6Q)
- 参照: ぶるーすかい → 碧い空に手を伸ばして に改名
こんにちは。クリックありがとうございます。
このスレッドは、とある同級生3人が集まり「お題小説を書かないか」ということで始めた、安直すぎる短編集もどきです。
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この小説は、お題をもとに、私たちが別々の短編を書くという設定です。
お題からなる短編集です。苦手な方はお控えください。たまにお題関係なしに短編書きだすことも。
恋愛|友情|ファンタジー など、様々なジャンルに挑戦中です。お題はいつでも募集しています。りくえすととかどうぞ!←
「このお題で小説書きたい!」という方は、ご自由にお書き下さい。一度コメントをして書いて下さると嬉しいです。
▽現在は短編置き場のようになっております。
お題小説ほとんど書けてませんが、もちろんお題は募集しておりますので気が向いた方はぜひぜひよろしくお願いします……!
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- Re: ▽ 碧い空に手を伸ばして / 短編集 ( No.182 )
- 日時: 2013/03/20 18:44
- 名前: 花瑚 (ID: 16H8oI1w)
【夕闇センチメンタル】
校門を出て俺の足で約10歩。大きな木の横のフェンスにもたれて彼女は静かに佇んでいた。
「ごめん……!」
息を切らしながらそこに駆け寄って、叫ぶように言った。彼女が伏し目がちに、ふるふるとちいさく首を横に揺らした。
もう下校時刻を20分も過ぎている。美術部は今日は一体何時に終わったんだろう、と思考を巡らす。日によって帰宅時間がまちまちな文化部に比べ、運動部は下校時刻を過ぎるのが当たり前である。
もう暦の上では春が来たとはいえ、夕方は少し肌寒いのが実情。しこたまグラウンドを走り回った俺は、薄手の青いユニフォームでも寒さは感じないが、ただ俺を待っていただけの彼女はやはり少し寒いだろう。
何かあったかい飲み物でも買ってくりゃ良かった。
今さらそんなことに気付く。どうして俺はこんなに気が回らないのだろうか。
あー、待たせてんの俺だっての。
ぐるぐると自己嫌悪を抱えながら彼女の方に向き直る。
と、
ひゅーひゅー!いちゃつきやがって!
同じサッカー部の連中が、やかましく囃したててくる声が背中越しに聞こえた。
「お前らうぜえよ!ばーか!」
なんて、俺も振り返って馬鹿みたいに叫んだ。
奴らがにやにやとこちらを見つめているのが夕闇の中でも分かる。
何であいつにあんな可愛い彼女がいるんだよー、マジ意味わかんねえ!
奴らは俺が振り向くと、口々に羨ましげな声を発し、こちらに背を向けて去っていく。
奴らの声が完全に聞こえなくなってから、
「俺らも帰ろ?」
振り向きざまにそう言って歩き出した。
———はずだった。
どん、と背中にぶつかる重さ。
少し火照っていた体の温度が急速に下がっていくのを感じた。
背中に熱が集まっていく。
なにこれ。
彼女が、俺に抱きついていると分かるまで数十秒時間を要した。
だって、なんで、え。
ユニフォーム着替えたけどまだちょっと汗かいてるし、自分自体が汗臭いし、汚いし。彼女みたいに綺麗で柔らかいものが、触れるのにはあまりにも適していなさすぎて。
限りなく控えめで、可愛くて頭が良くて、いつもにこにこと俺のくだらない話を楽しそうに聞いてくれる彼女。ほんとに何で俺なんかと付き合ってくれてんだろうっていつも思ってしまうのに。
こんな、こんな。
———彼女は俺に触れたりしない。
ひたすら混乱して硬直する俺に彼女は、
———ごめんね
と消えいりそうな声で呟いて、俺のユニフォームをぎゅ、と握る手に力を込めた。
風が吹いて気付く。
背中が冷たい。熱はそのまま保持されているのに、彼女の顔をうずめている部分は恐ろしく冷たくて。嗚呼、彼女はこんな風に泣くんだ。
涙が俺のユニフォームにまたじわじわと染み込んでいくのを背中越しに感じて、やっと大暴れしていた俺の思考がぴたりと静止する。
何か言葉を。
必死で探しても、語彙力のない俺がかけられる言葉なんてたかが知れていて、
「何かあった?」
そう尋ねるのが精一杯だった。
俺が彼女の悩みなんて分かるはずもなくて、心当たりと言ったら
俺との別れ話?
なんてねー!なんて笑い飛ばせない。やっぱり俺うざいかな。
週に一回とはいえ毎回こんなに待たされて、彼女はもう疲れてしまったのだろうか。それとも、何か他に———。
彼女は首を横に振って、また
———ごめんね
と言った。
そして、静かにそっと俺から離れた。
途端広がる距離。近づいた心までもが急速に離れていくようで。
冷たい風が隙間を吹き抜けていく。
ねぇ、今どんな顔をしてる?
俺は、彼女以上に泣きたいのかもしれない。俺の背中にすっぽり隠れられるくらいちいさなちいさな彼女を、どうしようもなく守りたいと思った。
俺のこと好き?俺と一緒にいて楽しい?
———今俺が抱きしめても、もう拒まないでいてくれる?
体が勝手に動く、というのはこういうことなんだなと思う。
気付いたら俺は体を反転させて、彼女のちいさなちいさな体を、躊躇いなく抱きしめていた。汗臭いとか汚いとか全然関係なくて、ただ抱きしめたかった。
華奢な体に、初めて彼女に触れたときの感触をまた思い出す。
柔らかくてあたたかくて、ふわりと彼女の香り。もう、あれから3ヶ月経っている。
かたかたと震える両手を隠すように
———男の人が少し怖いの
そう言って、俺の腕から静かに抜け出した彼女の哀しそうな横顔が、あの時から脳裏に焼き付いて離れない。
彼女に触れようとする度、思い留まる。
以前彼女に何があったのかは知らない。震えるほど男が嫌いになるような経験を、彼女がどこかでしたのか、俺には分からない。
分からない。
でも、俺はあれから彼女には触れていない。触れられない。それでもいいと思っていた。ゆっくり進んでいけばいいと、そう思っていた。
だから、ずっと、我慢して。
今、俺の腕の中にいる彼女は、震えていない。始め戸惑っていた指たちも、今は縋るように俺の背中に添えられている。彼女はまた静かにはらはらと泣いた。
その姿を見て、ひどく安心する。
彼女との距離が少し、縮まった気がして。
ひとしきり泣き終わった彼女は、俺の顔を見上げて申し訳なさそうに俯いた。
「ごめんなさい」
ぽつり、そう言葉を風に乗せる彼女に、
「そこはありがとうでしょ?」
顔を覗き込むように笑ってやった。
彼女は驚いたようにぱちぱちと瞬きをして
「……ありがと…う」
息を詰まらせながらそう告げた。
胸の奥が掴まれる。揺さぶられる。どうしてこんなにも、彼女の言葉は心に響くのだろうか。
彼女は俺の顔を見つめると、またうるうると瞳を潤ませる。
なにこれ、超可愛いんだけど。
俺は赤くなった顔を隠すように、またぎゅ、と彼女を抱きしめた。
「うわっ…!」
ちいさく彼女が悲鳴を上げて、俺の胸にぽすんと顔をぶつけた。
彼女が笑う。嗚呼、やっと。
俺はこの笑い声が好きなんだ。
俺もつられて笑う。
「あのね……」
彼女の形のいい唇からどんな言葉が紡がれていくのか、俺は知らない。過去に彼女がどんなことを経験したのか、今何に苦しんでるのか、まだ何も知らない。でも。
———この話は別れ話じゃないってことくらいは俺も知ってる。
- Re: ▽ 碧い空に手を伸ばして / 短編集 ( No.183 )
- 日時: 2013/03/20 18:22
- 名前: 花瑚 (ID: 16H8oI1w)
できたーーー!
みなさんの反応はともかく、書き終わったという充実感でいっぱいの花瑚です。
久しぶりに男子目線…!
ずっとサッカー部の男子が書きたかったんですww
でも一番ユニフォームが薄いのってサッカー部ですよね((あれ偏見?
なので涙を染み込ませるためにはサッカー部しかありえなかった!w
一人でも見てくれる方がいたら幸い。
- Re: ▽ 碧い空に手を伸ばして / 短編集 ( No.184 )
- 日時: 2013/03/20 19:50
- 名前: ひろ (ID: nZxsmZ3d)
か、わ、い、い((^ω^三^ω^))
とりあえずそれだけ言いにきましたww
花瑚の小説可愛すぎる。
- Re: ▽ 碧い空に手を伸ばして / 短編集 ( No.185 )
- 日時: 2013/03/20 20:27
- 名前: 花瑚 (ID: 16H8oI1w)
ひろありがとうっ
ね、珍しく我ながらいいの書けたんじゃまいか!思ってます←
自己満足なのは百も承知・*・:≡( ε:)
書いてて楽しかったもの。
こいつらに名前つけてやればよかったな(今更)
- 失恋 ( No.186 )
- 日時: 2013/06/21 00:45
- 名前: 瑠那 (ID: hoeZ6M68)
単純な自分は話しかけてくれるあいつが割と好きだった。
あいつと学校が違くて、寂しくなった。メアドを交換したけど、なかなかメールできなくて、結局通じなくなった。
あいつと偶然会ったときも、ちゃんと言葉を交わせなくて後で後悔する。
友達に言えないほど好きなんだ。
ツンデレに見せてるけど、心の中ではデレデレなんだ。
あいつに偶然会うたびに少しでも…よく思ってほしくて、メガネからコンタクトにしてみたり、髪を伸ばしたりしてみた……。
Love(好き)じゃないよ
大きな大きなlike(好き)なんだよ。
だってlove(好き)なんて分かんないもん。
ただただlike(好き)なんだよ。
そんな好きを消したくて、あいつに勝手に交換されたコンパス捨ててやった。
通じるはずがない、あいつの電話番号を消してやった。
通学途中、偶然あいつと会えたらいいなって思う自分が嫌でチャリ通からバイク通にした。
偶然会えたらいいなって思ったり、夢に出てきたら嬉しくなったりしたけど、もう好きじゃない。いい加減諦めろ!
もう好きじゃない。
だけど、やっぱり好きだったのかな?
あいつに彼女がいると知った。
胸がモヤモヤしてるのか、ぽっかり穴が開いたのか分かんないけど……。
やっぱり好きだったのかもしれない……。
友達みたいにお互いに好きになって、その好きって気持ちが通じればいいなって思ったけど……
自分にはまだ無理なんだ……。
初めて告白して、フラれて、学校が離れて、それなのに『好き』が消えなくて……
ようやく諦められる。
うっとうしい自分から脱出できる。
一歩進める……
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