コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- スカイガールズ!!
- 日時: 2011/06/05 09:09
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
あたしのこのむずむずとした抑えきれないこの気持ちを
あんたたちにぶつけてやるんだから!!
-スカイガールズ-
*初めに
どうも、玖龍です。
この版に限らず、ほとんど無名の私がライトに挑戦します。
バンドとか全く知識がなくてゥワッホーな私ですが、取材はしますので安心してください。
今回、プロットは一切立てておりませんのでご了承ください。
長編になるか短編になるかもわからない小説ですが
どうぞお楽しみくださいませ。
*お知らせ
・6/4(土) スレ設立
*目次
・prloge >>1 6/4更新
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- Re: スカイガールズ ( No.1 )
- 日時: 2011/06/04 18:28
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
*prologe
時々、何かしたくてたまらなくなる。
あたしの中の「やる気」の渦がぐるぐる渦巻いて、泡をぼこぼこと立てて、抑えられなくなる。
何か、あたしが熱中できるもの……。
いつもと変わらない穏やかな街の風があたしの頬をさらりとなぜる。道の脇に堂々と立つ緑色の葉っぱをつけた巨人も、すこし遠くに見える大通りを猛スピードで走り抜けていく色とりどりの小人も、すべてがあたしの為に動いているようで。
蒼く澄んだ真昼の街から自分の部屋に目を戻すと、薄汚れて汚い感じがした。それでも、机の上にあるあたしの為の栄光は逃げない。
「『今年最高のガールズバンド、〝ブルードロップ〟が最優秀新人バンドを獲得』……ねぇ」
声に出して読んでみても、あたしの中のむずむずした気持ちが抑えられるわけはない。
「まるであたしに叩きつけられた挑戦状みたいじゃない」
クスっとわらって、机の上にちょこんと乗っかっている水色のギラギラとデコられたノートパソコンを閉じると、窓からの風がカーテンを押し上げた。
あたしは椅子をたってカーテンをくぐった。
「ガールズバンド、やってみようじゃないの!!!」
あたしの決意の叫び声が町中に響き渡るように、大声で叫んだ。
あたしのためのこの街の住人が、あたしに返事を返してくれたようなきがした。
- Re: スカイガールズ ( No.2 )
- 日時: 2011/06/04 22:06
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
*第一話 「いや、無理だろ」
「ええぇぇぇえええぇぇええ!?」
彼女の盛大な悲鳴に近い驚きの声に、教室中が彼女を一瞬振り返った。一秒間だけ彼女を眺めた後の教室はいつもと同じようにがやがやと騒がしくなって、彼女は安心して溜息を吐いた。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。あたしの決意よ、決意!」
あたしが大きな声で喚いても、皆は振り向かない。きっと、「いつものことだ」とか思っちゃってるのね。やなヤツばっかだわ。
さっき大声を上げた美紗が、またいつものように後ろ向きに座った状態で眠る前の猫みたいな顔になってだらんと背もたれにもたれかかった。
「いや、だってさ。ガールズバンドって結構大変だと……。だって、楓さ、音楽経験まるっきりナシじゃん」
「いやいや、音楽なんぞあたしの手にかかればちょいちょいよ!」
「いや、無理だろ。……なんていっても止まらんか。えっと、楓は何人ほしいの?」
背もたれから動かないだるそうな美紗。この中学の制服のスカート短いんだからそんな格好してたら……。
そんなことを頭の隅で考えながら、あたしは自信たっぷりに言った。
「四人よ!目指すは〝ブルードロップ〟を超えること!!今世紀最大のガールズバンドを結成するのよ!!!」
三回目の大声。当然皆は見向きもせず、女子は固まってぺちゃくちゃ喋り、男子は教室中を走り回っている。
「あんた、厨二病だったりする?……んなわけないか。まぁ、とにかく四人ね。楽器とかはどうすんの?」
椅子にもたれかかるのを止めて、しゃんと背筋を伸ばした美紗は、いつもより凛々しく、強いイメージがあった。
「あら?あーだこーだ言ってる割には結構乗り気なワケ?……決まってるでしょ。ボーカルよ、ボーカル。なんならギターも一緒にやってもいいわよ?」
「とーぜんじゃない。あんたのうずうずした気持ちってのについてくのが私でしょ。……ボーカル。いいじゃん、決定で。ああ、カルテットならギターもやってよね」
「オッケー」と、声の調子を変えずに言おうとしたところに邪魔者が入る。あたしたちの会話はいつもこうだ。盛り上がってきたところに必ずといっていいほど邪魔者が入る。
今日の邪魔者は、古くさい独特なこの学校のシンボルだった。
『ゴーン……ゴーン……』
中学校生活二年目だけど、このチャイムはいまだに好きになれない。もうちょっとハジけたほうが好みなんだけどな……。
固まっていた女子が崩れ、男子は追いかけっこをやめ、教室は椅子をがたがたと揺らす音でいっぱいになった。
「じゃあ、また後で」
美紗が名残惜しそうな顔で椅子から降り、向きを変えて座りなおすところを、あたしも同じような顔で見ていた。
「はーい、ホォームルゥームはじめるわよぉー」
休み時間までの間が、小太りの担任のだらだらとした喋り方を差し置いて堂々と「じれったい賞」を受賞した。
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