コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ!
日時: 2011/07/03 12:52
名前: 北野(仮名) (ID: arQenQl7)

クリックありがとうございます!
ここは簡潔に言うと短編小説を募るページです

毎週金曜日(まあ、ほとんど)にお題を出してですね、そのキーワードを使って短編物を創作するってのを内輪でやってんですよ
お題はスゲー適当(パソコン・ニート・仕事とか単語で)
それをその中の一人が「カキコに投稿していこうぜ」とか意味の分からないことを言い出してこんな事になってるんですけどね

下には今までのお題とそれから出来た短編を少し載せています
「何これ?ショッボ。俺のがまだ書けるわ」
と思い、書く元気のある人は是非、一作投稿して頂ければと思います
まあ、文章が上手になったらなーと
投稿して頂いた物は私『北野(仮名)』が責任を持って、この、下の、クリックしたら飛ぶ感じのにしてまとめさせていただきます



滝、ダンボール、ビックリ箱
北野…>>1>>2

阪神タイガース、信号、おじいさん
北野…>>3>>4 バリ男…>>8 雪国…>>10>>11>>12



アイスクリーム、テスト、鏡
北野…>>5>>6>>7

エアコン、カレー、高校生活
雪国…>>9

辞書、時計、文化祭
北野…>>13>>14>>15>>16

サッカーゴール、禁固刑、効果音

ミッキー>>17

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Re: 金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ! ( No.13 )
日時: 2011/06/28 22:41
名前: 北野(仮名) (ID: uel54i.x)

今回は北野(仮名)のやつだよ。結構長かったりする。
二週間かかりました。
お題は辞書、時計、文化祭





「お前達はすでに方位されている!さっさと籠城を止めて出て来い!」

そう校舎の中の、自分自身の教室の前に誠二が着いた時、本物の警官…と呼ぶには程遠い紛れもない警察のコスチュームを身に付けた高校生がメガフォンを目指して丸めた紙の塊を口に当ててさもそれらしく大声を張り上げた。そいつから数メートル離れた所で群衆がおろおろと眺めている。

「何だよこれ?出し物にしては過激だな」
「出し物じゃない!マジで変な奴らが来たんだ」
「ハァ?テレビの見すぎだ。どけ、ここは俺の教室なんだよ」
「なんで信じてくれないんだよ!?」
「あのふざけた格好見て信用しろと?」

さっきから叫び通している妙な同級生を指差した。

「あれはうちのクラスがああいう喫茶で…」
「黙れ。俺は入る」

そして部屋に入ろうとドアに手を掛け、ぐっと力を込める。だが、僅かにカタリと反応しただけでそれ以上の進展は無かった。中から鍵がかけられているようだ。全く折角の文化祭になんでこんな…

「誰だ今開けようとしたのはぁっ!?」

野太いおっさんの怒鳴り声が響く。向こう側からドアが、ガタガタと揺れるほどに殴られた。

「えっ…もしかして実話なのか?」
「さっきからそう言っているだろう!?」
「一体何が…」
「遡ること10分前の話だ」








《《《《《《》》》》》》

「いらっしゃいませ。注文は何に…」
「いるかぁっ!!」

いきなりうちのクラスの出し物(喫茶)にやってきた三人の大人は椅子に座ったにも関わらずすぐに立ち上がり、銃を取り出した。ゴトリと重量感を感じさせる漆黒の外見が本物だと物語っていた。

「キャアアァッ!!」

その凶器を目の前に差し出されたら、クラスの女子は一斉に悲鳴を上げた。男子は驚きで悲鳴すら叫べなかったが。何にせよ、危機的な状況に変わりは無かった。その五月蝿い状況を鎮めるため、その3人組は弾を校庭側の窓ガラスにぶっぱなした。ガシャーンと激しい音がして、ガラスは粉々になり、パラパラと外に降り注いでいった。教室は完全に恐怖に占拠された。そして意味の分からないことをほざきだした。

「腕時計と辞書を持って来い。分かる奴にはこれで伝わる」

それだけ言って教室の鍵を閉めてほんの数人の人質を取ってたて籠もった。


《《《《《《》》》》》》

「尚更あいつ何やってんの?変にキレさせたら危なくね?」
「もう言ったよ!一向に言うこと聞いてくれないけどね!!」
「あいつ最低だな…」

なんかもうだるいから戻ろうと思い、踵を反したその瞬間、さっきの説明に出てきたあるいくつかのワードがフラッシュバックした。

……腕時計と辞書?

一旦見放そうとした自分だが、重要なことを思い出し、ガバッと物凄いスピードで振り替える。

…分かる奴には、分かる?

まさかあいつらの狙いは、宝具じゃないだろうか。だとしたら見過ごす訳にはいかない。誠二がそう悩んでいたとき、情勢に変化が起きた。

ズンッ!!!

腹の奥に音の衝撃が突き抜ける。まるで太鼓を目の前で叩いているようだ。ただし、威力が比べものにならない。叩きつけられると言うより、体中を押し潰し、貫通させるような重撃、何が起こったのかは瞬時には理解出来なかった。さっき、腹の奥に衝撃が突き抜けると言ったが、実際は背中を介して腹の裏側から貫くと言った方が正しそうだ。体を掻き毟る感覚を与えるほどの音量、そこまでうるさいとどこが発信地か分かりづらいが、今のは確かに背後から、教室の反対側の窓の外から聞こえてきた。つい先ほどしたように瞬時に後ろを振り替える。目に移ったのは驚愕の景色、黒の流動体で視界は埋まっていた。それが窓から侵入してくる前に、咄嗟に窓をさっしに叩きつけた。黒煙はもうもうと流れるように飛び揚がって行く。火山の噴火のように煙は留まるところを知らない。黒きの中にチロチロと蛇の舌のように深紅の一筋の光が揺れる。煙が少しずつ晴れていくのにしたがって炎の強さは対照的に強くなる。最後に、完全に晴れたとき、眼前にあったのは到底現実とは信じたくない
光景だった。

「……嘘っすよね?」

そこには、ありえない物があった。いや、あるはずの物が原型を止めずにそこにあった。爆炎に包まれながら体育館は瓦礫の山と化していた。屋根は吹き飛び、床の板はめくりあがり、コンクリートからは鉄骨が顔を出している。確か体育館では吹奏楽部のコンサートをしていた…

「守人に告ぐ。早く持って来い。急がないとあの光景が現実になるぞ」

一体何を言っているんだ?すでに体育館は爆破されている。そのとき、頭の中で何かが弾けた。

「まさか……」

もうすでに他の守人はあいつらの手に落ちた…そうとしか考えられない。信じたくはないが…とするとこの宝具は映写機か。確かあれの効果は立体映像の照射だったはずだ。

「一つ教えておく」

ドアの向こうから声が響く。ガラス越しのぼんやりとしたシルエットで分かることはあっちにいるのは二人で、片方は大柄の男だということだ。

「ついさっき一人の仲間を外に出した。守人が自分から出て来なかったら手当たり次第に……な」
「めんどくせぇっ…」

ったく何だってんだよ。普段勉学に勤める俺たちを悼む気持ちを持ってくれ。全くしょうがないなぁ。とりあえず誠二はロッカー室に向かって歩きだした。

Re: 金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ! ( No.14 )
日時: 2011/06/28 22:42
名前: 北野(仮名) (ID: uel54i.x)

「準備OKっと」

小脇に分厚い紙の集落を抱えた誠二はロッカー室から出た。すでに外には人がいなくなっていた。上から見たときには崩壊していた体育館もいつも通りにそこにある。人がいないガランとした殺風景な場にかすかに聞こえるギャアギャアと騒ぐ声。おそらくまだ連中と交渉しているのだろう。そこに、突如響き渡る誰かの足音。その歩みは確かにこちらへと近づいている。カツンと小石を蹴る小さいのがこだまする。足に当たったであろう小石は跳び跳ねながら転がってきた。逃げる暇は無いようだ。もっとも、初めからそんなことをするつもりはないが…

「ま、先手必勝だな」

手に持つ分厚い本を開き、中から円錐状の普通のものよりやや大きめの何かを取り出す。左手でその立体を持ち、右手で先端の尖っているところから垂れている細長い糸を持った。するとついに敵さんが姿を現した。銃を持ってサングラスを掛け、黒いスーツに包まれている。どこぞのロボットだよ。どいつもこいつもテレビの見すぎだっつの。誠二は、そんなふざけたことを考えながらも冷静に右手に握り締めている糸を引っ張った。

ドパンッ!!

何本もの紙テープと共に中に入っている火薬が炸裂する。だがまあ言ってもクラッカー。人を攻撃するような威力は無い。それでも不意討ちとして威嚇させるのはできる。案の定いきなり現れたそいつは驚き跳び退き、段差に引っ掛かり尻餅を着いた。

「おもちゃかよ。ビビらせやがって」

ズボンの後ろ側の汚れをはたきながら起き上がった。やや機嫌が悪そうに、眉間に皺を寄せて銃口をゆっくりと持ち上げて誠二に照準を合わせた。顔色一つ変えずに引き金に指をかける。かけた指にゆっくりと力が込められていく。それに従い、引き金も湾曲していく。そして、銃弾が撃たれようとしたその瞬間、




ピッ



引き金が完全に引ききられる。サイレンサーが備わっているようで静かに銃撃は放たれた。弾はすっと誠二の横を反れていくように見えた。実際のところ誠二が避けたのだが、そんなことができる訳ないと高をくくった男はそう思ったのだ。何にせよ、当たらなかったことには変わり無い。

「外したか…」
「避けたんだよ」
「馬鹿なことを言うな」

短い会話が終わった刹那、男は動いた。右足で地面を踏む。左足を蹴り上げ、ものの数歩で五メートル近くあった距離がなくなる。それに即座に反応した誠二は構えをとる。目の前の男が自分から見て右側の腕を引いた。それを見て右腕でいなし、受け流す用意をする。振りかぶった左手が受け身をとろうとしている右手に近づいているときに、腹に痛みが走った。目線を下にずらすと脇腹に右腕が食い込んでいた。

「痛っ…!」
「舐めんなよ。俺のフィールドは肉弾戦だっての。フェイク入れるぐらい訳ねーんだよ」
「なるほど」

強がってみたがはっきり言う、かなり痛い。さすがに骨は折れていないが痣は幾分か残りそうだ。でも…これならいいね。使ってもお咎めがなさそうだ。

「フルパワーで使えるよ」
「あぁ?てめぇ何言っ‥」

———時計の力を


「お前‥‥当たりか」

強敵を見つけた、そう顔に書いてある。さも嬉しそうに舌なめずりをする。野生丸出し、蛇かっつーの。それとも…戦闘狂?痛みは思ったよりも強く、耐えるだけで全身から汗が噴き出している。顔に浮かぶそれを手で拭い、口に入り込んだそれを唾と一緒に吐き出した。ペチャッと地面に当たり、コンクリートの上に、浸透することなく広がる。

「いーや、外れだよ」

片目をつぶり、顔をしかめ、痛みに耐えながら右手の人差し指を左手首の辺りに持っていく。その様子を見て男は一旦距離を置いた。

「言うねぇ」

楽しむようにニヤリと一瞬笑った後、舐められたことに対して目を細めて片側だけ口の端を持ち上げて苛つきを顕にした。目からは真剣さと不真面目さが滲み出ている。左足を地面に付けて動く気配の無いまま、右足を浮かせてジャッ、ジャッとコンクリートの上で砂を擦り掻き回した。

「だったらそうだな。倒した後で弱すぎたと、守人にしては外れだったと盛大に言ってやるよ」

お互いの目に映ったのは殺気を湛えた目で自分の姿を睨み付けるお互いにとって邪魔な人物。若干の沈黙が訪れる。とても短い、あって無いような微妙な間隔だったが、準備をするのには充分だった。神経を研ぎ澄まし、感覚を鋭敏にすることで自身の肉体を最高潮に持っていく大の男に対し、誠二は対照的に穴が開くほど、じっと敵の姿を眺め続けていた。何かのタイミングを測るように、ただひたすら観察していた。そういう二人である、観察に終わりなど無いので、必然的に先に動くのは男の方だという事になる。ポテンシャルを最高点に達させた瞬間、勝負を仕掛けた。さっきからずっと右足で擦り、足元に蓄めておいた砂の山を蹴り跳ばした。音を立てることなく、砂ぼこりは宙にゆっくりと舞い上がる。無風の状況下、砂は払われることなくゆっくりと地面まで自由落下するだけ。それが地に落ちきる前に蹴りを入れられる間合いに入り、なおかつ放つ自信があった。砂ぼこりが舞っているのでこちらからも向こうの姿はよく見えない。だが、影で大体だが、位置は掴める。男は、槍の
一撃のように、鋭く素早い蹴りを放った。


ピッ


ゴンッ!

妙な機械音のした後に爪先が何かに当たる手応えを感じる。仕留めた、そう思ったときの話だ。突然沸き上がる凄まじい痛み。まるで金槌で思いっきり足の指を叩きつけられたような激痛が爪先から全身へと駆け昇る。

「何しやがった?ガキが」
「何言ってんのさ勝手に柱蹴っといて」

砂煙が晴れたとき、ようやっと分かった。自分が蹴ったのはただのコンクリートの四角柱だと。

「……なぜだ?」
「何がだ?」
「お前は確かに動いていなかった。避けていなかった。なのになんで俺は柱を蹴っているんだ?」
「さあな」

パラパラと紙をめくる音が小さく反響する。

「フィニッシュだ」

身の回りに大量の黄色い正方形を型どった紙片が大量に散布する。中心には茶色い粉が押し固められたようなものがろうみたいなものに包まれている。昔陸上部だったこの男はすぐにこれが何か分かった。雷管だ。

「着火」

火を点けた状態でライターを放る。回転しながら放物線を描いている。そして、紙片の山へと…

「待っ…」

ドパパパンッ!!

凄まじい爆音を上げ、その音のショックで気絶させた。

「まずは一人」

Re: 金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ! ( No.15 )
日時: 2011/06/28 22:44
名前: 北野(仮名) (ID: uel54i.x)

これは辞書たちの続きですが、この話のお題は
サッカーゴール、禁固刑、効果音です


「教室に戻るか」

グラウンドのトイレに倒した奴を無理矢理押し入れて、出れないように外に用具入れなどを置いて、閉じ込めた後に、誠二はパンパンと手で手を叩き、埃を払った。普段使われていないこのトイレは薄汚れていて、埃は浮き、舞ってすらいる。ただでさえ不潔な場所なのに、違う意味で汚いともなると、すぐにここを出たくなった。忘れ物が無いか、しっかりと確認する。辞書も持ち、腕時計も腕に付きっぱなしなのを見て、その場を後にした。

▲▼▲

「ただいま〜」

そんなことを言って教室の前に帰ってきたが、出迎えはほとんど無かった。相も変わらずギャアギャア騒ぐクラスメート共。それを、姿を隠し、教室内から超常の力で、正義の道具である宝具で圧迫するクズ共。

「どけ」

辞書を片手に、腕時計を携えて、群衆を掻き分けてドアに近づいていく。ただ怒っているだけの奴も、野次馬も、穏便にすませようとしている奴も、俺から見たら危ないだけで下がっていてもらいたい。手元の分厚い本をパラパラとめくった。カ行のあたりで二ヶ所のページをすぐに開(ひら)けるようにする。

「ガスマスク」

一旦表紙に近い方のページを開く。そして、ガスマスクと言った瞬間、誠二の手にはそれの実物があった。目と口のあたりが、独特な形をしている、金属製のずっしりと重い仮面。

「クロロホルム」

次に出てきたのは硝子の小瓶。中には液体が波打っている。まず誠二はガスマスクを被った。そして、なにが起きているのかさっぱりの連中の目の前でそのガラスビンを床に叩きつけた。

「ここから先は一般人は見てはいけない」

すでに気化した麻酔薬を吸ったみんなはその場に目を閉じて安らかに伏していた。摂取しすぎないように廊下の窓を開けてからまたしても鍵のかかったドアに向かい合った。

「プラスチック爆弾」

辞書のハ行のページを開く。そしてそのまま、その部分をドアに押しあてた。ドア一面を危なっかしいものが取り囲む。次に、タ行のページを開いた。

「突風」

凄まじい威力の風が吹き乱れ、転がっているクラスメートたちをいとも容易く吹っ飛ばした。最後に、自分が被爆しないためにその場から離れた。ドアを包み込む物体と共に取り出したスイッチの、上端の赤い部分をめり込ませた。

ズンッ!!

あの時の、最初ここに来たときと同じ感覚がする。腹の奥を突き抜ける衝撃が、爆音が、火薬が、陸上と同じように勝負のスタートを告げた。

「ここまで逃げなくても良かったかな」

安全を確保するため、必要最小限しか爆弾を置かなかったのでドアの端だけを爆炎が包む程度で終わった。サイズが合わなくなり、バタンと倒れ落ちた。

「…誰だ?」

いきなりドアが紅炎に包まれたのを見た内側の人間は状況がすぐには理解できなかった。

「宅配便、だと思ってくれたらいいよ」
「分かったお前が守人か」

始めの方にドアを内側から打っ叩いたであろう大柄の男が立ちふさがる。

「宝具を届けに来た、ということか?」
「届けるのはペナルティさ、ルール違反は粛正しないといけないだろ?」

男の眉の端が少し上がる。瞳の色が、暗く冷たくなる。ただの挑発と思ってまともに受け止めていないが、ペナルティは実在する。それを決めるのは俺なんかじゃない、他ならぬ道具自身だ。

「罰を軽く見るなよ。お前たちはもう闇中禁固はとりあえずほぼ決定してるんだからな」

先ほど眉を釣り上げたときに細められていた目が見開かれる。前の奴はそんなことは言わなかったぞ、そう言いたそうな目だ。全く単純極まりない、いつも俺がこう言ったらこれなんだからな。

「俺の業界、“こちら側のセカイ”での俺のジョブ(役目)はジャッジマン、裁く者だ」
「こちら…側の?」
「ああ、超常のな」

誠二はそう言いながらまたしても手元の辞書に手を掛けた。

「させるか!」
「なんてな」
「!?」

ドガアァンッと激しい爆発音が外から聞こえる。暗く淀んだ銃口を男が俺に向けた瞬間にその騒音がこだました。何事かと思い、すぐさまそいつは反応した。つい今自分に向けられたばかりの銃口がそっちに向けられたのを見て、誠二はほくそ笑んだ。

「予想通りだ」

視線の先にあった物はスピーカーだった。ロッカーの前でもう一人の男を倒した後に外から教室のベランダに転送しておいたのだった。これから発せられた効果音に目の前のそいつは見事に反応した、という訳だ。

「じゃあな」

さっき銃口を向けられることで遮られた行為を再開する。パラパラと流れるように辞書のページをめくる。その指は的確にサ行のあるページを差した。

「しまっ…」
「サッカーゴール!」

相手の上空にサッカーゴールが現れる。気付いたときにはもう遅かった。教室に、白く重たいそれは悪人を下敷きにして軋みをあげる校舎にのしかかった。ほんの少しの嗚咽をもらし、意識を無くした。

Re: 金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ! ( No.16 )
日時: 2011/06/28 22:44
名前: 北野(仮名) (ID: uel54i.x)

「お前たちがなんで俺の所に来たか分かるか?」

誠二は残っている一人の女に問いかけた。

「映写機に映ったからよ、地図が!そこに宝具があるって!だから、だから私た……」
「まだそれが罠だと分かってないのか?」
「え…?」

恐怖に染まった顔に僅かばかりの疑念が浮かぶ。微かな絶望と共に…

「どの宝具であろうと所有者の手元を離れたら俺まで案内するようになってる。裁くために、な」
「そんな…」
「一応宝具を二つ持ってる俺は“こちら側のセカイ”では最強なんだ。この載ってる言葉が実物として出てくる辞書とボタンを押したら…」

女は咄嗟に懐に手を突っ込んだ。そして、ナイフを取り出した。そのまま、誠二の元へと一直線に突き進んでくる。短い刄が誠二に牙を向こうとしたそのとき、


ピッ


誠二の姿は女の視界から消えた。標的を見失ったナイフはそのまま空気を素通りした。バランスを崩したその女は無様にもそこに倒れこんだ。

「なんで?」
「これが腕時計の力だ」

ボタンを押したら時間を止める。ドラえもんのタンマウオッチと全く同じ。

「貴様らの敗因はその傲りだと知れ」

罪状を言い渡す、そう続けた誠二に女はぶちギレた。

「私たちはちゃんと計画を練って、考えて考えてこれを実行している。高校生相手にも全力を注いだ!これのどこが傲りだ!」
「この世の理も知らずに宝具を振り回す、それがすでに傲りだと言っているんだ」

———判決を言い渡す

「この世の理の第一条に基づき、この者ら三人を闇中禁固の刑とする。期間は五年!」

ブラックホールのような闇が三人を包み込んだ。

「闇の檻に捕われて、更正しな」
「嫌だ、嫌だ!」
「安心しろ。そこに苦痛は無い。ただ暗きが広がるだけだよ」

そうして、門は閉じた。



これは、ある学校で起きた、超常の事件。この日を境にこの手の事件が次々と来訪してくることになるのだった。

Re: 金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ! ( No.17 )
日時: 2011/07/03 12:51
名前: 北野(仮名) (ID: arQenQl7)
参照: もうゴールデンウィークのネタが尽きたんだ

今回は、作者の知り合いパート2のミッキーの作品



題名 サッカーゴール
効果音 禁固刑

毎日が単調な生活。刑務所とはそういうものだ。そのなかでも禁固刑はひどい。他の刑ならば、仕事中に仲間と話したり、仕事に専念して退屈をしのげるだろう。でも、禁固刑はその仕事すらない。殺されるわけでもないから、死への恐怖もない。ただ、毎日が単調で退屈なのだ。
そんな退屈な生活で俺たちは、だいたい二つのことを考えて暮らしている。1つは、俺には関係ないが罪を償って、刑務所をでた後のこと。それと、一年に一回の、囚人サッカー大会のことだ。
この大会はあるお偉いさんが、昔始めたことで、その時に俺もこの刑務所に来た。大会が今年で20周年だったから、俺も20年ここにいるわけだ。20年前は俺も、もう少しきれいなサ…
「ピンポンパンポーン.サッカー大会に出場する囚人はすみやかに中央グラウンドに集まりなさい。繰り返すサッカー大会に…」
そんなこと言ってたら、出番だ。この俺がいなかったら、試合が試合じゃなくなるってもんだ。
ドアが開いた。あぁ眩しい。久しぶりにグラウンドに行くとしますか
〓〓〓
「ガラガラガラガラ…」
「本当に使えるんだろうな、こんな古いの。まあ俺たちは文句言える立場じゃないか。」
「そーっすよ先輩。サッカーできるだけいいじゃないですか。」
「まあ、そうだな。それにしてもこのサッカーゴール重いな…」
「いや〜、ほんとおもいっすね。さぁ〜いきましょう。先輩。」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓「ピー」
よっしゃ。始まった。そういや、俺の役目、まだ言ってなかったな。俺の役目はゴールキーパーより後ろでボールをとったり、効果音を、命懸けでならす役だ。まあ見てろ。おっ、ちょうどいいシュートがきた。きたきた、今だ。「カーン」…いい音だ。それにしても痛い痛い。まあ、これが楽しんだが…
「ピッ、ピー」
あー、今回はこんなもんか…。
もっと、ガンガンシュートしろよな…つまんね…
〓〓〓
「試合結果を発表します。」「0対0両者引き分けです。今回はどうでしょう」
「うーん、初めの方のあのシュートは惜しかったですね。ゴールポストがまたいい音でした。まあ、両者一年に一回と言うだけあって、とてもいい試合をしあいましたね。…。このサッカー凄すぎて、絵にしたいです。さっかーを呼びたいですね。」「…あっ、これはですね、作家とサ…」
「ありがとうございました。また来年。さようなら」

以上ミッキーくんでした〜


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