コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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にんじん
日時: 2011/07/08 20:43
名前: 蘆田 蛙 (ID: lD2cco6.)


はじめましてっ蘆田 蛙です♪
訪問ぁりがとです(*´艸`)
亀ょり遅ぃ更新ですが,頑張って書くので応援ょろしくです!!

《注意》

*中傷などゎ禁止です(`Д´)平和が一番♪
*蛙ゎ硝子のHeartなのでチクチク言葉(藁)に弱ぃです(´∀`;)
*文章オカシイです,ど下手です!!


《筆者プロフ》

名前:蘆田 蛙
学年:㊥2
部活:ブラバン♪tp吹きだっ


《お客様》


《目次》

Page:1



Re: にんじん ( No.1 )
日時: 2011/07/11 20:45
名前: 蘆田 蛙 (ID: lD2cco6.)

《プロローグ》



風の日の思い出。


「あたしねー、気が付いたら恭哉ばっかり見てんの。

 なんでだろうねぇ」

それが告白だということを理解するのには時間がかかった。


「僕が変な行動ばっかりしてるからじゃないかな」

「違うと思う」

「僕の顔に何かついてるとか」

「…あの、それわざと?それとも鈍感?」

「よく鈍感って言われるけど」

「じゃあ、そうなんだ」


君は大きなため息をつく。
うっわ、もはやそれはため息じゃないだろう。


「これじゃ望みなしかな」

「どういうことだ」





「恭哉がねぇ、好きなんだってさ、あたし」



「…ふーん」



「ずいぶんあっさりね、驚かないの?」



「気付いてたから」



「鈍感と言うのは、嘘ですか」



いや、気付いてたっつーのが嘘です。
ドンカンデス、ボク。

嬉しくて、微妙な反応になっちゃってごめんよ。





好きだよ。

Re: にんじん ( No.2 )
日時: 2011/07/15 21:28
名前: 蘆田 蛙 (ID: lD2cco6.)


《1、》


いつの間にか僕らは、学校一有名なカップルになっていた。


別に僕が特別イケメンだったわけでも、不良だったわけでも、逆にめちゃくちゃ地味で彼女なんかできなそうな奴だったわけでもない。
どっちかっていうと、目立つタイプ?自分で言うのもアレだけど。

前の彼女とは二ヶ月ももたなかった。
その子がハツカノだったわけだが、ハツコイを経験したのはそのあとだった。
同じバスケ部の、自主練の時になぜか隣にいる仁美に告白された。
「好き」というはっきりした感情はなかったが、嫌いでもないし、彼女に告白されたのは嬉しかった、これが恋と思いこんでいた。
だから付き合うことにした。


『ずっと好きだったんだけど…気付いてた?』


由妃とは全然違うタイプの子だった。
幼馴染で、特に何も意識していなかったはずの由妃へ、僕の知らなかった感情が生まれたのは仁美と付き合い始めてすぐの事だ。

何も意識していなかったからこそ、いつも一緒に帰っていた由妃。

帰り道、右隣が由妃より色白で、小さくて、細い女子なのが落ち着かなかった。
いずれ慣れると思ったが、無理だった。
僕の右隣は絶対に由妃なのだ。


由妃に会う機会が少なくなって、僕は寂しかった。
仁美は確かに可愛かったし、良い子だったけど、由妃に会いたかった。



——僕は、由妃が好きだった。



僕らが有名になったきっかけは、仁美だった。


「ごめん。好きな人ができた。別れよう」

そう告げると、仁美は微笑んだ。

「分かってたよ。ホントは告白した時から、こうなるって。
 恭哉君はいつか由妃を好きになるって」

呆気ない別れだった。
仁美は泣かなかった。

——呆気ない、はずだった。



「山本恭哉が尾崎仁美を振ったって!!」

次の日の朝、学校中がどよめいた。

「山本恭哉はどうやら、菊池由妃子と付き合うらしい」

「いつも一緒に帰ってたもんね、あたし、付き合ってんのかと思ってた」

「え?ただの幼馴染だろ?」

それぞれ勝手に議論している。
教室に入ると、みんなの視線が痛かった。


「おい山本!尾崎を振ったってマジかよ?!」

「…まぁ、そんなとこかな」

「勿体ねえよぅ、山本ぉ!仁美ちゃんだぜ?あの、仁美ちゃん!」

「別に。誰だって同じだろ」

「同じじゃねぇんだって!
 仁美ちゃんは、学校一の美少女だぜ?

 なに、お前、由妃子と付き合うの?
 確かに由妃子も可愛いけどよぉ、尾崎には敵わないだろ」


僕はそうは思わないけど。
顔と、態度に出したが口には出さなかった。


「別に。僕が好きなだけで、由妃はたぶん僕の事好きじゃないし」


言ってて悲しくなってくるなぁ。
でもこの見解は間違ってない気がする。


「そっかなぁ」


——と、その時由妃が教室に入った。
今度は彼女に視線が集まる。


「おい山本、愛しのユキちゃんだぜ」

耳元でささやかれた。

「告れよ。告っちゃえよ!」

ささやいていた声がだんだん大きくなる。

「告白、告白!」

いつの間にか周りも参戦した「告白」コールに変わっていた。
まずい。
由妃はこういう冷やかしみじたもので注目を浴びるのが苦手で、固まってしまうのだ。

僕は思わず由妃の腕をつかみ、廊下に出た。
人気のない所へ由妃を連れていく。
その間にも僕らは冷やかされた。


「……っ由妃、ごめん」


長い沈黙があった。
それを破ったのは、由妃の言葉だった。


「あたし」



「恭哉が好き。

 
 仁美ちゃんといる恭哉は、嫌い」



——僕は、由妃を抱きしめた。

Re: にんじん ( No.3 )
日時: 2011/08/15 11:30
名前: 蘆田 蛙 (ID: lD2cco6.)


《2、》



大っ嫌い。嫌い。しんじゃえ。嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い


大好きだから嫌い。

もう会いたくないよ。



「そんなに好きならなんであっさり手放しちゃったのよ。
 仁美位の見た目なら、ちょっとすがっただけで男なんかイチコロでしょ?」

「…恭哉君は、そうじゃないと思うんだよね。
 
 だから好きなの」

遥香は大きくため息をついた。

「あんたって、ホント馬鹿」

知ってるし。
あたしは馬鹿で、ドジ。
短所ばっか。
長所を上げるとすれば、自他共に認めるのはこの容姿。
それと一途さ?

「だいたいさぁ、“好きな人ができた”っていう振り方あり?
 
 それって浮気してたから別れよう、と同じじゃないの?」

「いいの。
 あたしは恭哉君が由妃を好きなの、気付いてて告ったもん。

 まあ本人が気づいてなくてラッキーだったのかなぁ」

「…そっか。

 大丈夫だって、仁美なら即効彼氏できるよ!」

「ありがと、遥香」

えへへ、と笑うと後ろから可愛いと言われた。

誰、と驚いて振り向くと斉木が笑っていた。肩に手を置かれた。

「斉木!
 仁美に触んな」

「えー?いいじゃん別に。
 
 今ひーちゃんフリーでしょう?
 たとえ俺のものになったとしても問題ないよね。」

遥香は「キモい!」と一撃したが、斉木は全然変わらない。「カッコイイの間違いだろ?」

「てかさぁ、ひーちゃんって呼び方、ダサいから」

「まぢで?
 
 でもぉ、由妃子…山本恭哉の彼女がそう呼んでんじゃん??」

「ちょっと…斉木!!」

遥香がこっちを心配そうに見る。

…逆に、そっちの方がキツイんだけどなぁ。

「遥香、大丈夫だよ。
 でも斉木君ごめん、ちょっと恭哉の話はキツイかな」

これで仁美スマイル。完璧。
斉木撃退法その①です。

案の定斉木は耳を真っ赤にしながら退席した。

「…仁美」

あーあーあー
大丈夫だから、変に話しかけないで…

「大丈夫?」

だから大丈夫だって。
遥香も言ってたじゃん、あたしなら即彼氏できるって。
寂しさなんかすぐ埋めちゃうよ。

「顔、まっさお…」

え?

「仁美!!」





















気がつくと、あたしは保健室にいて、隣に恭哉君がいた。


「仁美、大丈夫?」

遥香より低くて、ほとんどの男子よりも高め。
声変りがまだなのかな。
のどぼとけもない。

会いたくなかった人。

大っ嫌いで、二度と会いたくない…でも、会えて嬉しい人。


「なんで…いるの?」


「心配だったから。
 仁美、倒れたんでしょ?」

「うん、そうみたい」

「ちゃんと寝てる?食べてる?」

うん、うん、と一個一個返事をする。
生活習慣的には完璧だよ、早寝早起きだし。とか言っちゃって。

「なんかあったの?」

「…たぶんただの風邪」

「ただの風邪じゃ倒れないだろ」


会話が止まる。
心配とか、いいから。ホントもう帰って…

大っ嫌いだから。嫌いでいたいから。

好きだと、ホントキツイから。


「…僕のせい?」


やめてよ、思い出させないで。
恭哉君なんか嫌いなんだから…


「——ちがうよ」


そう言った瞬間、泣きそうになってしまった。



——あたしは保健室を飛び出した。


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