コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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サーカス〜幸せ、お探ししましょうか?〜
日時: 2011/08/02 23:26
名前: れな ◆sSA6ZLKK6w (ID: RIKCeGIG)

——あなたの探し物はなんですか?——


こんにちは又はこんばんわ、おはようございますえっ、おやすみ?・・・おやすみ。
まあいいや。

多分書くよ真面目に。

探しても見つからないもの、なんでしょうね(笑)(((

ワタシも頑張って更新する。
アナタはそれを頑張って読でください(笑)

*:.。o○o。.:*゜登場人物らしきもの*:.。o○o。.:*゜
藤川 きま(ふじかわ きま) /きーちゃん
 高校2年生。それなりに可愛いけど勉強面ではまったくダメ。
さがし屋の副店長。
家族構成は父、母、祖母、兄二人と弟一人。

佐久間 拓海(さくま たくみ) /サータ たっくん
 きまと同い年。幼い頃からの顔なじみ。頭は結構いい。
きま曰く料理が全くと言っていいほど出来ない。ダテメが似合うとの事。
さがし屋の店長。
家族構成は父、母、弟一人。
*:.。o○o。.:*゜登場人物らしきもの*:.。o○o。.:*゜

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Re: サーカス〜幸せ、お探ししましょうか?〜 ( No.1 )
日時: 2011/08/02 23:54
名前: れな ◆sSA6ZLKK6w (ID: RIKCeGIG)

プロローグ

 まだ小学校低学年位だろう。少女は探していた。少女は、四葉を探していた。と、突然あっと驚いた声を発した。そして少年の方に駆け寄る。
「サータ!ねぇサータ見て!!」
オレンジチェックのワンピースを泥だらけにして少女は少年に笑いかけた。
 それもそうだろう、なんせ雨上がりなのだ。雨でぬかるんだ土の上で転ぶドジだから、少女は。
 それもそうだろう、少女が少年に笑いかけるのは少年の涙が止まらないからだ。
「見てこれ!四葉だよ!!!」
少女は笑った。手に持っている四葉を見せながら。少年は見向きもしないで泣き続ける。
 少女はさすがに呆れて
「ねえサータぁ、男の子なのに情けないよっっ!」
と溜息をつく。子供をあやす母親のようだ。
 少年の隣に座ると静かに少年の手を握る。「しょうがないじゃん」小さく呟くと
「翔ジィは死んじゃったけど、翔ジィはサータのこと忘れないと思うよ?」
 背中を一、二回さする。
言われて少年の目から余計に涙が流れた。出てくる嗚咽。とめられない。
「これ・・・もうサータにあげる!」
少女は握っていた四葉を差し出した。四葉は可愛そうなほどしおしおになっていたが。少年は涙を止め顔を上げた。
「・・・いいのか?」
まだ少し震えた声で聞き返す。少女は首を縦に振った。OKのサイン。
少年は四葉を受け取る。
葬式が終わったばっかりでまだきちんとした服のままだった。

「ありがと」
「どういたしまして」
あ、少年が笑った。

Re: サーカス〜幸せ、お探ししましょうか?〜 ( No.2 )
日時: 2011/08/13 16:55
名前: れな ◆sSA6ZLKK6w (ID: RIKCeGIG)

〜第一章:かずくんの四葉編〜

+1きーちゃんとさーた。

 早朝に飲む苺ミルクってやっぱ美味しいって、アタシは思う。・・・サータ・・・佐久間拓海はなかなか認めてくれないけど。
 夏休みだというのに、宿題が多いというのに、アタシは何にも手をつけてない。手の施しようがないと言った方が正しいかも。サータに手伝ってもらおうと思って毎日こうしてさがし屋に来ているというのに肝心のサータが来ないんだよまったく!!さがし屋の店長は誰なんだよぉぉぉ———!!
 
 そう思いながら藤川きまは好物の苺ミルクを啜る。
「サータの馬鹿。」

 さがし屋は拓海の家から1キロほど離れたガレージで運営されている。高校生でも稼げる方法とは?と思い閃いたのがコレ。さがし屋だった。実際今までにも、月2回くらいのペースで仕事の依頼は来てるし、けっこうガッポリ儲けちゃったし・・・。
 そんなさがし屋も夏休みになってから依頼が凄い。ここ一週間で5件も来ている。が、内容が「お菓子を何所に置いたか忘れた」だの「運命の人を探してほしい」だのふざけたものばかりなので一件以外の依頼は断ってしまった。
 その一件というのが・・・。
「四葉のクローバーを探してほしい」
というものだった。
 依頼をしたのは、隣町の小学校2年生の女の子。好きな男の子が病気で入院したから四葉のクローバーで病気を治してほしいと言う。
 その子にはまた後日来てもらう事にしたのだが・・・。

「よー、きま。久しぶりだな!」
 
 声のしたほうに目を向ける。
サータだった。少しの間見なかったせいかサータは結構日に焼けた感じに見える。
 コイツ、一週間もサボりやがって。
「ちょっと!!一週間も・・・何所行ってたの!?」
不覚にも声が震える。サータに会えて嬉しいからか?嫌だ、こんなのアタシじゃない・・・でしょ?
「馬っ鹿、お前何泣いてんだよ?俺に会えてそんなに嬉しい?」
拓海はきまの涙を拭う。
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」
恥ずかしいという衝動に駆られてきまは馬鹿と繰り返す。いざと言うとき素直になれないツンデレキャラ。
 多分本当は甘えたい。
けどプライド的ななんかが邪魔で出来ない、という。
「・・・何所行ってたの?」
疑いの目できまは拓海を見つめる。拓海は仕方なく話した。一週間の詳細を。
「沖縄に行ってました・・・・が、何か・・・。」
拓海は苦し紛れに答える。来る。来るぞ。お土産ちょうだいコールが・・・。
「お土産・・・ないの?」
きまは図々しく、憎たらしく笑った。どこまでが作戦なんだか・・・。
以前から・・・幼い頃から一緒にいるからきまのことは嫌と言うほど知っている。図々しかったり泣き虫だったり。でも憎めなかったり。
「一応買ってきた・・・けど気に入るかどうか・・・、」
 拓海は両手に抱えた紙袋の中から青い包装紙で包まれた箱を取り出した。きまは見るなり顔を輝かせる。
「キャ———ッ!開けていい?開けていい?」
誕生日プレゼントをもらった子供のようにうきうきしてる。きまは拓海の返事を聞かずに包装紙を綺麗にはがして箱を開けた。
「か・・・可愛い———ッッ!!」
水族館で買った2300円のイルカのネックレス。きまの誕生石のパールがイルカについている。
 こういうところを見るとやっぱ女子だなぁとつくづく思ったり・・・。
「!・・・。・・・あと・・・これもう一個」
拓海は照れくさそうに笑った。そして変な形のストラップを渡す。
きまは不思議そうに見つめた。しばらく考えてるフリをしていたが
「これ、なんの形?」
拓海は同じような形をしたストラップを取り出す。
「これ、実はもう一つあって・・・きまのと俺のを繋げると」
2つのストラップを二つ繋げた。

 星型。

星型になる。2つで1つとは、まさにこのこと。
「ありがとサータ!大事にするコレ!」
きまは本当に嬉しそうに笑った。
「なくすなよ?」
拓海は自分の肩までしかないきまの頭を小突く。
 きまは嬉しそうにうなずく。
 きまは早速、イルカのネックレスをつける。
「似合ってる?」
きまはくるりと1回転した。「いいんじゃない?・・・餓鬼臭いけど」
そういうときまはむっとした。こらえきれずに拓海は笑う。
 その時———・・・入り口のベルが鳴った。

Re: サーカス〜幸せ、お探ししましょうか?〜 ( No.6 )
日時: 2011/08/13 17:22
名前: れな ◆sSA6ZLKK6w (ID: RIKCeGIG)

+1宮本さりな

 「こ・・・こんにちは・・・。」
うっわ、小さ・・・。ドアの向こうに立っていたのは歳は5,6歳にしか見えない女の子。かなり小さい。白いワンピースの裾を握り締めている。緊張してるのかな?
 この子も依頼人??
「あの、今日はどうし」
「ヒッ・・・・・・!!」
拓海が近づくと女の子は短い悲鳴を上げた。
「サータ怖いって」
きまは笑いたいのを押し殺しているが顔が真っ赤だ。無理矢理笑いを堪えてるきまを前に、拓海は硬直している。きまの言葉なんぞ耳には入っていない。
 俺、そんなに怖いか・・・?
頭が少し混乱したというか、真っ白ではなく真っ黒になった。
「この子、一昨日来た子で宮本さりなちゃん」
きまは気を取り戻して説明する。四葉探してほしいんだってなんて事などいろいろ。
 内心思ったこと。きまが説明している間その女の子はずっと下を向いていた。
 ・・・こういうガキ無理ぃぃぃぃ———。なんかじれったいし。もじもじしてるし。なんも出来なさそうだし・・・。考えるだけで溜息が・・・。
「ケホッ・・・。あの・・・名前・・・、・・・・なんていう・・・・の・・・?」
 うーわー、無理ー。無理だおおー。ストレス溜まっちゃうおおー。このもじもじ少女なに?えっ、いやだー・・・。 
 餓鬼嫌いの俺がもっとも嫌う餓鬼だわ。
「・・・佐久間拓海。一人で来たの?」
舌打ちしたい、が、堪えろ・・・。我慢だ俺っっ・・・!
 俺が質問するとさりなとか言う女の子は下を向いてうなずいた。やはり緊張してるんだろう。
「・・・で、こっちは藤川きま。馬鹿でドジなお姉ちゃんだけど料理とかそのへんは出来るから。」
一応空気を読んできまのことも紹介する俺って・・・。
 そこにきまがオレンジジュースの入ったコップを2つおぼんにのせて持ってきた。
「サータは甘いの苦手でしょ」
きまがきつく俺を睨む。なんだよ、俺悪いことでもしたの?あ。そういや「馬鹿でドジなお姉ちゃん」って言った事?
「なぁ、き」
「さりなちゃーん、お姉ちゃん全然馬鹿じゃないからー。コイツより多分10倍は頭いいと思う〜」
きまが俺の髪の毛を引っ張る。
「いだだだだだだだだ!!!!!!!!!いたいっつぅの!馬鹿きま!!!!!」
痛さに俺は悲鳴を上げた。その後、何回か「馬鹿」という単語を連発した。その前に、きまそんなに頭よくないだろ!!!!テストだって120人中116位のくせしてよく言うよ!!!
「ん〜?馬鹿って誰の事??」
きまの顔が髪の毛のせいで暗く影がかかる。きまはなお強く俺の髪の毛を引っ張る。雑草が抜けるようなブチブチッという嫌な音がした。
 きまは俺の髪の毛から手を離す。ハラハラと儚く俺の髪の毛が床に散らばるのが見えた。これ以上の挑発はかなり危険だ!!やめとこう!! 
 きまはふふんと偉そうに鼻で笑った。
 アレか!さがし屋サボった罰か!?仕返しか!?
 そっちがその気ならこっちにも考えがある・・・。俺をこんなズタズタにしやがって!10倍の仕返ししてやる———!!!!
 無意識のうちに拓海はぐへへへへやらむふふふふなど、不快で気持ち悪い笑い声を周囲に漂わせた。 
 その様子をさりなときまは怯えた目で見ることしか出来なかった。

Re: サーカス〜幸せ、お探ししましょうか?〜 ( No.7 )
日時: 2011/08/27 16:53
名前: れな ◆sSA6ZLKK6w (ID: raybjxZw)

+2
 
 「私、心臓病だったんです・・・」
妙に嫌な空気が周囲を漂う。なんだろう、これ。
「だから、つい最近まで・・・って言うか今も入退院の繰り返しで——っ・・・」
さりなは声をつまらせた。だよな、俺もこんな感じだった。

 じいちゃんが死んですぐの頃は。

実際、拓海の祖父は拓海が9歳になる直前に死んでしまった。

 末期の癌だったのだ。手の施しようがなかった。助けてあげられなかった。もっと一緒にいられると思ったのに。

 でも死んでしまったのだ。
 人なんて簡単に死ぬ。目の前の少女はとっくにそれを解かっているんだ。

「私、病院に入院してた頃・・・一人の男の子にお世話に、なったんです・・・」
なるほど!!!!!恋だ、恋の悩み的な!!!!!拓海は自分で勝手に解釈した。人の話を最後まで聞かない悪い癖だった。
 耳の近くで蚊の飛ぶ五月蝿くて嫌な音がした。

———
「さーりーなちゃーん、注射の時間よ〜」
大学病院のとある階。看護師の甲高い声が響いた。
「何だ、また隠れてるのね・・・。」
看護師は病室をあけると溜息をつく。ここのところ毎日だ。また今日も探さなくては。

 「さりな、シッ・・・だよ。ばれたら注射だからね・・・」
そしてここは同じ階の男子トイレの一室。幼稚園くらいの男の子と女の子が身を屈めていた。女の子は顔を涙でぐしゃぐしゃにしていた。
 この子がさりなだ。通称サリー、など。注射と怖いものだけは大の嫌い。
 そして隣の子は橋本和仁。通称かずくん。
そしてこの階は、 小児病棟 。
  


「それで・・・四葉を渡したいと思って、」
さりなはしゃっくりをあげながら話した。

あとで編集します><


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