コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。堂々の完結! 皆様ありがとう!
日時: 2015/01/24 21:51
名前: 桐生玲 ◆kp11j/nxPs (ID: zCMKRHtr)

 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?

***** ***** *****

 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。

 ちょこっと上で話の内容を書いたつもりなのですが、分かりませんよねww
 私もこれをパッと見て、何だこれって思いますもん。
 では、これに関する注意点をいくつか。行きますよ。

☆この物語は逆ハーレム要素を含みます。苦手な方はお戻りください。
☆駄作に変わりはないです。
☆恋愛50%、バトル45%、シリアス0.05%、後のは勇気と愛。
☆少しドリームっぽいです(が、そんなに気にはなりません)
☆桐生玲誰? あ、お前知ってるでも嫌いな人は出口はあちらです→
☆また、荒らしやチェーンメール、パクリを行う人も出口はあちらです→

 読みましたか? あの、いくつか多いんでゴメンなさい。
 それでは。


お客様(桐生的目線でご紹介)
由羽様『最初のお客様です。逆ハー、ハーレムおkの方ww』
野宮詩織様『2番目のお客様です。リア友であり、神作を生み出しているお方です!』
ヴィオラ様『3番目のお客様です。キャラを送って下さりました! お互い頑張りましょう!』
蓮華様『4番目のお客様です。キャラを送ってくださいました。使いやすいキャラをありがとうございます!』
秋様『銀ちゃんの推しなお客様です! あざっす!!』
翠蓮草様『先生キャラを送ってくださったお客様です。登場はもう少々お待ち下さい!!』
メデューサ様『結構オリキャラでお世話になっている方です。今回もありがとうございます!!』
ジョーカー様『前作に限らず今作も送ってくださいました!! 感謝!!』
あんず様『翔推しのお客様です。翔君は俺の嫁!!』
北大路様『神様の名前を考えてくださった人です! コメもくださいました』
マリ様『ルールを守って読んで下さった人です。さすが!!』
梨花様『企画の祭りに参加してくれてありがとうございます。コメももらいました!』
愛河姫奈様『キャラクターの質問に答えたら、来てくださった人です! 感謝です!』
暁月様『一気読みをしてくださった人です。根気ある!』
闘神のアスラ様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部も見てくださっています』
抹茶猫様『兄弟小説・下剋上☆吹奏楽部の愛読者様。あざっす!!』
藤田光規様『一気読みしてくださった人です。翔君のおし?』
在様『携帯で一気読みしてくださった人です。しにがみのデートがお気に入りだそうでw』
北斗七星様『最初は桐生玲誰と思っていらした方ですが、山下と気づいてくれて幸いです。大丈夫ですよ!』
リア様『下剋上の方も読んでくださりました。ありがとうございます!』
美桜様『この小説をお気に入りにしてくださりました。ありがとうございます!』
粉雪百合様『もう1つの小説「お前なんか大嫌い!!」から来ました方です。ありがとうございます』
miru様『空華推しの人です、ありがとうございます! 一気読みしちゃったんです!』
葵様『こちらは昴君推しですwぜひとも翔君と取り合ってくださいありがとうございます!』
kyon様『こちらも空華推しの方です。なんと、歴代小説を読んでくださった人です!』
凪紗様『黒影寮ではまったお客様です。なんとディレッサさん推しです!!』
結羽凛様『個人的に好きなキャラは翔様だそうで。少し前から見てくださっていたようですよ! Thanksです』

現在劇場版を展開中。
『劇場版。黒影量は今日もお祭り騒ぎです!〜空と海と未来の花嫁〜』
>>229 >>232 >>234 >>237 >>239 >>240 >>242 >>245 >>248 >>249 >>250 >>253 >>254 >>255 >>258 >>262 >>264 >>265 >>266 >>271 >>272

『劇場版。駆け抜けろ! 地獄と天国と幽閉された死神〜複雑ファジー』>>290 NG>>296


目次
登場人物>>02 皆のオリキャラ大集合>>67 新キャラ>>175
プロローグ>>4
第1章『ウェルカム、黒影寮』
>>5 >>6 >>7 >>8 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15
第2話『とある彼女は銀の鈴』
>>16 >>17 >>18 >>23 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
第3章『銀と白亜と黒影寮』
>>31 >>32 >>33 >>36
第4章『兄より吐き気』
>>39 >>42 >>45 >>47 >>50
第5章『しにがみのデート』
>>51 >>52 >>53 >>54 >>55 >>56 >>59 >>60
第6章『俺達の管理人がこんなに可愛い訳がない』
>>71 >>72 >>77 >>81 >>83 >>86
第7章『英学園の愉快な文化祭』
>>93 >>95 >>102 >>105 >>106 >>115 >>118 >>123 >>126 >>129
第8章『神威銀の誘惑』
>>134 >>135 >>136 >>139 >>140 >>146 >>147
第9章『本当にあった黒影寮の怖い話』
>>149 >>154 >>158 >>159 >>160 >>163 >>170 >>174
第10章『突撃☆隣の中国マフィアさん!』
>>176 >>182 >>185 >>189 >>196 >>199 >>204 >>207 >>215 >>220 >>226
第11章『王良家こんぷれっくす!』
>>278 >>281 >>282 >>284 >>285 >>286 >>287 >>288 >>289 >>300 >>303 >>306 >>309
第12章『君と僕〜オリジナルと亜種〜』
>>314 >>321 >>322 >>323 >>326 >>327 >>328 >>329 >>330 >>333
第13章『黒影寮の問題児が妖精を拾ったようです』
>>337 >>345 >>346 >>349 >>352 >>353 >>355 >>356 >>360 >>361 >>364 >>365 >>366
第14章『もし黒影寮の管理人代理が町の草野球大会の広告を見たら』
>>372 >>378 >>379 >>382 >>385 >>386 >>390 >>393 >>394 >>397 >>401 >>402 >>405
第15章『皇高校ホスト部!!』
>>416 >>417 >>418 >>419 >>423 >>424 >>427 >>430 >>433 >>434
第16章『カゲロウタイムスリップ』
>>437 >>444 >>445 >>448 >>452 >>453 >>454 >>455 >>456 >>459
第17章『家出少女の死にかけ人生』
>>460 >>461 >>464 >>465 >>466 >>467 >>470 >>474 >>478 >>481
第18章『今日、私は告白します』
>>490 >>494 >>497 >>500 >>503 >>506 >>521 >>524 >>527 >>528
第19章『進撃の巨人〜ヒーローと死神がやってきた〜』
>>532 >>535 >>536 >>537 >>538 >>541 >>542 >>543
第20章『噂の空華さん!』
>>544 >>546 >>549 >>552 >>553 >>554 >>557 >>560 >>561 >>562
第21章『明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ』
>>565 >>568 >>569 >>570 >>575

エピローグ
>>576

あとがき
>>577

お知らせ☆

現在部門ごとにオリキャラ募集>>19→終了しました!!
企画開始!!
その1『もしも黒影寮の全員が○○だったら』>>82
その2『みんなで神様の名前を考えよう』>>125
その3『黒影寮フェスティバル! 参加者募集』>>263

期間限定小説
10月31日『ハロウィン』>>46
12月24日『クリスマス』>>94
12月31日『大晦日』>>109
1月1日『お正月』>>112
12月7日『寮長・翔の誕生日』>>130 >>132
2月14日『バレンタイン』>>225
2月23日『都立高校一般入試』>>238
4月1日『エイプリルフール』>>311
7月7日『七夕&銀ちゃんの誕生日』>>387

童話パロディ
『白雪姫』>>63>>68
『赤ずきん』>>87 >>92
『シンデレラ』>>274 >>277
『7匹の子ヤギ』>>409 >>412

黒影寮は今日は作者と質問日和!
神威銀>>124
東翔>>155
椎名昴>>188
王良空華>>241
二条蒼空>>261
堂本睦月>>354
月読怜悟>>357
祠堂悠紀>>400

企画小説『黒影寮主催☆やりたい事は何でもやっちゃうぜふぇすてぃばる!』開催中

・メデューサ様
もしも『黒影寮の住人とその他のキャラの能力』が『ごちゃまぜ』だったら>>85
バレンタイン『お相手:蒼空』>>219
・あんず様
もしも『東翔』が『スクール水着』を着たら>>89
翔が性転換して昴と付き合うことになったらどうなるか>>367
・蓮華様(現:夕遊様)
もしも『黒影寮の全員(つかさ除)と高梨羅』が『性転換』したら>>91
もしも『黒影寮の全員+高梨羅』が『性格ごちゃまぜ』になったら>>114
バレンタイン『お相手:鈴』>>224
・マリ様
『神威鈴が銀の体を乗っ取り東翔にいたずらを仕掛けよう!』>>273
・梨花様
『神威銀を怒らせたらどうなるか?!』>>317
・北斗七星様
『銀ちゃんが幼児化したらどうなるか!!』>>510
『もしも銀ちゃんが本物のビッチだったら(VS翔)』>>513
・kyon様
『銀ちゃんに彼氏がいたら』>>516

番外編
俺は今日、恋を始めます『羅(男)×銀』>>148
翔ちゃんなう!『翔×昴×大地』>>283
どうかこの手でもう1度『蒼空&睦月』>>449
断章『下剋上☆黒影寮!!』
>>485 >>486 >>487 >>488 >>489

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Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.573 )
日時: 2014/06/11 20:55
名前: メデューサ ◆VT.GcMv.N6 (ID: sZwfDKEo)

もうすぐ終わりですねー黒影寮…
次回作や俺ら戦争の続編も楽しみですが少し寂しいような気もします。
でもこれからも山下さんの作品を楽しみにしています!

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.574 )
日時: 2014/06/16 21:37
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: Qvi/1zTB)

メデューサ様>>


ふ、ふぉぉぉおおおおおおおおおお!!
お久しぶりです、覚えておいでですか! 山下愁です!!
なんていうか、本当にお久しぶりです!!

色々な作品に数々のオリジナルキャラクターを送ってくださり、メデューサ様には感謝してもしきれないぐらいです。
特にあれです、俺ら戦争の『割島博』さんがとても気に入っています。ドSエロ男爵←
長年——というかもう3年ぐらい続いているのかな……ご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
このお話が終われば最終回、寂しい気もしますが山下愁は最後まで突っ走ります!

という訳で! どうか最後までよろしくお願いいたします!

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.575 )
日時: 2014/06/16 22:33
名前: ・スR・ス・ス・スD ◆kp11j/nxPs (ID: Qvi/1zTB)

「えっと、私は黒影寮からいなくなりませんよ?」



 ——じゃあ部屋の家具が消えた理由は、一体何だ。



第21章 明日は明日の風が——吹いたらいいなぁ



 〜視点なし〜


「……え?」

 空華は思わず聞き返してしまった。
 銀の口からありえない言葉が聞こえた気がした。ていうか聞こえた。絶対に聞こえた。
 きょとんとした表情の銀はもう1度、「私はいなくなりませんよ」と続ける。マジで?

「……うっそだー」

「嘘じゃありませんよ。私、黒影寮からいなくなりませんよ?」

 ていうか、いなくなったら居場所がないです。銀はそう続けた。
 じゃあ、何故銀の部屋から私物が全てなくなっていたのか。何故銀の部屋がきれいに片づけられていたのか。その理由が知りたい。

「……えっと、じゃあ何で部屋が片づけられていたのかな? 俺様に分かりやすく説明してくれる?」

「雨漏りがするんです、あの部屋。なので叔母さんに言って、部屋を変えてもらうことになりました」

 なんだと。
 銀は黒影寮から引っ越すのではなくて、雨漏りがするから別の部屋に移動するだけ、だと?
 そんな相談は寮長の翔も、副寮長の昴も受けていないはず。ていうか黒影寮全員に「部屋を移動したい」ぐらい言ってくれてもいいと思うのだが。

「言ってもよかったんですけど、手伝おうとしますよね? ちょっと嫌で……」

「あー……察したわ」

 そりゃ銀も年頃の女の子。同い年ぐらいの男に部屋のものを見られるのは、少し抵抗がいる。
 ましてや同じ屋根の下にいるのだ。見られたくないものの1つや2つはあるだろう。いや絶対にある。下着とか。
 銀と同じぐらいの年齢の妹がいる空華なら分からんでもない。綺華なら分かると思う。

「……あー、なんだ。よかったぁ。銀ちゃんが黒影寮からいなくなるのかと思ったわぁ」

 とにかく、銀が黒影寮からいなくならないことは確定した。ほっと胸を撫で下ろす空華。
 だが、目の前の銀はなんだかそうではないような。ていうかそわそわしているような。

「どうしたの、銀ちゃん? トイレ?」

「デリカシーがないですねッッ!! 殴りますよ!?」

「痛ッ!? ちょ、銀ちゃん有言実行はやめよう!? 痛いから! いた、いたたたた。殴んないで殴んないで痛い痛い!」

 顔を真っ赤にして銀はポカポカと空華を殴ってくる。割と本気で、しかもグーで。
 デリカシーがないとは分かっていたが、そわそわしているから……なんていう理由にはならない。
 そういえば、と空華は思い出した。
 ……銀ちゃんに、告白、したっけ?

「……………………………………」

 ————やべえ、今すぐこの場から消えたい。いっそ殺せ。
 空華は頭を抱えたくなった。いや、もう穴を掘って埋まりたい。いっそのこと翔に頼んで地獄の業火で燃やされてしまうのが1番いいだろうか。
 だって公開処刑じゃないか。周りに人がいるのに、告白って。公開告白ならぬ公開処刑である。もう死にたい。顔を覆って真っ先に東京タワーから飛び降りたい。多分死なないと思うけど。

「……えっと、ですね。これは、その、えっと……」

 しどろもどろになって言い訳を考える空華。こういう時、国語が弱いって嫌だ。まともな文章が頭の中に浮かんでこない。

「……さっきの告白の言い訳なんて、聞きたくありませんっ」

「いや、だって、銀ちゃんがどこかに行っちゃうと思ったから……いや、マジで。嘘じゃないよ? 嘘じゃないの。だけど、いっそどこか遠くに行くのならもう伝えられるものは伝えちゃえって思って……あはは」

 笑うしかなかった。
 銀の刺すような視線に耐えられなかった。やめてそんな目で見ないで。

「……嘘じゃ、ないんですよね?」

「…………疑われてもしょうがないようなことをしてきたからね。言い訳はもうしない」

 今までの行動を振り返ってみれば、自業自得だった。
 銀がきたその時は、部屋に女の子を連れ込んだ。あまつさえ、銀をオトすことをゲームとしてやっていた。
 だけど、いつしかオトされたのは自分の方だった。
 銀のことを守りたい。支えたい。傍でどうか笑っていてほしい。幸せになってほしい。——その役目を担うのは、どうか自分であってほしい。
 だが、
 いつでも引きずるのは、
 過去に銀を傷つけたであろう、失望させたであろう、己の行動。

「……勝手なことを言ってごめん。忘れて。ホント。銀ちゃんには俺様よりも、もっと誠実な奴を好きになった方がいいよ」

 ヘラリと空華は笑った。彼にとっては、本当にいつも通りに笑った。
 いつも通りの笑みだと、思ったのに。

「……忘れた方がいいって、なんですか」

 銀の震えた声で、その漆黒の瞳からあふれる涙で、空華の偽りの笑顔は崩れる。

「嘘じゃないんですよね? 空華さんが私のこと好きだって、その気持ちは本当なんですよね!?
 なのに、何で忘れろって言うんですか?
 そんなの、そんなの悲しいじゃないですか……!」

「ぎ、銀ちゃん……やめて泣かないでよぉ。俺様、銀ちゃんの涙なんて見たくないよ……」

「忘れられる訳、ないじゃないですかぁぁ……!」

 ダムが決壊したかの如く、銀の瞳からはポロポロと涙が落ちる。
 これはまずい。空華は着ていたシャツの袖で、銀の涙を拭った。だけどまだ落ちる。

「あぁもう。銀ちゃん、そんなに泣いたら腫れちゃうって。黒影寮戻ろうか?」

「まだお話は終わっていませんっ」

「ハイ、すんません」

 そうでした、終わっていませんでした。
 ぐしぐしと少しだけ赤くなった目をこすり、銀は——空華へと抱きついた。


「————私も、好き、です」


「「「「「エンダァァァァァァ————!!」」」」」

「「「「「イヤァァァァァァァ————!!」」」」」

「うぉぉ!? お、お前らいつからそこにいた!」

 茂みからガッサァァ! と突如として現れた黒影寮のメンバーに、空華は思わず武器を構えかける。
 翔が「最初からだ」とバッサリ言い切った。この野郎。

「モダモダしやがって。男なら女の好意を受け止めてやらねえのか」

「死神に説教される日がくるとはなー」

「テンメェェェェ! 空華ァァァァァ!!」

 飛びかかってきたのは何と蒼空だった。空華の胸倉を掴みあげ、唾を飛ばさん勢いで怒鳴りつけてくる。その表情の必死さと言ったら怖い以外の言葉が思いつかない。

「銀ちゃん泣かせてんじゃねえぞコラァァァァ! ていうか彼氏の座を射止めたところでぇ? 威張ってんじゃねえぞ眼帯がァァァ! NTRしてやるからなぁぁぁぁ!」

「やれるものならやってみやがれコラァァァ!」

 さすがにこれはむかついたので、空華も蒼空に応戦することにした。
 翔を除いて、黒影寮の全員が空華と乱闘するという事態に陥る。これはもう警察沙汰だろうか。いや、痴話喧嘩?

「銀」

「何ですか?」

「俺が言えた義理じゃないが——」

 翔はかすかに微笑んで、質問をした。



「幸せか?」



「ハイ。とっても」




 銀のその瞳は、仲間と肩を組んで笑いあう眼帯の少年が映っていた。

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.576 )
日時: 2014/06/23 23:07
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: Qvi/1zTB)

エピローグ



 私は夢を見ているのでしょうか。
 だってねぇ。
 目の前をですねぇ。

 イチゴ柄のパンツが飛んで行ったのですが、どなたのでしょうか。

 いやぁ、お久しぶりです。神威銀です。え? 覚えているって? ありがとうございます、何よりです。
 さて話を戻しましょう。
 私の目の前をイチゴ柄の可愛いパンツ——トランクス君が飛んで行ったんですが、あれは一体どなたのでしょうか。ていうか、あれきちんと私が干した奴じゃないですか。誰かが取り込んでくれたんですかね?
 そんな訳なかったです。

「ハーッハッハッハッハッハ!! 睦月のパンツはイチゴ柄ぁぁぁぁ!!」

 蒼空さんがケッタケタ笑いながら悠紀さんと一緒になって睦月さんのパンツを投げ合っていました、あれ睦月さんのだったんですね。
 睦月さんはと言いますと、あれ? 何やら手の中に出現させましたよ?

「蒼空のエロ本ゲッツー。音読したろー。えっとなになにー?」

「やめろぉぉぉおおおおおお俺のバイブルぉぉおおおおおおおおおおお」

 乙女の前でエロ本の音読は止めてくれませんかねー? 私ここにいますよー?
 あはは、みんなもうしっちゃかめっちゃかですね。お祭り会場ですかここは。お神輿さーん出番です。
 まあ、これが黒影寮の日常でありますから。私は慣れました。最初の時は多分慣れないでびっくりしているでしょうけど、こういうのはもう慣れです。慣れ。
 世の中慣れなきゃアカン奴もあるのですよ。……私は一体何歳になったのでしょうね? まったくもう。

「ぎーんちゃん♪」

「私の背後に立たないでください」

「うぉ!? 何、殺し屋張りの肘鉄!? ちょ、ガチで銀ちゃん? 1文字変わって鈴ちゃんとかじゃないよね!?」

 後ろから抱きつこうとしてきた空華さんへ、私は肘鉄を食らわしました。えぇ、愛の鞭です。あくまで愛の鞭です。
 勘違いしないでくださいよ? 私は決して恥ずかしいとか思っている訳ではありません。えぇそうです。男の子の集団の中でも強くたくましく生きていくのがこの神威銀なのですから!
 フフン、ドヤァ。

「……銀ちゃん。心の声が駄々漏れなのは気づいているのかな? そしてお顔は真っ赤ですよ」

「うひゃぁ!! それは思っていても口に出さない者ですよ!!」

 どうして口に出してしまうんですか、男の子ってよく分からない。私よく分かんない。
 うぅぅ、余計恥をかいただけじゃないですかヤダー。もう死にたい。泣きたい。

「銀ちゃん、泣かないでよぉ。俺様は女の子の涙が1番好きじゃないの。泣かせたくないなぁ」

「誰のせいだと……」

「ハイ、俺様のせいですね大変申し訳ありませんでした」

 シュババッ!! と空華さんは素早く頭を下げてくれました。サラリーマンもびっくりも90度です、さすがです。
 むぅ、これだから恨むに恨めない。

「……今回だけですからねっ」

「銀ちゃんって甘いねぇ。砂糖よりも」

「ならば俺が厳しくしてやろうか、眼帯忍者」

 シュボッ! と。
 空華さんの頭に、炎が灯りました。一瞬でしたが。
 死神ルックに赤い鎌を肩に担ぎ、そして洋書を読んでいる翔さんが空華さんの後ろに立っていました。わぁ、空華さん頭が焦げてますよ。

「……テメェ……マジでぶっ殺してやろうかァァァン!?」

「ほう、死神を殺せるか!? やってみやがれ!!」

 この2人って相変わらず仲が悪いですねー、喧嘩するほど仲がいいって言いますけどね。
 まったくもう。
 本当に、黒影寮は騒がしい人たちが多いですね。




 天国のお父さん、お母さん。そしてどこかで生きているだろう珊瑚叔母さん。
 私の友人の羅さん。白亜さん。
 黒影寮の担任の零さん。お兄ちゃん。
 鈴に鏡の向こうの神様天使悪魔鬼の皆様。
 秘密結社『リヴァイアサン』の皆様。
 ナイフ使いのレズなつかささん。
 肉体変化ができる、短気でビビりで蓮さん。
 言葉使いで他人を操る、のんびりというか面倒くさがりな悠紀さん。
 霊と一緒になってお話していることが多い怜悟さん。
 少しMのところもあるみたいですけど、お兄さん気質な超能力者の睦月さん。
 いつもお馬鹿なことをしている、重力使いの蒼空さん。
 しっかりもので明るい、闇の踊り子の昴さん。
 頼れる皆さんの寮長で死神の翔さん。
 何でもそつなくこなす、飄々とした忍者で私の好きな人——空華さん。

 皆さんがいるから、こんなにも賑やかなんです。


 そう。だから。
 黒影寮は、今日もお祭り騒ぎですっ!





 END

Re: 黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。連載1周年突破! ( No.577 )
日時: 2014/06/23 23:15
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: Qvi/1zTB)

あとがき



始めましての人も。
こんにちはの人も。
テメェ誰だよって人も。
お前なんかお呼びでねえよ! という人も!!


山下愁です、よろしくお願いします。


さてさて、多分3、4年は続いていた長編恋愛小説——黒影寮は今日もお祭り騒ぎですはいかがでしたでしょうか?
いやぁ、この話はなげーわ。22章ってどんだけだよ。
まあそれだけ読者がいてくれたということで。

実はこの小説、ラストがちょっと違ったんです。
えぇハイ、銀を取り合って翔と空華の喧嘩エンドですよー。いや、色々あって今のエンドになったんですけど。
え? 最終的に結ばれるのは誰かって?
ちょっと待ってくださいな。翔は『俺様メイド!?』で活躍した不良の東ですよ。あの子には優亜っていう可愛い嫁がいるんです。
もちろんこの小説で結ばれるのは空華でした。あとも先も空華です。

ほんとねー、この小説ねー、そんなに長く続くとは思わなかったの。だって山下は飽き性だから。
絶対どこかで放りだすかと思ったんだけど、こんなに長く続くとは思わなかった。
それだけ愛があった訳だね。読者様のね。本当にありがとうございました。


さて、スペシャルサンクス。

・リア友である野宮詩織さま。オリキャラもありがとうございます。またカラオケ行きましょうね!!
・常連者となってくださった皆様。こんな駄作を読んでくださってありがとうございます。
・オリキャラを提供してくださった皆様。扱いきれなかった人は大変申し訳ありません。特に最後の方は活躍していませんでしたよねorz
・応援してくださった皆様。
・閲覧してくださった皆様。

本当に、長い間ありがとうございました!!!!!
これで本当に黒影寮は終わります。
寂しいとか思う人はちょっと待ってください。まだ山下愁の作品は終わりませんよ。

20章にも登場したアンチヒーロー小説がまだ残っています。
ちょっとテコ入れしますが、最高のギャグ小説として開幕し直しますよー。えぇハイ。
ですから黒影寮についての感想も、ぜひそちらの方でお願いします。

それでは皆様! またどこかでお会いしましょう!!


なお、このスレッドはロックいたします。
あらかじめご了承ください。


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