コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ぷみゅ、ぷみゅみゅぷぷみゅ、ぷみゅぷみゅ。
- 日時: 2011/10/06 22:37
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
どうも初めまして。ハネウマと申すものです。
僕がここに投稿している「茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく」でお会いしたこともあるかもしれません。その方にはこんにちは。
ここでは数ヶ月前に書いた短編を投稿しようと思っています。
単発の短編小説というのは何か凄いアイデアと意外で不思議で或る時は読後感が「なんかよくわかんないけどすげぇ!」という感じになる結末があるべきだと思うんですが、この小説にはそれがありません。あ!すいません帰らないでください!数ヶ月前の僕にしては頑張った方ですから!よろしくお願いします!
で、そうなんです。単発の短編小説を今から投稿しようと思います。ええ、ストーリー一つだけ。すぐにスレが下がっていくライト板で一つだけ。
いいんです、スランプ脱出してまた小説を書けるようになるまでの繋ぎみたいなものですから・・・
まぁそんな動機でここに単簡極まりないタイトルでスレを立てさせていただいたわけです。「ぷみゅ、ぷみゅみゅぷぷみゅ、ぷみゅぷみゅ。」ですよ。分かりやすぅい。嘘です僕も全く分かりません。
前置きが長くなりました。まぁ期待しないで読んでください。
ではどうぞ。
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- Re: ぷみゅ、ぷみゅみゅぷぷみゅ、ぷみゅぷみゅ。 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/06 22:38
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
雪の降りしきる中、私はとある場所を目指していた。
寒い。雪が染み込んだ手袋は最早防寒具としての意味をまるで成していない。痛みが両手をじんじんと突き刺す。その手から全身に広がってゆく寒気が私の心まで凍らせようと侵食してゆく。
お気に入りの紺のコートは雪に濡れてその濃さを増していた。ぽつぽつ、次々と体に雪がぶち当たり着弾地点を冷却する。寒すぎる。スカートで来なくて正解だった。
傘はない。こんな気候になるだなんて思いもしなかったからだ。見事に外れた天気予報を私はいつになく恨んでいた。
しかし気象庁を心の中で訴えている場合ではない。私には目的があって今このド田舎を歩いているのだ。
私は立ち止まった。目の前の看板が雪をその頭に乗せて突っ立っている。錆び付いたそれに書かれた文字は読みにくくなっていたが、大きい文字、最も重要なことは容易に読み解けた。
「ようこそ青黴村へ」
その看板から目を逸らし、村を見渡す。畑、畑、畑。打ち捨てられた廃屋らしき木造建築物。そのずっと向こうにある家が辛うじてここに人が住んでいることを示していた。
私は少しの間寒さを忘れていた。あの噂が本当だったなら……。心臓の鼓動が早く歩けと催促する。私は看板をよけて進みだす。
降りしきる雪の向こうに見えていた家に辿り着き、インターホンを鳴らす。扉がゆっくりと開き、出てきたのは見た目六十歳くらいのおばあさん。
私は高揚を押さえ込み、滑らかに、噛まないようにその言葉を口にした。
「UFOの目撃情報を知りませんか?」
私は県立財前高校二年生。三ヵ月後の四月に三年生になる。そう、今は一月。少しは雪が降る確率についても考慮するべきだったか。
一見普通の、というか「スイーツ(笑)」ぶってる女子高生。だが、宇宙マニアのオカルトオタクでもある。密かに学校にオカルト同好会をつくろうと画策している。が、オカルト好きな友達がいないせいでその夢は未だに夢のままだ。
そしてその私がこんなド田舎にわざわざやってきたのはこの村のあたりでUFOを目撃したという情報を掴んだから。結構ネット上で話題になっていて、私は、これは行かざるを得ない、と思って電車に一時間揺られてここまで来た。
必ずUFOについて情報を集めてやる。そう決意を固めて私は先程の言葉をおばあさんに言ったのだ。
「はぁ?」おばあさんは困惑気味に表情を歪めた。「ゆうふぉおの情報なんぞ聞いたことないですよ? 悪いけど他を当たってくださいな」
聞いたこともないだって? 現地民なのに? ハッまさかゆくゆくは地球を支配しようと目論む宇宙人が手始めにこの寂れた村から手中に収めようと村人の記憶を改竄し操っているのでは!?!?!?
「あの、それ以外用がないなら帰ってもらえます?」妄想しているところをおばあさんに気味悪がられた。私は妄想すると口が変な方向に曲がる癖がある。自分でもキモいと思う。直したい癖だが、幼い頃の写真には既にこんな癖が写されていた。三つ子の魂百までというが……。
「あっすいませんでした、失礼しました」「お待ちなさい。傘がないなら貸しますよ」なんとありがたい。おばあさんの暖かみのある厚意で、少しだけ体も温かくなった。気がする。
「ありがとうございます。絶対返しますので。失礼しました」私は頭を下げ、おばあさんはにっこり笑って手を振る。
おばあさんの家の扉が閉じられ、一つの情報源となる可能性が閉ざされる。
その後、いくつもの家々を回ったが、少子高齢化が著しく進んでいるという事以外に分かった事はなかった。
こうなったら仕方がない。私は丘の上の森を見据える。着陸したUFOが隠れているとすれば、村人ですら立ち入らないああいった森の中にあるはずだ。私はそう信じて疑わない。
片っ端から! 調べ尽くしてやるんだから! 私は森に足を踏み入れ、何時間もかかるかもしれないUFO捜索ミッションを開始した。
直後。
目の前に、白い謎の生命体が現れた。
- Re: ぷみゅ、ぷみゅみゅぷぷみゅ、ぷみゅぷみゅ。 ( No.2 )
- 日時: 2011/10/07 13:48
- 名前: 妹が欲しい!! (ID: tGlrccyT)
電波女と青春男
- Re: ぷみゅ、ぷみゅみゅぷぷみゅ、ぷみゅぷみゅ。 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/07 20:17
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
五十センチ程の小さな体、丸い耳……そう、外見は小さくなったホッキョクグマとでも言い表そうか。が、二足歩行で突っ立ったまま私を見つめるその瞳には地上最強の動物としての威厳はまるでなく、つぶらで、なんというかもう……。
「かっわいー!!」
胸にキュンときた私はそういう感動の言葉を口にしたが、チビホッキョクグマはビクっと身を震わせ、力を失い倒れた。
え? なにこれ?
「ちょ、ちょっと大丈夫?」私はしゃがんでチビクマの白い毛並みに触れようと手を伸ばす。その瞬間。
チビクマは、さっと起き上がって逃げ出した。
「えぇー!?」何? さっきの死んだフリ? なんというか、逆だろー!
私はチビクマを追いかける。二足歩行でただただ逃げるチビクマ。け、結構速いぞ。足短いくせに。
ない体力を存分に消費し、私はついに動けなくなったチビクマに追いついた。チビクマは体力がなくなったからなのか、はたまた死んだフリの再実行なのか、倒れている。
「はぁ……はぁ……。うーん、やっぱり可愛い……」私は膝に手をついて息を切らし、チビクマを見つめる。
しかしこんなぬいぐるみみたいな生物が存在するものなのだろうか……。ハッまさかこのチビクマこそがUFOに乗った宇宙人でその魅力で地球を支配しようと目論んでおっと口が変な方向に曲がってしまっている。直さないと。
とりあえず触ってみる。ちょん。
「ぷみゅい!」
何今の可愛い声! 何今の可愛い声!
ちょん、ちょん、ちょん。
「ぷみゅ、ぷみゅ、ぷみゅう!」
ぐはあああ可愛いいいいくぁwせdrftgyふじこlp
キュン死(これって死語か?)しそうな私がもう一度触ろうとするとチビクマは立ち上がって抗議……なのかはわからないが声を上げた。
「ぷみゅー! ぷみゅみゅみゅみゅー!」
うーむ。エキサイトでも翻訳不可能だ。というか「ぷ」と「みゅ」だけで構成される今の言葉は言語と呼べるのだろうか。
と、写真だ写真。こんなのを見せてもぬいぐるみだろとしか思われないかもしれないが、私はデジカメのシャッターをひたすら切った。
ぐー。その音が空腹を告げる。丁度いい、昼ごはんにしよう。私は木の根っこに座ってバッグから弁当箱を取り出し、冷凍食品のエビフライを口に運びかけたところで、チビクマの視線に気づく。
「食べる?」弁当箱を差し出す。
チビクマはしばしの間弁当箱を眺めた後、それを受け取った。
ガリッ。
「ええええええええええ!?!?」
食われて半分になった弁当箱を見て、私は驚いて立ち上がった。チビクマは恍惚の表情で食べ物を箱ごと咀嚼する。頬が膨らんでいて非常に可愛らしい……ってそうじゃなく。
「ちょっと、やめてよ! お気に入りの弁当箱だったのに」チビクマから弁当箱を取り上げる。チビクマは物足りなさそうにこっちに短い手を伸ばすが、私の怒りを察したのかすぐにおとなしくなった。
弁当を食べ終える。ふぅ。しかし箱ごと食べて今のところ苦しんでもないこのチビクマはやはり地球外生命体に違いない。捕獲すれば私は歴史に残る人になれるのでは?
再び木の根に座りチビクマを見る。逃げようとしない彼はつぶらな邪気のない瞳でこっちをじっと見つめている。
ハハ。
捕獲だなんて考えた事がバカらしい。こんな可愛い生物を捕獲して実験されるように仕向けるなんてココロ優しい私にはできませんよ。
チビクマに向かって笑顔を作る。「じゃあね。私、もう行くから」
「ぷみゅ」
その時、ズボンをチビクマが掴んだ。そのまま引っ張られるままに私は森の奥へ……いや、よく考えたらどっちが奥でどっちが出口なのかわからないぞやばくないか?
とにかくチビクマについていくと、木がそこだけ生えていなくて昼の太陽の光が雲を通して差し今にもふっと消えそうな儚さを備えた日溜りをつくっている場所に辿り着いた。雪が積もっていた。
チビクマは私を置いて数歩進み、何もない空間に手を差し伸べる。
ピッ。
目を疑った。人生で最も自分の目を信用できない瞬間だった。
直径三メートル程、高さ一メートル程の円盤型のUFOがそこに出現した。
無機質なその銀色のデザインは凛として曇った空から注ぐ光を照り返している。静かに自らを濡らす雪を受け入れ、微動だにしない。私はあらゆる方向から円盤を見回した。継ぎ目すらない美しいフォルム。シンプルイズベストの魅力を全面に打ち出している。
「これ……UFO? UFOだよねっ? いつもは透明にしておくんだ?」興奮を抑えられない。
「ぷみゅ。ぷみゅみゅぷみゅぷみゅ」なるほど、わからん。
チビクマが円盤の一部をその手でなぞる。プシュー、継ぎ目も何もなかったはずなのに扉が開き、内部構造が明らかになる。多数のスイッチやボタンが見える。入ろうとしたらチビクマに制止された。
中に入ったチビクマは扉を閉めることなく中で何かやっている。探し物だろうか。
しかし、本当にUFOに出会えるとは……夢のようだ。頬をつねってもちゃんと痛い。髪の毛を引っ張ってもちゃんと痛い。胸を見てもちゃんと断崖絶壁……ってそこはどうでもいいだろ。
中からでてきたチビクマは手に何かを持っていた。
「ぷみゅみゅ」
差し出したその手に握られているものは、どこから抜いてきたのか知らないが、ネジだった。
プレゼントだろうか。「ありがとう」笑顔になってなんとかしてジェスチャーで感謝を表そうと体をくねくねさせていたらチビクマはぷいと背を向け、UFOの中に入った。
「ぷみゅ!」
プシュー、扉が閉ざされる。名残惜しさを噛み締める間などなかった。
風が吹き荒れる。
「きゃあっ!」私は軽く吹き飛ばされ、草むらに転んだ。うろたえてる瞬間は少しだけ。私は必死で立ち上がる。
UFOは消えていた。空を見上げる。凄まじい速さで遠くなっていくUFOが、数秒後に見えなくなった。
しばらく私は雪を振らし続けるどんよりとした雲を見つめていた。非現実的な出来事だったが、確かに私は見た。地球外生命体と、それの作った未確認飛行物体を。
しまった、写真撮るの忘れた。くぅ〜一生の不覚ッ! ああもう、帰ろ!
あ、その前に、傘を返さなくちゃね。
チビクマを撮った写真はやはりぬいぐるみだと思われて、友達の間では「可愛いー」程度の話題にしかならなかった。
でも私は宇宙人からもらったネジがある。
きっと宇宙金属の一種だ。私は然るべき研究施設にこれを送り、調べてもらおうと、そう思っている。
今でも時々空を見上げる。雲間に、晴天の中に、UFOを探す。
いつかまた会える、そんな気がして。
完
- Re: ぷみゅ、ぷみゅみゅぷぷみゅ、ぷみゅぷみゅ。 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/07 22:04
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
後書
えーっと・・・
この作品で僕は何を伝えたかったんでしょうね?(シルヵ
オチの文がベタベタすぎてつまらんというか恥ずかしい。とかここで自分にダメ出しする暇があるなら修正しろって感じですけどあれです、面倒くさい(殴
この駄作の誕生秘話。
僕はブログをやっておりまして(参照)、そこで八月に「夏休みに小説書きまくっちゃう企画」というものを実施。短い文章をコメントしてもらい、それを書き出しにして一つの短編を書く、というものです。
コメントは四つ来ました。で、その二つ目が、「雪の降りしきる中、私はとある場所を目指していた。」というなんかフツーな文章でした。それを書き出しにして書いたのがこの、「ぷみゅ(以下略)」です。
意外な展開も謎めいた世界観もない作品ですが、読んでくださった方に感謝します。ショートショートに見られるような不思議な展開を期待していた方にはごめんなさい。
以上、後書でした。
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