コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 文学少女とスポーツ馬鹿の憂鬱な気まぐれ
- 日時: 2012/06/22 21:18
- 名前: 輝 ◆cWGYLaW7e6 (ID: 3lsZJd9S)
はじめましての方もそうでない方もこんにちは
輝と申すものです。
今回はただ単にぱっと思いつきで書いてみようと思っただけです。
(・・・いつもか。)
ただ、不思議そうでそうでもない高2の女子と、ただの勉強できないスポーツで生きてる男子のただの日常・・・、です。
・・・うん、変な方向に転がっちゃわないように気をつけます。
とりあえず、よろしくお願いします!!
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- Re: 文学少女とスポーツ馬鹿の憂鬱な気まぐれ ( No.1 )
- 日時: 2012/06/22 21:20
- 名前: ☆王様☆ ◆wwww/7ZoNc (ID: SDyLiy9K)
頑張れー☆
- Re: 文学少女とスポーツ馬鹿の憂鬱な気まぐれ ( No.2 )
- 日時: 2012/06/30 19:57
- 名前: 輝 ◆cWGYLaW7e6 (ID: 3lsZJd9S)
>>2
応援ありがとうございます!
頑張りまふ(・ω・)
- Re: 文馬鹿 プロローグ ( No.3 )
- 日時: 2012/07/15 00:43
- 名前: 輝 ◆cWGYLaW7e6 (ID: 3lsZJd9S)
蝶野碧は、美人だ。
おっと、誤解しないでくれ。別に「一目惚れ」した、とか、そういう事を言いたいわけじゃない。
ただ、興味を持った。
勉強はできる。足も速い。おまけに絵も上手いときた。
しかし、俺は彼女が誰かと話しているところを、見たことがない。声を聞いたことは流石にあるが。
そう、俺は彼女のことなんてこれっぽっちもわかっていなかったんだ。
***
・・・眠い・・・。授業中でもないのに、何故こんなにも眠いのか。 5月の柔らかい日差し。一般の生徒は、教室で授業を受けている真っ最中だというのに、矢野千隼は、屋上でぼんやりしていた。
あー・・・、PSP教室から持ってくればよかったなー・・・。そんなことを考えつつ、横になる。
もうしょうがねーから寝よう。さすがに夜になれば起きるだろう。
そうして、うつらうつら。
しばらくして、やっと眠りにつく。
それからしばらくして、屋上のドアが乱暴に開けられたのは、千隼が眠りについてから3時間後のことだった。
千隼は、眠りから覚め、目をこする。
目線だけをドアの方に向けると、そこには女子生徒が息を切らして立っていた。俯いているためか、千隼には気付いていない。
あ、こいつ、蝶野碧、だっけ・・・。
女子の名前はほぼうろ覚えなうえ、彼女は俯いたままなので、確信は出来なかった。が、顔を上げた彼女の顔は間違いなく、蝶野碧の顔だ。
え、泣いてる?
よく見ると、彼女、碧は泣いていた。よく整ったその顔立ち。
その顔には、確かに涙が浮かんでいた。
千隼はゆっくりと、上半身を起こす。
- Re: 文馬鹿 プロローグ ( No.4 )
- 日時: 2012/07/15 20:53
- 名前: 輝 ◆cWGYLaW7e6 (ID: 3lsZJd9S)
「・・・み、見ましたね・・・・・・? 」
碧は、世にも恐ろしい形相で千隼を睨みつける。目が充血しているせいで、怖さは3割増している。
「・・・な、何を?」
千隼は知らぬフリをして、顔を逸らす。
しかし、碧は怯まない。
「・・・わ、私の泣き顔、です」
碧は、今もなお目に涙を浮かべ続けている。
その姿は、ガラス細工よりも繊細で、指先で触っただけでも、壊れてしまいそうだった。
「・・・いや、見てないっす。」
千隼は、顔を逸らしたまま言う。
なんなんだ、この気まずさ。神よ、俺にどうしろと? この後、俺はどうすればいいの?
「あ———、あのさ、今何時か分かったり・・・する? 」
千隼は、気まずさから逃れるために、別に自分にとっては聞く必要もないことを聞く。
「・・・12時43分」
そんな千隼の問いかけにも、碧は自分のケータイをわざわざ取り出して答えてくれた。
千隼は、碧を見る。
「・・・何か、あった? 俺でよければ——、よければだけど、話くらいなら聞くよ? 」
その問いかけに、俯いていた碧は顔を上げた。涙でぐしゃぐしゃだが、その顔はやはり美しかった。
碧はしばらく硬直していたが、やがて肩を震わし———・・・
「・・・・う・・・・・・・・・・」
「うわぁぁあああああああああぁぁぁぁああぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁん」
千隼はぎょっとする。碧の眼からは、次々と涙が溢れ続けた。
えっ、俺なんかマズいことでも言ったっけ。
千隼は、数秒前に言った言葉を思い返して、必死に考えるが、何も分からない。
「ちょ、おち・・・落ち着け!!! 」
そう叫び、千隼が取った行動は———・・・。
“それ”をされた途端に、碧はぴたっと泣き止む。まるで、時が止まったかのように。辺りは静寂に包まれる。
千隼は、碧を抱きしめていた。
・・・え?
あれ、俺何して————————・・・・、
「うわぁぁぁあっ!!? さ、せ、さーせんっ!? いや、その気があってやったとかじゃなくて、事故——、」
慌てて碧から離れる千隼をよそに、碧本人はきょとんとしている。そして、クスクスと笑った。
「初めてです、私に“そんなこと”した人。」
嫌味なんかは、全くこもっておらず、まさにそれは、心から言っているようだ。
「“そんなこと”って・・・。ちょ、誤解招きそうだからやめて・・・。」
千隼は顔を真っ赤にして言う。
目の周りは赤いが、碧は確かに笑っていた。
「千隼くん、ですよね? ・・・こんな所で、授業にも出ないで、何やってたんですか? 」
碧は、悪戯な表情を千隼に近付けて訊く。
「いや、サボリ・・・? って言うか、名前知ってたんだ・・・。」
千隼は苦虫を潰したような顔して、自分の顔を、近付いた碧の顔から離す。
「名前くらい知ってますよ、同じクラスなんですから。・・・それより、さっき、話聞くって言いましたよね? 」
碧は長い髪を払いながら、問いかける。
「え、・・・ああ、うん。」
千隼は戸惑いながらも、そう答えた。
「どうせ、午後の授業に出るつもりもないんでしょうし、・・・・・・私も一緒にサボっていいですか? 」
そう、笑った。
- Re: 文馬鹿 第一章 ( No.5 )
- 日時: 2012/08/20 15:47
- 名前: 輝-teru- ◆sSA6ZLKK6w (ID: Fhb4zUz0)
はじまり
「ねーむーいー。」
帰り道、幼馴染みの笹島慧と並んで歩いていた千隼はぐーんと伸びをする。
「お前は午前中からずっと寝てただろうが」
慧は千隼を小突く。微妙にイラついているようだった。
「ったく、お前留年すんぞ」
慧は頭がいい。同じクラスで、テストも常に5位以内をキープしている。そのうえ、バスケ部のエース。陸上部でも滅多に参加しない、テストの成績は最悪の千隼とは大違いだ。
そんなコイツと幼馴染みなんて・・・。おかげで親から比べられっぱなしだコノヤロー。
ま、そんな俺も、今日は久々に部活に参加したぜ、イェイ。部員には滅茶苦茶、まるで変な生き物を見つけたような視線を送られたけど。そしかも、自己ベストが出た。なんだろう、どこからこんなパワーが!?
「千隼ー。電柱ぶつかるぞー。」
ふいに幼馴染みからかけられた言葉。しかし、時既に遅く——・・・。
ゴン、と鈍い音が響く。
「痛ってえええぇぇええぇぇえええぇぇぇぇええぇえ!!!?? 」
千隼はそのままでこを抑えてうずくまる。なんとも無様な姿だ。
「あー、痛々しいー。」
慧は冷たく言い放つ。
「てめええええええええっ!? 分かってたんなら言えよ!! 」
千隼は怒鳴る。そんな千隼に対し、慧は
「言った。」
と、ただ一言。
「タイミング考えろや!! 」
熱くなる千隼に対し、なおも冷静な声で
「考えた結果がこれだ。」
と放った。千隼はこれ以上言っても無駄と理解し、反論するのをやめた。
「あー、もうふざけんじゃねえよー」
そう呟いて歩き出すが、頭では、昼間の碧とのやり取りを思い出していた。
***
「・・・だから、私は言ったんだけど・・・。」
碧は弱々しく呟いた。
屋上のベンチに2人で座りながら、碧は話を続ける。
「家では誰も私の話なんて聞くつもりなくて・・・・・・。」
そこまで言うと、また泣き出しそうになる。それに気付いた千隼は慌てて話題を変える。
「えっ、あああああ・・・っと、お腹とか空いてない!? 」
この場には全く適してはいないのだろうが、今の千隼にはそれしか思いつかなかった。碧は一瞬きょとんとしたが、ふふふ、と笑うと、
「私は空いてないけど・・・、千隼くんは空いてるの? 」
その場を変えることには成功したようだ。千隼は心の中で万歳する。
「いや、別に・・・。もうお昼だし、さ。」
とかなんとか、適当に繋げちゃったりしてー。
「それに、君付けじゃなくていいよ。」
と調子に乗ってにこやかに笑う。男ってのはそんな生き物なのさ!! ここで引かれたら後はないけど———・・・。
「・・・それじゃあ、“千隼”だねっ!! 」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何この子天使か!!神様、俺は貴方に感謝します!!一生貴方についていきます!!
千隼は心の中でそんな葛藤をする。そんなことには少しも気付いていない碧は言う。
「じゃあ、私のことは“碧”ね。」
もう、やばい。あああああ。神様、ありがとう。
彼女の笑顔を見ると、千隼はそんな気分になった。
第一印象は暗そうとか思ってたけど、この子、本当は明るいんだろうな。
そう、思えた。
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