コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐
日時: 2012/12/06 21:45
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)

 あなたに ふれたくて たまらないの

  夏風に揺れて軽い音をたてる黒い髪とか

   細くて長いきれいな指とか

    形が整っていて たまに端がつりあがる唇とか 

     ふれたくて たまらない

      抱きしめてほしい

       大好きなの

        大好きなの

         私があなたを好きになったことは 罪ですか?





・。*目次*。・

自己紹介(?) >>2

登場人物 >>26

【オリキャラ募集について】 >>37 >>74

 《う〜る空様より》*有吉 友架  >>39

《優蘭様より》  *篠田 壱知  >>49

 《花えがお様より》*花風 侑   >>50

 《果奈様より》  *葛城 由海 >>76 


第一話*別れ >>8 >>14 >>15 >>17

第二話*孤独×自立 >>18 >>21 >>27 >>28

第三話*さよなら >>29 >>34

第四話*出会い >>35 >>36 >>44

第五話*学校 >>47 >>60

第六話*ライバルは突然に >>75 >>78 >>80 >>83 >>88 >>104 >>105 >>108 >>111 >>115

第七話*君に >>124 >>127 >>130 >>137 >>146 >>150 >>156 >>157 >>160 >>161

第八話*愛する人へ >>162 >>167


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Re: 向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.167 )
日時: 2012/12/21 21:04
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)

第八話Ⅱ*愛する人へ


信じられない。
もう見ることもなかったであろう人物。

美湖が冬にプレゼントしたニット帽は相変わらずであったが,顔には疲れた表情が目立った。

帽子の下からのぞかせた目は京をじっと見据えていた。
洋平は口を開きかけ,言葉を飲み込む。


「こんにちは」

京は軽くあいさつを済ませると洋平の真横を通った。
洋平はあわてた様子で京を目で追った。


「ちょっと,待ってください」

洋平が呼び止める。
京が振り返った。

洋平を見て,美湖を見る。
京は何かに感づいたのか,それとも寒いだけなのか,一言その場に平然と言葉を残す。


「中に入ってください」






洋平が靴を脱いだ。
ずいぶんと使い古したような某メーカーのスニーカー。
傷つけられ,痛みつけられていた。

「おじさん,いくつですか」
「俺,一応まだ29なんだけどなー。そんな老けてるか?」

初めて洋平の顔に笑みがこぼれた。
笑顔はあの頃とまったく変わっておらず,美湖の記憶を色づける。


「どうぞ,ここに」

京が案内したのは,紛れもない,京の部屋だった。
洋平はとまどい,ここは君の部屋かと確認する。


「そうですよ。だって,俺,あなたと話がしたいんです。俺の勘が当たっていれば……あなたは,洋平さんですよね?」

洋平が言葉を詰まらせた。
目が泳ぎ,ちらりと京を見て小さく頷く。


「で,今日は美湖のことでいらっしゃった,と」
「そ,うだけど。何で君が美湖の事……」
「美湖,俺の隣にいますよ」
「は……それは……」
「俺は,美湖が好きです」

長い洋平のため息が部屋に流れた。

「やっぱりな。実は,俺は美湖を成仏させたいと思ってきたんだけど,無理かな」

たくさんの感情を『やっぱり』という言葉にまとめ,曖昧な答えを出した洋平を,京は怪訝そうに見ていた。


「また,後日話しませんか。その時までに俺,結論出します」
「了解。美湖をよろしくね」

日時を決め,あっという間に洋平は帰って行った。
美湖は一言も言葉を発することはなく,ただ京の隣に居た。

怖かった。

忘れかけていた洋平の存在が再び美湖の頭を支配し始めたこと,それによって京の存在が小さくなっていくことが怖かった。


「あ,そういえばな,由海がここにくると思う,って美湖に伝えて。それじゃ」

帰り際,洋平は懐かしい友の名をこぼしていった。



Re: 向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.168 )
日時: 2012/12/06 23:18
名前: 優蘭 (ID: MlJjY9/z)

ひさびさやねーw
あたしもせないかんわっ(^^)


由海だれぞよーwwww

Re: 向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.169 )
日時: 2012/12/09 06:43
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)


ひゃは←

頑張って完結させるぜよw

Re: 向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.170 )
日時: 2012/12/21 21:06
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)


何、この久々感www

クリスマスやねー(もうすぐ)←


へへー(^^☆

Re: 向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.171 )
日時: 2013/01/29 18:36
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)


第八話Ⅲ*愛する人へ


「由海って、誰」

洋平の背中を見送った直後、京はさらっと聞いた。

「ち、中学校からの親友……」

美湖がつぶやく。


由海。
ゆうみ。

その響きがこだまするとともに、美湖の記憶が色づき始める。


勉強のこと、部活のこと、流行の歌手のこと、恋のこと、昨日あった出来事————。
ささいなことも報告しあって、毎日お腹を抱えて笑った。

洋平と付き合うことができたのも、由海の押しがあってこそだ。



『美湖。私より先に死んだら一生許さないからね!』


由海がいつも言っていた。
それを、早くも美湖は破った。

悔やみきれない後悔。


その由海が、会いに来る。


「きょんち」
「何」
「通訳、お願いします」


洋平が出て以来動かなかった京が振り向く。
美湖は深々と頭を下げた。



「了解」

京は微笑み、美湖の横を通った。


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