コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ミカエル図書館の館長は中二病でした。
- 日時: 2013/04/04 15:40
- 名前: 香里ー奈 (ID: 5cmk8ohj)
どうも、はじめまして!!
香里ー奈と申す者です!!
今回はじめて、このサイトに投稿させていただきました!!
他のサイトにも投稿していたんですが、このサイトははじめてです
今回投稿する作品は、ギャグみたいな、ファンタジーみたいな、
よくわからない作品です!
なのでみなさん、見守っていてください!!
■目次
登場人物紹介……>>1
第一話……>>2
第二話……>>3
第三話……>>4
第四話……>>5
第五話……>>6
第六話……>>7
第七話……>>10
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- Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.6 )
- 日時: 2012/12/17 12:30
- 名前: 香里ー奈 (ID: 6buVeY9I)
「ふう……完成、と」
瑠佐奈は図書館のカウンターで、入荷された本をチェックして、ジャンル別にわけていた。
意外に簡単そうに見えるが、これが大変なのだ。それにこの図書館は売れ行きがいいわけではない。だからいつでも入荷していいわけではないのだ。すべては時と売れ行きに相談だ。
(拓磨もここの仕事に慣れ始めたよね……)
先月ここに就職した四賀拓磨は、着々と仕事を進めていく。
長身で力強そうな外見とはよそに、真面目だった。
「さーて……そろそろ帰るか」
入荷本は明日本棚に置けばいい。瑠佐奈は運搬用のワゴンに本を乗せたあと、鞄を掴みカウンターを出ようとした。
しかし、何か人影を発見した。
瑠佐奈は本棚の影にさっと隠れた。
(泥棒?いや、こんなへんぴな所に泥棒なんて……)
目を凝らしてよく見ると、それは人間ではないようだ。
瑠佐奈はほっと、胸を撫で下ろした。
しかし、そいつは人間でも動物でもなかったのだ。
(あれは……スライム!?)
いや、何かの間違いだ。と、思い首を軽く横に振った。
しかし、そこには確かにいるのだ。
瑠璃色の体のぶよぶよした物体が。今、目の前に。
瑠佐奈は一瞬だけわくわくしたが、すぐに現実に戻った。
こんな所にいるわけないのだ。スライムは平面世界の動物だ。
スライムはなりふり構わずそこらへんを飛び回った。
スライムの液体が本につかなければいいのだけど。
「どうすんだよ、あんなモンスター……」
思わず声が出てしまった。スライムがこちらを振り返る。
「しまっ……!」
スライムはこちらに向かってきた。ゲームとはまた違う、恐怖。
本棚の角を曲がったりしたが、スライムはまだ追いかけてくる。
でも、まだまだ走り続けた。
ドンッ!!
本棚の角を曲がったとき、大きな体にぶつかった。
(また、新手!?)
怯えながら上を見上げると———
- Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.7 )
- 日時: 2013/02/11 16:09
- 名前: 香里ー奈 (ID: 2Ln5gotZ)
拓磨が角を曲がると、体に思いっきり衝撃が走った。
相手は倒れたらしい。それに手を差し伸べると、すぐに掴んで立ち上
がった。
「あれ?瑠佐奈?」
「拓磨っ!!」
瑠佐奈だ。それもすごく慌てている。
瑠佐奈は拓磨の体にしがみついた。
「うおっ!?」
「お願い拓磨。助けて!!」
「な、なんだ?」
「スライムに……スライムに追われてるの!!」
そう言う瑠佐奈の口元は、なぜか笑っていた。
「……お前、どうしたんだ?なんか狂っちまったか?」
「冗談抜きで!!こんな意味不明な冗談、私が言うと思う!?」
素直に首を縦に振ると、思い切り頬に平手打ちを食らった。
「いいから早く逃げないと!!」
瑠佐奈は拓磨の手を握ると、全速力で駆け出した。
その手は、ありあえないくらいに汗ばんでいる。
しかし、拓磨にはまだ瑠佐奈の言っている意味が信じられなかった。
「あのさぁ、お前、夢見るのもいい加減に……」
「夢見てたらこんなに焦らないって!!」
溜息を吐きながら拓磨は後ろを振り返った。
—————いた—————
それはいた。青色の、それも某RPGに出てきそうなほどのぷよぷよしそ
うな生き物が。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!?なんだあれ!?なんだあれ!?」
「だからスライムっていってんでしょ!!」
「いや、なんであんなドラ○○に出てきそうなやつがこんな所に——
—」
———てか、なんで瑠佐奈笑ってんだ!?
瑠佐奈の横顔は、これほどはないんじゃないかと疑いたくなるほどに
きらきらと笑っていた。
「早く逃げよっ!!」
「お、おう」
- Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.8 )
- 日時: 2013/02/11 16:30
- 名前: ☆サザンカ☆ (ID: 2rVK2fl9)
香里ー奈様へ
これ、めちゃくちゃおもしろいですね!
私的にもっと中二病シーンを増やして欲しいです。
これからの更新に期待☆⌒(>。≪)
- Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.9 )
- 日時: 2013/04/04 14:48
- 名前: 香里ー奈 (ID: 5cmk8ohj)
サザンカ様
コメントありがとうございます!!
めちゃくちゃ嬉しくて泣きそうです; ;
これから中二病シーンを増やしていくつもりです!!
私から言うのもなんですが、応援よろしくお願いします!!!
- Re: ミカエル図書館の館長は中二病でした。 ( No.10 )
- 日時: 2013/04/04 15:20
- 名前: 香里ー奈 (ID: 5cmk8ohj)
「はぁっ……おい、どこまで走るんだ!?」
「知らない! 逃げる!」
———どこまでも走り続けそうだな……
ちらりと後ろを振り返るが、もう瑠佐奈の言う「スライム」は
見えない。
「おい、瑠佐奈……。もうスライムいなくなったぞ」
「え!? 嘘!!」
瑠佐奈もこちらを振り返る。
どぎまぎしているかのような表情だが、やがて溜息とともに安堵した
顔つきになった。
「はぁ……死ぬかと思った」
「死ぬかと思った、って……もしあれがスライムだとしても、死ぬ訳
じゃないだろ」
「……貴様、何を言っている?」
なぜか瑠佐奈の口調が先ほどまでとか思い切り違った。
「……へ?」
「スライムというのはなぁ、たとえ弱くても魔王の配下なんだよ!!
冷酷な魔王がスライムを変な薬で強化してしまう可能性もありえる
だろう!? そんなことも知らないお前は、勇者失格だ!!」
———いつから俺が勇者になったんだよ……。
「……で、さっきのはなんなんだよ」
「……知らない」
またいつもの瑠佐奈に戻り、俯いてしまった。
何度も「なんなんだよあいつ……」と口角を上ながらも呟いている。
「……」
「……」
沈黙が続く。
拓磨は耐えられなくなり、口を開いた。
「なあ、瑠佐奈。こんな所でこんな質問もなんだが……お前、なんで
図書館館長になったんだ?」
またも沈黙。
しかし瑠佐奈は俯きながらも、ぽつりぽつりと語りだした。
「実はこの図書館、すっごい昔から建ってるの。私のお祖母ちゃんの時代くらいね。お祖母ちゃん、昔言ってた。この図書館には何ともわからないおかしな生物がいるって。少なくとも、その頃の私は微塵も信じてなかった。その頃から私はサンタなんは信じてなかったもん。でもね、小学四年生ぐらいの時に、そのお祖母ちゃんの言葉を思い出したの。ちょっと興味が沸いてきたから、行ってみよっかなって……」
瑠佐奈の話は、まだまだ続く。
拓磨は黙って、その話をずっと聞いていた。
「そして、何もないこの図書館に足を踏み入れた。その瞬間は今でも覚えてる。……凄い鮮明なんだ。なんかこう、ぶわっとくるものを感じて……。……それからは覚えてない。覚えてるのは、血の広がる荒れた荒野と、そこに倒れる血まみれで倒れる私にそっくりなドレスの女の人だけ。……多分、夢なんだろうけど」
滑稽な話に聞こえるが、瑠佐奈の話すことには真実味があった。
「そんなことがあってから、私はここで図書館を開くことにした。……その夢もたびたび見るけど、最近はあんまり見なくなった。まあ見ても血なまぐさくなる光景だし、思い出したくはないんだけどね!」
ふふん、と鼻を鳴らす瑠佐奈。
少しだけ、ほんの少しだけだが、強がっているように見えた。
拓磨は心の奥底でずっと思っていたことを、言うことにした。普段は恥ずかしく言えないが、今なら言える気がする。
「あ、あのさぁ、瑠佐奈」
「? 何?」
「何か困ったことがあるなら、俺に言ってくれていいんだぞ?」
瑠佐奈の顔に、疑問符が浮かぶ。
拓磨の中では、これは一種の告白なのだが、それに気づかない瑠佐奈はきょとんとした顔で首を傾げていた。
「えっと……それってどういう……」
「あああああ! 今はわからなくていい! そのうち教えるから!」
またも首を傾げる。
正直言っていいかわからないが、その動作も可愛い。
「まあいいや。どうせあのスライムももういないだろうし、帰ろ」
「あ、ああ……そうだな」
戸惑いながらも、拓磨は瑠佐奈の後に続いた。
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