コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ビート・ガールズ!
- 日時: 2013/01/18 23:29
- 名前: 雨月 ◆Dtcgw7lf52 (ID: SnkfRJLh)
その先に何も無くとも、暗闇しか待っていなくとも、
硝子のように透明で太陽のように輝き、流れる水のように滑らかなメロディーを今、奏でよう————
「藤ヶ丘中学ガールズバンド、始動!」
@はじめに、
どうも、少し前まで甘月でした、雨月(あまつき)と申します。
短編書きたくなったりシリアスに走ってみたり名前が突然変わったりする変人です。
雨月は、荒らし・なりすまし・初めましてでのタメ口をあまり好みません。
もちろん親しくなってからのタメ口ならOKですが、これらを守れない方はお帰り下さい。
■もくじ
@とうじょうじんぶつ。>>01
#1放課後シークレットバンド
prologue>>02
>>03
————————*゜。○ 。゜
2012/01/16 設立
Page:1
- Re: ビート・ガールズ! ( No.1 )
- 日時: 2013/01/17 00:02
- 名前: 雨月 ◆Dtcgw7lf52 (ID: SnkfRJLh)
@とうじょうじんぶつ。
久世 真祐/くぜ まひろ(♀) 【ボーカル】
3年生。明るく元気で、前向き思考。通称ヒロ。
将来歌手になりたいと考えているが、父親には反対されている。
母親は別居しており、時々会いに行くことも。
運動神経抜群だが勉強は不得意。楽器は何も出来ない。
黒髪で、長さは肩につくくらい。歌は上手いが、少し厳しい。
香柴 椛/かしば もみじ(♀) 【ベース】
3年生。成績優秀だが、運動はあまり得意ではない。
だがベースの腕はプロ並みで、誰よりも情熱をかけている。
音大に行こうと考えているが、両親に猛反対されている。真祐とは中学で出逢う。
基本的に人と関わるのがあまり好きではないが、根は優しい。
黒髪ストレートで、長さは腰くらいまで。いつもは束ねている。
野々宮 唯弦/ののみや いづる(♀) 【ギター】
1年生。内向的で、人見知り。成績は普通だが運動音痴。
普段は天然ですぐドジを踏むが、ギターを持つと変わる。
生まれつきの茶髪で、ボブ。よくカラフルなピンで留めている。
吉野 耶凪/よしの やなぎ(♂)
3年。真祐とは小学校の時からの腐れ縁。通称ヤナ。
クールだと思われがちだが、実は明るい。もともとは暗めだった。
成績は中の上で、運動神経は抜群。ルックスも良いので結構モテる。
ピアノとギターが出来るが、部活はバスケ部。
- Re: ビート・ガールズ! ( No.2 )
- 日時: 2013/01/17 00:28
- 名前: 雨月 ◆Dtcgw7lf52 (ID: SnkfRJLh)
- 参照: prologue
@
元々、歌うことが嫌いなわけではなかった。
使い古したおもちゃのマイクが押入れの奥に眠っているし、音程は外れまくりだけれど歌っている映像も幾つか残っている。
けれど本気で歌いたい、とそう思ったのは、テレビで流れていた一つの歌がはじまりだった。
何かを訴えかけるようなその曲に心を打たれたのは、丁度その頃両親が離婚したからだったかもしれない。
どちらについていくのかと聞かれたら、母親と答えるつもりだった。
けれどそんなことは聞かれなくて、何も言わず母親は去って行った。
別に、それが悲しかったわけじゃない。寂しい、というのは少しあったかもしれないけれど。
でも2人の口喧嘩をもう聞かなくていいのだと思うと、少し心が軽くなった。
いつもいつも、リビングから聞こえてくる五月蝿い声が嫌でしょうがなかった。
前は仲が良かったはずなのに、と嘆きながら、そんな時は決まってイヤホンで耳を塞いだ。
大音量で曲を流し、布団を頭から被る。
そうしたら両親の声も、周りの音さえもすべて遮断できた。
(ずぅっと、この曲だけ聞こえてればいいのに)
いつも世間の声や両親の声には耳を塞ぎたかったけれど、曲だけは聞いていたかった。
その曲のおかげで生きていたと言っても過言ではない。
情緒不安定だった自分に、勇気を、希望を、喜びを与えてくれたのはその曲だけだった。
そしてのちに、そのことがあったおかげで良い仲間にも出会えるのだけれど————それはまた、別の話。
- Re: ビート・ガールズ! ( No.3 )
- 日時: 2013/01/18 23:28
- 名前: 雨月 ◆Dtcgw7lf52 (ID: SnkfRJLh)
@放課後シークレットバンド
「ヒーマーだーっ!!」
放課後。ほとんどの人間が部活へ駆り出され、静まりかえった教室に大きな声が響いた。
「何言ってんのヒロ。やることならいくらでもあるでしょ」
机に突っ伏している真祐に、学級委員の仕事で残っていた椛が淡々と言い放つ。
この2人、他の生徒のように部活には入っていない。
といっても、ずっと入っていなかったわけではない。今年になって、入っていた軽音楽部が廃部になったのだ。
原因は、部員不足。吹奏楽部に部員を取られ、残ったのは真祐と椛の2人だけだった。
「……歌いたい」
「…………そんなこと言ってもしょうがないでしょ」
机に突っ伏したままぼそりと呟いた真祐の瞳には、どこか固い決意のようなものが宿っている。
だから椛も、それを感じ取りつつも拗ね気味に言う。
真祐はもちろん、椛だって音楽はやりたい。けれど、発表する場が無いのだからそれは仕方のないことだ。
「……そうだ!!」
いきなりガタン、と音を立てて立ち上がった真祐に、思わず椛も振り向く。
「無いなら作ればいいんだ!!」
続く真祐の言葉に、椛はその意味を理解した。
今まで何故それに気付かなかったのかと疑問に思うが、まあそこは聞かないで上げようと密かに誓う。
「藤ヶ丘ガールズバンド、始動!」
- Re: ビート・ガールズ! ( No.4 )
- 日時: 2013/01/20 19:04
- 名前: 雨月 ◆Dtcgw7lf52 (ID: SnkfRJLh)
@
新しく音楽活動をする為に2人が考え出したのは、ガールズバンドだった。
果たしてそれは部活になるのかどうかは分からなかったけれど、とにかくやるしかない。
だがひとつだけ、大きな問題が残っていた。
「やっぱいないかぁ……」
ボーカルは真祐、ベースは椛がやるとして、ギターとドラム要員が見つからないのだ。
しかもギターならまだしも、ドラムをやっている女子はなかなか少ない。
そこまでガールズバンドにこだわる必要は無かったような気もしたけれど、出来ることなら女子が良い。
募集チラシは貼って来たものの、集まるかどうかも分からないのだ。
2人は放課後の教室で、頬杖をつきながら溜め息をついた。
- Re: ビート・ガールズ! ( No.5 )
- 日時: 2013/01/26 20:51
- 名前: 雨月 ◆Dtcgw7lf52 (ID: SnkfRJLh)
@
とりあえずガールズバンドの一時的な部室として資料室を借りた2人は、もう1時間ほどそこで待っていた。
新入部員を、だ。
けれど、資料に溢れた変な臭いのする部屋で待つのはもう限界に近い。
とそこに、コンコン、と扉を叩く音が響いた。
「来た!!」
それに反応した真祐はガタン、と音を立てて立ち上がり、椛は伏せていた顔を勢いよく上げた。
「はい、どうぞ!!」
「あの……ガールズバンドのチラシ見て来たんですけど……」
きょろきょろ辺りを見回しながら言った子は、一見楽器が出来そうな子には見えない。
「名前と学年と、出来る楽器を教えてくれる?」
一見すると下級生に見えたため、椛はなるべく優しく聞く。
バンドに加入したいという子が来たことで2人とも忘れていたが、全員座らずに立って話をしていた。
「野々宮唯弦、1年A組、一応ギターが弾けます」
唯弦というらしい彼女の言葉を聞いた2人は、咄嗟に顔を見合わせた。
ギターが弾ける、ということはあと足りないのはドラムだけである。
「ありがとう!!」
そう言って思わず唯弦の手を握った真祐に、唯弦は動揺しながら椛に助けを求めた。
それを見た椛は真祐を引き離し、改めて唯弦に向き直る。
「これから、よろしくね」
「は、はい!!」
笑顔で言った椛を見つめ、唯弦もそう返した。
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