コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 俺と同居人
- 日時: 2013/03/16 19:21
- 名前: 月宮 悠汰 (ID: lxWybX4m)
どうも。
月宮悠汰(つきみやゆうた)と申します。
こちらの作品は短編集となっております。
一応人物紹介。
俺・・・自称『俺』。高校1年生ぐらいの設定。友達いない。イケメンだけど。
同居人・・・自称『僕』。小4ぐらいの設定。これまた友達いない。美少年だけど。
ちなみにBL要素は皆無ですのでご安心ください。
あ、あと『俺』と『同居人』の名前は特にきめてないです。
ご想像にお任せします。
えっと
とりあえず
まったり更新できればいいなと思ってます
はい
応援してやってください
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- 三つ目 『運命』 ( No.4 )
- 日時: 2013/03/14 18:12
- 名前: 月宮 悠汰 (ID: lxWybX4m)
「君は、運命という言葉を信じるかい?」
「んぁ?」
口に運びかけのパスタを停止し、顔をあげる。すると其処には、汚いものを見るような目で同居人が俺を見ていた。ひでぇ。
「君、汚いよ。さっさとそのフォークをおろせ。そして口のまわりのソースをふけ」
「サーセンした」
お前は俺の何なんだ。
「で、信じるかい? 運命」
「運命な……よく解らんが、あんま信じないな」
言ってから、さっき食べようとしていたパスタを口に運ぶ。ナポリタン。うめぇ。
「根拠は?」
「特に無いけど」
「フッ」
おい! お前今鼻で笑っただろ! フッってなんだよ、フッって!
「君もまだまだだね」
「そりゃどーも」
変人に認めるられても誰も嬉かねーよ。
「じゃあ、お前は信じるのか? 運命」
「信じてないね」
ほう。珍しくのっけから全否定だな。
「だって、元々人生がきまっているとか面白くないじゃないか。そうおもわないかい?」
「はぁ」
自分の都合過ぎないか、それは。いや、否定はしないけど。
同居人がコーヒーをすすり、少し不機嫌そうな顔になる。
「もしもだ。僕らの人生が、運命によって形成されているのならば、僕と君の出会いは、僕らが生まれた前から来まっていた、ということになるんだよ? そんなの嫌じゃないか」
「酷いなおい」
今度は俺が不機嫌な顔になる。
「そういうことじゃないさ。もしも僕らは運命によって動いているならば、始めから行き着く先が決まっていることになる。つまり、僕らは自分の意志で動いているようで、実際はそのような意志を持つようにプログラムされている、機械のような物になってしまうじゃないか」
「ほぅ」
確かにそう考えると嫌だな。
「でも、もしこの世界の全てが運命で構成されているのなら……もしかしたらこの世界は、誰かによって作られたものなのかもね」
同居人は、そう言うと目を閉じて、俺に問いかける。
「もし、そうなんだとしたら、僕と君は何の為に出会ったんだろうね」
「さぁ。ていうか、別に理由とかいらなくないか?」
おれとお前は出会った。それで良いじゃないか。
「・・・・・・」
「ん?」
前を見ると、同居人が目を丸くしていた。
何にそんなに驚いているんだ。
「いや、君にしては珍しいと思ってね、そういう事を言うのは」
「そうか? てか、逆にお前と出会って俺の人生プラスになったんだったらそれはそれで良くね? 結果オーライじゃん」
「僕にとってマイナスだった場合はどうなるんだよ」
「知らん」
言い切って、最後の一口を口に運ぶ。うまかった。
「酷くないかい?」
同居人が口元を拭きながら、眉をひそめる。
こいつが何かをしながら眉をひそめるのは、機嫌の良い証拠だ。なんで機嫌が良いかは知らないが、不機嫌よりは倍良いだろう。笑う門には福来る、っていうことわざもあるしな。
「君は、哲学が好きかい?」
「いや全然」
「そう」
同居人はそう言って伸びをする。
哲学では表せない交友関係だって、時には良いと思うぜ。
- Re: 哲学する小学生 ( No.5 )
- 日時: 2013/03/14 18:15
- 名前: 月宮 悠汰 (ID: lxWybX4m)
☆サザンカ☆様へ
コメントありがとうございます!
お話読ませていただきましたー
めっちゃ面白かったです!
これからお互い頑張りましょうねー
- 四つ目 『今度』 ( No.6 )
- 日時: 2013/03/14 22:15
- 名前: 月宮 悠汰 (ID: lxWybX4m)
「ねぇ君。また今度って、いつか解るかい?」
同居人が、横に寝転がったまま、俺に話しかける。ちなみにベッドの上だ。そして寝る直前。おい、ちょっと待て。俺にそんな性癖は無い。あったとしても哲学する小学生なんて御免だ。いやだからそんな目で見ないでってば。
「さぁ。今度は今度だろ」
「じゃあ、その今度は必ず来るものだと、君は言い切れるかい?」
俺は思わず目を開けて、向き合っている同居人の顔を見る。
同居人はニヤリと子供らしくない笑みを浮かべ、話を進める。
「もしかしたら、明日かもしれないし、来週、来月、来年、十年後、五十年後、もしかしたら、死ぬ間際かもしれない、でも、そんな長い期間、『今度』は有効なのかな? というか、今度って来るのかな。もしもだよ? 前の来生の話を引用するとして。今生で約束した「今度」を来生で果たしたら、それは約束を果たしたことになるのか。それとも、今生と来生は別物なのだから、約束を果たしたことにならないのか。どっちなんだろうね。いやぁ、実に日本語は奥が深い。そう思わないかい?」
「そうだな」
俺は、楽しそうに話をする同居人から目を反らし、答える。
「と言う訳でだよワトソン君」
「誰がワトソンだよ」
「おや、ホームズの方が良かったかい?」
「そういう問題じゃねぇよ」
「まぁ、呼び方なんかどうでも良いんだ。君、前に僕が図書館に行きたいと言ったら、『今度な』って言ったよね」
ニヤニヤすんじゃねぇよ。
「その今度が流れてしまわないようにする為に、明日図書館へ行こう。是非とも行こう。ついでに映画も見に行こう。明日は土曜日。彼女もいなければ友達も居ない君はどうせ暇だろう?」
「それはお互い様だけどな」
確かに、と同居人が苦笑する。
素直に図書館に行きたいと言えば良いのに。とは思わない。だって、それが同居人だから。
「人間とは、ひねくれた生き物なんだよ」
そのひねくれ者代表に言われたくねぇよ。
ひねくれ者でも哲学するんだ。
世の中、もうちょっと進歩しても良いと思うぜ。
- 五つ目 『休日』 ( No.7 )
- 日時: 2013/03/15 21:16
- 名前: 月宮 悠汰 (ID: lxWybX4m)
という訳で。やって来たぞ図書館。しかも国立。
デカい。以上。
俺は表のカフェで紅茶を飲んでブレイクタイム。あいつは多分、論文とか哲学書とか見ながらニヤニヤしていることであろう。恐ろしや。
確かに俺も本は好きだが、そういう手のものは苦手だ。
要するに、堅苦しいのは嫌いなんだ。気楽に行こうぜ、気楽に。
ちなみに、俺とあいつの関係だが。
本当にただの同居人だ。それ以上でも以下でもない。
お互い話しているのは、年齢と名前、まぁあと交友関係もチラホラと。お互い干渉はしない。だから呼び方は「同居人」ち「君」。それで良いんだ。これぐらいの距離感の方が良い。その割に寝室は一緒なんだけど。だから其処、俺にそんな性癖は無い。
「やぁ、待たせたね」
同居人が手ぶらで戻ってきた。
そういえば、家を出る時から手ぶらだったな、コイツ。
「本は?」
「速読」
マジッスカ。
この小学生ホント何者だよ。
「僕もコーヒーでも飲もうかな」
「じゃ、此処ワリカンな。俺も紅茶しか頼んでないし」
「フッ。紅茶とは、君もまだまだ子供だね」
「本物の子供に言われたくねーよ」
人の好みに口出しすんな、と同居人を軽く睨む。
ちなみにコーヒーはカフェオレでしか飲めない。砂糖たっぷりの。
俺の視線をスルーした同居人は、俺の前の席に腰かける。
ちなみにさっきからキレイなオネーさん二人組が、俺らの方を見て何か言っているんだが。
「ねね、アレって兄弟? 従兄弟?」
「年の差カップル?」
ちげーよ。
「小学生と高校生? 何ソレモエル」
萌えねーよ。燃えてんのはお前の頭だ。
同居人の方を見ると、運ばれてきたコーヒーをストイックに飲んでいた。何この小学生ムカツク。
「ねぇ、君は推理物と恋愛物なら、どっち好きだい?」
「推理」
恋愛なんて、興味ない。他人の恋愛なんか見て、何になるんだ。
「そういうと思ったよ。生憎、僕も恋愛物は苦手でね」
だろうな。
「今から見に行く映画の裏話、聞きたくないかい? どうせあと一時間程あるんだ。物語をより楽しめるように興じようじゃないか」
同居人、身振り手振りの大演説。
俺、大欠伸。
「あでっ。叩かなくてもいいじゃねぇかよ」
「人として失礼だろ」
小学生に人としてとか言われてしまった。俺もそろそろ末期だな。
「で、裏話って何」
俺が仕切りなおすと、同居人が嬉々として喋りだす。
なんだかねぇ。
「今から見る映画、簡単な骨組みは君も知っているだろう?」
「あぁ」
「なら話は早い。あの話、実は、ノンフィクションなんだ」
「ほぅ」
「と言っても、現実に起こったのは映画を撮り終わってからなんだけどね。映画と全く同じ事が現実に起こったんだ」
「つまり」
「そう、幽霊がね、居たんだよ、本当に」
まじっすか。
「だってあの映画は」
「幽霊が人を殺す、か。ある意味ホラーだよな」
「あれはどっちかというとゾンビじゃないかい? したいも葬儀場から無くなって、殺された人の横に転がっていたし」
「てかさ、あれ、幽霊って実は生きてたんじゃね? 医者もグルでさ。油断させといて、こう、グサッっと」
「ま、この話、表には出てないんだけどね」
「そりゃ、幽霊が殺人とかふざけてるもんな」
「それもあるんだけどね。この事件、死者が居ないんだよ」
「は・・・・・・?」
「ここからは映画と違ってくるんだけどね。死んだ人が、元々居なかったことになっているんだよ。映画も、違う監督が作った事になっている。でも、死んだ人は居たんだ。だってね——まぁ、此処から先は映画を見た後の方が良いかな」
同居人は立ち上がり、俺の方を見て不敵に微笑む。
「あ、そうそう。その監督の顔写真だけどね、コレだよ」
同居人が、自分の分の代金と一緒に一枚の紙を俺に渡す。其処には、髭もじゃのおっちゃんが写っていた。『はぁ』と得に感心も持たず、代金を払って映画館へと足を進める。
映画のエンドロールの最後。画面一杯に写ったのは、俳優が演じていた映画の中の監督ではなく、あの、髭もじゃのおっちゃんだった。
固まる俺の方に同居人が手をポンとおく。
「時には、哲学では考えられない事も世の中にはあるのさ」
現実は小説より奇なり。
哲学少年、完敗だな。
- 六つ目 『君』 ( No.8 )
- 日時: 2013/03/16 17:24
- 名前: 月宮 悠汰 (ID: lxWybX4m)
やぁ、みなさん。
今回は 俺 に代わって僕が一人称を勤めさせもらうよ。
なぁに、そんなに心配しなくても良い。今回は哲学抜きだから、安心しな。
「お前何勝に乗っ取ってんだよ」
「仕方がない、大人の事情だよ」
僕が軽くなだめると、彼も納得したのか、再びソファに座る。
実を言うと、ネタが無くなっただけだ。全く。うちの作者様は想像力が乏しいな。
「で、何すんの」
「さぁ」
僕があっけらかんとして言うと、彼の顔がは?と言いたげな表情になる。あんまり怒ると老けるのが早くなるよ、と言いたかったが、なんとか我慢した。いくら小学生でも、言って良い事と悪い事の見分けぐらいつくさ。
「あぁ、そう言えばね。作者が、『この家の光熱費とかガス代とか電気代、生活費ってどうなってんだよ・・・・・・』ってボヤいていたよ」
「光熱費とかは俺とお前の口座から半分ずつだしてる。生活費も半分ずつ」
彼が読んでいる推理小説から目を離さずに答える。
あんなちゃちなもの読んで何が楽しいんだろう、という疑問は口にしない。
ちなみに家事は殆ど彼がやっている。所謂専業主夫と言う奴だ。
「で、他は」
「君と僕の関係が実はすっごい淫らなものじゃないのか、とも言っていたね」
「死ね」
彼は、今にも小説を引きちぎらんばかりの力を手にいれ、殺気の籠もった声で言う。
おぉこわ。
「まぁまぁ、そう怒らなくても良いじゃないか」
「いや、怒るだろ、普通」
彼が呆れた顔で言う。まぁ、実際僕と彼との間には、そんなものはない。本当にただの同居人だ。
彼も言っていたが、本当に何もないから、お互い最低限の情報しか話していないし、それ以上知りたいとも思わない。
同居するには、互いの性格さえ解っていれば十分だ。
あぁ、勿論ちょっとした過去も、ね。
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