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- 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】
- 日時: 2013/08/16 05:41
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
初めまして。
シアといいます。
なかなか更新できないと思いますが、コメントをお待ちしております。
目次
プロローグ >>1
登場人物 >>4
用語解説 >>5
第一話 >>6
第二話 >>7
第三話 >>8
第四話 >>9
第五話 >>11 >>12
第六話 >>13 >>18
第七話 >>19 >>22
第八話 >>25 >>30
第九話 >>31 >>35
第十話 >>37 >>42
第十一話 >>43 >>47
第十二話 >>48 >>52
第十三話 >>56 >>57
第十四話 >>60 >>61
第十五話 >>64 >>65
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- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.65 )
- 日時: 2013/08/13 17:21
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
私はミラージュと謁見の間をあとにした。
あの後少しだけ談笑が続いたが、私は早々に退室した。
身体が限界に近かったからだ。
それに、母君様の傍に父君様が行きたそうにしていたという理由もある。
けれどそれ以前に、今現在私の身体を支えてくれるミラージュが、父君様と謁見の間で談笑をしていると、私のドレスを引っ張ってきたからだ。
父君様には見えないように。
未だに、彼女の真意が掴めない。
そんなことを考えている時だった。
「皇女陛下」
不意に、ミラージュが私を呼ぶ。
「イアルには、本当に何も言わないつもりなんですか?」
「………」
私は何も答えなかった。
それはミラージュの問いに対し、肯定しているようなものだ。
そう。
イアルは知らないのだ。
私が敵国であるフェブロニア王国に嫁ぐことを。
その約束があったことも。
何も知らない。
知っているのは、父君様、ミラージュの二人だけ。
父君様にも、ミラージュにも、イアルには言わないように口止めをしたのだ。
そのことを心配してくれるのは、私にはよくわかっていた。
幼き頃からずっと一緒に居た幼馴染のことだから。
「彼には、教えたくない。自分の心が壊れたとしても、私には私の務めがあるから」
微笑みながらそう言うと、ミラージュは悲しい顔をした。
そんな時だった。
最悪だと、私は思った。
目の前にはイアルがいた。
今一番会いたくない人物。
「フィーア皇女陛下!」
私に気づくと、走ってこちらに向かって来る。
本当に最悪だ。
「大丈夫なんですか?」
「ええ」
私は微笑んで答えた。
すると、ミラージュがイアルを呼んだ。
「イアル」
「ん?」
「皇女陛下を運んであげて?もう歩くのも大変になってきているから」
「ああ」
え……………………………………………………。
私はミラージュの言葉に思考が停止したが、すぐに再開した。
なんせイアルが私を横抱きにしたからだ。
いわゆる、お姫様抱っこ。
「イ、イアル!?」
私が慌てると、イアルは私の耳元で囁く。
「大人しくしてろ。さもないと………」
「さ、さもないと………?」
イアルが小声で言うため、私もついつい小声になる。
「………キス………するぞ?」
何を言っているんだこの人は!!
ミラージュがたとえ私とイアルが付き合っていると知っているとはいえ、恥ずかしすぎる!!
と、そんな時に助け舟が出た。
「ちょっと、イアル」
「何だ?」
「フィとイチャつきたいのは解るけど、此処ではやめて」
「はいはい」
ありがとう、ミラージュ。
そんなこんなで、私をお姫様抱っこしたまま、イアルは歩み始めた。
イアルを見ると、拗ねた顔をしていた。
その顔に私は少し笑ってしまった。
そのことにイアルは気づいてないみたいだが。
けれど、これからはこんな他愛ないことで、言葉を交わすことがもうできなくなると思えば、心が悲しみに苛まれることは、誰にも言えない。
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.66 )
- 日時: 2013/08/13 23:20
- 名前: 冬の雫 (ID: Oh9/3OA.)
…お、お姫様抱っこ……っ!?
イアルくんなんてかっこいいの……(;´ェ`//)
久しぶり、冬の雫です(*゜v゜*)
いやぁやっぱシアはすごい…。
どんどん引き込まれる……っ
更新頑張って!部活も頑張って!!
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.67 )
- 日時: 2013/08/15 22:54
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
冬の雫さん!
いやぁ
この頃いちゃつくのを………禁止じゃないけど全然やってなかったから。
だから、辛い選択をしたフィーアへのご褒美かな?
これからも、フィーア共々、よろしくお願いいたします!
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.68 )
- 日時: 2013/08/20 09:44
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
第十六話
瞳を開けた先に写ったもの。
それは、イアルの寝顔。
「ひゃわっ!!」
というわけで変な声をあげてしまった。
まだイアルが起きてないことに感謝。
今の状況を説明すると、いつもの時間に起きた私は、イアルの寝顔がすぐ側にあり驚いた、という状況。
先に言っておきます。
別に互いの身体を求めたわけではありません。
多分私が起きる前にここに来て、つられてイアルも眠ったとこでしょう。
「ん………」
そんなことを考えていたら、イアルがやっと目覚めた。
私は上体を起こしていたので、横になって寝ているイアルを私は上から目線で見られる。
そんなことはどうでもよく。
まずイアルを起こさなければことは始まらない。
「おはよう、イル」
「あぁ、おはよう」
ベッドの上で朝の挨拶を交わした、その時だった。
ガチャッと部屋の扉が開いたのだ。
「い、い、イアルーーーーっ!!」
扉を開けたのは、ミラージュだった。
イアルの姿を見るや否や叫んだ。
あぁ、朝から私達は何をやっているんだか。
ミラージュに叫ばれても、イアルは私のベッドから起き上がろうとしない。
しかも、微かに「眠ぃ………」と言っている。
「貴方は何をやってるの!?恐れ多くも、皇女陛下のベッドで…………………………!!」
怒りをあらわにしながらこちらに歩み寄るミラージュ。
怒らせたら幼い頃から誰よりも怖かった。
そんなミラージュに対抗できるのは、イアルしかいなかった。
「うるさいな。少しはいいだろ」
「そんな問題じゃないでしょ!?だいたい、何で貴方が私より、先に皇女陛下の部屋にいるのよ!!」
「たまたま」
そう言い返せるのは、確実にイアルしかいない。
そんなこんなで、ミラージュが呆れて言い争いは終わった。
朝から騒がしかった。
けれど、こんな朝の騒がしさも、三日後にはなくなってしまう。
こんなにも大切な時間を失うことは、怖くて。
けれど自分が決めたこと。
もう覆すことなどできない。
それでも。
私は私の運命を受け入れながら、この世で生きていかねばならない。
誰だって、平穏に暮らしたい。
それなのに、今の世は争いばかりで、近隣の小さな国も滅びた。
いつからこんなになってしまったのか。昔は自然豊かで、争いもなかったのに。
人間の心とは、それほどまでに、年月を重ねていき、醜くなってしまったの…………………………?
- Re: 白銀の巫女姫 【オリキャラ募集中!!】 ( No.69 )
- 日時: 2013/08/22 21:40
- 名前: シア (ID: 0cRf5/D/)
あれから、イアルはミラージュに無理やり部屋の外に連れていかれ、今では私しか部屋の中にはいない。
結構つまらない。
私はそう思った途端に立ち上がり、部屋を出た。
そして私のお気に入りの場所、庭園に向かう。
そこにいたのは、イアルだった。
「イル?」
「フィ」
私の名を呼んで微笑むイアルは、いつもの変わらない微笑みで、彼が何も知らないことを物語っていた。
けれど、今私が話すわけにもいかない。
そう思いながらイアルの方へ歩み寄り、私はイアルに抱きついた。
「フィ?」
私は名をイアルに呼ばれると、より一層強く抱きつく。
私をそうさせたのは、庭園の花達の香りか。
もしくは、私の弱い心。
多分、後者の方だろう。
イアルは何も言わずに抱きついてきた私を、優しく包み込んでくれた。
その温もりが心地よくて。
「イアル」
私は、甘えたくなった。
イアルの瞳を見つめながら、言ってみる。
「キス………して?」
いつもより甘える私に違和感を覚えたのか、イアルは私の顔を怪訝そうに見るが、すぐに微笑んで私の視界を自分の手で暗くした。
すると、温かいものが私の唇に触れた。
私はその温もりに身を任せる。
暖かなその温もりは、私にとっては優しすぎて。
一度唇を離すと、視界が明るくなった。
イアルが手を除けたのだ。
すると、また唇を重ねられる。
何度も繰り返されるそれに、私の思考回路は真っ白になってきた。
何も考えられないようになってきて、足にも力が入らなくなり、私はイアルの背に手を回す。
すると、イアルが私を支えるのに腰に手を回してきた。
私は、そのまままだ続くそれに身を委ねる。
時間的には数分だろうが、私には数十分にも相当する。
未だに、私には媚薬のようにイアルの温もりが残っていた。
私は、この温もりを失うことも、イアルのすがたを今みたいにすぐに見えないことも、気軽に触れられなくなることも、一緒に喋れなくなることも、一緒に過ごせないこと、それら全てを失うのが、とても怖い。
あのフェブロニア王国の第一王子で王太子のスティールが、いつか解放してくれるとは思ってない。
逆に、そんな願いを持って何になるのだろうか。
叶わない夢を願いながら、死んで行くのは嫌だ。
けれど。
願わくば、最期はイアルの温もりに包まれて迎えたい。
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