コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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君の隣 【参照800突破感謝!夏休み編突入!】
日時: 2014/10/03 23:22
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)

今まで恋なんてしたことなかった谷口涼香
高校に入学して部活をして親友とバカ騒ぎして…そんな当たり前な日常である人に惹かれる
…それは先輩?それとも幼馴染?それとも…?

そんな青春恋愛コメディー。


アドバイス・簡単なコメント・感想くださると、とてもありがたいです!!
気軽にお願いします

オリキャラも募集します
なるべく主人公たちとの絡みも用意したいと思います
(名前 性別 性格 ボイスがあると嬉しいです!)

参照50になりました
参照100突破!!(7月23日)
参照200突破しました!!(9月29日)
参照300突破!!(10月19日)
参照400突破です!(2月16日)
参照500突破!(涙)(3月17日)
参照600突破!  (6月8日)
参照700突破!! (7月24日)
参照800突破   (いつの間にかに)
わざわざ足を運んで頂きありがとうございます♪


〜目次〜
 登場人物 >>01 
詳細設定 >>55

第1章
ある朝 >>02
交差点での出会い >>03
クラス分け >>04 >>05  
再会 >>06 >>07 >>08
彼とうちの名前 >>09 >>10 >>12
極度の運動音痴 >>13 >>14 >>15 >>18 >>19
特訓開始 >>20 >>22 >>24
文化祭 >>28 >>29 >>30 >>31 >>32 >>36 >>37 >>40 >>43 >>46 >>50 >>51 >>52
テスト期間 >>59 >>60 >>61 >>62 >>63
夏休み編 >>64 >>65 >>66

〜番外編〜
1、面白い彼女 >>11
2、幼馴染   >>27
3、勇気を出して…… >>56 >>58

とある1室
No,1 >>49

〜お客様〜
冬の雫さん
妖夢さん
オレンジさん              

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Re: 君の隣 【参照700突破感謝!コメント大歓迎!】 ( No.66 )
日時: 2014/08/01 01:57
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)

目を覚ますと真っ白な天井が少しぼやける視界に入ってきた。
気づくと自分は保健室のベッドの上にいた。
驚いて起き上がろうとすると眩暈がした。とっさに手で頭を支えた。

記憶を辿ってみるが体育館に入ろうとしたところまでしか残っていなかった。その後の記憶がないということと自分がベッドに横になっていたという事実から自分は倒れたということはすぐに推測できた。

「あぁ、起きた?まだ横になっておきなさい、熱中症で倒れたんのよ。脇のテーブルにスポーツドリンク置いてあるから飲んでね。」

「ありがとうございます。」

スポーツドリンクを飲みつつ、自分がどうやってここまで来たのか気になった。

「あの……、うちはどうやってここまできたんですか?」
「高木君が血相変えてあなたを運んできてくれたのよ。そういえば帰りは送ってくれるそうよ、だからまた帰り際に来ると思うわよ。」
「そ、そうですか……。」
「かっこよかったわよ!お姫様抱っこよ!先生憧れちゃうわ。」

高木への感謝と共に恥ずかしさがこみ上げてきた。
おそらく自分の周りにはたくさんの人がいたはずだった、その中お姫様抱っこで運ぶなど当本人も恥ずかしさが込みあがっているだろうし、自分自身も恥ずかしい。後で何を言われるだろうか……。

というよりも重くは無かっただろうか……など考えが頭の中を巡っていた。

今の話を聞いたせいでせっかく下がった熱がまた上がりそうだった。
ふと自分はどれだけ寝ていたのかと時計に視線を向けると15時を回っていた。
大体走り終わったのが10時過ぎだったのでお昼も食べず約5時間寝ていたようだ。

「そろそろ部活終わるんじゃないかな。荷物はそこにあるから、お昼に女子たちに運んできてもらったから着替えたら?」
「はい。先生、ありがとうございます。夏休みなのに……。」
「大丈夫よ。今日は保健室の片付けと掃除をするつもりで来てたから、気にしないで。」

先生が指さした方向に一式荷物が置いてあった。
おそらく奈美と実が持ってきてくれたのだろう。

「ちょっと職員室行ってくるから当分帰ってこないかも。もし高木君がお迎えに来たらそのまま帰っちゃってもいいからね。」
「わかりました。」

先生が保健室を出ていくのを確認し、制服に着替えることにした。
部活で着ているトレーニングウェアは汗でしっとり濡れ、少し重く感じた。

制服に着替え終わりベッドに浅く腰を掛け足をぶらぶらと動かしていた。

ドアを開ける音が聞こえ振り向くと高木が入ってきた。
お姫様抱っこの件を思い出してしまい、とっさに視線をそらし俯いてしまった。

「もう、大丈夫か?家まで送ってく。」

涼香の荷物を肩にかけさっさと保健室から出て行った。慌ててその背中を追いかけていった。

帰り道、沈黙が続いていた。
高木にお礼を言いたいのだが、何となく声をかけづらくためらっていた。

「谷口が倒れてるの見て、本当驚いた。林と小林も凄い心配してたぞ。」
「ですよね……。明日謝らなきゃ。」

「あの!保健室まで運んでくれてありがとうございます。その……お姫様抱っこでと聞いたのですが……。」
「あ、うん。べ、別に気にするな。」

珍しく高木が動揺していることに気づき、横を歩いている高木の横顔をうかがうと真っ赤に染まっていた。

「先輩、照れてます?」
「う、うるさい!病人は黙って歩いとけ。」

高木は涼香の手首を掴み、歩く速度を少し遅めた。

「え!あ、あの。」
「減らず口が叩けるようだけど、途中で倒れて家に着いたとき谷口がいませんでしたってことになったら困るだろ?」
「そんなことにはなりません!」

掴まれた手から高木の温もりが伝わり、心が温かくなった。
涼香を掴んだ手は家に着くまでしっかりと握られ離されることは無かった。

Re: 君の隣 【参照700突破感謝!夏休み編突入!】 ( No.67 )
日時: 2014/08/10 23:35
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)

翌日、部活に行くと奈美と実が真っ先に声をかけてきた。
寝てしまえば、調子は元に戻って部活にも普通に復帰した。
体の調子はもう大丈夫だと言ったが、部長と顧問から程ほどにしろと言われた。

「いやー、羨ましいね。お姫様抱っこ!女子たちの視線が一斉に集まったよ。」
「は、恥ずかしいから思い出させないでよ。」
「ま、それはともかくとして、そろそろ夏祭りあるじゃん?」
「うん、毎年花火大会もやるやつでしょ?」
「今年は男女合同でやるみたいだけど。部長の私情が含まれてるみたいだけど。」

万年彼氏に飢え……いや、募集をしている部長は出会いの場や交流が欲しかったのだろう、部長という立場を使ったのだろう。さらに話を聞くところによると男子部長である高木に話せば無理だと思ったらしく、村田に話を持ちかけあっさり了承してもらったという。

「お前!何勝手に了承してるんだよ!」
「別にいいじゃん、高校最後の夏祭りくらい思い出づくりとしてそういうイベントやるってのもな。」

体育館のステージ前に満面の笑顔に対して眉間にしわを寄せ怒りを露わにする対照的な2人の姿があった。

「だからって……」
「じゃ、みんなに聞いてみようか。」

「おーい、男バレ!来週の夏祭りの件に関して賛成の人—!」
「はいはーい!」
「あったりまえだろ!」
「反対する奴なんていないっすよ!」

一斉にそれぞれがしていたことをやめ、あちらこちらから賛成の声が上がっていた。
そんな男バレの様子を見た高木は反対するのはすでに無理ということを実感し、ため息をつき諦めた。

「わかった……。ってかお前はどうせ彼女と一緒だろ!?俺は一人で回るとするか……。」
「大丈夫だよ、そんなことにはならないだろうし。」

この時は村田の言っていることが全く理解できなかったが、祭り当日になった嫌となるほど知ることになった。

Re: 君の隣 【参照700突破感謝!夏休み編突入!】 ( No.68 )
日時: 2014/08/22 03:03
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)


夏祭り当日。

村田の言った通り1人で回るのは不可能だと高木は強く思った。
何処に行こうと思っても、女子がくっついて回っていた。
ほとんどの女子が高木と少しでもお近づきになろうと必死になっていた。

「先輩!ヨーヨー釣り行きません!?」
「リンゴ飴食べに行きましょうよ!」
「金魚すくいとかはどうですか!?」

明らかに困惑した表情を浮かべながらも女子の輪の中に1人抜け出せずにいた。
そんな高木を遠くから涼香は見つめていた。

「なになに、愛しの高木先輩はほかの女子にとられちゃっていじけてるの?」
「べ、別にいじけてなんかないし!そもそも愛しじゃないし!」
「はいはい、冗談ですよ。とにかくさっさと回っちゃおうよ。」
「うん。」

奈美に言われ、その場から後ろ髪をひかれる気持ちで離れた。

年に1度の花火大会と同時に行われる夏祭りなだけあって、毎年多くの屋台で賑わい、道は人であふれていた。

「ねえ!リンゴ飴食べたい!買ってもいい?」
「いいよ、一緒に行こっか?」

涼香と奈美は2人で回っていた。実はもちろん村田と2人きりで回っている。

リンゴ飴を買って並んでいると遠くの屋台に焼きそばが売っていた。

「涼香!焼きそばも買っていい?」
「うん、いいよ」
「じゃあ、行ってくるわ!」
「え、ちょっと待って」

人ごみをかき分け行ってしまう奈美に手を伸ばそうとしたが届かず、さらに前から来る人の波にのまれ涼香は奈美とはぐれてしまった。

「最悪……はぐれちゃった。」

歩いていれば奈美に会えるだろうとリンゴ飴をかじりながら歩いていた。

「あれ?お前はぐれちゃったの?」


Re: 君の隣 【参照700突破感謝!夏休み編突入!】 ( No.69 )
日時: 2014/09/21 23:05
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)


背後から声をかけられ振り向くとそこにはお面をした長身の男が立っていた。声には聞き覚えがありおそるおそる尋ねた。

「高木……先輩?」
「おう、そうだけど、なんで語尾が疑問形なんだよ」
「だってお面」
指をさして指摘すると、ああと納得しお面を回し、顔が見えるようにした。

「で、いい年して迷子か?」
「そうです!迷子ですよ!先輩だっていい年して、お面なんかしちゃってるじゃないですか!?」
「これは顔を隠すためだ。いつまでもあんな輪の中にはいられない」

顔を隠すためというのには納得したが、ふとさっきの光景が頭をよぎった。

「でも、女子たちが嘆いているんじゃないんですか?戻ったらどうですか」

自分で言っておきながら、女子たちに囲まれている光景が胸の中をモヤモヤとさせた。

「だから、いられないから逃げてきたんだって。一緒に回るんだったらせめて好きな奴と回らせてくれたっていいじゃんか」
「まあ、そうですね」
「で、こんなところで突っ立てるのも邪魔になるから一緒に回らねえ?」
「え!?」

いきなりのことに声を上げてしまった。さらに思った以上に声が大きかったらしく周りの視線を集めてしまい、俯いた。
ふと影が目の前に落ち、頭に手がポンと乗っけられ顔を上げると高木が優しく微笑んでた。

「ほら、行くぞ」

リンゴ飴を持っていない涼香の左手を掴みそのまま歩き始めてしまった。

「あの……先輩!?手!?」
「こんな人ごみだし離れちまったらまた迷子になるだろ。それに浴衣なんか着てるからそんな早く歩けねえだろ」

少し恥ずかしさもあるのか前を向いたまま早口に捲し立てて言った。
返事の代わりに繋がれた手を離さないようにきゅっと握った。
そんな涼香の意図を読み取ったように高木も握り返した。

ー好きな奴と回りたいって、それってただの友達としてだよね

涼香は1人頭の中で渦巻くようにその疑問は居座り、高木に恋しているはずではないのにただそんな甘酸っぱい想いがあふれていた。

Re: 君の隣 【参照700突破感謝!夏休み編突入!】 ( No.70 )
日時: 2014/10/03 23:20
名前: 音葉 (ID: IpkVD1bf)


「一応聞くけど、お前スマホ持ってきてないの?」
「それが……巾着にお財布しか入れてこなかったみたいで、忘れちゃったみたいです」

リンゴ飴を買って来た時に、スマホを忘れたことに気づいたものの今更取りに帰るわけにもいかないし奈美とはぐれるなんていう考えは涼香の頭の中には皆無だった。

「ったく、ちゃんと持って来いよ。俺に会わなかったら今頃一人でさまよって怖い人に絡まれてるぞ」
「今、怖い人に絡まれているのですが」

忘れたことをいつものように小バカにされ、仕返しと思いからかうように言った。このあとには頭を軽くはたかれるか言い返されると思ったが何も起こらなかった。
ただ無言で手を引っ張られ何処かへと連れていかれる。
怒らせちゃったのかなと不安に思いつつも沈黙を破る勇気がなかった。
足取りが止まり周りを見渡すとそこは人通りの少ない小さな公園だった。

「先輩?あの、怒ってます?」
「いや、ただ」
トンと肩を押され背中は木に付き、すぐ目の前には高木の顔逃げようと思っても逃げるスペースはなかった。
戸惑い身をよじると顔の横に手を突かれ、さらに距離が縮んだ。

「怖い人ってのは……」
そう言いながら顔が近づいてくるのをただ身動きとれず目をぎゅっと瞑った。

「ったく、なんて顔してんだよ」
「え?」
でこピンをされ予想以上の痛みにおでこを抑えつつも高木を見ると笑っていた。

「怖い人ってのは、これ以上にするんだから少しは危機感持てっての」
「すみませんでした……忠告するためにわざわざここにきてさっきみたいなことしたんですか!?」
「いや、さっきのはついで本当はそっち見て見な。そろそろだと思う」

ベンチに座り疑問を浮かべつつも高木の指さした方を見ていると、花火が上がり、夜空に大輪の花を咲かせていた。

「綺麗!ここすごくいい場所ですね!」
「だろ、あまり高い建物もないし案外知られてない穴場なんだよ。本来はこのために来たの、さっきのはオプションだと思っとけ」
「オプションって……結構恥ずかしかったですよ!先輩なんであんなに素で出来るんですか!」

「素で出来るわけないだろ……」

小さく呟いたと同時に花火が連続して上がり高木の呟きをかき消していた。

「え?なんて言ったんですか?」
「なんでもねえよ。ほらしっかり花火楽しんどけ」
「はい」

今見ている花火は今までにみた花火よりも綺麗だった、そう断言できる。


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