コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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VISIBLE(完結) 良ければコメお願いします!
日時: 2013/07/30 16:34
名前: すをん (ID: rMENFEPd)

「幽霊」
この世に未練が残り、成仏できない死者の魂。

幽霊は未練に縛られ、この世を憎み苦しんでいる。
そう思われがちですが…。

「彼らは、意外と幽霊ライフを楽しんでいます(笑」

時に、人間を脅かしてみたりする事もありますが…呪い殺す事などできるわけがありません。

しかし、訳あってこの世に留まっている事は確かです。

これは…そんな彼らの声を聞く事ができる…1人の高校生の物語。



これは、小説では無く…一つの物語として見て貰ったら幸いです。

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EP7「幽霊を信じて」 ( No.8 )
日時: 2013/07/30 16:20
名前: すをん (ID: Yry.8Fde)

次の日の学校で、私は授業や幽霊のおかしな行動はそっちのけで…未来さんに近づける方法を考えていた。

私は、未来さんとは赤の他人だ。

近づけたとしても、まともに話す事ができないかもしれない。







放課後、麗愛と蒼空は考えこんでいた。



「ごめんなー、俺のために考えこんでくれて…。」

「いいよ、気にしないで!」

「昨日と態度がまるで違うね。」

「はい、そんなこと言わない!」





















「ただ、未来さんの…大切な人を失う気持ちは、凄く分かる。」





「え?」

「はい、良いの!それより、あんたも考えなさいよ!」


すると、蒼空は未来の机の中を見た。

プリントでいっぱいだった。

きっと、渡された物を誰かが親切に机の中に入れているのだろう。




蒼空はある事を思いつく。


















「あの、机の中のプリントを届けるって口実で…未来に接触出来ないかな?」











「それだ!」



















「新井にプリントを届けたい?」

麗愛は職員室に来ていた。

「そう!いや、はい!」

「なんで急に…いや、別に助かるけど…あまり深くは入り込まないようにな。相手は引きこもりなんだ。」

「分かりました!」




大量のプリントを持って学校を出ると、ある事に気付く。

「あ、未来さんの家どこだ!?聞いてなかった!」

「あ、俺は知ってるから大丈夫だ。」


「あ、そうなんだ。近い?」

「あの公園のすぐ近くだよ。」



「なんだ、凄い近いじゃん。」








そして、歩いて行くと赤い屋根の家が見えた。

「あれ?」

「いや、あれは俺の家だ。その向かいだよ。」

「あ、あの家かぁ。」






麗愛は、気を引き締めた。

「よし、いくぞ!」








ピンポーン











すると、中からお母さんっぽい人が出てきた。

「あら、どなたですか?」

「えっと、未来さんと同じクラスの夕凪です!その、プリント…溜まってたんで、届けに来ました!」

「あら、そうなの?わざわざ悪いわねぇ。」









「あの、未来さんは学校に来そうにありませんか?」







お母さんは少しうつむきながら言った。

「どうだろうねぇ…なんで学校に行かないのかも…何も話してくれないのよ。」

「もしかして、未来…いじめとかあったのかしら?」




「いや、そんな事は無いと思いますよ!」

「未来さんは、学校ではほとんど話して無かったんですが…いじめられてるなんて、そんな事はありませんでしたよ!」






お母さんは少し笑顔で言った。

「そう…わざわざありがとね。」

「なんだか、未来のクラスメイトが家に来るのは久しぶりね…良かったら、お茶どうぞ?」

「え、良いんですか!?お邪魔します!」

「全然遠慮してないじゃん。」

蒼空はつっこむ。

「うるさい。」



リビングはとても綺麗にしてあった。

「ここの家に来るのも…久しぶりだな…。」

「幽霊になってから来た事無いの?」

「無い。」



「へぇ、私の家には入れるのに…恋人の家にはいれないのね。」

「はは、悪かったな。」








「色々思い出しちゃうんだよ。」








「そっか…」











お母さんは、お茶を出してくれた。

「あ、ありがとうございます。」

「さっきから話してたけど…誰かいるの?」

「あ、いえ!なんでもないです!」

「そう?」






お母さんも椅子に座った。


「未来はね、昔は凄い明るい子だったのよ?」

「え、あ、そ、そうなんですか。」

「お前、知ってるもんな。」

「だから、うるさい。」


「え?」

「いやいや、なんでもないです!」



「あの子ったら、向かいの子の蒼空ちゃんの事ばかり話してたわ。」

「でも、蒼空ちゃんはね。未来を庇って事故に遭っちゃったのよ。」

「そこから、全く元気無くなっちゃって…ね。」

「私のせいで、蒼空が高校いけないかもしれないって。」







蒼空はうつむきながら言った。


「未来…病院じゃいつも通りだったのに…。」








お母さんはまた語り出した。


「クリスマスの日…だったかしら、あの日から蒼空ちゃんのお見舞いにも行かなくなって…泣いてばかりいたわ…自分が蒼空を不幸にしたって…。」





「…っ。」








「そして、中学の卒業式の日。蒼空ちゃんは慢性の白血病で無くなったのよ…未来は関係無かったんだけど…やっぱり…何かあったみたいで…。」








「その日から、何も話さなくなったわ。」







「そう…なんですか…。」


気づいたら、蒼空は隣にいなかった。




「ごめんね〜、いきなりこんな暗い話して!」

「いや、良いんですよ!それより…あの…。」

「未来ちゃんと、話させてくれませんか?」






「未来と…?気持ちは嬉しいけど…きっと話してくれないわよ?」

「良いんです!聞いて貰うだけで良いんです!」


「そこまで言うなら…。」



麗愛は蒼空を呼んだ。




「ほら、行くよ。」


すると、蒼空はドアをすり抜けて出て来た。

「ああ…。」



未来は相変わらず部屋にこもりっぱなしだった。

特に何をする訳でも無い…ただ、外の世界とのラインを絶っているのだ。

未来の心は、孤独と喪失に支配されてしまった。




「未来?学校の友達が来てるわよ?」









「…………………。」










「あの、夕凪って言います。」


「その、蒼空君は…今、紐なしバンジーにハマってて…幽霊ライフを楽しんでます!」







「うおい!何テンパって余計な事話してんの!」


「わ、分かってるよ…えっと…。」






「私は、蒼空君に頼まれて…言葉を伝えに来ました…!」


「………………………。」



「蒼空君…未来さんに酷い事言ったよね?」




「病気で死ぬかもしれない自分を忘れて欲しくて、酷い事言ったよね?」



「…………………………。」




「未来さんを、悲しませた事が未練で残って…蒼空君は成仏できずにいるの。」


お母さんは驚いた顔で言った。

「夕凪さん…?何を話して…。」







「私の事は信じなくて良い!だけど、蒼空君の事は信じてあげて欲しい!!」







「麗愛ちゃん…。」









「……………………。」







未来は話す事は無かった。








「ごめんね。わざわざ来てくれたのに…。」

「いえ、こちらこそ…いきなりすいませんでした。」













「蒼空ちゃん……ここにいるの…?」

「え…。」









「私は信じるわよ?夕凪さん…嘘つかない良い子そうだもん。」


「新井さん…。」




「蒼空君は……また綺麗になりましたねって…。」






「ふふ!本当に蒼空ちゃんなのね!」

「あの子、会う度にそんなお世辞言ってくるのよ?」

「そうなんですか。」









「今日は、ありがとね。またいつでも来てね。」





「はい!ありがとうございました!」





EP8「幽霊の想い」 ( No.9 )
日時: 2013/07/30 16:24
名前: すをん (ID: Yry.8Fde)

私と蒼空は、未来の家の近くの公園に来ていた。

私はベンチに座って言った。

「やっぱり、幽霊が見えるなんてそう簡単に信じて貰えないよね。」

「だけど、おばさんは信じてくれたろ?きっと、未来も信じてくれる。」

「…そうだといんだけどね。」







私は下を見ながら、微笑んで言った。

「初めて信じて貰えた…ちょっと嬉しかったかも。」






「うん…そっか。」








私はベンチを立ち上がって言った。

「そういえば……この公園だっけ?タイムカプセル埋めたのは。」

「ああ、そうだけど…確かあの木の下に。」

麗愛はある事を思いつく。









「ここに呼ぼうよ。未来ちゃんをここに…何とか来らせられないかな?」






「だけど、麗愛ちゃんの言葉には耳を貸してくれないだろうし……。」


















「…………そうだ!貴方の言葉を伝える方法があるよ!」














「え?」























その日の夜…私は、未来ちゃんの家に行った。







「あら、こんばんわ。どうしたのこんな夜に。」



「これ、この手紙を…未来ちゃんに渡してくれませんか?」

「うん…分かったわ。もう帰るの?」

「はい!お邪魔しました!」






そう言って、私は家を後にした。








「何かしら?」





お母さんは、未来の部屋に行った。


「未来?この前の夕凪さんから手紙よ?」

お母さんは、ドアの隙間から手紙を入れた。










未来は、無言でそっと手紙を取った。

書いてあるのは、変な単語のみだった。




























「そるろす…?」











そう口に出した瞬間だった。

未来の身体に何かが入ってくるような感覚に襲われた。








(な、何…?)









自分で話す事が出来ない。






「未来…。」


私じゃない誰かが私の口で話している?






「ちっちゃい時、タイムカプセル埋めた場所覚えてるか?」



(…蒼空…?蒼空なの?)



「そこで待ってる。」
















その瞬間、意識が自分の物に戻った。






「はぁ…はぁ…あれ…。」






「蒼空……!」








あの頃から一度も開ける事が無かったドアを…未来は開ける。









「未来?あなた、どうしたの!?」



未来は夢中で家を飛び出した。



凄く星が綺麗だった。








あの公園に必死に走って行く。



ずっと運動していないのからか分からないが…。



身体が以上に重かった。







公園に着くと、私がいた。
















「始めまして、未来さん。私が夕凪だよ。」





「……あなたが…。」



麗愛は、未来の隣を指差した。


「蒼空君なら、隣にいるよ?」





「蒼空君と一緒に掘り起こそうよ。タイムカプセル。」




未来は小さく頷いた。




「ほら、これスコップ。」


2人は木の下を掘り進めて行くと…硬い物にぶつかった。




「あ、これ…。」


未来は手に取った。


「もう、10年以上前になるかも。」




そっとその箱を開けると…中から2人で集めたビー玉が出てきた。



「…懐かしい……。」


麗愛は、そのビー玉の中にノートを見つけた。

「なにこれ、ノート?」

「それは、入れた覚えないんだけど…。」




蒼空は話した。


「それ、俺が最後にここに来た時に…遺書として…タイムカプセルに入れたノートだ。」

麗愛はノートを開くと、物凄い汚い字で文字が書かれていた。

「うわ、汚い字…全然読めないよ。」



未来はノートを手に取った。


「蒼空…昔から字は汚かったんだよ。でも、私は読めるよ。」


それは、蒼空の闘病生活を書いた日記だった。



EP9「幽霊が残したモノ」 ( No.10 )
日時: 2013/07/30 16:31
名前: すをん (ID: CWUfn4LZ)

9月16日火曜日

この時期に入院なんてついてねぇな。
でも、未来が無事で良かった。

入院して5日目なんだけど…どうも暇でしょうがない。
だから、今日から日記つけてみる訳だけど…俺の事だから長くは続かないだろうな。

まぁ、変わった事があったらつけてみる程度にするか。



10月20日木曜日

今日は未来が友達連れていきなり入ってくるもんだから…日記書いてるのバレる所だった。
危ねえ危ねえ。
まだ怪我完治してねぇのに色々触ってきやがるし…全く。

だけど、今日が俺の誕生日だって覚えててくれたんだな。
さすがに皆の前でキスするのはさすがに恥ずかしかったけど…久しぶりだったし、嬉しかった。

みんな、ありがとな。
未来も、絶対同じ高校行こうな。

















11月13日火曜日

聞いた。
どうりで入院が長引いてるなって思ったら…そういう事だったのか。

白血病、血液のガンなんて言うらしいじゃねぇか。
俺の余命も4ヶ月くらいだってよ。

マジか、俺なんか生活習慣わるかったのかなぁ。
イマイチ死ぬっていう実感がわかない。

未来に話したら、どんな顔すんだろうな。
















怖くて話せねぇや。























11月2日日曜日

最近になって、死ぬっていうのがどういうもんか分かってきた。
いつも、ヘラヘラ病院に来てる未来の顔が見れなくなる事なんだなって。

マジか、それはマジで困るな。

俺がこのまま死んだら…未来はもうヘラヘラしなくなんのかな。

鬼畜だな、それ。








もし、未来が俺の事忘れてくれるなら…俺が死んでもヘラヘラしてくれんのかな。


























12月24日土曜日

未来、ごめん。
きっと、俺はもうダメだ。

自分から突き放した癖に…悲しくて仕方ねぇよ。
マジでキモイな俺。

涙がとまんねぇよ…。







お前が俺を忘れても、俺は忘れられそうにねぇよ。
















2月15日水曜日

今日は最後の外出許可だ。
久しぶりに外の空気吸ってくるか。
明日から、本格的にくるらしいし…今日が最後の日記だろうな。


薬の副作用で髪が全部抜けたよ、ハゲだよハゲ。

まぁ、こんな姿見たら…未来は絶対バカにしそうだけだど。

とりあえず、ハゲ見られないで済んだのは幸運だったのか…。



今日の外出許可はどこに行こうか…公園とか?

ってか、タイムカプセル埋めた場所だな…ビー玉しか入って無いけど…。







さて、未来は今頃どうしてんだろうな。

未来、結構男子からも人気あったし…俺がいなくなったら…新しい奴でもできるだろ。

それに、もう俺は死ぬ覚悟した。

大丈夫、きっと死後の世界も楽しいはずだ。




































って何度も思ったはずなのに…。














未来と話したい、電話したい、今すぐ会いたい。

まだフォアグラ食べてないし、アメリカとか外国にも行きたい。

母さんに親孝行もしたかった。

ベタだけど、父さんと酒飲みたかった。

中学卒業したい。

未来と同じ高校行きたい、同じ大学にも行きたい。

未来をもっと大切にしたかった。

ずっと一緒にいたかった。

冗談抜きで結婚もしたかった。

年とっても、良い夫婦でいたかった。













未来の笑った顔をもっと見たかった。






























でももう叶わない。

後悔してばかりだった。

俺はマジでかっこ悪い奴だよな。





死ぬ時は、笑って行きたいってそんなギザなセリフ言いたいけど…。



俺には無理みたいだ。




これで最後だ。

俺が死んでも、お前の事ずっと見守ってる。

幸せになれよ。


















未来、ずっと好きだ。




















EP10「幽霊に出来る事」 ( No.11 )
日時: 2013/07/30 16:28
名前: すをん (ID: 0sokIT7I)

その日記を読み終わる頃には、涙でくしゃくしゃになっていた。

「蒼空…!」


「ごめんね…ごめんね…私…蒼空の事…何も分かってあげられなかった…!」

「私も会いたいよ…蒼空…さよならも言ってないのに…!」







蒼空はずっと、未来の側にいた。







「……未来さん…もう一度…蒼空君と話してみない?」

「え…?」









「ほら、蒼空君!早く私に乗り移って!」







「良いのか…?」






「良いから、早く!」























「そるろす。」

蒼空はゆっくり私の中に入っていった。










私は目を開いた。








「未来……。」

「蒼空…なの…?」


私は未来から目を逸らした。



「ごめん……あの時、俺は……!」





「良いの!もう…良いの…もう分かったよ…?」






「未来……。」







「あたし、もう大丈夫だから…ずっと見守ってくれてて…ありがと。」



「蒼空…ずっと好きだよ…さよなっ……。」

未来は顔を背けた。


「未来…?」

「あれ…笑って送り出したかったのに…おかしいな…涙が…。」


未来の声は震えていた。



「未来…泣いてても良い!だから、笑っててくれ!」


蒼空にそう言われると、未来は大きく泣き出した。

「…うっ…さよならぁぁ!ありがとぉぉ!」


「さよなら…未来…ずっと…ずっと好きだから…!」


「あたしもだよ…!これからもずっと好きだから!」

私の目から、蒼空の涙が流れて行く。









徐々に私の意識が戻って来た。







































___________________________________________





「ふぅ、まだ身体がだるいよ…。」

麗愛は、未来を家に送り届けて…公園のベンチに座った。


「ごめんな、また体借りちゃって。」

「良いんだよ、私が言い出した事だしね。」


蒼空は星がいっぱいの夜空を見て言った。



「もう、大丈夫だな。未来は…。」





「うん、きっとね。」





蒼空は、最後に聞いた。



「なぁ、なんであんな一生懸命になってくれたんだ?」





「………うん……。」







麗愛は静かに語りだした。






「私も、恋人…火事で無くしてるの。」

「その人は、私の無事確認したら…すぐに成仏したから…もう会えないよ。」








「その日からなんだ、幽霊が見えるようになったのは。」





麗愛は目を閉じながら言った。

「だけど、大切な人にも会えないこの能力は…ずっと意味無いモノなんだって思ってた。」






麗愛は、目を開けて蒼空を見て言った。


「だけどね、蒼空君の過去の話しを聞いたら…未来ちゃんの気持ちが痛いくらい分かったんだ。」


「ずっと信じて貰えなくて、意味無い能力だと思ってたけど…力になれるかもって。」













「そうだったんだな。」







蒼空は立った。






「もう…行くの?」




「ああ、もう未練とか無いし…あるとすれば…紐なしバンジーが出来なくなる事くらいかな。」

「ふふ、そっか。」







蒼空の幽体が光りを放ちながら徐々に消えて行く。







「きっと、麗愛ちゃんの恋人も…俺と同じだよ。」


「え?」


「幸せになって欲しいって…天国からずっと見守ってる。」







「蒼空君…。」







「それじゃあ、ありがとな!麗愛ちゃんに会えて良かった!」

「私も!未来さんの事は後は任せて!」







「ああ、さよなら…!」







そして、満足そうな表情で蒼空は消えて行った。




麗愛は空を見て語る。







「さよなら、蒼空君。」








「さよなら…守春…。」








Last EP「幽霊と私」 ( No.12 )
日時: 2013/07/30 16:32
名前: すをん (ID: W5lCT/7j)

何日か経ったある日。



私と未来さんは蒼空の墓に来ていた。

2人で手を合わせた後…未来は語った。


「そっか、蒼空は成仏したんだね。」

「うん、でもずっと未来さんを見てるって。」

「そっか…。」







2人は墓のある丘を降りて行く。


「あの、未来さん?」

「ううん、未来で良いよ?」

「あ、じゃあ未来……。」

「何?」







「蒼空君も言ってたけど…やっぱり…ポニテ似合うね。」

「…えへへ、ありがとね。」


やっぱり、笑顔が素敵な子なんだな。






「麗愛は、その…幽霊が見えるんだよね?」

「うん、ほら…今ビルから飛び降りた。」

「えっ!?ほらって言われても!」


「うーん、なんかこの光景に慣れちゃってね。」

「大変そうだね。」





「うん、でも…この能力持ってて良い事あるって知っちゃったからさ!」

「そっか…!その能力はこれからどうして行く気なの?」

「うーんまぁ、いつも通りでも良いんだけど…たまには幽霊と話すのも良いかなって。」

「へぇ、なんか良いね!それ。」

「そう?ふふ…あ、じゃあそろそろ学校行こうか!」







そう言って2人は歩き出す。












「あれ、あいつだよ。幽霊が見えるって子!駅のじいさんから聞いたんだ!」

「マジで!?俺も悩み聞いて貰いてぇ!」








麗愛は、異変に気づく。

「なんだろ?いっぱい人が歩いてくるけど?」

「え、見えないけど?」



「え、まさか…。」






「おーい!俺達の未練も何とかしてくれー!」



大量の幽霊が麗愛目掛けて走ってくる。




「げっ!なんであんな広まってんの!?」

麗愛は走り出す。

「あ、麗愛!」





「あんないっぱい無理に決まってるでしょ!?」














こうして


蒼空君の本当の一生が終わり。

未来の新しい一生が始まった訳ですが…。












「で、ここが中間テストで出るから良く学習するように。」






「で、麗愛ちゃんだっけ?まず、わしの悩み聞いて欲しいんだけど!」

「いや、私が先!おじいさんは引っ込んでよ!」

「いやいや、俺が先だ!なぁ、麗愛ちゃん頼むよ!」








「あー!!うるさぁぁぁい!!!」






「やっぱりこの能力は嫌いだー!!!」















私の一生はまだ終わらなそうです。















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