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絆。
日時: 2013/10/06 16:29
名前: いちじく、無花果。 (ID: ztRXnpN9)

始まりは、いつだったっけ?
誰も、気にしてなかった。


「また休みー?」
「うん。大丈夫かなぁ?」

沙彩が休んだ。
それだけのこと。
もともと体が弱くて、ちょくちょく休む沙彩。
だから、誰も気にしなかった。

「今回はちょっと長いねー」
「体育大会来たくないからでしょー笑笑」
「練習だるいもんねー笑」
「まぁ終わったらくるよねー笑」


けれど。

体育大会が終わった学校。
沙彩は来なかった。

「あり?てことは本当に風邪かなー?」
「実はさぼり?笑」
「まさかー笑」

「中矢ー、西河ー。」
「あ、はい、何ですか」
「先生呼んだー?」
「野武が、休んでるだろ?だから早く来いよーみたいなのを書いてほしいんだ。」
「あ、りょぉかい☆」


手紙を届けた次の日も、沙彩は来なかった。

その次の日は学校が休みだった。

「あ、沙彩からメールぢゃん」

   みう
『今日海羽と遊ぶんだけどー幽も、どぉ?』

んー…今日、かぁ…。
図書館行かないといけないんだよねー…。
予約してた本、やっと来たし。

『ごめーんっ(´・ω・)今日はムリかな…。』

って、送ったら、

『おk!』

って帰ってきた。
んじゃあ、明日は来るのかな?学校。
なんとなく安心して、携帯を閉じた。


「沙彩、休み…?」
「らしいよー」
「でも海羽、昨日遊んだっしょ?」
「んー元気だったんだけどね。」
「どしたんだろ?」
「わかんね。あ、せんせー!」
「ん?」
「沙彩ってなんで休んでるの?」
「体調不良。」
「ふぅんー……。」

何か、考え込んだような海羽だった。
ずる休みねぇ……。
沙彩が?
わっかんないなぁ。


それから、2日くらい経った日、だろうか。
どれくらい、経ったのだったかな?


海羽が、目を腫らしてきたのは。


何があったのだろう?


「海羽?どうかしたの?」
「沙彩が、」
「沙彩が?」
「もう、うちらとは、親友じゃないって……」
「え?」
「人類みんな、敵だとか、もう親友とか友達とか、信じてないって…。」
「何が、あったの?」
「わかっない、突然、昨日、メールしたら、そういってた。」
「ふぅん…。」

その時うちが思い出していたのは、
いつか、いつだったか、

沙彩とうちで話してた時、

『絆とかって、本当にあるのかな?』
『めんどくさいだけだよね。』
『所詮、きれいごとだろーしね。』

とか、そういう会話があった。


はなっから、沙彩はうちらを、親友とか思ってたんかなぁ?


あえて、それは言わなかった。
それを言ってしまえば、海羽が泣き出す気がして。
その代り、

「沙彩わかってんのかなぁ笑」
「何を?」
「人類みんな、敵だったら、沙彩自身も敵になっちゃうよ笑」
「あ、ほんとだ笑」

少しムリしたような海羽の笑みが、
心に引っ掛かった。



その次の日も、次の日も、沙彩は来ない。
ぼんやりと、うちは、あぁ、沙彩はもう来ないのかなって思った。

来てほしい。
そりゃあ、沙彩ともっともっと話したいし、遊びたいもの。

でもね……
仕方ないよねーって思った。思ってしまった。

友情関係とかって変わっていくものだし、
なんてゆーか、

"沙彩はもうここにいなくてもいい存在"になってしまうんじゃないのかな?

少なくとも、うちの中ではそうなり始めてるよ?ふふふ…。


「あ、幽、今日は先帰ってて?」
「ん、なんで?」
「先生と沙彩のことで話すの。」
「それ、うちも参加しちゃダメ?」
「いいよ。」



「だから野武は、今精神的に弱ってるから、
 愚痴を言う、相手がいなくて溜まってて、
 だからメールをくれた中矢にぶつけてしまったんだと思う。
 思ってもないことを、いろいろ言っちゃったんじゃないかな?」


「お前らが、野武のことを考えるのはとてもいいことだけど、
 それでお前らまで野武みたいに、学校来たくないってなったら、
 倒れちゃったら意味ないから、
 野武のことは、ちょっと離れたところから支えてやれ。」

先生はそう締めくくった。


離れたところから____。

つまり、そんなに真剣に悩むな、思いつめるな、ってことでしょう?



それならうちはとっくにできてる。

先生はそのことに気づいてるかのように、うちを見た。
にっこりとほほ笑みを返したら、先生の目がちょっとだけ歪んだ。




そして。一週間が経った。
毎日一度は沙彩の名前が出た。
海羽は、やっぱり心配そうな顔をしていた。
けどうちは沙彩のことなんて忘れたとでもいうように、普通だ。


「おはよー」
「沙彩っっ!!」

海羽が沙彩に抱き付く。若干、涙目。

「ちょっと海羽ー笑」
「ごめんごめん笑」

「幽もおはよぅ」
「おはよ!」


うちのいつもと全く変わらぬ態度に、沙彩はちょっと不服そうだった。



「幽、」
「ん?」
「幽はうちが休んだ時、一回もメールしてくれんかったよね。」
「そうだね。」
「なんで?うちなんて、どうでもよかったの?」
「ううん。ただ、信じようと思って。」
「何を?」

「沙彩とうちの絆。
 もし沙彩とうちの間に絆があるんだったら、
 沙彩は必ず戻ってくるはず。ね?」


これは、本心。
でも、正直ちょっとばかし嘘だった。


「そっか…やっぱり幽はちょっと違うなぁ…」
「そぉ?」
「うん。でもよかった〜うちと幽の間には、ちゃんと
 絆があるんだね」
「そうだねっ」

にこり、って笑い返したけど、内心大爆笑。

誰だよ、昔、絆とかない、だとか言ってたの。
誰だよ、昔、絆とかだるい、とか言ってたの。


まぁ、うちはまだ、絆とか信じてないけどね〜〜〜笑笑笑





 けれど本当は、信じたいんだよ?

 でもね、人間、いくらでも嘘をつけるから、
 信じきれないんだよ〜〜〜笑
 だから、
 絆ってものを、いつか、誰か、
 教えてくれないかなぁ…?

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Re: 絆。 ( No.1 )
日時: 2013/10/06 16:53
名前: ZEXAL (ID: EcIJT88K)

 はじめまして!ZEXALです!
 書き方上手ですね!面白いです!
 でも少し、ドキドキです。
 自分は、絆とかそういうのが大好きで、感動しやすいので、この題名に惹かれて読んでみました!
 これからお話がどんなふうに進んでいくのか・・・?
 楽しみにしてます!


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 では、頑張ってください!!


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