コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Ⅹ心を失った少年と人工人形Ⅹ
- 日時: 2013/12/11 18:13
- 名前: のら (ID: A6qXPnRR)
□ごあいさつ■
ふとロボット的なのが書きたくなった、のらです。
続く限りには小説を完結の方へ導ければいいなと思っています。
小説を書くのは好きなのですが、才能<気合い の割合での執筆となっておりますのでなにとぞご了承くださいませ…。
□小説内容■
1りぼっちの心がない主人公が創りだしたロボット。喜怒哀楽がはっきりとした人間らしいロボットとまるで人形の様な主人公の「2人で1人」なそんな日々を淡々と描いた物語。
時間が経つにつれてすれ違いだす2人の最後とは…?
□お願い■
誹謗、中傷、荒らしなどはおやめください。
コメントやアドバイスはのらにとって宝物のような存在ですので、遠慮なさらずにどんどんコメントくださいね!
訪問してくださった方をこの小説の方へ「訪問者」として書きこみたいのですがよろしいでしょうか?
NGだ!という方は先におっしゃってくださると助かります。
更新はゆったりとのんびりとマイペースですが、気長に応援してくださるとありがたいです。
□関連小説■
これまでの、のらの作品。(勝手にPRしてます)
○甘い果実と魔女と猫(更新中…?かなり途絶えています)
○私と神様の生活理論(執筆を再開させようと思っています)
2点とも無様な小説ですので、見てもらおう!という気はありません。
とりあえず紹介のようなものです。
□目次■
Ⅹ第一話Ⅹ【記憶】◇ソルベside◆
>>1
Ⅹ第二話Ⅹ【記憶】◇琥珀side◆
>>2
Ⅹ第三話Ⅹ【俺の居場所】◇琥珀side◆
>>3
□訪問者様■
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- Re: Ⅹ心を失った少年と人工人形Ⅹ ( No.1 )
- 日時: 2013/12/09 19:36
- 名前: のら (ID: A6qXPnRR)
Ⅹ第一話Ⅹ【記憶】 ◇ソルベside◆
私のことを「ソルベ」と認識してくれたのは、貴方が初めてだったように思うのです。
昔も。
今も。
『よろしくお願いシマス』
『……あぁ』
私が目覚めた後の初めての貝和は、ほんのわずかな…20秒ほどの出来事でしたね。我ながら後悔しているのです。
…この言葉…。
今の貴方に届いているのでしょうか?
単細胞な私には分りかねますが
貴方は今、高い高い空の上の方で
この私の思いを聞いてくれているのですよね?
「…今更、遅ぇんだよ、ばぁか…」っていつもみたいに怒ったような顔でそうつぶやいてくれるんですよね…?
…何か…言ってくださいよ。
私、本当に泣いちゃいますよ?
…ロボットの私に流す涙なんてないのかもしれません。
私が流す涙は、ただの油なのかもしれない。
それでも
「悲しい」という思いに偽りはないのです——。
私は今、私自身が人工人形で良かったと思ってるんですよ?
私と貴方の出会いは、きっと運命なんかじゃなかったと思っています。
…運命なんかより、もっともっと硬い何かで繋がっていたんじゃないかと奏思うんですよ——。
…ねぇ。いつもみたいに「そんなことあるわけねぇ…馬鹿馬鹿しい」って言ってください。
私の言葉を聞いた時の貴方は、言葉とは裏腹にいつも嬉しそうな顔をするんですよ。そんな貴方は、誰よりも人間らしい。
…貴方と私の時間の流れは違いましたけど…。
それでも幸せでしたよ?
ねぇ…貴方は……私と出会って幸せでしたか——?
- Re: Ⅹ心を失った少年と人工人形Ⅹ ( No.2 )
- 日時: 2013/12/10 21:06
- 名前: のら (ID: A6qXPnRR)
Ⅹ第一話Ⅹ【記憶】 ◇琥珀side◆
…ちゃんと聞こえてる。
ちゃんと届いてる……だから。
そんな風に泣かないでくれ。
そんな風に悲しまないでくれ。
俺は…今まで心の底から人を信じることが…出来なかった。
笑っていても
それは、ただの「作り笑い」に過ぎなかったんだ。
「とりあえず」笑っていれば何事もスムーズに終わることができた。
そんな自分自身が大っ嫌いだった。
『え?いいじゃないですか、それが琥珀の良いところの1つなんですから。人間らしくて、とてもいいと思いますけど…?』
…お前のその言葉は一瞬で俺の世界をブッ壊してくれた。
小さくて空虚で、真っ暗で真っ黒だった俺の世界を照らしてくれた。
なぁ?
今度は俺がお前を助ける番なんだよな?
…でも、もう遅かったみてぇだ…。
俺はお前のこと、ちゃんと見えてるのに
さっきからお前に、触れることが出来ないんだよ——。
ごめん。
ほんとにごめん。
「…ごめ…んな…っ」
こんな俺のために泣いてくれて
ありがとう。
こんな俺のために涙を流してくれてありがとう。
俺はそれだけで、もう十分だから。
前を見ろ。
俺のことなんか忘れてしまったっていい。
お前の一生分の時間を
尊い時間を
生きてくれよ。
…お願いだから
幸せになってくれ——。
なんて事を言うのは無責任すぎるのかもな…。
お前は人工的な人形だ。
お前はその事を気にしていたようだったが…
俺はお前がどんな人間よりも、人間らしいと思ったよ。
…こんなこと、今更だから言えるんだけどな——。
- Re: Ⅹ心を失った少年と人工人形Ⅹ ( No.3 )
- 日時: 2013/12/11 18:10
- 名前: のら (ID: A6qXPnRR)
Ⅹ第三話Ⅹ【俺の居場所】 ◇琥珀side◆
「大変だったわね、琥珀くん——『かわいそうに』…」
俺は昔から体が弱かった。
入退院を繰り返すこと——約三年半。
俺の耳に入ってくる言葉はいつだって「かわいそうな子」「気の毒」
…そんな憐れみの同情の言葉だった。
そんな言葉にはもう、うんざりだった。
その言葉のせいで俺は——…。
愛想笑いを浮かべて、人の機嫌を取るようなそんな人間になり果ててしまっていたのだ——。
「俺は…かわいそうなんかじゃ…ねぇよ…ッ!」
「え——…?琥珀くん!?ちょっと……診察が…——」
ある日、俺はとうとう耐えられなくなって、病院を抜け出した。
その日はちょうど雨の日で、降り注ぐ雨を避けるように、逃げるようにして走ったのだった。
「…ただいま…」
俺が帰れる場所は1つだけだった。
両親は海外で仕事をしており家には帰ってこない。
親の顔なんてとっくに覚えてもいなかった。
そんな、随分とひねくれてしまった俺の唯一の居場所。
——俺の家。
暗くて家具も少なくて、そしてなによりもさみしい家だったが病院なんかに比べたら居心地はいい。
俺のほかには誰もいない——俺の居場所だった。
勿論「ただいま」なんて呟いてみても「おかえり」と返してくれる人などいないのだが。
「…今日もやるか…」
そう。
たまに病院から、こっそり抜け出しては創っているもの…。
「人口人形」…いわゆるロボット。
…初めは…憧れだった。
「友達」が欲しかったのだ。なんでも語り合えるようなそんな友人が。
ただ、俺にいまさら友達を作る勇気などなかった。
友達の作り方なんて、ずーっと前に忘れてしまったような気がする。
…そんな臆病な俺が考えたのは「人口人形」を創ることだった。
え?「お前だけじゃそんなもん創れるわけない」って?
…それが、創れるんだ。
俺はもともと体が弱くて、その影響なのかは分からなかったが、学校にろくに行っていなくてもとりあえず成績はトップを取れるし、というか取れないことのほうがおかしいと思うのだ。
体が弱い分頭が良い…みたいな事なのかもしれない。
その頭脳のおかげでロボットなんてものは簡単に創れたりする。
…神様ありがとう。こんな頭脳をくれて。
…まぁ、神様なんて信じちゃいないけど。
…もしも
もしもの事で…俺が人口人形を完璧に創り上げることが出来たなら。
その時は俺の居場所も……
少しは増えたりするのだろうか——?
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