コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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運命の白い糸 【完結】
日時: 2014/03/22 23:03
名前: 幸音 (ID: m6k0AbJS)

皆さんはご存知でしょうか?
突然の質問すみません。まずは説明からしましょう。

赤い糸は知っていますよね?
運命の相手と自分を左小指で結ぶ見えない糸です。

では白い糸はご存知でしょうか?
白い糸は自分を死へ追い込む人と結ぶ糸なのです。
怖いと思いますか?まぁ普通は怖いと思いますよね。白い糸の相手がいつ死へ追い込むのかは知りませんし、もしかしたら自分が相手を死へ追い込む可能性もありますしね。相手は同性かもしれないし、異性かもしれない。

この物語は運命の白い糸の相手に恋をしてしまった少女の話です。

お客様

アドルフ様

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Re: 運命の白い糸 [短編予定] ( No.3 )
日時: 2014/01/17 03:26
名前: 幸音 (ID: vqefmy1d)

第一章「空想」

「白い糸って、見えるのかしら?」

玲美は頭に浮かんだ疑問を口に出した。

「えぇ!?玲美、本当に白い糸があると信じてるの!?」

現実主義の彩葉が私の疑問を否定する。彼女は赤い糸すら信じてないのだから、こうなるとは想定してた。

今日は真夏の暑い日。夏休みの4日前という何とも言えない普通の日だ。

「あると思っちゃダメなわけ?」
「いや、そんなことじゃないんだけど・・・、あったら玲美はどう思うの?」
「普通に怖いなと思うよ。でもさ、もしその相手が異性で、恋をしたら面白いと思わない?」
「また玲美の空想が始まった〜!もう、あるわけないじゃない!相手が誰すらわからないのに!」
「でも、もしその白い糸が見える能力を授かったとしたら・・・!」
「はぁ・・・、呆れたわ。」
「まぁまぁ、そんなこと言わずに!ハハハ!」

玲美が笑っていたのはこの時だけだった。これが現実になるなど、誰が知っていただろうか。

続く

>>アドルフさんコメントありがとうございます!そうですね、白い糸本当にあったらどれだけ怖いか・・・。作者である私まで怖くなりますww!これからもホラーラブ略してホララブな物語を書きますので、乞うご期待!

Re: 運命の白い糸 [短編予定] ( No.4 )
日時: 2014/01/20 02:58
名前: 幸音 (ID: vqefmy1d)

第二章「見えるんだ」

帰り道だった。時計を見ると、5時だった。いつもは寄らないコンビニに無性に寄りたくなって、何か買うわけでもないのに中へ入っていった。おなかは空いていなかったので、雑誌コーナーへ行くことにした。そこには、今日でたばかりの新刊もあった。「品揃えがいいな。」と玲美は思った。そこで、玲美はある雑誌に釘付けとなった。その雑誌は女子のゴシップ雑誌で、玲美も玲美の母親もどちらとも興味なさそうなものだったが、今、玲美が釘付けになった理由はこれである。

「特集!白い糸は本当にあった!自身の体験を語るMさん!」

気になった玲美はその特集があるページまでめくり、記事を読む。中にはこう記されていた。

「私は、ある日、朝目覚めると全身に痛みが伝わり、体が動けない状態でした。ふと天井を見上げると、小さな悪魔がいるではありませんか!助けを呼びに行こうとしても、体は動かず、私は布団の中でじっとしているだけでした。呼びに行けたとしても、誰も信じてはくれないでしょう。私は悪魔が何か言うのを待ちました。しかし、悪魔はそのまま消えてしまいました。不思議な事に、体の痛みも消え、私は立ち、リビングへ行き、先ほど起きたことを家族に知らせようとしたのですが、案の定、誰も信じてくれるものはいませんでした。」

玲美はこんなもの作り話に決まっていると思った。しかし次のページには、

「すると、私の目に何か細長い白い糸が、父の指から出ているのを見ました。すぐに私はわかりました。それが白い糸だということを。糸の先は、ドアの向こうへ続いていました。そこにいたのは、なんと母だったのです!怖くなった私は、部屋へかけこみ、ずっと布団の中で蹲っていました。」

と記されていた。これには玲美も驚かされた。自分があると信じていた白い糸が本当にあるなんて、嬉しいと思ったからだ。時計を見たら、なんと6時だった。早く帰らないと母親に叱られると思った玲美は、足早にコンビニから退散し、家へ帰った。

自分に何が起きるかも知らずにー。

続く

Re: 運命の白い糸 [短編予定] ( No.5 )
日時: 2014/02/11 02:24
名前: 幸音 (ID: vqefmy1d)

第三章「恋愛対象」

今朝起きたら、体が酷く痛んだ。普段運動しないため、(吹奏楽部で肺活量の特訓はする)筋肉痛は有り得なかった。しかし、痛みはすぐに消えた。天井に黒いもやもやが見えたが気にしない。準備をした後学校へ行った。

玲美の母はシングルマザーのため、朝早くから仕事へ出かける。女手ひとつで育ててくれた母には感謝しているが、そのせいで玲美は家に一人でいることが多かった。

「今年の誕生日も一人かな。」

誰にも聞こえない小さな声で呟いた。
もうすぐ玲美の誕生日。

玲美は学校へ着くと、ある疑問を彩葉にぶちまけてみた。

「彩葉、あなたは恋をした事ある?」
「ブッ!!!!!!」

彩葉は飲んでいた水筒の水を驚きのあまり噴出してしまう。

「あなた、汚いわねぇ。」
「玲美が変な事聞くからでしょう!?」
「で、あるの?」
「どうしてそんなこと言わなきゃいけないの?」
「私達親友だと思ってたのに・・・。親友の間には秘密無し、でしょう・・・?ヒクッ(棒読み)」
「はいはい、玲美の嘘泣きはバレバレですよ〜。ていうか、嘘泣きにもなってないし!で、どうしてよ?」
「だって、私、恋をしてしまったんですもの。」
「ブッ!!!!!!」

本日二度目の噴出しだ。何回驚くのよこの子は!

「玲美、そういうのはサラッと言う事じゃあないわ。」
「へぇ〜。私の好きな人知りたくないんだ。」
「いや、もちろん知りたいわ!で、誰なの?」
「あのね・・・、高橋弥生・・・!」
「えぇ〜!玲美、高橋弥生が好きなんだ!」
「しっ!声がでかい!」

よりによって高橋弥生の目の前で!

「だって、高橋弥生と言えば、サッカー部のエース!面倒見がいい!誰にでも優しい!のパーフェクト男子じゃない!まぁ、玲美にはぴったりだけどね?」
「でしょうでしょう!」

その時、何か白いものが見えた。私の指先から、細くて長いものが。それは高橋弥生へと繋がっていた。そして。私は気づいた。これは・・・、白い糸・・・!

「玲美、どうしたの?玲美ー?」

玲美は泣いていた。

続く

Re: 運命の白い糸 [短編予定] ( No.6 )
日時: 2014/03/03 00:55
名前: 幸音 (ID: OCVwh3ih)

第四章「最期の告白」

「『高橋くんへ、放課後噴水のところで待ってます。』か。」
「ひゅ〜!さすがヤヨ。モテる〜!!」
「春、冷やかさないでよ。」
「また告白されるんだろ〜?」
「うん、多分ね。とりあえず放課後行ってみるよ。」

ー放課後ー

「さてさて、噴水噴水。」

待っていたのは、見覚えのある少女。無理も無い。クラスメイトだったからだ。

「岸野さんじゃん。どうしたの?」
「あのね、高橋くん。私、高橋くんにどうしても伝えなきゃいけない事があるの。」

ktkr! 告白タイム〜!

「白い糸って、知ってるでしょ。」

え?告白じゃないのかよ!?

「知ってるよ。あれでしょ、人を死へ追い込むか追い込まれるかを結ぶ糸。」
「そう。私ね、それが見えるの。」
「え・・・?」
「信じてもらえないのはわかってる。でも、本当なの。」
「・・・。」
「高橋くん?」
「・・・、すごいよ、岸野さん!白い糸が見えるなんて!」
「信じてくれるの?」
「もっちろん!僕、白い糸を信じてるもの!」
「私も同じ!同じよ!」
「でもさ、どうして僕に言うの?」
「それは・・・。」

玲美は口ごもる。

「それは、高橋くんの事が好きで、高橋くんと私は白い糸で結ばれているから。」
「え・・・?」

一瞬信じられれなくなった。この子が僕を、僕がこの子を、殺してしまうかもしれないなんて。そして、この子が僕の事を好きだなんて。

パンパラッパーン

というラッパの音と共に、

ダダダダーン

というピアノの声が聞こえた。ラッパの音は、彼女が僕の事が好きで、僕は前から彼女の事が好きだったから、両思いという事実への喜び。ピアノの音は、彼女と僕が白い糸で結ばれているという事。

「僕も、岸野さんの事が、好きだった。」
「え、本当!?」
「うん、本当。」
「やった!嬉しいな〜・・・。あれ?なんで涙が出てくるんだろ?」

玲美の目からは涙が出ている。嬉しいのか、悲しいのか、わからない。

「私、嬉しいはずなのに。大好きな高橋くんと結ばれて。なのに、どうして白い糸があるの?私はただ、純粋に高橋君のことを思っているだけなのに、どうして白い糸がじゃまをするの?ねえどうして?どうしてよぉ!」

玲美はさっきよりもいっそう泣いていた。

「岸野さん・・・。」

弥生は優しく彼女を抱きしめる。

なぜ、こんな事が起きなくてはならないのかを考えながら。

続く

Re: 運命の白い糸 [短編予定] ( No.7 )
日時: 2014/03/22 23:02
名前: 幸音 (ID: m6k0AbJS)

第五章「運命の」

翌日の帰り道、弥生は校門の前にいた。玲美を待っているのだ。そして、玲美が来た。

「岸野さん!」
「高橋くんっ!?どうしたの?」
「あの・・・、よかったら一緒に帰らない?」
「うん、ありがとう。喜んで・・・!」
「よしっ!じゃあ決まり!さっそくゴー☆」
「おー!!」

二人は話し合った結果、趣味も合い、度々デートを重ねた。今年の玲美の誕生日は、一人じゃなかった。そして、ある夏の日。弥生の提案で、二人は海へと出かけていた。

「潮風が気持ちいいねー。」
「僕は湿気と日差しが気になるよ・・・。」

しかし、玲美に水着はよく似合う。薄くて白い肌に、豊満な胸。黒い髪は、明るい色の水着を映えさせた。

「ではでは、入りましょう!あれ、玲美?入らないの?」

玲美は立っているところから動こうとはしなかった。

「あれ〜、玲美。もしかして泳げない〜?」
「ギク!」

ニヤニヤしながら弥生は笑う。

「私・・・、泳げない・・・。」
「しょうがない。じゃあ僕が教えてあげるよ。」
「ありがとう!」

そして、玲美と弥生が海に入ろうとしたその時。

「危ないっ!!!!」

誰かが叫んだ。目の前には大きな波。

バサーン

目の前が見えなくなり、二人は気を失った。二人を死へ追い込んだのは誰だったのか?今でも白い糸の伝説は信じられている。

深い、深い、海の中。愛しい人と死ぬのはどうでしょうか・・・?


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