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放課後友人倶楽部
日時: 2014/03/13 01:02
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

これは以前、他の小説投稿サイトで
別の名前で執筆して、未完になっていた作品です。

今回、こちらで完結させようと思い
投稿させていただきます。

まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いいたします。

感想、批判、挿絵、リクエスト、何でもお待ちしております。

(この作品にはパロディネタやメタネタが含まれています。)

※筆者はウィキペディアを利用しています。
利用者名はバーミンガム・プディングです。

放課後1時間目 唯一の友達 >>01 >>02 >>03

放課後2時間目 新たな友人達 >>04 >>05 >>06
               >>07

放課後3時間目 パベルの仮面  >>08 >>09 >>10
                >>11

放課後4時間目 フレンチ・ハッスル >>12 >>13 >>14 >>15

放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー  >>16 >>17 >>18 >>19 >>20

放課後6時間目 Sweden Area >>21 >>22

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Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.19 )
日時: 2014/03/12 00:24
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

マスタングが工場跡地に停まると、
デイモンは車を降りると、工場まで走っていった。
壮吉のボルボもすぐに工場に到着した。
「あの車、デイモンのだな」
壮吉は呟くと、車から降りて二人に忠告した。
「いいか、二人は絶対工場に入るなよ
オレがすべての責任を負う、絹恵たちは無傷で連れ出してやる」
車の中で壮吉はロジャーの衣装に着替えていた。

工場の入り口の前のドラム缶の後ろに隠れた壮吉は、
工場内を見渡した。
すると、工場の二階で絹恵たちがイスに縛り付けられていた。
それよりも、目を疑う光景があったのは
あのロジャーの姿の男がチンピラたちに殴りつけられて
倒れこんでいた。
「あれって、まさか……」
壮吉はチンピラたちに向かい走っていった。
チンピラ数人が殴りかかってきたが、その攻撃は全く痛くなかった。
反撃に繰り出したパンチの威力も強く、
チンピラは歯を折りながら倒れた。
「いつもより強くなってる、たしかあのドラマの中では
本物のスーツは力を倍増させる機能があったよな……」

チンピラたちを片付けたあと、壮吉は倒れているデイモンに
声をかけた。
「おい、あんたデイモンか?」
デイモンが笑った。
「オレはあのエレクトロニック・ロジャーさ
いつものスーツを着たはずなのに全く力が出なかったんだよ」
「それはきっとオレのスーツだったんだよ、
取り違えていたんだ!」
壮吉が涙をこぼす。
「ごめん、オレのせいで……」

すると、後ろから声が響いた。
「そこまでだ、エレクトロニック・ロジャーよ」
ショットガンを構えた男が二人の後ろに立っていた。

壮吉とロジャーは両手を後ろに縛られ
モントゴメリーの後ろに立たされた。
「あいつがジョー・モントゴメリーか、
たしかお前のガールフレンドのミシェルもあいつに殺されたよな?」
「そうさ、奴が日本に潜伏していると聞いて
オレは日本へ潜伏していたんだ」
二人のロジャーの姿を見たモントゴメリーは
大笑いした。
「全く、お前のファンは世界中にいると聞いたが
よくできているな、どちらが本物か分からんよ、
だが二人とも殺しておけば楽ってもんさ」
モントゴメリーが引き金を引こうとした途端、
バイクのエンジン音とともに
もう一人のロジャーが入ってきた。
「だ、誰だお前は?」
モントゴメリーが名を尋ねる。
「我が名はエレクトロニック・ロジャー
愛と平和の伝道師さ」
髪の長さと声から、三人目は女だった。

Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.20 )
日時: 2014/03/12 00:53
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「おおっ、これはどういう意味だ?」
モントゴメリーが混乱していると、工場の入り口の前に
今度は二人のロジャーが現れた。
「オレたちはエレクトロニック・ロジャース、
真実の為に戦い続ける勇者達さ!」
二人が声を合わせた。
「その声、幸雄とおっさんだろ?」

すると、工場の二階から絹恵たちの声が聞こえた。
モントゴメリーが見ると、絹恵たちは解放されていた。
絹恵たちを解放したのはこれまたロジャーだった。
「オレはエレクトロニック・ロジャー、
他人を痛いとか言っておいて自分も
コスプレ、作ってたぜ」
「ええっ、マスターもロジャー好きだったの?」
千恵子が驚いている。
おそらく、このロジャーの正体は誠一だ。

そして、六人のロジャーたちはモントゴメリーに向けて
走り出した。
呆気にとられてモントゴメリーは立ち尽くしている。
「エレクトロニック・パンチ!」
六人が一斉に必殺技であるエレクトロニック・パンチを
モントゴメリーに浴びせた。
モントゴメリーが倒れた。
「やった、勝ったぞ!」
六人が一斉に叫んだ。

その後、絹恵たちとロジャーたちが再会した。
「本当にありがとう、ロジャーさん」
絹恵たちが頭を下げると、ロジャーたちは一斉に
「どういたしまして」と答えた。
「それにしても、オレのファンってのも
たくさんいたんだな」
ロジャーが感心していると、絹恵がロジャーの一人を
指差して笑った。
「あんた、さおりでしょ?」
ロジャーがマスクを脱ぐと、それは紛れも無く
さおりだった。
「な、なぜわかった?」
さおりが尋ねた。
「だって、さおりはロジャー大好きだったよね」
千恵子が続いた。

その後、壮吉が本物のロジャーに尋ねた。
「ロジャー、これからどうするんだ?」
「これからも世界にはたくさんの悪が蔓延っている、
それらを片付けるさ」
そう言うと、ロジャーはマスタングに乗り込んだ。
エンジンをかけ、走り去ろうとしようとした前に
ロジャーは壮吉に尋ねた。
「お前のあの怖気づかない性格は見事だったぜ、
いうかまた戦おうな」
壮吉が答えた。
「いつでも一緒に戦えるぜ、セカンドシーズンが
始まったらまた呼んでくれ」
ロジャーが笑った。
「そうかい、じゃあな」
そう言って、マスタングを走らせると
どこかへ行ってしまった。

その日の夜、壮吉は居酒屋ワルシャワで
誠一とこんな会話をしていた。
「意外でしたよ、おやっさんがロジャーの
ファンだったなんて」
「まぁな、オレもこっそり衣装を作っていたんだが
バカにされるのが怖かったんだよ」
「アハハ、そうですか」
世界を救ったロジャーたちの夜は
まだ終わりそうに無かった。

Re: 放課後6時間目 Sweden Area ( No.21 )
日時: 2014/03/13 00:00
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「放課後友人倶楽部」の部室で
キャロルが一枚の写真を懐かしげに見ていた。
「キャロル、その写真誰?」
絹恵がキャロルに尋ねた。
「彼女は私の友人のドロテアだよ、
スウェーデン出身で、高校も一緒だったの」
その写真にキャロルと写っていたのは
ロールされた長い髪に青い瞳の少女だった。
「かわいいな、彼女は今どうしてるの?」
壮吉がキャロルに尋ねる。
「壮吉、お前には高嶺の花だぞ」
「べ、別に口説こうと思ったんじゃねぇ」
幸雄が冷やかす。
「スウェーデンに帰国したよ」
キャロルが答えた。

その日の晩、壮吉はいつものように
ワルシャワで誠一の店の手伝いをしていた。
すると、店に一人の男が入ってきた。
「やってるかい?」
「いらっしゃいませ!」
誠一が威勢よく出迎える。
「おや、長谷部君じゃないか?」
「あっ、こんばんは」
客の正体は学長だった。
「いつもここで働いているのか?」
「はい、ここに居候させてもらっています」
壮吉が答えた。

「大将、ビールおかわり
それと冷奴とねぎまとつくねを三本ずつ頼むよ」
学長は大量の酒と食事をむさぼっていた。
「学長さん、飲みすぎですよ」
誠一が注意をする。
「こうでもしなきゃやってられんよ
実は明日、娘がスウェーデンから帰って来るんだが
どうにも心配事が多すぎるんだよ」
学長がぼやく。
「変な奴と関わりを持ったらどうしようとか、
そんなことばかり考えているんだよ」
「まさか変な奴ってのはこいつじゃありませんか?」
誠一が壮吉を指差した。
「そうだ、私の娘に手を出したりしたら承知せんぞ、
部員の連中たちにも忠告しとけ」
学長が壮吉を睨んだ。
「分かってますよ、ところで
娘さんのお名前は?」
壮吉が尋ねた。
「ドロテア・タミヤだ」
「あのドロテアですか?」
壮吉が驚く。
「どのドロテアだ?」
学長が腑に落ちない顔をする。

翌日の夜、学長が空港の駐車場に
愛車のサーブ・96(スウェーデンの自動車メーカー
サーブの中型セダン)を停め、
ロビーへと歩いていった。

ロビーに座って売店で買った夕刊を読んでいると、
遠くから声が聞こえてきた。
「お父様ー!」
振り返ると、キャロルと写真を撮っていたあの少女が
バッグを抱えながら歩み寄ってきた。
学長とドロテアがハグを交わす。
「久々だな、ドロテア」
「相変わらず下手なハグの仕方ですわね、
これはお母様にも逃げられるはずですわ」
学長の娘、ドロテア・タミヤ(CV:ゆかなさん)は
悪戯っぽく笑う。
これを聞いた学長は少し焦りを感じた。
「ダメだ、全く性格は変わってない」

Re: 放課後6時間目 Sweden Area ( No.22 )
日時: 2014/03/13 01:01
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

翌朝、学長が運転するサーブの助手席で
ドロテアは通学してきた。
「お父様、車線変更の際にウインカーを出さないのは
非常に危険ですわよ」
車を降りながら、ドロテアが学長に口うるさく注意した。
同じ頃、キャロルも愛車のローバー・P6(イギリスの自動車メーカーのローバーが製造していた中型セダン)で通学してきた。
車から降りたキャロルはドロテアの姿を見つけた。
「あれっ、ドロテアじゃない?」
キャロルがドロテアに走り寄る。
「まぁ、キャロルさんじゃありませんか」
ドロテアがキャロルと抱き合った。
「いつ日本に戻ったの?」
「昨日です」
「変わってないなぁ、相変わらず可愛い」
キャロルがドロテアを抱きしめる。

昼休み、ドロテアとキャロルは学校の裏庭で
昼食を食べていた。
キャロルは自作のホットドッグとコアップガラナ、
ドロテアはダージリンティーにマフィン、
ケーキやマシュマロなどのティーセットだった。
「ねぇドロテア、見て」
キャロルはコアップガラナの瓶を魔法で浮かせる
魔法を見せる。
「相変わらずくだらない手品がお好きですわね」
ドロテアがあざ笑った。
「ドロテア、もしよかったら放課後
私の部活に来てみない?」
キャロルの提案を、ドロテアは承認した。
「いいですわね、お誘いをお受けしますわ」

そして放課後、ドロテアが「放課後友人倶楽部」の
部室に現れた。
壁には、部員達が描いた「ようこそドロテア」の
張り紙がされていた。
「凄くきれいな人だったよな、オレ楽しみだよ」
幸雄がわくわくしながらドロテアを待つ。
「新しい部員なんて久々だね」
絹恵も楽しみにドロテアを待っていた。

すると、部室のドアが開いた。
しかし、ドロテアの開口一番の言葉に
一同は凍りついた。
「まぁ、汚らしい教室ですわね
おまけに部員のみなさまもあまり上品さを感じませんね」
「こらっ、だめだよ」
キャロルが焦りながら注意する。

「やぁようこそ、オレがこの倶楽部の部長の
生沢幸雄です」
幸雄が握手を交わそうとした途端、ドロテアは
その手を払いのけた。
「私に軽々しく触れてほしくないですわ、
あなたはお金持ちらしいですがお金だけで
ついていくような女ではありませんわ」
幸雄が反論した。
「そ、そういうわけじゃないけど……」
ドロテアがそれを無視する。

「こんにちは、私は副部長の赤塚絹恵だけど……
今日は友好の印にクッキーを焼いたんだけど」
絹恵がクッキーを差し出した。
「ありがとうございます」
ドロテアがクッキーをほおばる。
「酷い味ですわね、パサパサしているうえに
味付けも濃すぎる、こんなものを人に出そうとするとは
無礼極まりありませんわ」
ドロテアが不快そうに呟く。
「失礼だよドロテア、ごめんね絹恵ちゃん
クッキー美味しかったよ」
キャロルが必死に笑顔を作った。
絹恵が少し悲しそうな表情を見せる。

Re: 放課後6時間目 Sweden Area ( No.23 )
日時: 2014/03/13 01:30
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

「こんにちは、私は奥村千恵子
あんたがドロテア? お人形みたいに
かわいいね」
千恵子がドロテアに笑顔で話しかける。
「今日はプレゼントがあるんだ、
私の手作りだよ、きっと似合うと思う」
千恵子が、自作の帽子をドロテアにプレゼントした。
「まぁ、色使いの悪い帽子ですわね
こんなセンスの無い帽子など私は被る気はありません」
ドロテアが帽子を千恵子に返した。
「そんなこと無いから、可愛いデザインだね」
キャロルがフォローする。

「オレがこの倶楽部の顧問をしている
笹本昌弘だ、歓迎したくは無いが
一応、歓迎しているとだけ言っておく」
昌弘がドロテアに口先だけの歓迎の辞を述べる。
すると、ドロテアが尋ねた。
「それは競馬に関する新聞ですの?」
「そうだけど」
ドロテアが軽蔑の目で昌弘を睨んだ。
「ギャンブルなんぞにうつつを抜かす男など
私は関わりたくもございません」
「あぁそうかい、オレだってお前なんかと
関わりたかねぇや」

次に健二の様子を見ると、汚物を見るような目で
健二の漫画を見た。
「このようなお子様の好む漫画などを読むとは
なんと気持ち悪い、あなたなど
死んで構いませんわ」
「三次元の分際でごちゃごちゃうるせぇ!」
健二がキレる。
「あなたなんて怖くありませんわ」
ドロテアは健二をあざ笑った。

「オレが長谷部壮吉です、よろしく」
壮吉がドロテアに自己紹介をする。
「はじめまして、私はあなたにプレゼントがございますの」
そう言うと、ドロテアはカバンから
サンドイッチを取り出した。
「これを食べてくださいな」
「悪いね、いただきます」
壮吉はドロテアからもらったサンドイッチをほおばる。
しかし、次の途端ゴミ箱に吐き出してしまった。
「こ、このサンドイッチの材料はなんだ?」
壮吉が尋ねると、ドロテアは笑顔で答えた。
「シュールストレミング(ニシンを醗酵させた缶詰、
強烈な臭いと酸味がある)とサルミアッキ(フィンランドの飴、
独特の味わい)、生のザリガニ(北欧ではよく食べられている、
火を通さなければ危険な食材)でございます」
「それって、嫌がらせか?」
「ごめんね壮吉君、ドロテアも悪気があってしたんじゃないの
多分」
キャロルが必死に謝る。

すると、部室にさおりが乱入してきた。
「お前らの悪事は……
おおっ、お前が今日留学に来た学長の娘か」
さおりがドロテアの前に現れた。
「かわいらしい女だ、よーし
お前は私の仲間とする、決定事項だから異論は認めん」
「あなたの仲間? 仲間にするんじゃなくて
部下にさせていただくの間違いではありませんの?」
ドロテアが笑った。

すると、ついに幸雄が怒った声でドロテアに話しかけた。
「出て行けよ、お前なんて歓迎しない」
いつも女の子に優しかった幸雄が怒っているのは
壮吉にとって初めての光景だった。


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