コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 学校帰りの勇者 【プレイヤーキャラ募集中】
- 日時: 2014/12/14 10:05
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
こんにちは!
受験が終わって、ようやくネットが解禁されました。
…で、本来なら前の小説をかきあげるところなんですが、なんと
前の話を完っ全に忘れてしまいまして…。
とりあえず、新しい話を書きつつ、思い出したら前のをかこうと思います。
今回は、RPGの世界に中学生が迷い込むお話です。
週1くらいのペースで更新していこうと思うのでよろしくお願いします!
2014年、12月14日追記
ゲームに参加しているプレイヤーキャラの募集を開始しました!
詳しくはNo.23をご覧ください。
- Re: 学校帰りの勇者 参照500突破感謝です!! ( No.20 )
- 日時: 2014/11/27 22:20
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
その後、隊長がこれまた爽やかに和解してくれ、俺たちは女の子の家に戻ることになった。
あのヤンキー達との戦闘のおかげで、全員一気にレベル1からレベル7まで上がり、もうモンスターとの戦闘に苦労はしなくなった。
しかし、今更だがこのゲーム、対人戦闘なんてできたのか・・・・・・?
「星也、女の子の家に着きましたよ」
そう考え事をしていると、姫の声で意識を引き戻された。
(・・・・・・ま、そういう機能もあるんだろ)
自分の中でそう結論づけ、家の中に入る。
女の子はもう泣いておらず、未だ『!』のマークを表示させたままうつむいていた。
「おまたせ!取り返して来たよ!!」
真昼が声をかけると、女の子は顔を小さく上げ、目を見開いた。
「・・・・・・これ!お姉さんたち、ありがとうっ」
顔をほころばせる女の子に、思わずこっちまで嬉しくなる。
フッ、と『!』を消失させた女の子に、それとなく聞いてみた。
「なあ、結局その箱、何が入ってたんだ?」
俺の問いに答える代わりに、女の子は箱をそっと開いた。
その中には、キラキラと輝くたくさんの宝石。
それは、目の前の小さな女の子が持つには、あまりに高価だった。
「取り返してくれたお礼にひとつあげる。どれがいい?」
唖然とする俺に向かって、女の子はにっこりと笑った。
扱いが自作の泥団子と同等なんて、宝石は影で涙を流しているに違いない。
「あ、じゃあこれっ」
「だからちょっとは躊躇しろよ!!」
ひょっとしてこのゲーム、真昼のように図太いやつが生き残るゲームなんじゃないだろうか・・・・・・。
今、心からそう思う。
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.21 )
- 日時: 2014/12/06 23:29
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
『アイテム:赤い宝石 を手に入れた!』
「本当に、ありがとうございましたっ」
女の子はそう言って、ペコリと頭を下げた。
こうして、対ヤンキー戦は幕を閉じることとなった。
今思うことはただひとつ。
とりあえず、ラッキーアタックを出したい。
〜マップ:祈りの街〜
女の子の家から少し歩くと、白い建物が目立つ街に辿りついた。
活気があった始めの街に比べて、ここはかなり静かだった。
「えーっと、端末のマップによると。
ここは神様を信じる者が集う街で、教会もすごく大きいんだって!」
端末を見ながら、真昼がそう言った。
「言われてみれば、なんだか住んでいる人も穏やかそうですね」
姫は物珍しそうに、通行人を眺めた。
歩いている人も、建物も、よく見ると白と黒で統一されている。
景色のきれいな草原を歩いて来たからか、モノクロの街は少し不気味だった。
「・・・・・・なんか、気味悪いな。
早く教会に行って、セーブしようぜ」
「おっとォ、それは無理だぜェ?」
妙に間延びした声が後ろから聞こえ、驚いて振り返る。
するとそこには、真っ黒なパーカーを着込んだ、白い髪の少年がいた。
ニヤッ、と意地悪く笑われ、ハイエナに見つかった餌のような寒気を覚えた。
と、同時に少しイラッとする。
イケメン隊長とはまた違った、ムカつくやつだった。
「セーブが出来ないって、どうして?」
真昼が首をかしげると、少年は口を裂けそうなほど吊り上げた。
「・・・・・・知りたいかァ?」
正直、この裏しかなさそうな笑顔は信用できそうにないが、情報は欲しい。
「・・・・・・教えろ」
俺の要求を聞いて、少年はニヤリと笑みを浮かべ、
一目散に駆け出した。
「って、教える気ねえじゃねえかあッッ!!」
「追いかけるよ!」
「ま、待ってください〜」
こうして、奇妙かつはた迷惑な鬼ごっこが幕を開けた。
RPGとは何か、製作者に真剣に問いかけたい。
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.22 )
- 日時: 2014/12/07 22:51
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
整然とした街中を走る、黒いフードつきパーカーの少年。
それを追って走る俺たちは、さぞかし滑稽な姿をしていることだろう。
「星也、お願いだからこっち見ないで!」
「それはこっちのセリフだ!!
つーか、なんで路地に墨入りのバケツが仕掛けられてあるんだ!!」
「うう、全身真っ黒です・・・・・・」
そう、俺たちは上から墨汁を引っかけられ、身体中真っ黒に染まっていたのだった。
「あっはははァ!!あんなみえみえの罠に嵌まるとか、バカじゃねーのォ!?」
「うるっせえ!そんなの分かってんだよ!!」
腹を抱えて笑いながらも走るスピードを落とさない少年に向かって叫ぶ。
しかし、体力の方は限界に近づいていた。
「やっぱり、RPGも万能じゃないんだね・・・・・・」
「くっそ、頭おかしいイベントはこれでもかってほど出しやがったのにな・・・・・・」
ゼエゼエ、と息を切らしながら手を伸ばす。
実は、少年との距離はそこまで離れているわけではないが、それでも届きそうで届かないこの状況は、むしろ精神を削られているようなものだった。
「・・・・・・」
とその時、何を思ったのか姫は杖を握りしめた手を伸ばした。
「・・・・・・?」
俺も、真昼も何をしたいのか分からず首をかしげている中、姫は魔法を使うわけでもなく、
杖で力一杯、少年を殴りつけた。
「って、えええ!?まさかの力技!?」
流石の少年も、大人しそうな姫がそんな暴挙に出るとは思えなかったらしい。
後頭部を打ち付けられ、ばったりと地面に倒れ伏した。
「ひ、姫!こんな暴力的な方法、誰に教わったの!?」
「私、思ったんです。この世界では、真昼ちゃんみたいに思いきりよく振る舞わなくちゃって!」
「どうしよう星也!あたしの影響だった!!」
「安心しろ。むしろそれ以外考えられなかった」
きっぱりと言いきり、白い髪の少年を叩き起こす。
「痛ェ・・・・・・。あのお嬢ちゃん、どれだけの力でぶん殴ってきたんだよォ」
「・・・・・・さあな」
それについては知らないふりをする。少し怖いから。
「で、なんでセーブが出来なくなってんだ?」
捕まえたところで再び尋ねる。
あのメールによれば、現実に戻るにはセーブをしなければならないはずだ。
それが出来ないということは、俺たちはここから出られないということになる。
「・・・・・・お前さァ、ドラ○エって、やったことあるかァ?」
「え、ああ」
「あたしもやったことあるよーっ」
少年は小さくうなずいてから言った。
「あれ、セーブは教会の神父がやってただろォ?
このゲームも、同じ仕組みなんだよなァ」
「・・・・・・そうなのか」
なんとなく話が見えてきて、俺は冷や汗をかいた。
「なんのイベントかは知らないがァ、今この街の神父は魔物に拐われて、洞窟にいるんだよォ」
「・・・・・・嘘だろ」
どうやら、真昼の運の良さにもツキがやってきたようだった。
- Re: 学校帰りの勇者 ( No.23 )
- 日時: 2014/12/13 22:13
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
**お知らせ**
突然ですが、ゲームのプレイヤーキャラを募集したいと思います!!
いわゆるすれ違いキャラ、というやつですね。
星也たちと一緒に戦闘したり、イベントに参加したり、みたいな要員です。
キャラがモンスターといつもの三人だけじゃ味気ないので(笑)。
恐らく、ポジション的にはモブキャラ寄りになってしまうと思うのですが、ぜひぜひ、アイデアを頂けると嬉しいです・・・・・・!
設定は基本的にお任せですが、
・キャラのステータス(名前、年齢、性別、職業)
・現実での名前や性格等
は書いて下さい!
それと、チートキャラ、能力(要するに最強設定)は話の都合上作れないので、お願いします。
私自身、しょっちゅうインターネットが使えるわけではないので、話がすぐに進むとは限りませんが、ゆるゆる更新していきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。
by 南**
- Re: 学校帰りの勇者 【プレイヤーキャラ募集中】 ( No.24 )
- 日時: 2014/12/14 14:08
- 名前: 南 (ID: vl1Udskn)
少年に連れてこられたのは、街の建物の中でも一際大きな塔だった。
「着いたぜェ。ここが教会だァ」
「え、教会?塔とか、城じゃなくて?」
真昼が驚いて辺りをぐるりと見回し、そして更に目を丸くした。
「って、この建物街で一番大きいんじゃない!?」
「そりゃそうさァ。さらわれた神父は、この街を治める地主でもあるしなァ」
さらっと言ってのけた少年の言葉に、俺達は耳を疑った。
「いや待て!なんで街一番の権力者が働いてるんだよ!?」
「まあ、祈りの街だしィ。サラリーマンも戦うような世界だしィ?」
書類アタックは実在していたのか。
この世界のカオスっぷりに改めて恐怖していると、少年のポケットからバイヴ音が聞こえた。
ポケットから灰色の端末を取り出して画面を確認すると、少年は楽しそうに口元をゆがめた。
「……お、やっぱりなァ」
「やっぱりって、なにがですか?」
姫が尋ねると、少年はニヤッと笑った。
「イベントが始まったんだよォ」
「イベント?っていうか、なんで君はそれを知ってるの?」
真昼は少年の端末と自分の白い端末を見比べて首をかしげた。
当然、俺達の端末には何の知らせもない。
「ああ、そういや自己紹介してなかったなァ」
少年はパーカーのフードを外して、ニッと笑みを浮かべた。
「俺は『グレイ』。職業は情報屋だ。よろしくなァ」
聞きなれない職業に、俺は眉をひそめた。
「情報屋?なんだそれ」
「ま、人より早くイベントの知らせを受け取ったり、この世界の仕組みに少しだけ詳しかったりする職業だ。
俺はそれを他人に売って稼いでるってわァけ」
「へー!すっごいねそれ!」
真昼が目を輝かせると、グレイは初めて苦笑を漏らした。
「ま、そんなズルっこい力があるから、初期装備は皆無だけどなァ」
剣も無しにRPGとは何が楽しいのか、とは思ったがあえて黙ることにした。
今はイベントのほうが大事だ。
「で、今のメールには何が書いてあったんだ?」
「お前、話聞いていたかァ?知りたかったら金を、」
と、グレイが言いかけて口をつぐんだ。
その視線を追いかけると、杖をキュ、と握りしめた姫。
「……特別サービスしてやるよォ」
「なんかスマン」
グレイは完全に、姫がトラウマになったようだった。
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