コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

なんで、川木君。
日時: 2014/05/13 21:43
名前: 兎祗 ◆rumdNUJJNQ (ID: uqFYpi30)

◆川木君は少し不思議です。 


兎祗ウサギといいます。
更新亀です( ´・ω・`)
よろしくお願いします

Page:1 2



Re: なんで、川木君。 ( No.3 )
日時: 2014/05/13 21:35
名前: 兎祗 ◆rumdNUJJNQ (ID: uqFYpi30)

 ブレーキの音に反応しなければよかったと思った。反応して振り向いた瞬間、私の視界はぐらりと曲がった。倒れ、る。思う暇もなく私の体は自転車と共に倒れた。倒れただけならまだよかった。倒れた自転車のスタンドが、ブレーキをかけた後ろの自転車の前輪に当たり、その自転車まで倒れてしまう。ついでに、自転車に乗っていた彼まで。

 「大丈夫!?」

 自転車二台、そして彼は私の上に重なり倒れている。それらを起こしながら彼は言った。マスクの川木君だった。大丈夫、言いかけたけれど左腕の痛さに私はその言葉すらも言えなかった。

 「大丈夫…じゃないよな。えっと長川さん、だよね」
 「私の名前、知ってたんだ」

 意外だった。クラスでもあまり目立つことのない私の名前を川木君が知っていたなんて。人の名前を覚えなさそうなのに。

 「知ってるよ。当たり前じゃん。それより、腕…」

 赤く腫れた私の左腕を指して彼は言った。やっちまった。私は左利きであり、且つ、腕が必要不可欠な吹奏楽部だ。痛い。じんじんと、熱い。
 何も答えずにいる私に彼はまた言った。

 「もう保健室開いてないよな…とりあえずさ、乗って?」

 彼は起こした自分の自転車の荷台を指さして、きまりわるそうに笑った。

 

Re: なんで、川木君。 ( No.4 )
日時: 2014/05/14 19:36
名前: ちぇりお (ID: yZ7ICI8F)

はじめまして!
複ファジで小説を書いていたちぇりおといいます!
ものすごく引き込まれます!
続き楽しみにしてます!

Re: なんで、川木君。 ( No.5 )
日時: 2014/05/16 22:21
名前: 兎祗 ◆rumdNUJJNQ (ID: FBVqmVan)

ちぇりお さん!


こんっな駄作で更新遅い小説を気に留めていただきありがとうございます!
引き込まれるなんて初めて言われて…!嬉しいです!
続きも更新していくので、見ていただければ嬉しいです(●´ω`●)

Re: なんで、川木君。 ( No.6 )
日時: 2014/05/20 09:30
名前: 兎祗 ◆rumdNUJJNQ (ID: Q19F44xv)

 「長川さん、軽いね」

 自転車を漕ぎながら彼は言った。人ひとり乗せていてもすいすいと進んでいく川木君の脚力は凄いなと思った。無論、私は軽くない。

 「軽くないって。ていうか、載せてもらうの悪いしもういいよ」

 片腕を怪我したくらいなら歩いて帰れるし……。
 思っていたことを口にすると、川木君は駄目だ、と言った。俺が怪我させたんだから、と。前から触れたいと思っていた彼の髪の毛がすぐそこにある。

 「長川さん家ってどっち方向?」

 「右に曲がるけど……川木君は?

 十字路の信号が点滅する。今渡るのは危ないから、次の青で渡ろうと川木君は言っていた。いつもクラスで見る川木君の印象と、違う。

 「俺も右だよ」

 優しい背中だと思った。
 本当は私は知っていた。彼が、十字路を左に曲がったところが校区の小学校出身だってこと。右だって嘘を吐く彼の背中はとても優しい。

Re: なんで、川木君。 ( No.7 )
日時: 2014/10/05 12:05
名前: 兎祗 ◆rumdNUJJNQ (ID: 0otapX/G)

02 「マスクを外した川木君」
 

 私の左腕は、言うほどなんともなかった。少し、打撲を居っただけで。それから、川木君とよく話すようになった。他愛もない話を、昼休みにするだけの、関係だ。

 ある日の授業中、男女でペア学習をしなければならない、という時間があった。普段男子と関わりのない私にとって、それは困ってしまうことで。周りの皆が着々とペアを決めていく中、私だけぼっち。
と。

「長川さん」

 私を呼ぶ声ひとつ。顔を上げたら川木君だった。いや、声でわかったのだけれど。俺と組まない、と言うと、照れ隠しのように頭をかいた。私がうなづくと、彼は、笑った。


Page:1 2



この掲示板は過去ログ化されています。