コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 龍魔
- 日時: 2014/05/13 17:40
- 名前: マリン (ID: z.r.R/BL)
小説、初挑戦です。
がんばります。
ドラゴンが出てくるファンタジーの予定です。
どうぞ、よろしく。
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- Re: 龍魔 ( No.3 )
- 日時: 2014/05/25 21:30
- 名前: マリン (ID: LhIkzBF8)
3 えっと…ここは、どこですか?
「……うん?」
目を開けたリンが最初に見たものは、青い空だった。
「いっっ……、そういえば階段から三人で落ちて…」
頭を押さえながら体を起こす。
「どこだよ……ここは……!?」
リンが見たものは、一面に広がる草原だった。遠くに建物の影は見えるが、それ以外は草、草、草……。
リンは右ほおをつねろうとする。が、つねれなかった。
「!…何だよ、これ……!?」
右ほおに、硬い鱗のようなものがはりついていたのだ。もう少しじっくり触ると、顔の中央に向かってギザギザにはりついていることがわかった。
「…夢、なんだな……」
左ほおをつねる。
「いたっ………夢じゃない……?」
今度は、おもいっきりつねる。
「いってぇ!………やっぱ、夢じゃない!!マジかよ…」
困惑を通り越して、落ち着いてしまったリンは、着ているものが変わっていることに気が付いた。黒いマントのようなものになっている。動くたびにふわりと揺れた。
「ハハ…ゲームみたいだ…てか、ここどこなんだ?」
リンは、立ち上がってあたりを見回す。一面の緑の中、二十メートルほど離れたところに黒い二つの影。
「まさか…」
リンが近づいた。
やはり人のようで、マントが規則正しく上下している。髪色が、一人が青、もう一人が赤。両方に銀のメッシュがはいっている。
——ほんとにゲームみたいだ。ボクの髪も緑になってるし、たぶん、がっしりしている赤がジュン、華奢な青がタケルだな…
リンが赤髪の体をひっくり返して、顔を見る。その顔は見飽きたジュンの顔だった。
「やっぱり……ってことは…」
続いて青髪もひっくり返す。
「…だよな。」
タケルの顔だった。
だが、二人の顔にいつもと違うことがあった。それは、銀の鱗。顔の中央に向かって、右ほおにギザギザを描いている。
——僕のもこんなか。……かっこいいじゃん。
そんなことを思って、にやりと笑う。
「さて、二人を起こさなきゃな。」
そう言いながらリンは立ち上がった。空気を目いっぱい吸い込む。
「起きろ———!!」
「わぁっ、なんだ!?」
タケルだけが飛び起きた。すぐにまわりの変化に気が付く。
「どこだよ、ここは!?」
「少なくとも、立神中じゃないところ」
リンが落ち着いた声で言う。
「リン……か?」
「ああ…やっぱり見た目変わってるんだ。まあ、タケルもボクと似たようなことになってるから。顔に鱗みたいのがついてて、髪の色が違うんだろ?」
タケルは自分の顔を触って、また驚いている。
「手伝ってくれる?こいつを起こさなきゃ」
タケルはまだ困惑しながらも、リンとジュンのほうへ寄ってきた。
「こいつ、一回寝たら起きないからさ、蹴っても、叩いてもいいからね」
「オレ、サッカーやってたけど…」
「いいよ、そんぐらいやらないとおきないから。じゃあ、いくよ………ジュ——ン!!起きろ——!!!」
脇腹をガスガス蹴られるジュン。さすがに起きた。
「いって———!!」
「おそよう」
「リンかよ…っわぁっ!!どうしたんだよそれ!!」
リンの顔を見て、いっきに目が覚めたようだ。
「どうやらボクらは、不思議な世界に来てしまったようだね」
リンは、いたずらっ子のように笑った。
- Re: 龍魔 ( No.4 )
- 日時: 2014/05/14 16:37
- 名前: マリン (ID: z.r.R/BL)
4 すねるジュンと体調不良
「すっげ———!ゲームみたいだ!!」
リンから話を聞き、ジュンは叫んでいた。
「じゃあおれたち、捕まった姫を助ける勇者とか!?」
「のんきだな」
「てか、それスタンダードすぎじゃね?」
リンとタケルに容赦なくれツッコまれ、すねるジュン。
「まあ、ゲームとかアニメの世界っていうのはありえる。何か見覚え合ったりする?」
「いや、オレは特にないけど…ジュンは?」
「おれもない!!」
「まだすねてるし…」
タケルがあきれたようにつぶやく。
「すねてねー!」
「どうする、あれ」
「ほっとく」
「ほっとかないでくれよ!!」
ジュンが光の速さで振り向く。
「じゃあ、すねるな」
ジュンはしぶしぶ寄ってきた。
——さすが、小学校からのつきあい。扱い方がわかってる…
タケルが頭の中でリンに拍手を送った時だった。彼の頭に痛みが走る。
「くっ!」
「どうした、タケル」
突然頭を押さえたタケルに、リンが声をかける。
「…頭が…痛い…」
「おいおい…大丈夫か…げほっ…げほげほ!…ごほっ…」
「ジュン!」
今度は、ジュンが派手に咳をし始めた。
「…咳が、げほっ…止まらない…ごほごほっ」
——明らかにおかしいだろこれ…
ジュンの背中をさすりながら、リンは顔を上げた。
遠くに小さな黒い点が見えた。だんだん大きくなる。
「あれは…人だ!お———い!助けてくださ———い!」
リンは叫びながら立ち上がった。立ち上がった途端、激しいめまいと吐き気がリンを襲う。再び膝をつくリン。
人は、だんだん大きくなる。馬に乗っているようだ。
「———っ!」
近づいてくる人は何か言っているようだが聞こえない。人が、片手をあげた。
ピカッ
まばゆい光が走る。
リンたちの意識は遠のいて行った。
- Re: 龍魔 ( No.5 )
- 日時: 2014/05/22 00:11
- 名前: マリン (ID: LhIkzBF8)
5 えっと…ここは、どこですか? その2
ジュンが目を覚ました。
場所は草原ではなく、室内である。白い壁に、木の床。三つのベッドと鏡のついた棚が置かれている。
ジュンは真ん中のベッドに寝かされていた。右にはリン、左にはタケルが、小さな寝息を立てている。二人の顔を見て、ジュンが一瞬びっくりするが、すぐに思い出したようだ。
「…あれ?もう咳が止まってる…てか、ここどこだよ…もしかして誘拐!?」
「んなわけないだろ」
リンが体を起こしていた。
「起きてたのかよ」
「いや、おまえのバカでかい声で起きた。てか、誘拐だったらこんな部屋で寝かされてない。ん、めまいと吐き気はおさまったみたいだな…」
「で、こいつも起こす?」
リンはこくりとうなずく。そのあと、こう付け足した。
「蹴るなよ」
「蹴るなよ、と言われて蹴らないやつがどこにいる!!」
ジュンがタケルの脇腹を蹴り上げる。
「ぐおっ!」
「ぐへっ!」
タケルがベッドの下に転がり落ちると同時に、ジュンの背中にはおそらく本日二度目の、リンのとび蹴りが決まっていた。
タケルが脇腹を押さえて立ち上がる。
「仕返しありがとう」
リンとタケルが握手を交わす。
「俺だって、さっき蹴られたじゃねーか!」
「それは、おまえが起きないからだし、オレは倉庫で、力なさそうって言われたこと、怒ってんだよ!」
「まだ、根に持ってたのかよ!」
取っ組み合いのケンカになりそうな二人の間に、リンが入った。
- Re: 龍魔 ( No.6 )
- 日時: 2014/05/18 18:03
- 名前: マリン (ID: LhIkzBF8)
[1〜5までの人物紹介]
緑田リン
真面目な立神中の2年生。成績優秀だが運動音痴。
ジュンとは小学校からの付き合いである。吹奏楽部でトロンボーンを
吹いていて、生徒会役員もこなしている。
好き…読書、甘いもの
嫌い…運動、辛いもの、動物
容姿…黒縁メガネにすこしパーマがかった髪(天然)。不思議世界では
緑に銀のメッシュがはいっている。右ほおには、銀の鱗。背が高く、痩せている。
青木原タケル
明るくて、人気者な立神中の2年生。イケメンでスポーツ万能の
ため、とてもモテる。陸上部の短距離選手。リンたちとは、小学校が違い、サッカーをやっていた。料理が得意。少し病弱。
好き…サッカー、リンゴ
嫌い…魚、ジェットコースター
容姿…まつ毛が長くてとてもイケメン。サラサラの茶髪。
不思議世界では、青に銀のメッシュ。右ほおに、銀の鱗。
色白で、華奢。
赤永ジュン
バカで熱くなりやすい、立神中の2年生。。成績は、毎回最下位。短気。陸上部で
長距離を担当する。運動神経は抜群。リンが、一番心を開いている
相手。
好き…運動、昼寝、ゲーム
嫌い…勉強、テスト、ピーマン
容姿…色黒にピンピンはねた、短髪。不思議世界では、赤に銀のメッシュがはいり、右ほおに銀の鱗。背は、タケルより少し高いくらいだが、がっしりとしている。
立神中
行事は生徒会によって実行され、生徒たちもそれをもっと楽しいものにしようとがんばる、実にエネルギッシュな学校。だが、田舎の学校のため、生徒数の減少に悩まされている。
設定が増えたら、更新する予定です。
- Re: 龍魔 ( No.7 )
- 日時: 2014/05/25 21:34
- 名前: マリン (ID: LhIkzBF8)
6 現状確認
リンたちはベッドの上に座っていた。
「とりあえず、今分かってることは、ここは立神中じゃないってこと、僕らの髪色と服が変わっていて、頬に鱗のようなものがついてるってこと。他に何かある?」
「えっと…最初にいたところとは違う場所にいるってことと、そのときの頭痛とか、咳とかが止まってる…こと?」
「じゃあ、ここからはボクの考え。まず、さっきの咳とかはこの体がここの空気とかに慣れていなかったからおこったと思うんだ。もしそうだとしたら、ここはボクたちが来たことがないとか、ボクたちが住んでいる場所とは違う場所とかだと思う。今、なんでおさまっているかはわからない。あと、ここへきてしまった理由はたぶん、階段から落ちたこと。それくらいかな」
ジュンが手を挙げる。
「なあ、自分の顔、確認しねーか?鏡あるんだしさ」
「…だな。よっと」
リンが鏡を取ってきた。そのまま覗き込む。
「……」
「おい、リン?」
「いやーまじかーって改めて思った」
「なあ、次オレ」
鏡がタケルにまわる。
「……ゲームみたいだな…」
頬の鱗に触れながら、つぶやいた。
「次おれ!貸して!」
「…落ち着けって。鏡は逃げないから」
あきれるリン。ジュンが鏡を覗き込み、鱗や髪をぺたぺた触る。
「本物だ——っ!」
「本物だから、とまどってんだよ!」
「だってよーリンはわくわくしないのか?」
リンが口ごもる。
リンは、現実の世界があまり好きではない。退屈だと思っているのだ。その退屈を吹き飛ばしてくれるのが本や、漫画や、ゲームだった。リンは、その世界にあこがれている。今、三人のなかで最もわくわくしているのは彼だろう。本の中でしか起こりえないと思っていたことが起こっていて、しかも、それを自分が体験しているのだから。だが、それを認めたくなかった。
「…べつに」
顔をそむけて、つぶやく。
「あ、嘘ついてるだろ。ま、いいけど」
——やっぱこいつには、負ける。
ジュンの顔を見て、リンはそう思った。
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