コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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sweet sky 短編集
日時: 2014/05/28 22:02
名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: mDiTOv13)





           広くおっきな空の下




             甘く色づき  





             輝きを放つ





_________________________________






こんにちは、こんばんわayaです。



今回は短編集ということで、亀更新だと思いますがよろしくお願いします


気分更新だと思いますb(^-^;) 


sweetということで、多少甘めのも、書こうかなと……


後、リクエスト、コメなど貰えたらとても喜びます!!



中傷、荒しなどはご遠慮下さい。



では、前置きはこれくらいにしてよろしくお願いします!!


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Re: sweet sky 短編集 ( No.15 )
日時: 2015/01/25 01:42
名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: FV4NcxH1)




『不都合な回答』







「あーあ」



机に突っ伏す体は重く起き上がる気力もない。
そんな少女を責め立てるように巻き上げられたカーテン
と一緒に風が吹いた。


浮かない気持ちとは裏腹に髪の毛が踊るように
ひらひらと舞いあがり、地に落ちる。



しばしその様子を見ていた人物は目を細め
ため息をひとつ、零した。



「うちの研究室で陰気な空気ばら撒かないでほしいんだけど」



少女を見つめる瞳は優しいのに対し
男の発した言葉は意外にも冷い。
それもこの男の特徴である。



しかし、やさぐれ少女は唇を尖らせ
不服をアピールした。



「先生〜、酷すぎます」


「事実を言っただけだよ」


「泣きますよ」


「どうぞ、泣くなら違うところにでも行ってください」


「酷い酷い酷い酷いっっ」




何とも非生産的なやり取りだなぁ。
そう思いつつ言い争いを続ける男はため息を吐き
少女に視線を流した。



「……で、なにさ。」


「…いや、別にこれと言ってないんですけど」


「は」


「でも、気分が乗らない時ってあるじゃないですか」



男はこめかみに手を押しあてる。



「そんな曖昧なことで?」



それに少女はあっけらかんと、yesサインを出した。




「そんな曖昧だからこそ、ですよ」



ふふっなんて。
相変わらず姿勢はそのままで、動いている部分といったら
また吹き出した風にあおられる髪の毛だけだ。
それは不規則にたなびき、男の目の前を通り過ぎる。



単純に綺麗だと思った。





しかし男は眼鏡の奥の瞳を細め本日何度目かのため息をつく。
一種のスランプなのだろうか。
自分には分からない事だな、と。




「曖昧は、嫌いですか?」



その問いは風に乗り耳まで運ばれる。



「まぁどっちつかずって感じじゃない」



少女から目を離し答える。

そして、答えた後に気付いた。
自分も曖昧じゃないか。




「先生も、曖昧ですねー」



間延びした声が鼓膜をくすぐる。

少女は気持ちよさそうに目を閉じ、
男もそれに身を任せたのだった。






               『不都合な回答』




               曖昧だから、いい

 
             そんな昼下がりの部屋には


              心地の良い風が流れた






————————————————————————————————



終われ感がはんぱないです。

Re: sweet sky 短編集 ( No.16 )
日時: 2015/01/25 21:03
名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: FV4NcxH1)



『色彩ドロップ』




幾つもの信号機が放つ強い光と
まるで水彩絵の具で描かれたような柔い空



夕方特有の気の抜けた雰囲気に
ヘッドフォンから流れる曖昧なメロディー。



一歩一歩、進める足は
自然とゆっくりだ。




何とも不安定な全てが、何故か、
すぅ、と胸の内を掠めて荒く撫でていく。

不思議な感覚だった。
いつもより幾分かセンチメンタルにさせる雰囲気に
飲み込まれていってしまうようだ。



空は次第に暗くなりはじめ、
冷たい風が交じりだす。




着ていた赤いダッフルコートに首をすぼめて
白く色ずく息を吐き出した。

(寒くなるなぁ。)



ゆっくりと進んでいた足取りはいつの間にかに
速くなる。
まるで暖かい所を求めるように。




ヘッドフォンの音楽は相変わらず
曖昧な歌詞を奏でつつ

しかし、それに合わせて動く足は
なんだか楽しそうで、
オレンジの光がふわふわと漂ってくる。




この角を曲がれば、もうすぐだ。
もう、後は開けるだけ。


あけたその先は———
自然にこぼれる笑みを含みつつ
私は言った。






「ただいまー」









                 『色彩ドロップ』




                   帰る道は


                 少しだけ寂しく


                少しだけ楽しいものだ




Re: sweet sky 短編集 ( No.18 )
日時: 2015/03/21 18:03
名前: 左右りと (ID: h/uHI0ph)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi



はじめまして。
短編集が読みたいと思い来ました、左右りとです。


柔らかい雰囲気の文がとっても好きです!
さくさくと読めるけど、しっかりと中身がある———

そんなかっこいい文がかけるayaさんが羨ましいです!!


宣伝になりますが、よかったらわたしの小説にも来てください(暇があれば……)

また、来ます!
更新楽しみにしています!!

Re: sweet sky 短編集 ( No.19 )
日時: 2015/03/22 13:28
名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: sbAJLKKg)






『哀愁ロケット』






どうにもこうにも慣れてくれないものってあると思う。
例えば、別れ、とか。



終業式終わったねー。なんて、話ながら歩く廊下とも今日でおさらばだ。
別に今日でこの学校から旅立つ訳ではないけれど。

それでも、おさらばなのだ。
胸が締め付けられるような感覚が襲い
私を蝕んだが、知らん振り。





教室に入ると、並べられた机と椅子。
そこに座るのは、たわいない話を続ける友人たち。各々やることは違えど、この一年間、喜怒哀楽を共にした者同士。

いよいよ、なんて。
締め付けられる胸は破裂しそうなほどに
成長していた。



「じゃあ、通知表配るから並んで」



えー。いらない。親に見せなくていいですか?なんて、次々とこぼれる愚痴を聞き流す先生は、一人ずつに配っていく。
なんて、荒技。
さすがです。

また、私も例外ではなく順番は回ってくるわけで、


「まぁ、これからね。」


にっこりと笑う先生に対して苦笑いを返しつつ席に戻る。
その言葉の意味は怖くて聞けなかった。
これも有りだと自分に言い聞かせるしかない。


そして、何もなくなった教卓に立つ先生は最後の言葉を、告げる。なんだか視界が霞んだ。
でも、この理由は知らなくていいのだ。視界を霞めるなにかにも。



ふぅ、一つ深呼吸。
先生の声が教室中に響いた。



「一年間、このクラスで良かったと思ってもらえたでしょうか」



クスクスと教室内に木霊すひそひそ笑い。
私も、思わず笑ってしまう。


ええ、はい。
よかったと、とても思いますよ。




「そう思ってもらえたら、私は嬉しいです。」




先生が、頑張っていたおかげです。
本当にありがとうございました。




「次のクラスではどうなるか分かりませんが、頑張ってください。」



なんて、無責任な。
次も、頑張れたらいいです。




「では、また来年も会えたら。」




心の中で囁く返答は届くことはないのだろうと、
思う。
それでも届いてくれたらいいな、と無責任にも思ってしまうのだ。


それに、分かっていた。


これが最後かもしれないということは。

だからこそ最後の言葉には、なんて返答したらいいのか戸惑い、一様答えておく。





“そうですね。来年。
 頑張って、元気な子を産んでください”




視線がさ迷ってしまう。

脈絡のないことは、言葉にしなくていい。
だって、何かを言ってしまったら瞳に溜まったものが溢れて、止まってくれそうにないから。



意味もなく、手元の通知表を弄り他のことに意識を持っていく。
こんな、陳腐な成績見てもなにもいいことはないのに何度も目で追ってしまう。

あーあ、次からはもっと頑張ろうか。
この成績では親に見せる顔がない。




「じゃあ、ホームルーム終わりにしようか。日直ー」




ガタガタと椅子から立つ音が響き、
私も流れに乗り椅子から腰を上げた。
そして、皆の顔を見渡してみる。

やはり、何か煮え切らない顔をしている。




思わず、笑ってしまった。
そうか、皆同じなのだ。





「きりーつ」





日直は最後の仕事と言わんばかりに声を張り上げる。

私は口元に当てた手を下ろした。
しかし、楽しそうな口元は変わらないまま。




「れい、」








せーの、




『一年間、ありがとうございました!!』








そして、また次もよろしくお願いします。











        
              哀愁ロケット



          最後に皆で撮った写真には



           満面の花が舞っていた



            美しきかな、青春








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お別れシーズンに合わせて。

こういう感傷に浸っている子好きです。
少しセンチメンタル過ぎるくらいがちょうどいい。


※少し文を増やしたため、一回下げさせてもらいました。話の内容としてはあまり変わっていません。

Re: sweet sky 短編集 ( No.20 )
日時: 2015/03/22 13:35
名前: aya ◆Nls3uHn4/Y (ID: sbAJLKKg)




左右りと様へ


はじめまして。

そ、そんな、滅相もないですっ。
勿体ないお言葉ありがとうございます!

中身があると、言ってもらえてとても
嬉しい限りです。
これからも精進していきたいと思いますっ。

是非是非、見に行かせてもらいます!


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