コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- とったま!!
- 日時: 2014/07/29 12:45
- 名前: かおる (ID: HYBdaZWe)
あの日見た情景が忘れられない。
いつまでも僕の脳内を駆け巡る。
一言で言い表すと、壁。
コートを守る、壁。
僕も、壁になりたい。
何かを守る、壁に。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
月見山高校
【>>16】
目次
#1【>>2】#2【>>3】#3【>>4】
#4【>>5】#5【>>6】#6【>>9】
#7【>>14】#8【>>15】
- Re: とったま!! ( No.15 )
- 日時: 2014/07/29 19:39
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: HYBdaZWe)
【#8 高と飛】
「いたた……ん?」
宏太は思い切り背中から床に落ち、頭を打ったとばかり思っていた。だが、違う。頭を打ったのは事実だが、背中に何かと凸凹した感じが伝わってくる。床はコンクリートで出来ている為、崩れた欠片くらいあるだろ。と思うが、そんな細かい物ではない。何というか……人?
宏太は体を起こし、背中の感触のした部分を摩りながら倒れていた場所を見た。
「げっ!!」
宏太は思わず声が出た。
自分の倒れていた場所には、もう一人人が倒れていたからだ。
「だ、だだだ大丈夫ッスか!?」
「ちょ、どうしよう……!」
猫目猫口(まあ彼は元から猫目猫口だが)で焦りまくりな常陸と自分の事でも無いのに自分の事のように焦る水野が駆け寄る。
水野が倒れている男の体に触れると、男の目が少し開いた。
低い身長に似合わない短い髪、鋭い目。
宏太はハッとした。
「君、あの時の!?」
人を指差すなと散々習ってきた宏太だが、この時だけはすっかりそんな事忘れていた。ビシッと人差し指を男に向けて問うと、男は首を傾げた。覚えてねえな此奴。と宏太は小さく呟いた。
「えと……君も一年生?」
水野が控えめに聞くと、男はこくりと頷いた。肩に掛かっているスポーツバッグから少しクシャクシャになった入部希望の紙を取り出すと、水野に渡した。
「えっと…………飛夜玖 清貴(ヒヤク キヨタカ)?」
「高と飛かー!今年の一年の名前は何かいい感じだべ!」
「それって俺達の名前が変って事……?」
「いや、そーいう訳じゃ……。」
そんな会話が聞こえてき、宏太のテンションは若干上がった。生まれてこの方他人にあまり名前を褒められた事が無かったからだ。
が、そんな宏太に対し、清貴の顔は若干怪訝だったがその事は誰も知らない。
- Re: とったま!! ( No.16 )
- 日時: 2014/07/30 00:33
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: HYBdaZWe)
月見山メンバーが揃い始めたので、プロフィールを書いて行こうと思います。
>>0のとこに目次と共に貼っておきます。(^O^)/
因みに清貴の身長体重が私の小学生時代の物を引用してきた何て言わない。後頭部割れても言わない。
【月見山高校】
宏太が通っている高校。制服は、男子学ラン、女子セーラー服。
バレー部は県内で二位三位を争う。素晴らしい。
ユニフォームは、黒に黄のライン。リベロは黒黄反対。
(一年生)
高井 宏太(タカイ コウタ)
身長:173.4cm
体重:65kg
好物:ドーナツ
最近の悩み:壁になりたい。
本作の主人公。若干天然。中学生の時に見たバレーの試合に憧れ、バレー部に入部。バレーの知識、技術的にもかなり貧しい。でも、ブロックは一瞬で身に付けた。それ以外は凡人並。数学と体育が苦手。
誕生日は8月13日。ベルリンの壁建設日。
◇◆◇◆
飛夜玖 清貴(ヒヤク キヨタカ)
身長:156.2cm
体重:47kg
好物:飴
最近の悩み:私服で街に出たら小中学生に見られた。
本作の主人公マークツー。無愛想で人と戯れるのが苦手。小学生の頃からバレーに情熱を注いでいる。バレーの知識は豊富で、強豪校から弱小校までほぼ知っている。技術面も高く、スパイクが得意。身長からは考えられ無いジャンプ力を持つ。ただ、チームワークに若干欠ける。
誕生日は8月15日。終戦記念日。
◆◇◆◇
一宮 似絽(イチミヤ ニロ)
身長:177.3cm
体重:68.8kg
好物:う○い棒
最近の悩み:清貴顔怖い!!!
今年入ってきた一年生。いつもオドオドしており、M字開脚ですっ転ぶという離れ技を持っている。バレーの知識、技術共々普通。特に派手なプレーは見られない。清貴が苦手(本人曰く、顔が怖いらしい)。
誕生日は2月6日。似絽→ニロ→2 6
(二年生)
木戸 勇気(キド ユウキ)
身長:180.6cm
体重:70.3kg
好物:ミルクチョコレート
最近の悩み:眠いけどすぐ腹減る。
ポジション:MB
いつも眠たい二年生。やる気の無いような発言が多いが、バレーが嫌いな訳では無い。バレーの知識、技術共に豊富。サーブが得意。
誕生日は7月23日。夏休みシーズン。
◇◆◇◆
水野 良夢(ミズノ リョウム)
身長:169.2cm
体重:63kg
好物:素麺
最近の悩み:他の二年生。
ポジション:WS
個性の強い二年の纏め係。顔が全体的に丸いと言われて以来、体重等を気にしている。常陸と如月曰く、「月見山のオカン」。バレーの知識、技術は普通。平田ほどではないが、トスが上手い。
誕生日は11月23日。勤労感謝の日。
◆◇◆◇
常陸 京平(ヒタチ キョウヘイ)
身長:185.4cm
体重:74.4kg
好物:ツナ缶
最近の悩み:部室に捨て猫集めてたら怒られたッス。
ポジション:L
猫目猫口の二年生。彼が外を歩くと必ず二三匹猫がついて来る。先輩後輩関係なしに「〜っち(先輩)」、語尾に「〜ッス」とつける。バレーの知識はあまりないが、技術は豊富。狙ったボールは必ず取る。(その為足を打撲した事あるが。)
誕生日は10月1日。動物愛護法が出来た日。
◇◆◇◆
如月 和成(キサラギ カズナリ)
身長:178.6cm
体重:68.3kg
好物:アイ○の実のピーチ味
最近の悩み:語尾が変って言われるべ。
ポジション:MB
お調子者の二年生。語尾に「〜だべ」をつける。常陸と仲がいい。バレーの知識、技術は若干貧しい。その為、ベンチにいる事が多い 。
誕生日は5月9日。アイスの日。
(三年生)
平田 球詠(ヒラタ キュウエイ)
身長:187.7cm
体重:75.3kg
好物:ね○ね○ね○ね
最近の悩み:ホラゲやったら眠れなくなった。
ポジション:S
月見山高校バレー部主将。皆の司令塔。水野曰く、バレーの知識も技術も最高値。スパイクが打ちやすい場所を(常陸除く)全員分把握している。時愛の髪をあんなにした張本人。
誕生日は9月1日。球詠→(キュウ)エ(イ)→9 1
◆◇◆◇
時愛 斎郎(トキメ トキロウ)
身長:176.7cm
体重:69.1kg
好物:裂けるチーズ
最近の悩み:誕プレとバレンタインチョコが一瞬に渡される事?
ポジション:MB
前髪が藍、後ろの方の髪が黒と言う奇怪な髪をした胡散臭い顔の月見山高校バレー部副主将。バレーの知識、技術は平田に並ぶ。ブロックが上手。
誕生日は2月14日。バレンタインデー。
◇◆◇◆
田見 意次(タミ ????)
身長:凄い小ちゃい
体重:凄い軽そう
好物:???
最近の悩み:???
ポジション:???
今はいない、三年生。背は清貴位と思われる。平田曰く、「スーパーエース」。常陸曰く「つぐっち先輩は凄いッス!」。つぐっち……?
水野と色々あったらしい。
最終更新日
7/29
- Re: とったま!! ( No.17 )
- 日時: 2014/08/05 00:11
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: Lx/qXqEu)
【#9 ニヤリ】
「えーと、とりあえず、君等は見学に来たのかな?」
前髪が藍、後ろの方の髪が黒と言う奇怪な髪をした胡散臭い顔の男が見た目に似合わない優しい声で言った。はい、と宏太と清貴は同時に答える。
ニヤリ、というのが合いそうな笑みを浮かべるとじゃあ、ちょっとだけ。と宏太達を体育館に招き入れた。
宏太が体育館に入る間も木戸はジッと宏太を見ていたが、宏太は知らぬ振りをした。
「うっわぁ……………!」
宏太は無意識に声を漏らした。
似てる。あの日見た光景に。
ピンと張られたネット。
真っ直ぐな白いライン。
無造作に転がるボール。
どれもこれも、宏太があの日見た光景とほぼ一致していた。
ボールは転がっていなかったとしても、ネットやらラインやらを見ると無意識にあの日の光景が頭に浮かんできた。
「ぼ、僕もついにここで……!!」
「ばっか。見学かちょっと練習入れてもらえるだけだろ。」
浮かれていた宏太の心はその台詞によりいっぺんにぶち壊された。死んだような目で声のした方、背後を見る。そこには、呆れ顔で腕を組む清貴がいた。
てめぇ人の心ぶち壊してんじゃねえよクソチビが!、とでも言いたそうな宏太の殺気混じりの表情を見てもビクともしない。
「ポッと出の何も知らねー奴がコートに立てると思ってんのかよ!!」
イラついた口調で清貴が叫ぶ。
その言葉に宏太もイラついた。
- Re: とったま!! ( No.18 )
- 日時: 2014/08/06 17:35
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: Lx/qXqEu)
【#10 必要性】
「何それ、清貴くんは何でも分かってるつもりなの?」
「当たり前だろ。」
「い、一年……辞めてよ……。」
突如始まった宏太と清貴の喧嘩に水野が割って入る。が、宏太と清貴の怒り丸出しの顔に思わずヒッと声を漏らした。
「退いてください先輩!清貴くんをフルボッコにしないと気が済みません!!」
「退けよ!このでっけー奴を殴らないと気が済まねえ!」
「はいはい、やめやめ。」
前髪が(以下略)がパンパンと手を叩き、水野と清貴の間に更に割って入る。水野は助っ人の登場に一息付き、その場を離れた。
「主将は?」と清貴の後ろの方で如月が常陸に問う。常陸はさも当たり前のように「補習授業なうッス。」と答えていた。
「御前等、部活……、バレーで大切なのは何だと思う?」
前髪(以下略)は、宏太と清貴の肩に手を置き、ニヤリと笑いながら聞いた。
二人はちょっと考えてから、
「ブロック!」
「スパイク!」
と、同時に答えた。
この答えには思わず後ろの方で見守っていた二年生達も焦った。全員「いやそれは違うだろ!」と言いたそうな表情をしていたが、二人には見えていなかった。
「あー、駄目だなこれは。」
男が困った顔で頭を掻いた。
「御前等、このままだと入部させられないかも。」
- Re: とったま!! ( No.19 )
- 日時: 2014/08/06 17:59
- 名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: Lx/qXqEu)
【#11 宿題】
「御前等、このままだと入部させられないかも。」
その言葉に「は。」と二人は同時に返した。
「本気で分かってないん?副主将、悲しいわー。比べるようで悪いけど、去年の奴等……二年生は一瞬で分かったぞ。」
顎に手を当て、考えるポーズを取る男に、二人は思わず顔を見合わせた。
その様子を見ていた二年生がまたヒソヒソし出したが、二人には見えていない。
「う〜……、あ、そうだ!一年、宿題を出します!」
「宿題?」
急に明るい顔になり、手を叩いた男に若干ビビる二人。
如月が「どうせロクなモンじゃ無いべ。」と呟いたが男は「何か言ったか」と冷たい顔をセットで返した。
「御前等が、バレーで大切な事を見つけるまで入部は許可しない。」
二人の方を、先程の笑顔で振り向いた男は、明るい笑顔と明るい声で言い放った。「我ながらいい考えだな!」と自画自賛する男の前で、二人はメデューサの被害にあったかのように固まった。
「じ、冗談じゃねえよ!!!」
清貴が怖い顔で叫んだ。
宏太も後ろの方の二年生もその声に圧倒された。だが、二人の前に立つ男だけは真顔で清貴を見下ろす。
「俺が、何を思ってここに来たか分かってんのかよ!!!」
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