コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 千年樹の記憶
- 日時: 2014/08/09 16:18
- 名前: 円周率 (ID: LfhJsbHs)
ああ、君はあの頃の事を覚えていますか。
もう、君はここにいない。それくらいは分かってる。
だけど僕は無鉄砲でちょっと馬鹿で、いわゆる『アホの子』な君の事を、
ずっと想い続けるから。
@@@
最初から意味不明ですね(笑)
はじめまして、円周率です。
小説は国語の授業くらいでしか書いた経験がありません。一応は小説家志望なんですけど。
正直、面白く書けるか物凄く不安です。ストーリーも「ありきたりじゃね?」と自分で思いました。
ですが、頑張って書き続けるので宜しくお願いします。
◇注意◇
更新が不定期&遅い。
誹謗中傷は辞めてください。勿論、チェーンメールや荒らしも禁止です。
辛口コメントも大丈夫ですが、その時はちゃんと理由を。
以上が「いいよ!」という方は、(二回目ですが)これから宜しくお願いいたします。
目次
第一話>>03>>06
お客様
シア様 初めてのお客様です。
†みさき†様
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- Re: 千年樹の記憶[コメント募集] ( No.3 )
- 日時: 2014/08/04 15:13
- 名前: 円周率 (ID: LfhJsbHs)
第一話
穏やかな春が過ぎる。
やたらと暑い夏が過ぎる。
芸術の秋といわれる秋が過ぎる。
寒い寒い、冬が過ぎる。
「やっぱり、人間の一年っていうのは物凄くつまらないよなぁ…」
深い森の奥にある【千年樹】の枝腰掛けながら、樹の精霊である少年は呟いた。
とてつもなく大きな樹に、着物を着た美少年。何故か異世界の雰囲気が漂う、不思議な光景だ。
少年ーハルは、太古から文字通り"生きている"樹【千年樹】の精霊だ。
長く生きる内に、自然に霊力という"力"と自我が生まれ、ハルという存在が出来た。まあ、ハルの霊力はあってもやる事があまり無いため本人は人間の町に時々遊びに行ったりする暇人だが。
ちなみに高さが軽く百メートルを越えている千年樹が、人に見つからないのには理由がある。
千年も生きている樹なんて人間に見つかれば確実に大騒ぎになるし、そもそも大きいため目立つ。
そう考えたハルは、千年樹の森に人が入れないようにしたのだった。
ハルは千年樹の表裏一体の存在なので、樹に関する事なら基本的に念じるだけで完了だ。
「よいしょっと」
ハルは枝から地面に着地した。
「ハルーっ、どうしたのぉ?具合が悪そうに見えるんだけど、相談にのろうか?」
「別に。心配しなくていいよ、鳥」
「でもちょっと心配」
うたた寝しはじめたハルの周りに、動物が集まり始めた。
ハルは喋りかけてくる動物達の相手を、渋々務める。
「ハルはさ、本当にいっつも目が死んでるよね。ちょっと中二病っぽいし。顔はいいのに、目のせいでモテないんだよ?もうちょっとモテる努力をすれば?」
「うるさいよ。だいたい僕はモテたくないし、モテる異性もいないし。ていうかお前何処でそんな言葉覚えたの?!」
「なんかねー。漫画読んでたの」
「はぁ…」
狐は子供なのに、どうやらスラングをしっかり理解しているようだ。 ハルは溜め息をついた。子狐の将来が若干恐ろしくなってきたからである。
「ハル、お腹空いた」
「自分で獲物をとれよ!僕は食べ物いらないの知ってるだろ」
純粋にハルに話し掛ける動物もいるが、圧倒的にハルをからかう声が多い。
表面上、面倒くさがりながらもそこそこに楽しんでいたハルだったのだが、その平和をぶち壊した人物がいた。
「うああああああああ、助けてーっ!」
大きな悲鳴が響き渡り、動物は一斉に逃げ出してしまう。
ハルは悲鳴が聞こえた上空に目を凝らし、見構える。
(人間はここに入ってこられないのだから、妖怪の類いなのか?だと、まずい)
「…あれ?」
ハルは首を傾げる。
あいつ、妖怪だったら術かなにかを使わないのか?地面に激突するぞ。それに、やたらと姿が人間、それも女に近くないか?
ハルの心配は、すぐに終わる。
「ひいやあああ!!」
「っ?!」
その物体は、地面に激突してしまったのだ。
ハルは声をかけるかどうか暫く迷う。誰が好き好んで腕をピクピクさせている少女に近付きたいのか。
「えーと、怪我してない?」
「怪我してないように、ゲホっ、見えていますか。あなた、誰?ここ、何処ですかぁ」
まだ震えながら恐る恐る顔をあげる少女。
泥だらけの少女の顔を見て、ハルは今日は厄日だなあ、とまた心の中で呟いた。
- Re: 千年樹の記憶[コメント募集] ( No.4 )
- 日時: 2014/08/06 12:53
- 名前: †みさき† (ID: Uj9lR0Ik)
この小説気に入った!
頑張ってくださいね
- Re: 千年樹の記憶[コメント募集] ( No.5 )
- 日時: 2014/08/09 15:11
- 名前: 円周率 (ID: LfhJsbHs)
有り難うございます!†みさき†様、これからも更新頑張りますね。
- Re: 千年樹の記憶 ( No.6 )
- 日時: 2014/08/10 13:27
- 名前: 円周率 (ID: LfhJsbHs)
「こういう時どう声掛ければわかんないけどさ、二回目だけど怪我、してない?…いや、してるよね。どっか痛まないかい?骨折とかしてると思うし」
あの高さから落下しているのだから、人なら生きているだけでも充分である。これですり傷とかですんでいたら、そいつは人間を辞めている。
しかしその少女らしき物は、ハルの予想を裏切る答えを出した。
「心配してくださって有り難いんですけど、骨折とかしてません。ちょっと足をぐねったくらいですかねー、いたた」
「よし分かった、お前人間じゃないですね。今すぐこっから出ていって」
「は、はいィ?!態度急変しましたよ、私足痛いって言ってるじゃないですか。人の話を聞きましょうよ、着物野郎!」
「…チッ」
着物野郎と、人の話を聞け言われた事により、ハルは舌打ちをする。最初は手当てでもしようかと考えたが、今は苛々していた。
ポニーテール土だらけ少女(妖怪疑惑発生中)は必死に反論しているが、ハルは他の人物と関わる機会自体が無いので苛々は益々募るばかりだ。
「はぁ…これが最後の質問だよ、君にこの樹は見えてるかい?」
「へ?こんなに大きい樹なのに、見えないとかどんだけ視力悪いんでしょうかね。ちなみに私の視力は1.2ですよ」
「君わざとやってるの?」
どうやらこの少女は天然らしいが、それ以外の判断にハルは悩む。
ーこのポニーテール土だらけは一体なんなのか?という。
まずこの樹の森には人間が入ってこられない。そして【千年樹】は人には見えない。
下級妖怪が意味不明に襲ってくるのもあるが、そのような輩は人間に変化できる程の力は存在しない。中級、上級と呼ばれる実力者はもう少し分別はあるため、襲ってくる事は無かった。
というか少女は、落下してきた。
つまり、この少女の正体が本当に分からないのだ。
考え込むハルに対して、少女は不安そうに「どうしたんですか?」と
問い掛けてくるため、ハルはとりあえず、少女を手当てする事にする。
「どうもしてない。あー、色々聞きたいけど、今は置いといて君の手当てをするから。ちょっと待ってて」
「はあ、了解ですけど。着物野郎…さん?」
「その着物野郎って辞めてくれない?ポニーテール土だらけ。僕にはハルっていう名前があるの」
「ポニーテール土だらけっ?!私の名前は美藤結衣!み・ふ・じ・ゆ・い!」
ギャーギャーと喚く結衣。ハルは無視して千年樹の精霊として動物達と意識を繋ぐ。
先程の、結衣が落下してきてから一時的に木の後ろや森の巣に散り散りになった子狐その他。ハルは動物と、テレパシーのような精霊の力を使えるのだ。
[ハル、さっきの人って誰?妖怪じゃないの?]
[怖いよー]
[多分、妖怪じゃない、筈。この美藤って人の手当てしてくれない?川の水と綺麗な布と、木の実が欲しい]
[あいよー]
動物のいい返事に、ハルは少しだけ心が和む。
しかしその念話を終えて、佐織に向き直ると、ハルは絶句した。
だってまだ佐織は、
「ついてないー!着物野…違うハルさんも胡散臭い人だし、足はぐねるし、変な場所にいるし、顔とか服は土まみれになってるしぃ。もうやだこの国。いっそ外国にでも行けないかなー?」
「落ち着こうよ美藤!怖いよ、ぶつぶつ呟くな!」
結衣が、感情が抜け落ちたような表情で、言葉を吐き出していたから。
- Re: 千年樹の記憶 ( No.7 )
- 日時: 2014/08/12 11:36
- 名前: 円周率 (ID: LfhJsbHs)
「う、うわっ!鳥が、バケツを足にかけて飛んでるよ!あと狐も来てるよーっ」
「そうだね」
二人が五分ほど、千年樹の根元に座っていると、動物達はやってきた。
無感動なハルに、大袈裟に驚く結衣。ちなみに結衣がタメ口になっているのは、敬語を使うのが面倒くさくなったからだ。
[ハル、はいこれ頼まれていたヤツ。そうそう、僕達は暫く奥の方で引っ込んでるよ。人間にバレちゃいそうで怖いし]
[ん。有り難うね、礼を言うよ]
[じゃあね!]
樹の近くに着地した鳥から水の入ったバケツを、狐からは木の実と布を貰ったハル。
どうやら動物は奥にいておくらしいので、ハルは感謝した。
動物が念話出来る。ハルが精霊である。そのような事が人に分かったらどうなるか…。
最悪この森事態が破壊される可能性もあるし、動物が実験体にされるかもしれない。
ハルは結衣がいるという事に気付き、慌てて首をブンブンとふる。
「よし、美藤。取り敢えず、両足ともスニーカー脱いで靴下もだよ。包帯巻く」
「うん。ていうか、さっきの動物なに?滅茶苦茶かわいかったんだけど。ハルって動物慣れしてるねぇ」
「はいはいそれは置いといて。うわ、右足結構赤くなってるし。左足は大丈夫みたいだけどさ。すったのか血も出てる」
「はぐらかされたけど…マジですか」
想像以上に酷い怪我だったため、ハルも結衣も驚く。
というか、結衣はこの状況で喚いたり反論したりしていたのか。ハルはその事実にも驚いた。
布は都合よく二枚あったので、まず一枚を水で濡らして患部をふく。
そして包帯(実質ただの布だ)を巻いて、ハルは木の実を手渡した。
「この木の実って、何?」
「いや、正式名称は知らない。まあこの森で木の実って言えばだいたいそれだね。食べてみなよ」
「いやいや、警戒するでしょ普通。一応、食べるけど」
ハルから渡された木の実。
見た限りでは、童話にでも出てきそうな【森の木の実】。結衣はそれを口の中にいれる。
そして次の瞬間には、目を見開いていた。
「ぶっ、げほっげほっ、辛いっ!この木の実辛いよぉ!」
「そういえば、それ辛かったな。でもさ、体力回復してきた感じするでしょう?どう?」
「あ、確かにそうかもねぇ。で、でも辛いよこれ!」
あまりの辛さに、結衣は涙目になっている。
動物は体力回復薬として重宝しているが、ハル自身は食べた経験が無かったので辛い事を失念していたのだ。
「でさ、ちょっと聞きたいんだけど」
ハルは本題に入り込んだ。
「君は、どこから来たんだい?」
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