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ムニキス
日時: 2015/02/10 17:27
名前: はるたろう (ID: VNx.OVCe)

登場人物→>>1(協力・優斗@捨駒になりたい)
ムニキスの用語集>>12

序章・ヘンケイ>>5>>7
一章・グンタイ>>10>>11>>13>>14
?章・ワルモノ>>15
二章・オウゾク>>16>>17>>23>>24
———シュウメイ>>27>>28>>29>>30
?章・タカキチ>>31
三章・タベモノ>>32>>33>>34>>35
———トオリマ>>36>>37>>38



オリキャラ様、ありがとうございます。

リン>>2(ちほりん様より)
アーク>>6(黒い月様より)
イオ>>20(ルイ様より)


こんな駄文に目をつけて頂き、誠にありがとうございます。土下座を通り越して地面に頭をつけてブラジルまで届きそうなくらい頭を下げております。次は靴を舐めようかな。

それでは。ムニキスの世界へどうぞお入りください。

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Re: ムニキス ( No.36 )
日時: 2015/02/07 19:15
名前: はるたろう (ID: LHB2R4qF)


アラタ達の進行は、早くも一ヶ月は行われていない。

イエスの強さ、キラルの死の呆気なさをアークとコウはまだ覚えていた。何かが引っ掛かる。何かが。

そんな彼等を放っておいても結構時間は進むものである。
世界は自分中心に回っていると思い込んでいる人間ばかりの世界だが、今回は違う人間にスポットライトを当ててみよう。

彼は顔が二つある。

眼鏡をかけた誠実そうな温厚な男と冷酷非道の殺人鬼。勿論、後者を見たものが消されると思われるかも知れないが…実はその逆だ。

常日頃から考え事に耽っている人間に、貴方は声をかけたいと思うだろうか。暗くて俯いていて何を考えているか分からない人間に。
言い方を変えると、友達になりたくないのではないか。

人を決めつける事は好きではないが、少なくともネクラな奴とは付き合いたくないであろう。

そういう人間が普段見せない顔を見せたときどうなるか。
よっぽど見せたくないとなると…漫画とかでは殺される。秘密を知ったら殺されるのと同じだ。

バレたくない秘密に触れてしまった女とバレてしまった男の話をこれからしていきたいと思う。

飽きてしまったら飛ばしてくれ。と、書いておこうか。

これより始まるのは、ある女が運悪く踏み入れてしまった奇妙なお話。




断崖絶壁から現れた変人の巣窟のような団体を、快く受け入れてくれる者はそう易々とは現れなかった。

それどころか、逆に何かしたように彼女等が通ったあとはいつもヒソヒソと影口が聞こえるのみ。
気味が悪い村を立ち去ろうと提案したが、男達は動こうとしなかった。

「い、いいもんね!私だけ出ていってやるわよ。」

女は荷物を1人分だけ持ち、夜の村へと扉を開けて出て行った。

月がまるで死人のように青白く光り、彼女の足元を照らす。雰囲気に飲み込まれそうな気がしては後ろを振り返る。

誰かつけて来てるんじゃあないのか…。

何度振り返っても誰もいない。
客観的に見て滑稽な自分に馬鹿馬鹿しくて笑ったフリをするが、気になる。気になりすぎて気がおかしくなりそうだ。

怯えや怒り、好奇心でもなければ興味という単純な考えだけ。
感情は全て操れるが、今回ばかりは興味という考えを押さえきることができなかった。



Re: ムニキス ( No.37 )
日時: 2015/02/08 21:06
名前: はるたろう (ID: AxfLwmKD)


路地裏を抜けていくと確か道があった。
そこの道からは美味しいパンの香りがしたのを覚えていた。

「…ん?なんだろ…暗くて見えないけど…」

臭いだけにつられて、アーモンドの臭いだと確信した時にはその扉を開けていた。

「あれ…?あっ!初めてのお客様だよ!!」
「へ?」
「いきてこれたんだね!」
「は、はぁ、まあ。」

ニコニコと微笑んで、楽しそうに沢山のパンを机の上に並べた。無造作に置かれた小麦粉の上には調理器具が置かれている。

「………」
「あれ?食べないの?」




ここはどこだ…
よし、落ち着こう。それから瞼を開く。

確かめるように瞼を開き、指を右から左へ折っていく。
そして、冷たい石造りの床に手を置いた。

ぬるっとした気色の悪い液体に手をつけてしまった事に少々怒りを覚えつつも、鉄格子の窓から入る暖かい光に朝だと確信した。

「…血だわ…これ。」

「やっ!やめて!やめてよ!…うるせえ!黙ってお前は俺に体を貸しやがれ!」

昨晩の男が、声を荒げて何やら独り言を言っている。
気味が悪い村に気味が悪い住人…早くここから出たいという願望を、より強く抱いた。

「……声がやんだ…」

恐ろしくなって、全身の毛が逆立った。

おかしい。
私が恐怖に蹴落とされるなんて…おかしい。

女はそう思いつつ、至って冷静に胸を見た。
有刺鉄線は取られているが、細かい針は取られていない。ハサミはギリギリホットパンツの中だったのでバレはしなかった。

しかし、女の胸を見るなんてなんて野郎だ。と、思ったことは墓場まで持っていこう。

——さあて…女のシンボル見やがったんだ…大事なところ引っこ抜いてやる…

とか、下品なことを思ったことは覚えていない。


Re: ムニキス ( No.38 )
日時: 2015/02/10 07:19
名前: 捨駒 (ID: gM3fL3C0)



心臓の音がバイクのエンジンの様に鳴っている。気付かれないのか、そのスリルで針をつまむ指が、汗ばんできている。
今にもたれそうな、手を洗ってタオルで拭いていないような汗に少々おかしさも感じた。
時計の針があと五回進んだら行こう。そう決めた。

……………

「よし…」

一思いに床を蹴ると、ブーツのヒールのあのカツカツという音が床に染み込んでいった。
時間は限られている。早く仕留めなくてはいけない。

まずは左足から。

「……そこかよ…」
「ッ?!」

後ろから声が聞こえたと思った。いや、確実に前にいるのに後ろから声が聞こえるなんておかしい。でも、確かに後ろから…

振り向くと誰もいない。ただ、今来た闇が見えるのみである。

……闇?

「…ロイの能力があれば、闇の中は最強なもんでね。」

あの糸のような細目を見開き、流血した眼をギラギラと光らせて女を舐め回す様にた。
自分のオッドアイとまではいかないが、随分と変わった色の瞳をしている。

「やめてよ!こんな力、僕は使いたくないんだ!信じて!貴方を殺したくは無い!」

交互に入り雑じる二つの主張に頭がおかしくなりそうである。
しかし、こんな家…見つけた奴は他にいないのか?

「俺の名はロン。体はロイだがな。名を名乗っとくのは、俺がお前を倒せる自信がヒャクパーあっからよ。他の奴は家に入るまでに俺が仕留めたからな。」
「なるほど…通り魔事件の犯人はアンタね。タカトラさんが探してたわ。」
「通り魔…?何を言うか。あれは、俺を殺した奴を探してるんだよ。人探しさ。ひとさがし。」

通り魔事件、それはこの村から約五年にわたって伝わる、決まって4日に行われる殺人事件のこと。それもあるから、女は村を出ようとしていた。

「今日がその4日…」
「ああ、満月の次の日だからな。尚更機嫌がいい。俺はな。」




Re: ムニキス ( No.39 )
日時: 2015/02/11 18:58
名前: 捨駒 (ID: Od3Uhdie)



「やめて、【お兄ちゃん】!闇なんて使ったらダメだ…【あの男】と一緒になる!」「…うるせぇ!お前は生き残って闇を使えるようになったんだ…それは、惨めに死んでった俺への自慢かァ?!!」

あの男とは誰なのか、何故か霞んできた視界と意識の中で考えるが五秒でやめた。ま、狙うはやはり左足。それだけは変えないで、撃つ毒針の数を増やした。四本は縁起が悪いので、ラッキーセブンにしておこう。

「…さあ、要らないオモチャは捨てないと…でなけりゃ、邪魔になるだけ。」

手首のスナップを巧みに使い、ダーツで的を狙うように左足と窓を狙った。

「めてよ…い痛い!なにこれ!お姉さん、僕は悪くないん…むがっ?」

女の手にはタカトラからくすねた、大きな回転型拳銃(リボルバー)。それを男の口に喰わさせ、女は不敵に呟いた。

「この銃口に舌を入れてェ…そお、」
「むがっ、んー!」
「優しくよー、男のアレ舐めるみたいに。」
「んん!んー…むがあっ!!」

どす黒い血液が、後頭部から弾けた所で男は亡くなった。

「気持ちよかった見たいねー。だから出ちゃったのよ。」

やはり下品なことを思ったことは、覚えていないみたいだ。



「…あー、あいや。少し思い出してね。」
「ギャハハハ!!!マジかヨォ!傑作じゃあ!ねえカ!」
「もお!なんでアンタが笑うのよ!この…アホレオン!」

涙目になって笑う、レオンに持っていた紙袋をキツくぶつけた。
頭を押さえながら笑いつつも紙袋の中身を除きこんだ。

中にはホカホカとしたパンが入っていたが、レオンは臭いを嗅ぎ、食べようとしてした自らの手を殴り付けた。

「…おい、これ…毒もってあんジャねーか。ぞう死ぬやつ。」
「毒なんて効かないわ。なんていうか…抗体?対抗?…体質なのよ。スパイだからね。常日頃から毒をもられてたから。」
「ど、通りデ…お前の残してあった紅茶飲んだら腹痛おこした訳だ…」

「あっ!アンタァ…女の紅茶飲むなんて、なんて奴なのよォォ!!変態!スカタン!この…エロ野郎!」
「エッ…エロォ?!トシゾウさんに同じこと言えんのカ…あァん!?こらァ!」

パン屋の袋がひらりと掘っ立て小屋から出て行った。
この袋はどこへ戻るのだろう。

それは、彼女以外知るよしも無かった。

「いらっしゃいませー!…ほら!お兄ちゃんも!」
「…チィッ!あのアマァ…殺すなら殺せよな!紛らわしい!」

二人の足元へと飛んでいき、沢山の人々の笑顔に囲まれていた。


Re: ムニキス ( No.40 )
日時: 2015/02/11 19:03
名前: 捨駒 (ID: Od3Uhdie)


ハッピーエンドッ!しなくてはいられないッ!


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