コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで
- 日時: 2014/11/08 21:27
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=38007
こんにちは。
ミカズキと申します。
この度はっ!
無謀にも掛け持ちというものをします!
……更新速度は亀以下になります。
気が向いたらイラストなんかも描きたいと思います。
それでは、宜しくお願いします
*目次
《登場人物・用語紹介》 >>1
《私は死んでしまった》
>>2
>>3
>>4
Page:1
- Re: どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで ( No.1 )
- 日時: 2014/11/08 13:09
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
《登場人物紹介(随時更新!)》
浅倉 愛 ー 基本冷めているクールな人。 でも人一倍繊細で慎重。
魔王の気まぐれで『魔王宅』に来てからはツッコミ役に徹している ー
福本 智 ー 『魔王宅』にいる皆をまとめるリーダー……の、はずなのだが雑用係と化している不憫な奴。ついでに言うと死に方も不憫 ー
タクコ ー 正体不明の美少女。 記憶喪失らしく、たまに物凄くくだらないことを真剣にしている。 究極のボケ ー
マリエラ・ミドルスニッカ ー 『魔王宅』に出入りしている悪魔。性格が悪く、幼稚なイタズラばかりしているが見た目が無駄に可愛い。 ロリババ ー
巫 雅 ー 『魔王宅』に出入り……というかマリエラを観察しに来ている天使(ヒヨコ階級)の美少女。 マリエラに対する愛は異常 ー
魔王 ー 魔王死後の世界を支配している、第56代目魔王。 クレイジーな性格で、絶対的な権限を持つ。 “ 自称 ” 女性 ー
ベンス&ムズイ ー 魔王のボディーガードのイケメン二人 ー
《用語紹介(随時更新!)》
魔王宅 ー 死んだ後、運の悪いことに魔王に見初められた何人かはここに送られる。 魔王の家。 基本的にここにいる人達は魔王のパシリとなる。
ここにいると天国にも地獄にも行けない。 魔族なども出入りしており「真の地獄」という異名を持つ ー
黄昏横丁 ー 地獄、天国、人間界を結ぶ街。色々な者が集まっている。 活気のある街で買い物にはうってつけ ー
トワイライトオーブ ー 死後の世界で何人かが持つチート的なとにかくスゴイ能力。 この能力を持った者は悪魔とか天使になれちゃったりする。
基本的に魔王になるのはこのトワイライトオーブをもつ者。 勿論今の魔王もトワイライトオーブ持ち ー
天使 ー 天界で生まれ育った、白い羽のある種族をさす。空を飛べる以外には、とくに人間と違う所はない。
階級は低い順で、ヒヨコ→ニワトリ→天使→大天使の三段階があり、大天使は死者を地上まで迎えに行くことができる ー
悪魔 ー 地底で生まれ育った、黒い羽のある種族をさす。 大体皆ひねくれていて、争い事が大好き。厄介事を避けるため、階級制度は廃止されている ー
- Re: どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで ( No.2 )
- 日時: 2014/10/17 21:41
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「ーー……っ!」
手首に走る鋭利な痛み。
いつもなら、いつもならここで怖じ気づき、刃物を持った手を離している所だ。
だけど、今日はーー。
私はぐっと刃物を持った手に力を込める。
相変わらずの鋭利な痛みと共に、ドクドクと私の中の物が流れだしていく感覚がする。
それは、私を紅く染めた。
フ……っと体の力が抜けていく。
……これが、死ぬということか。
意外と、苦しくないんだな……
目の前で生まれた時から今までの思い出が、かなりの速さで流れて行く。
これは、走馬灯というやつだろうか。
私の人生……これで幕を閉じるんだ。
あいつとも……一緒の所に行ける筈……
薄れる意識の中、私は自分の口角がキュッと上がったのを感じとった。
ーーじゃあ、ばいばい。
この世。
- Re: どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで ( No.3 )
- 日時: 2014/11/01 16:33
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
アンティークな馬車が走ったと思えば、それを操るのはアンテナのついた宇宙人で。
とても近代的な洋服を着た男の人と、中世ヨーロッパ風のドレスを着た女の人が歩いていて……
悪魔に天使、鬼にドラキュラ。
実在しないはずの生き物が人間の隣を歩き、色々とおかしい街の中で、私はただ立ち尽くした。
「どうなってるのよ……」
夢かと思い頬をつねるが、ただただ痛いだけでなにも変わらない。
どうしたらいいものか……闇雲に歩いてもなにも変わらなそうだし……
「よォー、お嬢ちゃん」
「俺らと一緒に遊ばねぇか?」
私がおろおろしていると、不意にチャラそうな声と共に肩を叩かれる。
振り向いてみると、そこにいたのはーー
「牛……だと……!?」
体は人間、頭はまんま牛の二人組。
驚いて思わず野太い声が出てしまった。
「うん、牛だよ〜。 ねぇねぇ、遊ぼうよ〜」
しかしチャライ牛人間二人は、私が引き気味なのを知ってか知らずか鼻に付けたピアスを鼻息で震わせながらしつこく迫ってくる。
「えっと……困ります……」
その迫力に、私は逃げようとするが、牛人間は私の肩をがっちり掴んでいてそれは不可能なことだった。
うわぁ、ナンパってどうやって振り切ればいいんだろ。
こんなことは初めてで、心臓がバクバク鳴っているのが自分でも分かった。
どうしたら……いいんだ……!
混乱し始めた私を見てか、牛人間はニヤリと笑った。
その次の瞬間、なにか柔らかいものが私の背中にあてがわれた。
「……ちょっと貴方達! その貧乳娘を離して私のダイナマイトボディーに埋もれなさい!」
そして、その場に響く鋭い声。
「お……お前は……!!」
牛人間が、私の方を見てギョッと目を見開いた。
……あ、いや……正確には私の背中に自身の豊満な胸を押し付けた、目鼻立ちの整った女の人を見て。
「あら、私のことを知っているの? まぁ、私の美貌は有名だし当たり前のことだと思うけど……」
女の人は、私からサッと離れて牛人間に話しかけた。
「知らねぇよ! とりあえずそいつは俺らと遊ぶんだから、そいつから離れろ!」
「……バカねぇー。 こんな貧乳よりもっといい子がいるでしょう?
私とかカワウソとかマウンテンゴリラとか……さ、貧乳娘、行くわよ」
「……あ……はい」
啖呵を切った牛人間をサラッと流し、女の人は私の手を取り、そのまま駆け出す。
走る度に彼女の長い黒髪はサラサラと揺れ、私の顔にたまに張り付く。
……邪魔だ……
しかし、この人は何者なのだろうか。
私を助けてくれたらしいが、貧乳貧乳うるさいし、なにより知らない人だ。
流れで一緒にいるが、よく考えたらこの人はスゴく怪しい。
「……あ、あの……どこへ行くんですか……?」
私は恐る恐る女の人に話しかけた。
- Re: どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで ( No.4 )
- 日時: 2014/11/08 21:26
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
私が遠慮がちに問いかけると、女の人は急にピタッと立ち止まった。
突然のことに、私の足はベタな恋愛小説の様にもつれまくれ、私は前につんのめる。
女の人が私の手を引いてくれたので、転ぶのは免れた。
「……あの、さっきの質問の答えだけれど」
女の人は私のことをジッと見て、それから口を開く。
「分からないの……」
そう言って、目を伏せる女の人。
その表情に、女の私でもボーッとしてしまう。
改めて見ると、物凄い綺麗な人だ。
「って、そうじゃなくて!!
……おっほん、分からないってどういう意味ですか?」
思わず関係ないことを考えそうになり、自分で自分にツッコミを入れる。
そして一回咳払いをしてから女の人に目線を合わせる。
「えーっと、どこに行くのとか考えてなかったのよ。 それで……」
女の人はそこで一旦言葉を切って、可愛らしく小首をかしげてみせた。
「ここがどこかも、分からないの」
「……つまり?」
「私達は、迷える子羊になっちゃったのよ〜」
「はぁぁ……!?」
ケロッと言い放つ女の人に、私は開いた口が塞がらない。
迷子って……ピンチじゃないの……!
「ここ、来たことない所なの。 無我夢中で走ってたから……」
そう言って女の人はキョロキョロと周りを見回す。
私もつられて見回してみるが、ここも時計台が近くにある以外はさっき居た所と同じような路地で、私にはとてもここがどこなのか分からない。
「……どうするんですか」
私は、女の人を軽く睨みつける。
女の人は、どうしましょうかね〜……なんて言いながら笑っている。
私は、ただただ立ち尽くした。
「……いたぞ!!」
「捕まえろ!!」
時計台の向こう。
そこから、そんな声が鋭く響いた。
- Re: どうやら私は魔王さんの家の住民になってしまったようで ( No.5 )
- 日時: 2014/11/15 14:03
- 名前: ミカズキ (ID: Z.6cz.ec)
「……イクラ……夏みかん……」
その声を聞いてか聞かずか、女の人は神妙な顔でボソッとそう呟く。
その内容はよく分からないものだったが、女の人の神妙な顔つきに思わず女の人の方を見てしまう。
私に気付かないのか、女の人はこう続ける。
「……夏みかんは好きだけどイクラはあんまり好きじゃないわ……」
「……は?」
私は意味の分からない呟きに拍子抜けする。
なんなんだ、イクラと夏みかんって……
私がゲッソリとした顔をすると、パタパタと足音が近付いてきた。
女の人は、ブンブンと頭を振ってから私の肩をガシッと掴んだ。
女の人の香水だろうか。
フルーティーな香りが漂ってくる。
「って、そうじゃなくて! 貴方、なにかやらかしたの?」
女の人は、鬼気迫る様子で私に問いかけた。
大人しくなったり騒ぎだしたり、やっぱり忙しい人だ……
私は首を横に振った。
「なんにもしていませんけど……」
「……そう、よね……考えすぎね……でもどうしてベンス達が……」
女の人は、私にはよく分からないことを呟いて下を向く。
私は、一歩後ずさる。
すると、背中になにかが当たった。
バランスを崩したわたしはその、なにかに向かって倒れこんだ。
「大丈夫ですか、お嬢さん」
「……怪我はないか」
……なんと、そのなにかは、イケメン二人組だった。
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