コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- アニメイトには、花が咲く。
- 日時: 2014/12/28 16:14
- 名前: アカネ (ID: dBGHGSaq)
<あらすじ>
オタクで活字中毒の大学生、久野奏太。
休日にはネットゲーム、アニメイトへ出かける。暇さえあればネットを見る。
そんな奏太は高校一番の美人、東雲雪乃とある場所で遭遇した。それは雪乃の秘密に関係していて。
奏太は雪乃に恋をして、また最初は渋々一緒にいた雪乃も、奏太とどんどん距離を縮めていく。
ーオタクと残念美人の、なんでもない物語。
<作者挨拶>
はじめまして、アカネと申します。
恋愛とギャグが混ざったこの作品、見ていて下さる方々に笑ってもらったら幸いです。
最初の方は、かなりヒロインの性格がきついかもしれません。それと、主人公がばりばりのオタクです。
苦手な方、気をつけてください。
注意
更新不定期です。というかこの時期からだんだん忙しくなります。
途中で修正しまくります。
また、荒らしや誹謗中傷はお控えください。見つけても無視しますのであしからず。
では、以上の事がいいという方、どうかこれから宜しくお願いします。
コメント、アドバイス、どしどし送ってください。歓迎も歓迎、大歓迎です!
目次
プロローグ 奏太の独白>>01
第一章
第一話>>04 >>05>>11
第二話>>12>>13
お客様
なじか様 はじめて来てくださったお客様です。
府中っ子様 タメOKの方です。
フェンリル様 (現、海月様) タメOKの方です。
報告
11月25日 参照百突破しました
- Re: アニメイトには、花が咲く。[参照百突破感謝] ( No.9 )
- 日時: 2014/11/26 18:40
- 名前: フェンリル (ID: XetqwM7o)
どうもです。フェンリルです。
先日は、《地球にjudgeLite!!》にコメントをしてくださり、ありがとうございました!!
読んでいて、面白かったです!!
更新、頑張ってください!
あと、呼び捨て&タメ《おk》ですか?
それでは。
- Re: アニメイトには、花が咲く。[参照百突破感謝] ( No.10 )
- 日時: 2014/11/28 18:17
- 名前: アカネ (ID: dBGHGSaq)
フェンリルさん、ありがとうございます!
勿論、呼びタメOKですよ。全然構いませんので。
- Re: アニメイトには、花が咲く。[参照百突破感謝] ( No.11 )
- 日時: 2014/12/28 15:34
- 名前: アカネ (ID: dBGHGSaq)
03
東雲雪乃さん、それは僕の通う高校の頂点に君臨すると言っても過言ではない方だ。
女神か天使かと思ってしまうほど整った顔立ち。僕は黒髪黒目の印象薄い系男子なので比べ物にならない。
成績は学年トップクラスで、運動神経も抜群。あちこちの部から助っ人要請が来ているらしい。
おまけにファンクラブ<雪乃様親衛隊>とかいうグループもあるようだ。東雲さんはつまり、そんな高校の人気者なのである。
だから、僕は余計に戸惑う。
東雲さんは文武両道な高校のアイドルだ。そんな彼女が、どうして変装までしてアニメイトに来ているのかと。
さっき僕の名前を呼んでくれたのも、ただ単に同じクラスだからだろう。話した経験はない。
東雲さん本人は小刻みに震えながら視線をあっちこっちにさまよわしてるし。
これはヤバい、そう察したのか周りの人はいつの間にか忽然と消えている。ギャラリーがないだけマシはマシなのか、それでもたいして救いはない。
「あっ、あっ、その、東雲さんここじゃなんだしちょっといどーしない?どうせならさ、珈琲とかケーキ食べて話そうよ」
東雲さんがまだマスクさんだった時に話し掛けたのよりも緊張した。そりゃあそうだ。
でも相手が東雲さんだと分かっている分、恥ずかしさは倍増だ。おもいっきり噛んでしまったし、きっと僕の顔は耳まで真っ赤に染まっている。
「あはは、ごめんね久野君。私、この後大きな用事があるんだ、だから久野君の魅力的なお誘いには頷けない」
東雲さんはすっくと立ち上がる。
170は越えている僕と、あまり身長が変わらない。
だが次の東雲さんの行動にまたもや僕は驚いた。
「ごめん、じゃあね!」
「え、ちょっとどうしたんですか東雲さん?!怪我とか、してないんですかー!」
たったったっ。
瞬時にフードをかぶり直した東雲さんは、スニーカーを跳ねさせて駆けていってしまう。
僕が伸ばした手は東雲さんの服を掴めずに、空気が虚しくすり抜けていった。正直東雲さんの運動神経は僕よりも上なので、追いかけても勝てなさそうだ。
「ああ、行っちゃった…どうしよう」
東雲さんの姿が完全に見えなくなるまで、数秒しかかからなかった。
その間、フリーズしていた僕だが慌てて再起動する。遠目からこちらを伺っているのか、「アニメイトで告白して振られた馬鹿な奴」的な目線がちらほらある。
そういう訳じゃあない。釣り合わないしな。しかし、色々気になっていた東雲さんがいなくなるとする事がなくなってしまった。
残ったのは、東雲さんが落としていったシルヴィアちゃんのストラップだけだ。
ヤンデレ笑顔を向けてくるシルヴィアちゃんストラップを、僕はそっと持ち上げる。
「…取り敢えず、ストラップ買いますか」
東雲さんには、僕の中で超絶美人から謎の美人へと評価が変わった。
だけど癒しとして、僕はまず現実から二次元へと逃避する。
後今更ながら、珈琲やケーキ食べようよって僕は下手なナンパかなんかのつもりだったのか。
- Re: アニメイトには、花が咲く。 ( No.12 )
- 日時: 2014/12/28 15:31
- 名前: アカネ (ID: dBGHGSaq)
04
仮に、僕がクラスメイトに『東雲雪乃さんってどんな人?』と尋ねたとしよう。
その場合、
「完璧超人が服を着て歩いてる。ホントに非の打ち所がないよねぇ」
「雪乃様は貴様のような輩には渡さん!」
「私、東雲さんみたいになりたいよ」
こんな感じの、三者三様ながらもとにかく東雲さんは人気があるといった事が分かるような返事が返ってくるだろう。
あと、前述した雪乃様親衛隊は、非公式のファンクラブだ。だけど、東雲さんへの憧れが暴走してしまった生徒がたくさんいるので、基本的に"雪乃様至上主義!"な脳内構造の人が多い。
普段は真面目な人がかなりいるって所も、東雲さんがどれだけ人気か理解して頂けるだろう。
だけど、一番の問題点はそこじゃあない。
「今日、どんな感じで東雲さんと顔を会わせればいいんだろう…ああっもう、どうして家が近いんだ」
僕は自分の部屋の中にで肩を落とす。
日曜日、あんなに気まずい別れ方をしてしまった東雲さん。接点は殆どないのだが、実は僕の家と東雲さんの家はわりと近い。東雲さんは実家もお金持ちらしく、この住宅街の中に和風のお屋敷がそびえているのだ。
僕の家とそのお屋敷の距離は、歩いて一分もかからない。
だからこそ、僕は途中で東雲さんに鉢合わせする可能性に怯えていた。
その時だ。
「奏太に用事あるみたい、玄関に可愛い女の子が来てるよ〜」
「え、分かった。母さんすぐに行くから、待っててもらって!」
「早く降りてきなさい。着替えはすんでるんでしょ?」
間延びした母の声が、僕を呼んだ。
どうやらこんな時間帯に、来客がいるらしい。
その瞬間、僕の脳裏にあまりにも悪い想像がよぎる。
ーひょっとして、その可愛い女の子ってまさかまさか東雲さんじゃないよね!
有り得ない。
かもしれない。
僕は階段から下に降りていき、そして玄関へと向かう。
そこで目にしたのは、やっぱりというか東雲さんだった。
内心叫びたいのを必死で堪えながら、僕は営業スマイルを浮かべてみる。
口元ひきつってるけど。
「おっ、おはよう、東雲さん。ご機嫌はどうかな」
「やだあ、奏太君たらご機嫌はどうかななんて面白い。私、今度からはちゃんと名前で呼んでって言ったじゃない。それに、一緒に登下校しようって」
「うわあっ、て、東雲さんどうしたんですか?!腕にしがみつくなんて東雲さんが穢れますよ、離れてェェー!」
「だーめ」
柔らかい香りが、僕の鼻腔をくすぐっている。
端正な顔が僕の顔すぐそばにあって、さっきから心臓の鼓動が早い。
僕は前東雲さんをアニメイトで見つけた時よりも緊張しているのだ。 あの東雲さんが、僕の腕にしがみついているのだから。
(ちょ、どういう事なんだッ)
暫くまたパニックだったが、僕はこの場にいる母を思い出してそちらに助けを求めようとする。
だけどその僅かな希望は、砕け散ってしまった。
「うふふ、うふふ。そうね奏太もそんなお年頃だもんね?えーっと、東雲さんだったかしら。奏太をお願いね」
「はい!私は東雲雪乃、お母さん、私が奏太君をしっかり守ります」
「あらあら、頼もしいわ。今度遊びに来てくださいな、雪乃ちゃん」
にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべる母さんと、天使のようなオーラを振り撒く東雲さん。
女性同士の会話が盛り上がるさなか、僕はやっぱり展開についていけずにぼーっと立っていた。
母さんは勘違いしてる。父さんは既に出勤してたから、まだ助かったのか。
東雲さんは、僕の彼女でもなんでもないのに。
一言。
神様、僕はどうすればいいのでしょうか。
- Re: アニメイトには、花が咲く。 ( No.13 )
- 日時: 2014/12/28 19:22
- 名前: アカネ (ID: dBGHGSaq)
05
現在僕は、東雲さんと共に通学路を歩いている。
東雲さんはさっきまでのハイテンションが嘘だったかのように、全く言葉を発してくれない。
だから余計に、だんまりな状態が続いている。
僕は同じ高校の生徒に見つからないかとびくびくしながら、背筋に冷や汗が流れるのを感じた。
そして僕よりほんの少し低い程度の高身長を持つ、東雲さんの横顔を見やる。
そして、東雲さんの桜色の唇からは到底似合わない、ドスのきいた声が漏れだした。
「あんたさぁ。私が日曜日に、あの店にいた事は絶対に口外しちゃ駄目って分かってるかしら。私あんたを監視するから、暫く一緒に行動するわよ」
「え」
「何が"え"よ。そうよ、こっちが私の本来の性格。あんた、私がアニメイトに行ったんだって知ったんだからそれ相応の制裁は受けてもらうから」
「あ、はい」
怖い。
それが、そのモードの東雲さんに対する最初の感想だ。
こちらが本来の性格らしいが、まず差が著しい。それもなまじ容姿がいいからか、その迫力が尋常じゃないのである。
黒いオーラを身に纏わせて、明らかに物凄く起こっている。握りこぶしはぷるぷると震えていて、こちらに殴りかかってくるんじゃないかと錯覚しそうだ。
殺されそうだが、僕は喉にひっかかっていた質問をする。
「どうしても聞きたいんだけど、東雲さんって所謂、そのぉ…」
「そうよオタクよ。ラノベ、漫画、乙女ゲーもたしなむわ。BLはそんなに好きじゃないけど、めちゃめちゃ嫌って訳じゃない。ほどほどかしらね」
即答だった。
「僕と似てる。僕の場合は乙女ゲーはギャルゲーだし、腐男子でもないけど」
意外な似ている所を発見し、こんな状況でも僕は喜んでしまう。実際、洒落にならない状況だけど。
僕はそこまで腐女子に抵抗感は抱かない。隠れオタクは案外いるモノだ。
しかし東雲さんは、僕をゴミを廃棄するような目で見てくる。
「はぁ、ギャルゲーね。まだ高校生で、しかも顔は中の中から中の上くらいだからリア充になるのも諦めなくていいのに。終わってるわね、久し野って」
「東雲さんも乙女ゲーやってるじゃん。そこまで言わなくてもよくない?」
「だって三次元の男子で私と釣り合うような人いないし」
「正論っていうか認めざるを得ないっていうか、勝ち組の台詞だよね、それ。羨ましいより呆れてくるよ」
「勝手に呆れときなさい」
もうなにもかも吹っ切れたかのように、東雲さんはカミングアウトをしまくってきた。本性出しすぎだ。
三次元の男子で私と釣り合うような人いないし、とは。事実なのが恐ろしい。
そしてそのまま、ちらほらと同じ高校の生徒がいる道へとやって来ていた。ここまでは幸い、同じ高校の奴らは僕と東雲さん以外住んでいないのだ。
しかしどうしても目立つ東雲さん。そのすぐ側にいる僕を見つけたクラスメイトや上級生、果ては下級生はぎょっとした顔をする。
勘違いですよ、そう必死に弁明したいのだが出来ない。
猫をかぶりなおした東雲さんが腕にしがみついているからだ。
それにどう対応したら分からない周囲は、戸惑ったように僕たちに近寄らない。
「じゃああんた、しっかり演技しなさい。私とあんたは付き合ってる設定で、くれぐれも私がオタクだって言うなよ」
「ひぃっ」
首筋に息をふうっとかけて、東雲さんは一瞬だけ猫かぶりを剥ぎ取り、念を押した。
特異すぎるシチュエーションじゃなかったら、もしくはガチで付き合えれば嬉しい。
だけどそれは現実ではない。
横で甘ったるい声に切り替えて話しかける東雲さんに硬直しつつも、校内に入った僕。
まるでそこは、僕にとって処刑場に見えた。
だって、ギラギラ目を光らせた獣が僕を見てくるんだぜ?全員親衛隊メンバーだろうけどさ。
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