コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ハチャメチャ日常-R
- 日時: 2015/03/01 18:10
- 名前: コウタ (ID: nWEjYf1F)
とある普遍な中学生こと鬼頭雅之(きとうまさゆき)。
あくまでもパッと見では、のんびりとした毎日を送っているどこにでもいそうな少年である。
しかし彼の日常は、非日常を以って成り立っているのだった。
これは、雅之と彼の追っかけによる、目茶苦茶で大騒ぎな日常生活を描いたお話。
◇ ◇ ◇
確か、もう4年も前でしょうか。
当時ハチャメチャな日常生活という、黒歴史にしてもいいほどの駄文を綴っていたコウタです。
今回は、世界観や登場人物を一新したリメイク版を書いていこうと思います。
お話の内容は然程変わらない……予定です。
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- Re: ハチャメチャ日常-R ( No.1 )
- 日時: 2015/03/01 18:54
- 名前: コウタ (ID: nWEjYf1F)
俺の名前は鬼頭雅之。俺自身は特に何でもない、只の中学生だ。
春も近付く3月1日の今日、俺は母親の恵子と共に買い物に来ていた。
というよりは、買い物の手伝い——ではなく、荷物持ちとして強制的に連れて来させられていた。
曰く、今日は1年に1回きりの半額タイムセールが開催されるから、これを機に大量に買い物をするのだという。
まあこの程度なら慣れたものだから、一先ず俺は大人しく買い物について来た。
——そこまではよかったのだが。
「あのさぁ」
「何よ、この忙しいときに」
手当たり次第目に付いたものを、俺が押す買い物カートへポイポイと投げ入れる母。
俺は1つ抗議したいことがあったので、目もくれずやたら忙しない母のことを気にせず言ってやった。
「カート、変えようぜ」
俺の抗議——というよりも願望だが、それは買い物カートを変えようというもの。
買い物カートには大きなヤツと小さなヤツがあって、大きなヤツのほうが沢山品物が乗るということは至極当然の常識だ。
だが俺は今、小さいほうの買い物カートを押している。
母曰く、小さいほうが小回りが利くし、移動も少しは楽になるだろうとの粋な計らいらしいが——
「何言ってんの! アンタのために小さいほうを選んだんでしょ?」
「いやいやいや」
こうして、カートに載せた籠から品物が溢れそうなくらいに買い物をすることは目に見えていたのに。
なのに小さいほうを押しているのだ。いくら俺のためとはいえ、これは流石におかしくないか。
俺は小さいほうのカートを選べと母に言われたとき、そんなに沢山の買い物はしないのかなと一瞬でも思っていた。
だが甘かった。母は恐らく、何も考えていない。
「ほらいくよ!」
「なっ、おい!」
いきなりカートを引っ張られ、俺とカートは急速に前進する。
俺は咄嗟にブレーキをかけて抵抗しようとしたが、遅かった。というより敵わなかった。
タイムセールにおける、主婦の買い物魂に勝てないのは百も承知している。
だがしかし、流石に購入前の品物については考えておくべきだと思うんだ。
お蔭様で、山と詰まれた品物の一番上にあった卵を含め、一部の品物がバランスを崩し、籠から落ちた。
「ああ!」
母が事態に気づいたのは、それから数秒後の事。
グチャッという小気味悪い音に引き続き、品物は次々と落下。
品物の山という姿は、あっという間に品物の丘へと豹変した。
「だから言ったのに」
「ちょっと雅之! どーしてくれんのよこれ!」
「知るかァ! ンなもん!」
その後俺達の周囲を包んでいたのは、遠くから聞こえる主婦達の声だけが木霊する、耳に痛いほど静かな静寂であった。
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