コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- ___。* 甘すぎたミルクティー * 。
- 日時: 2015/03/26 18:29
- 名前: 紅葉 (ID: cWF1aDDB)
君が小さく笑う顔。
君が照れたように下を向く顔。
君が怒ったように顔を歪めた顔。
君の全てが______甘すぎたミルクティーのように、甘いんだ。
- ◇ 第6話 ◇ ( No.10 )
- 日時: 2015/03/29 10:07
- 名前: 紅葉 (ID: cWF1aDDB)
「隅」
* 【優月saide】 *
昨日の予想は的中してしまい、昨日の夜は眠れませんでした___。
鏡とにらめっこをして、私は、はぁ……と溜め息をつく。
目の下には酷くはないが、隈( クマ )が出来ていて、顔色も悪い。
隅は何とかファンデーション……化粧等で誤魔化せるはず。
私が暫くの間唸っていると、家のチャイムが鳴り私は玄関のドアを開けた。
「優月〜おはよ……って!隅凄い!?」
芽依がムンクの叫びのように頬を凹ませた様に驚いた。
私は苦笑しながら挨拶をして、ファンデーションを片手に歩き出した。
普段は化粧はしないが、今日だけ……と念を押してしまう。
じゃあ……何故?何時もは気にしないような事も気にしてしまうのは___
“気になる人”がいるから?
そこで真っ先に思い出してしまったのは……
成瀬君だった_____
- ◇ 第7話 ◇ ( No.11 )
- 日時: 2015/03/29 12:51
- 名前: 紅葉 (ID: cWF1aDDB)
「気持ち」
* 【優依saide】 *
____恋だなんて、しちゃ駄目だよ。
頭の中で、誰かが言う。
頭の中だからといって、私じゃない別の誰かが私に言う。
____恋をしたら、傷付くだけなんだよ。
知ってる。恋をしたら傷付くのは自分だけなんだと、分かってる。
自問自答を繰り返して、頭がパンク寸是で芽依が背中を叩いた。
「優月!?大丈夫?顔色悪いよ……」
私を宥めるように背中を擦る。
何で私って弱いんだろう?私って何で助けられてばかりなんだろう。
自分で自分を責めて、恋を知ることなんて無かったのに今更、私はずるいと思う。
学校に着いて、ふらふらした足取りでローファーから上履き履き替えてため息をつく。
すると、頭に優しい暖かい温もりを感じて、不意に見上げた。
「水瀬、おはよ」
「な、るせ……く……」
成瀬君。
いつもと変わらぬ笑顔。
私の視線に彼は気付き、不思議そうな顔で此方を伺う。
「俺の顔に何か付いてる?」
「ち、違っ……ごめんなさい」
バッと向きを変えてはや歩きする。
隅……誤魔化せたみたい。安心した。
教室に入り、何時も通り適当に挨拶を交わして席に着くと遅れて芽依が教室に入ってきた。
荷物を置くと、私の視線に気が付き私の席まで走ってきた。
「優月?ちょっと話あるんだけど?」
自棄に緊張気味に私を見る。
不安そうな彼女の瞳は私を捉えて、私も彼女の瞳を真っ直ぐ見つめた。
彼女は私を引っ張り、人気の無い階段に腰を掛ける。
何時も私たちは馬鹿騒ぎしているだけだから、こんなムードは初めてで緊張してしまう。
「優月ってさ……成瀬、が好きなの?」
「_____ひょっ!?」
唐突な質問に私は赤面する。
唾をブッと吹いてしまい、芽依は苦笑いしながら私にハンカチを差し出した。
おまけに甲高い変な声が出てしまう。恥ずかしいったら、ありゃしない。
でも芽依の真剣な瞳を見て、ゴクリと唾を呑む。
「会ってばかりで……分からない。だけ、ど……」
深呼吸をして、真っ直ぐ彼女を見つめた。
彼女は少し驚いたように、目を見開いて私の次の言葉を待っているようだ。
期待に応えるように私は、口を開く。
「でも……だけど。私は、成瀬君の事考えると、胸が苦しくなるの。それがどういう意味とか分からないけど……」
不安が頭をよぎる。
そして、うつ向きながら呟く。
「友達としては……大好き」
不意に涙が出そうになる。
これは、成瀬君を想う気持ちか。不安な気持ちなのか。
どっちにしろ、私の気持ちなのには代わりない。
「そっ……か。あたしはただ、優月の気持ちを知りたかっただけだから。あたしは、ね______」
一秒が。
ほんの数秒が長く感じてしまう。
「あたしは……成瀬が恋愛対象として、好き」
- ◇ 第8話 ◇ ( No.12 )
- 日時: 2015/03/30 08:50
- 名前: 紅葉 (ID: cWF1aDDB)
「応援」
* 【優月saide】 *
重い沈黙が流れる。
芽依は私に真剣な視線を送り、私はその視線に圧倒されてしまう。
芽依は成瀬君が恋愛として好き……じゃあ私は、本当に友達として好きなのかな?
自分の気持ちが分からないまま、不安になって、すがるように彼女を見る。
こんな自分が嫌い。芽依はちゃんと自分の気持ちを持っているのに対して私はあやふや。
「_____す、凄いね?ちゃんと自分の気持ちが持てて」
ワザと、引きつるのを我慢して笑顔で拍手する。
拍手の音が人気の無い階段に、虚しく響く。私、馬鹿だな。
でも……芽依には本当に憧れている。自分が持っていないようなものを持っているから私はいっその事、芽依になりたい。
芽依はフッと小さく笑ってから私の手を握った。その手は小さく震えていた。
「ねぇ……優月。応援して、よ」
ドクン……心臓が波打つ。
何で気持ちがぐちゃぐちゃになるんだろう?
思考回路もぐちゃぐちゃで、頭の中も真っ白で頭が痛い。
「……う、ん。応援する」
私は何時も、後悔ばかりしちゃうんだ。
- ◇ 第9話 ◇ ( No.13 )
- 日時: 2015/03/30 08:55
- 名前: 紅葉 (ID: cWF1aDDB)
「子羊」
* 【???saide】 *
「あーあ、馬鹿な子」
人気の無い階段に響く声。
それでも、先程まで座っていた少女二人は居なくて、私は小さく微笑んだ。
クチャクチャ噛んでいたガムを、窓から吐いて、呟いた。
「憐れな子羊さん。本当に可哀想」
私は一歩ずつ階段を降りる。
カーディガンのポケットに手を突っ込みながら階段を後にした。
- ◇ 第10話 ◇ ( No.14 )
- 日時: 2015/03/30 12:49
- 名前: 紅葉 (ID: cWF1aDDB)
「転校生」
* 【優月saide】 *
「花原 胡桃(Kahara Kurumi)です」
黒板には、小さいけど堂々とした綺麗な字。
教壇には、私より背が高くて芽依よりは低い女の子。
ネズミみたいに両方の髪の毛をお団子にしている。
派手すぎない茶髪に、制服にはカーディガンを羽織っている。
唇には赤色つきリップが塗られていて、肌がとても綺麗。
彼女は_____転入生らしい。
「席は、田中の後ろな」
田中とは私から見て、右斜め後ろの人の男子の名前。つまり、私の後ろの席だ。すると、彼女と私は目が合い、お辞儀をされお辞儀を返す。
そして彼女は私の前で立ち止まり、私に手を差し出した。
「宜しく、憐れな子羊さん」
私にだけ聞こえるように、呟いた。
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