コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 変なラブコメ
- 日時: 2015/04/02 16:10
- 名前: エネ (ID: QYM4d7FG)
始めに
この物語はラブコメなどを書いたものです。
ラブコメばかりは私としても飽きますので普通のコメディもいれますが、なんだか合わないかも、という人は是非ともback推奨です
Page:1 2
- Re: 変なラブコメ ( No.2 )
- 日時: 2015/03/31 11:23
- 名前: エネ (ID: 9UZszu0R)
翌日、学校で定番の自己紹介タイムがあった。自己紹介といっても軽いものだから別に良いが私の場合特別面倒臭い。
「姫宮 音羽です。私はアルビノというものに産まれてきたため髪や目が人から見たら気持ち悪いかと思いますがどうぞ仲良くしてください。」
皆が目を見開きながら私の容姿を気にする。黙って自分の席につくと、後ろから誰かが話しかけてきた。可愛らしく栗色の髪をポニーテールにしている大きなぱっちりとした目が好印象な女の子だった。一言で言えば可愛い。だが私はこの子の名前を知らない。自己紹介したのだろうがそこまで興味ないので聞いてなかった。
「私三枝 実里(さいぐさ みさと)。実里ってよんでね!友達私いないから、姫宮さんと友達になりたいなって」
「…ありがと。音羽でいいよ。これからよろしく。」
実里は可愛らしくにぱっと笑ってよろしくと言った。少しの間たわいもない話をしていると急に実里の目が輝いた。
「あ!キョウヤくんだ!」
振り向いてみると顔面を蹴り飛ばしたイケメンが自己紹介しているところだった。
「夜崎 暁哉(よざき きょうや)です。運動大好きです!これからよろしく!」
うわー…。キモいわ。何?あの僕王子さまだよみたいな笑顔。馬鹿みたい。でも女子達は逆にそれが良いのか黄色い歓声をあげていた。理解が追い付かない私は本を読んでいた。
運動は私としても大好きだ。頭使うより体動かして何も考えないほうが楽だから。だから私は今、夜のこの時間に走っていた。先生に許可をとってグラウンドを何周も、何十周も。何でか。両親のことを思い出したくない一心でだ。両親が死んだことを忘れられるから。星が綺麗に瞬いていた。月も綺麗な三日月。そんな中走っていると後ろから声が聞こえた。女子の黄色い歓声とムカつく声。後ろを見てみると、やっぱりですかと言ってしまう光景。
「ん?姫宮もランニング?じゃあ一緒に走ろっか。」
「断る。」
「え。」
「1人で走るのが好きなんだ。それにもう帰る。」
「あ、そか。おやすみ」
無視。無視。無視。そうして自室に戻るとシャワーを浴びて、ご飯を食べて寝た。浅く寝ていたのか、次に目を覚ましたのは夜中の3時だった。今から寝ようにも朝が弱い私はきっと起きられない。黙って勉強しておくことにして、私は勉強机の電気をつけた。カリカリと自分の好きな曲を流してヘッドフォンで聴きながら勉強していた。
朝。日が昇るのをじかに見ながら私は朝のシャワーを浴びた。浴び終えたら髪を乾かして、制服に着替えて学校にいって、花の水をかえていた。ガラリというドアの開く音で振り向くと実里がいた。
「あれ?早いね!音羽ちゃん!どうしたの?」
「たまたま早かったから、学校の花の水かえでもと」
「そうなんだ!!偉いね〜!!私そんなこと考えないで来てたよ」
笑いあってまたたわいもない話をしていると夜崎が登校してきた。黄色い歓声が聞こえない。1人で来たのか。どうでもいいけど。
「おい」
「あ?」
ケンカ越しでお互い見合う。実里はオロオロと私達を見ていた。
「ちょっと来いよ」
「嫌に決まってるだろうが。また蹴り飛ばされたいの?」
すると私の手首を乱暴に掴んで何処かに連れていこうとする。私はさすがに女だから力で負けて連れていかされた。
- Re: 変なラブコメ ( No.3 )
- 日時: 2015/03/31 13:11
- 名前: エネ (ID: 9UZszu0R)
連れてこられたのは体育館。バレーボールを色んな男女が扱ってる真っ最中だった。
「………え」
バレーボールのネット、バレーボールのシューズ、ここは、バレーボール部の活動体育館。いや、何で?
「何で?」
「バレーボール部への勧誘」
目をぱちぱちと見開かせ私は思いっきり夜崎の足を踏んでやった。何回も何回も。気がすむまで。
「痛い!!痛いって!!何で!?俺まだ何もやってねえよ!!」
「はあ!?いきなり勘違いされるような状態で連れてこられて何で勧誘だよ!!教室でやれや!!本当に飛び蹴り食らわすぞコラア!!」
「それだけは勘弁!!あれ本当に痛かったんだからな!?」
「知るか!!」
思いっきり腹を蹴ってやった。
- Re: 変なラブコメ ( No.4 )
- 日時: 2015/03/31 14:03
- 名前: エネ (ID: 9UZszu0R)
教室に戻ると皆から注目される。…嫌な予感しかしない。
予感は当たり、質問攻めにあう。もちろん全部跳ね返してやったがそれでもかとまだまだ質問してくる。私はそれを無視して本を読んでいた。すると私の頭をガシッと掴まれた。グググッと掴む腕を見ると細い腕だった。掴む腕の力が強いのですぐに男子だとわかる。おおかた、私の変わった見た目でちょっかいだしに来たやつだろう。面倒臭いなぁ。
「ホントにアルビノじゃん」
「気持ち悪いなぁ。」
言われなれた言葉を淡々と並べていく男子達。こんなところで注目なんか浴びたくないな。
「ねえ、お兄さん達」
「あ?」
「場所を変えない?掴んでる腕はそのままで良いからさ」
そう言って連れてきたのは体育館裏である。バレーボールの跳ねる音は聴こえてくるもののこちらに気づく様子はないので無視。そして私は男子達をこれでもかというくらい蹴りまくった。後ろから手が伸びてきて私を捕まえても私は止まることを知らず腕を振り回した。ケンカは昔から強かった。親が私を思って空手を習わしてくれたから。運動神経は普通に良いので避けたりすることも雑作もなかった。雑作もなかったはずなんだ。
「音羽ちゃん!!」
実里がいた。心配そうに。こちらを見ていた。そしてこっちに駆けてきた。そして、
「私の友達になにしてんだこの馬鹿どもがああああああ!!!!!!」
私を捕まえている男子を殴った。
「………………………………………み、さと」
「お前ら私の可愛い可愛い音羽ちゃんをよくもいじめようとしてくれたなぁ」
「実里…………?」
「覚悟はいい?」
あの後、実里が男子達をフルボッコにしていた。私はその様子を黙って見ていた。おおー、顔面入った。なんていうことをかんがえながら見ていた。ケンカし終えた後、私はボロボロになったその人たちを見ては手を合わせてご臨終です。と言っていた。
実里はというと、
「もー、音羽ちゃんもダメだよ?ケンカなんて〜」
私の足などで擦りむいたところを消毒していた。聞くところだと、実里は昔ケンカで負け知らずと有名だった。
- Re: 変なラブコメ ( No.5 )
- 日時: 2015/03/31 14:54
- 名前: エネ (ID: 9UZszu0R)
夜崎は汗だく状態で授業を受けていた。斜め前の席から熱気が来ると思ったらこれか。鬱陶しい。そう思いつつノロノロと後ろから出された手を見ると実里が手紙を回してきていた。受け取って中を見ると『キョウヤくん汗だくだね!!熱意のある視線送っちゃダメだよ〜?』と書かれていた。見た瞬間私はさらさらっと手紙を書いてまわす。ちなみに書いた内容は『アイツに熱意を送るなら私は財布を溝に捨てる』だ。アイツに熱意のこもった視線送るくらいなら本気でそうしたほうがいい。そしてまた回ってきた手紙をのぞくと『じゃあ何で見てたの〜?』だった。また書いてまわす。『汗だくなアイツの服のなかに蜂が入っていったうえにアイツはそれに気づかずに授業を受けていて、手には蜂蜜ノートにはアニメの絵が描いてあるから』と書いてやった。汗だく以外は当然嘘だ。
昼休み、信じこんだ実里は夜崎のところにダッシュで駆け寄った。もちろん蜂はいないし、手には蜂蜜なんかないし、ノートにアニメの絵が描いてあるわけなどなく、実里は誤解だとわかってから私のところまで涙目で来ていた。
「嘘はダメだよぅ〜……………」
「ごめん」
それだけ言うと私は財布を取り出してパンを買いに行く。購買で熱血な奴らが戦争しているなか私はそれが終わるのを待っていた。購買近くに自動販売機があり、また、その近くにはベンチがあるためそこに腰かけて見えるグラウンドの様子を眺めていた。戦争が終わると私は余り物のパンを適当にとって買いに行き、買い終わるとまたベンチに腰かけてグラウンドを眺めていた。陸上部が頑張って走っていた。その中には熱血っぽい先生までいた。最後のパンを頬張る頃にはリレーが始まり、いつも2年の先輩が勝って終わる。まだ入学して一週間程度だが見ていればすぐにわかるのだ。
帰り道。私は実里を見送って職員室による。頼まれ事だ。
「じゃあ、これと、このプリントをよろしく頼む。」
「わかりました。」
ドサッと置かれたプリントの山をその教室でホッチキスでカチャカチャとめていた。暇だから別にいいのだがこのプリントの内容、何か親睦パーティーって書いてある。ぱちぱちと目を瞬きしながらカチャカチャどんどんペースをあげてとめていく。親睦パーティーねぇ。面倒臭いなぁ。などと呑気に考えていたのが、私の間違いだった。
- Re: 変なラブコメ ( No.6 )
- 日時: 2015/03/31 17:28
- 名前: エネ (ID: 9UZszu0R)
親睦パーティーではドレスが用意されていて、それを着て絶対参加らしい。私に用意されたのは肩だしの胸元のレースがフリルのついた、白い綺麗なドレス。髪は右側の垂れてくる髪をピンクの薔薇の髪止めでまとめられていた。実里は全体的にスラッとした黄色のドレス。お互い綺麗なドレスを着させられている。
「音羽ちゃん綺麗だね〜!!」
「そんなことないよ。実里のほうが綺麗だよ」
実里はえへへと笑っている。ダンスに実里は誘われたので私はベランダに出てグレープジュースを飲んでいた。ベランダでほう、と息をつくと、入り口から何回も何回も聞いてきた歓声が聞こえた。
夜崎だ。
夜崎も着飾られていた。と言っても、黒のスーツに髪の毛を少し濡らしただけだが。それでももとは良いからか様になっていた。
そんなの気にしないと言うように私はベランダで夜空を眺めていた。まるで携帯小説みたい。もしかしたらここで夜崎が話しかけてきたりだとか、私が告白されたりだとかされるのでは?絶対ありえないけど。ここは青春を堪能したいという非リアとリア充の溜まり場だ。学校というのはそう言うものだろう。学校に通いたくなかったのに恩人が通えと言うから来たものの、やはり良いものとは思えない。だって、私はやはり気味悪がられているのだから。
「あ、あの」
「ん?」
誰かわからない。ただ言えるのは、案外イケメンだということ。黒髪に近い茶髪はピンなどでもともと短い髪を止めていて、執事のような服装をさせられていた。少しつり目がかった男子にしては大きめの瞳は私に向けられていた。
「俺、は」
「ごめん、覚える気はないの。用件だけ言ってもらえるかな」
「ダ、ダンス。一緒にどう?」
「断る」
「え、」
「ダンスは苦手なんだ。ごめん」
「あ、そ、そっか。じゃあ」
そう言って何処かへ行く人。入れ違いに来たのはヘロヘロになった実里だった。疲れたのか、その場で近くの柱に寄りかかった。
「お疲れ様」
「うん〜…。疲れたよ〜…。」
「そっか。私ちょっと外の空気吸いに散歩行ってくるね。」
「はーい」
外に出るとバレーボールを1人で扱っている奴がいた。見た瞬間嫌な気分になる。何でここに?夜崎くん。
「あ。」
気づくし。すると、少し困ったような笑顔を向けて、バレーボールを私に投げた。
「見た目のこと、悪く言ってごめんな」
「…言われ慣れてるから平気よ」
いつの間にかバレーでのパスを繋げてしていた。
無言が続く。
やっと口を開いたのは痺れを切らした夜崎だ。
「あのさ、言っとくけど俺はリア充だ」
「そうね。」
「だからお前が俺を好きになっても」
「絶対ならないから安心しなさい。そもそもあなたを好きになる要素なんてどこにあるの?顔は整っているほうかもしれないけど、結局は性格が良いかどうかだし。私は見た目で人を選ぶ人ほど嫌いなの」
「…ふ」
「でも、私は私を好きになる人がいないことも知ってるからそれを気にすることもないの。所詮人は自分と違うと軽蔑する生き物だもの。アルビノに産まれて生活することでそれはよくわかったわ」
人は見た目で判断する。そのせいでいじめにもあったんだから決定的だ。誰だってこんな見た目、好きにはならない。
「ふーん。俺は綺麗だと思うけどな。赤い瞳」
「……………………………………?」
「水色の瞳より真っ赤な瞳のほうが俺は綺麗だと思うけどな」
馬鹿みたい。変な人。そう思えてしまって仕方がないけどきっと私の顔は今少しだけ明るいと思う。
Page:1 2
この掲示板は過去ログ化されています。