コメディ・ライト小説(新)

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まほがく! ー魔界のおかしな仲間達ー
日時: 2016/04/03 02:30
名前: ささみ ◆dRwnnMDWyQ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11215

はい、皆さんどうもです。

初めましての方は初めまして、そうでない方はいつもありがとうございます。

ささみと申します!


前のコメディライト板で書いていたものをここに移します。


では、作者ささみとこの作品についての注意!



◎更新ペースにばらつきがあります。大体亀さんナメクジさんです。

◎荒らしや悪口ダメ、ゼッタイ。
あ、でも指摘やアドバイス、感想など頂けたら嬉しいです!

◎酷い文章。誤字脱字あるかも。
皆さんが読みやすい小説を書けるよう頑張っております!

◎作者のテンションの移り変わりはひどいものです。適当に流してください、笑

◎たまにシリアスが入ると思います。苦手な方は見ないで…と言いたいところですが話を進める上で重要なことなので、シリアスパートも見て欲しいです!




「こんな作品見てやんねー!」って方は今すぐ時間を他のことに使ってください。

これらが(・∀・)オッケー!って人はこの作品を暖かい目で見守ってやってください…



それではいきます!



----------目次----------


*プロローグ >>1

*やっていける気がしない。 >>2

*残念な理事長、ここにあり。 >>3

*先生達は平和なようで。 >>4

*文化祭と忍び寄る悪夢。(執筆中) >>5 >>6 >>7




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Re: まほがく! ー魔界のおかしな仲間達ー ( No.4 )
日時: 2016/04/02 23:02
名前: ささみ ◆dRwnnMDWyQ



*先生達は平和なようで。


まほがくは4つのクラスに分けられており、それぞれに花の名前が付いている。

初級者クラス「アネモネ」、中級者クラス「ライラック」、上級者クラス「カトレア」、超上級者クラス「ストック」。

六天王は全員「ストック」であり、弱肉強食のルールに従えばリリーとカノンは「ストック」か「カトレア」なのだが、2人は「ライラック」である。

何故、中級で平凡の彼女達が、強者の組織である生徒会に入れているのか。

それはまた、別の話。

――――

職員室のお昼休みにて。
先生達は職員室で昼食をとる。

「はー、お腹空いたぁ。今日は僕、そぼろごはんなんですよー!」

ピンク色のチェックのバンダナに包まれた弁当箱を持ち、にこにこと笑う女性…いや、男性はアンジュ・ライト。
「アネモネ」の担任だ。

黄緑色の髪で、ポニーテールをし、前髪は2つの赤いピンで留めている。
輝く水色の瞳が白い肌によく映えている。
顔立ちもよく、小柄で華奢な体つきなのでよく女性と間違われるのだ。

そして、よくパシられるので先生達からは「子犬」と呼ばれたりする。

「そぼろごはん…とは何でしょう?」
「えー、知らないんですか!?美味しいのにもったいない!ちなみに今日の昼食教えて下さいな~」
「オムライスですわ。少し子供らしいかしら。今日はお母様が作って下さったの」

口に手をかざし上品に笑う女性はマリア・タンザナイト。
「ライラック」の担任である。

紫に近い黒髪に、青い瞳を持つ。頭にピンク色のリボンを付けている。
生粋のお嬢様で、少し世間知らずなところもある、天然な先生である。

「オムライスいいなー!」
「ふふ、オムライスはお母様の得意料理ですの」
「はぇー、凄いですね!僕卵料理苦手なんですー」
「アンジュさんのことですから、卵を握りつぶしちゃったりするんですよね?」
「何で分かるんですか!エスパーですか!」
「まさか本当とは…」

楽しげに話をする2人の横で、黙々と魔導書を読んでいる男の先生がいた。
彼は灰色の髪に水色の瞳を持つ、シエル・オリーヴ。
「カトレア」の担任だ。

長身だが童顔で可愛らしい顔をしている、クールな先生だ。
感情をあまり表に出さず、基本的無表情で寡黙だが、アレンのように無愛想ではない。

「シエルさん真面目ですね!憧れちゃいます~」
「そりゃどうも」
「ところで昼ご飯はなんですか?」
「サンドイッチ」

そう言ってシエルは自分の鞄の中からサンドイッチ1つを取り出した。

「わぁたまごサンド!今日は卵に関わるメニューが多いですね…って、こんだけしか食べないんですか!?」
「ちょ…いきなり耳元で叫ばないでほしい」

明らかに嫌な顔をするシエルに、アンジュはペコペコと頭を下げて謝った。
そして何事もなかったかのように話を続ける。

「お腹空きません?午後は午前よりも授業長いし、実技だってありますよ」

実技とは実際に魔術を使ってみる授業である。
まぁ体育のようなものだろう。

「平気平気。いつもこれくらいだから」
「ちゃんと食べないと駄目ですよ!だから痩せてるんですよ、シエルさんは」
「いやアンジュに言われたくないんだけど」
「あ、でも痩せてるくせに長身なのが気に食わないです」

アンジュは自分が小柄なのを気にしている。
158cmくらいだ。男性の中でも小さい方だろう。

同じく、15歳にしては色々小さく、悩みを抱えるローゼと気の合う仲間として傷を癒し合っているそうだ。

「あら、アンジュさんはこのままの方が可愛らしいですわ」
「僕はもうちょっとかっこいい男の人になりたかったんです!可愛いじゃ駄目です!」
「んじゃ何でポニーテールなのよ」

いつの間にか隣にいた女性に、アンジュはこの世の終わりが迫ってきたような恐怖の叫び声をあげた。

「何よ、そんな怖がらなくていいじゃないの」
「だだだだって…急に隣にいたらびっくりするじゃないですか!」
「私は気付いていましたわ」
「俺も」
「もー!何で皆さん教えてくれなかったんですかぁぁ…」

アンジュのリアクションを見て満足そうに笑う彼女はレイリア・ブバルディア。
保健室の先生である。

黒に近い赤い髪、キリッとした赤い瞳が特徴で、常に妖艶な笑みを浮かべている。
先生を目当てに、仮病を使って保健室に来る者もいるくらい、レイリアは美人だ。
種族は悪魔。これぞ本物の魔性の女なのだ。

「んで、何でかっこよくなりたいのにポニーテールなんかしてるのよ。これじゃどっからどう見ても女の子よ。胸以外」
「…お姉ちゃんが…お姉ちゃんに脅迫されてるんですよ!怖いですようちの姉!」
「お姉様がいらっしゃるなんて、初耳ですわ」
「一回も姉のこと話したことありませんからね…」

さっき2人に昼食のメニューを聞きまくっていたテンションが嘘のように、今は顔を真っ青にし大きな溜め息を吐いている。

「姉と言っても双子の姉なんですけど…うちの姉、僕のことを溺愛してて」
「あぁ、シスコ…ブラコンね」
「いい年して、『アンジュ君と一緒に住む!』ですよ。夢の1人暮らしが破壊されましたよ」
「可愛らしいお姉様じゃないですか」
「何だノロケか。ノロケは聞かないわよ」
「違いますって!んでポニーテールの話ですよね?もうそれは簡単な理由ですよ。『アンジュ君私とお揃いの髪形にしよーね。お洋服もね。もし勝手に変えたらお姉ちゃんが今我慢してること全部するからね』って言われたからです!」

レイリアは他人の不幸話が大好きなので、目を輝かせた。
悪魔の本質なのか、それともレイリアが歪んでいるのかは分からない。

「我慢してることって何なのかしらねぇ?」
「分からないから怖いんです!」
「知りたいから私が今髪切っていい?」
「駄目です!」
「何なに?盛り上がってるけど何の話?」
「うっわぁぁぁぁぁ!!」

またも急に現れた人物に驚くアンジュ。後ろにいたのはイヴァだった。
イヴァは「ストック」の担任でもある。

「あらあらイヴァ様~。ご機嫌麗しゅう」
「うわ猫撫で声気持ち悪い。媚び売らないでねこの貪欲悪魔」
「悪魔はこうでもしないと生きていけないんですよ。まぁいつかは貴方を捻り潰して大出世を遂げて見せますわ」
「はいはい戯言戯言」

悪魔は階級社会の厳しい種族である。
上下関係が厳しく、魔力の強さと他の生物との契約成功率に応じて地位が決まる。

レイリアが「イヴァ様」と言っているが、それは力の差だけでなく、悪魔より死神の方が立場が上だからだ。
まぁ中には死神より強い力を持つ悪魔もいるが…それでも死神が優遇される。

何故かというと、死神のトップである最高位死神ハイストデスと悪魔のトップである最高位悪魔ハイストデビルとで戦った時、最高位死神の方が強かったためだ。

そしてその最高位死神がイヴァなのである。

ロリコンのくせに強い、最高位悪魔であるエリスという少女は、負けた時そう呟いた。

「レイリアが幼女だったらちょっと捻り潰されてもいいかなって思った、うん」
「うわぁ結局見た目!年齢!世界は残酷ね」
「相変わらずの気持ち悪さ…」
「ん?シエル今何か言った?」
「何でもないですよ」
「それよりお昼休み、後20分しかありませんわ」
「うわご飯食べる時間無いじゃないですかー!早く食べちゃいましょう!」

皆でご飯を食べる辺り、先生達は何だかんだ言って仲がいいのである。

Re: まほがく! ー魔界のおかしな仲間達ー ( No.5 )
日時: 2016/04/03 00:53
名前: ささみ ◆dRwnnMDWyQ



*文化祭と忍び寄る悪夢。


「文化祭がしたいな」

イヴァの突然の提案に、首を傾げる生徒会の8名。

「あのさ、この学校、行事がないじゃん?」

まほがくは6歳から上は何歳まででも、いつでも入学できる。
やめる時もいつでもやめられるフリーな学校なので、入学式や卒業式はない。

それに、行事の定番である体育祭などもまだ何も無いのだ。
できたばかりの学校なので、行事計画が間に合わないということもあるが、そもそもイヴァが学校行事のことをよく知らなかった。

「まず行事って何なの?」

フィオラが訊く。

「僕も分かんなかったんだけどね。この前、人間界の学校について調べたんだ。簡単に言えば、息抜きしながら学校全体の団結力を高める祭りだよ」
「息抜きって…遊ぶんですか?」

遠足を目前に控えた小学生のようにセラが訊くと、イヴァはそれに頷いた。

「あ、あのぉ…」

カノンがおずおずと手を挙げる。

「私、写真で見たことあります。その、学校行事ってもの」
「どうだった?楽しそうだったか?」
「はい、とても。皆、一生懸命で、笑顔で…色々なことをしてましたよ」
「人間達は何してたの?団結力が高まる祭りなんて想像つかないなあ」

リリーの呟いた言葉に、カノンは笑顔で答える。

「例えば…体育祭。皆で運動的なことで競い合ったり協力したりする祭りみたいです。組体操とか、千変万化とか、リレーとか…色々な種目がありました」

人間にとっては誰もが知る種目だが、魔界には浸透していないのだ。

「く、くみたいそー?せんぺん…?にんげんさん、いみわかんないこと、するね」
「こんな種目もどうやってやるか調べて、体育祭もやりたいね。でも僕が調べたのは文化祭なんだ」
『文化祭?』

8人の声が重なった。
イヴァは子供のように無邪気な笑みを浮かべ、話を続ける。

「文化祭はね、人間の学生たちが一番盛り上がる行事なんだって。各クラスで分かれて出店を出したり、ステージで出し物したり…学校外の人も来れるから、校内が凄く賑やかになるよ」
「それで、理事長はそれをやりたいんですね?」

リュートがそう訊く。

「そうだよ。各クラス…にすると出店が少なくなるから、君達ストック以外のクラスは8人ごとくらいに分けようか。リリーとカノンはグループ分け呼びかけといて」
「はい」
「分かりました」
「やりたいこととかもグループごとに話し合いさせて…ある程度出店が決まったら、場所決めとかステージプログラム作成とか委員会ごとの仕事分けとか…やること沢山あるよ」

イヴァは笑顔を保ったままアレンを見た。
「生徒会長がちゃんと働いてね」という視線だった。
アレンはそれが分かったのか、「分かってますよ…」と言い溜め息を吐いた。

「他にも行事、沢山やりたいけど…とりあえず今は文化祭だけ。こういう行事は全校生徒の協力が必要みたいだから、頑張ろ」
『おー!』


Re: まほがく! ー魔界のおかしな仲間達ー ( No.6 )
日時: 2016/04/03 01:49
名前: ささみ ◆dRwnnMDWyQ



夕暮れ。
リュートとフィオラは帰り道が同じなので、生徒会活動などの時にはいつも2人で帰っている。

「文化祭、楽しそうだぜ!でも出店って一体何すればいいか分かんないぜ…」
「あ、理事長から資料貰ったよ。ほら、人間界での文化祭の写真」
「ありがと」

フィオラは綺麗にまとめられた、写真と文章が載せられた紙束を受け取り目を通す。

「理事長がパソコンを駆使して作ったって。意外と努力家だよねあの人」
「へぇ…パソコンかぁ。私パソコン使ったこと無いぜ。携帯だけで精一杯」
「僕もだよ」

人間界の先端技術はまだ普及したばかりで、使いこなせる人は少ない。

「この…メイド喫茶ってのは定番なのか?」
「みたいだね。理事長がさせたいって言ってたよ」
「リンとローゼにだろ?ったくあの変態は…」
「フィオラとセラも巻き添え食らうかもね」
「こんなフリルばっかの派手な服着たくないぜ」

不満を漏らしながら次々と資料を見る。
その中に、目が留まったものがあった。

「ん、おばけやしき…って、何だ?」
「日本って国のね、妖怪とかお化けとかに仮装して、人を驚かすアトラクションだって」
「お化けってあれだろ?死神に連れていかれなくて、この世に残った魂…だろ?」
「多分そうだと思う。あんまり想像できないけど、人間にとっては怖いみたいだね」

人間は死ぬと、体と魂に分かれる。
魂は普通、冥界―死後の世界―に連れていかれ、中身が無くなった体は、腐って骨だけ残る。

魔界の生き物は死ぬと、黒か紫のもやを空へ昇らせながら、消える。
消えた後は、ニュークリアス(通称クリア)と呼ばれる、人によって色や大きさが違う宝石のようなものだけが残る。
その宝石が、生き物の魔力の源で、生きていくために必要な、いわば心臓のようなものだ。

だから、魔界には“魂”という概念が無いので、お化けというのも存在しないのだ。

「お化けは聞いたことあるんだけど…妖怪って何?」
「さぁ?僕も分からないな。理事長は魔獣みたいなものって言ってたけど」

魔獣は、魔界に住む、人を襲ったりする獣である。
中には知能が高いものもおり、魔術を使える個体もいる。

「ふぅん…じゃあ、魔界の人達が怖がるもので、魔界版お化け屋敷を作ればいいんだな!」
「そうだね。フィオラはお化け屋敷をやりたいの?」
「うん。人を脅かすの、楽しそうだからな」
「あはは。確かに、フィオラはそういうの好きそうだよね」
「リュートは何がしたいとかあるのか?」
「僕は特に何も…希望を言うなら、何かを作りたい、かな」
「作りたい?」

フィオラは段ボールとかを組み立てるリュートを想像して少し笑った。
こんな優男でも、やっぱり男子だから工作的なことが好きなのかな…と。

「あ、今笑ったでしょ。もしかして工作だと思ってる?」
「え?そうじゃないの?」

目を真ん丸にして見つめるフィオラに、困ったように笑う。

「まぁ工作も嫌いではないけどね」
「じゃあリュートが本当に作りたいものって何だぜ?」
「料理だよ。僕、お菓子作り好きなんだよね」

リュートの男子とは思えない意外な発言に、フィオラは驚いた。
そして、お腹を抱えて笑う。

「あははは!お前女々しいな!ちょっとその女子力欲しいぜ!」
「そんなに笑うことないじゃん…ま、自分でも女々しいとは思うよ」

フィオラは笑いすぎて出てきた涙を指で拭った。

「んじゃ、メイド喫茶をやりたいのか?」
「厨房に回れるんだったら何でも」
「んー。こりゃ意見が割れたぜ。勝負だな、リュート!」
「そうだね。明日皆にも意見を聞いてみよっか。新しい意見とも勝負することになるかもね」
「うん。いやぁ、ほんと、文化祭楽しみ~!」

両手を真上に伸ばし、沈みゆく橙色の太陽に向かって叫ぶ。
その様子を、リュートは微笑みながら見つめていた。

右と左の分かれ道に突き当たった。
2人が一緒に帰るのはここまで。

「それじゃ、またな。リュート」
「また明日ね」

2人は手を振って、それぞれの家へと歩いていった。


――――


一週間後…。

クラスごとやグループごとに話し合いが進み、出店が決まってきた。
ストックでは激しい論争の末、メイド喫茶に決まったようだ。
半分程、理事長の権限により決まったようなものだが…それは置いといて。

ステージで出し物をしたい人もぼちぼち現れ、文化祭の準備は徐々に進んでいる。

校内の雰囲気も浮かれたものになってきた。

文化祭まで後1か月。


Re: まほがく! ー魔界のおかしな仲間達ー ( No.7 )
日時: 2016/04/03 02:28
名前: ささみ ◆dRwnnMDWyQ



中庭。
大きな木が中央に葉を広げ、周りには色とりどりの花が咲いている。
石畳が整備され、ベンチもあるので、生徒達のくつろぎスポットになっていた。
ちなみに、美化委員会が花の世話をしている。

「リリーねーちゃんは、なにするの?おみせ」
「私達はメイド喫茶なんだ。グループの子がメイド服着てみたいって言ったから」

プランターに生えた雑草をちまちまと取りながら、リリーとリンは話をしていた。
2人は放課後、毎日花の世話をしている。

「リンたちとおんなじだね!リンもメイドさんするの」
「見に行くねー」
「うん!リンもリリーねーちゃんのとこ、くるからね」
「楽しみだねえ」
「うん」

2人の間には和やかな時間が流れていた。
木と花が柔らかい風に揺れ、さわさわと音を立てた。

「あのね、お花、もっとたくさんうえたいね」
「町の人たちも来るからね。正門周りもお花飾りたいよねー」
「りじちょにおねがいしよ。お花の苗、かってくれるかも」

リンがお願いしたら一発でOKしてくれるだろうなと思いながら、リリーは「今から行く?」と言った。

「うん!早くお花うえたい!」

リンは目をきらきらと輝かせた。


――――


2人が理事長室に入ると、イヴァはソファーの上でぐったりと倒れていた。
死んでいるのかと思いびっくりしたが、どうやら仮眠をとっているようだ。

「りじちょ、つかれてるのかな…」
「やっぱり理事長の仕事って過酷なのかなあ」
「今日はもうかえる?」
「そうしよっか」

2人がイヴァに背を向け扉に向かおうとした時、イヴァがぼそっと呟いた。

「ロリの匂いがする…」

イヴァは目をカッと開き、バッと飛び起き、2人に(特にリンに)笑顔を向けた。

「どうしたの2人共?」
「りじちょ、おこしちゃった…?」
「いや全然起きてたよ!うん!それで用件は何かな?」

テンションが異様な理事長を前に、リリーは苦笑いをしながら用件を伝えた。
花の苗を買ってほしいこと、学校内外を綺麗に彩りたいこと。

イヴァは笑顔でうんうんと頷きながら聞いていた。

「君達熱心だね。感心するよ。明日までに買って置いておくから、取りに来てね」
「ありがとうございます!」
「りじちょありがとー!」

にこにこと満面の笑みを浮かべながらお礼を言う2人に、イヴァも微笑んだ。
まるで2人からマイナスイオンが出ているようだ。
穏やかな雰囲気が続く。

そんな雰囲気を壊したのは、『バーン!』という扉が壊れる音だった。
木製の扉の残骸を踏みしめて、リンと自分の鞄を持ったローゼが入ってきた。

「何これデジャヴ…?つい最近直したばっかりなのに…」

肩をがっくり落とすイヴァには目もくれず、ローゼはリンの元へ歩みを進める。

「おねーちゃん、ドアは足じゃなくて手であけなくちゃだめだよ」
「次からそうする。…美化委員長も一緒に、何で理事長室にいるんだ?」
「お花の苗を買ってくれるようお願いしてたんだよー。それにしても、リンのお姉さん、凄い脚力だねぇ…」
「どうも。美化委員の仕事は終わったのか?」
「うん。今から帰ろうとしてたところだよー」

ローゼの冷えた目が自分ではなくリンに向いて、リリーは緊張が解けた。
目つきの悪いローゼと面と向かって喋ると、何だか怖くなるのだ。
ローゼ自身に悪気は無いと思うが。

「おねーちゃん、としょいいんちょのおしごとおわったの?」
「終わったよ。だから帰ろう」
「ローゼちゃん…何か言うことは?」
「ん?」

わなわなと震えているイヴァに、首を傾げるローゼ。
何を言っているか分からないとでも言いたげに、イヴァを見つめた。
イヴァはそんなローゼに、扉としての機能を失った扉だったものを指差した。

「何か言うべきことは?」
「This was door. This was broken by me.」(これはドアでした。これは私によって壊されました。)
「とてもネイティブ100点満点!でもそういうことではない!」
「ドア壊してごめんなさい」
「結構素直だった!可愛いから許す!」
「じゃ、帰る。リン、帰ろう」
「はーい。リリーねーちゃん、りじちょ、またねー」

笑顔で手を振るリンにリリーは手を振り返す。

「あ、じゃあ私も帰りますねー。さよならー」
「気を付けて帰ってね~」


――――


美化委員の活動により、校内も校外も花で色鮮やかになった。

放課後に残って準備する人が増えてきた。

人々は、言葉に表せない胸の高鳴りを感じていた。
初の学校行事。授業にも身が入らなくなる。

皆のざわめいた雰囲気を感じ取ったのか、中庭の木や花もざわざわと揺れる。

文化祭まで後2週間。


Re: まほがく! ー魔界のおかしな仲間達ー ( No.8 )
日時: 2016/08/30 22:31
名前: ささみ ◆dRwnnMDWyQ


お久し振りです!

ここ、1回やめようと思ってロックかけてたのですが、なんと前の小説にコメントしてくれた方がいまして…!

それ見て、続けようと思えました!

不定期更新になりますが、またよろしくお願いしたいです!

ささみ


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