コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

初恋のオパール(亜咲 りん&ラニ)
日時: 2016/09/04 11:03
名前: rira ◆qzYgrSbEbo

 



 オパールのような貝殻は、君との思い出。きらきらと揺らめく、片想い。

 そして僕らはきっとまた、ここで出会うんだ。




■ ご挨拶

*ラニ

どもー(=゚ω゚)ノ
ラニです!
ちょっと変わったやり方の合作でやらせていただくことになりました。
合作は初めてですごくドキドキしており、そして記念すべき今日。
投稿させていただくことになり嬉しく思います。
最後まで見届けいただけると幸いです。


*亜咲 りん

 こんにちは。こちらの掲示板でははじめまして、となります、亜咲という者です。何卒、よろしくお願いしますm(_ _)m
 これは、ラニさんから設定をいただき、私がそれを文章にする、という作品。とても素敵な設定なので、それを生かせるように、頑張ります!
 最後までお読みいただけると幸いです。



■ 目次

第1話 >>01
第2話 >>02




■ お知らせ

0823 執筆開始
0829 参照100突破

Page:1



第1話 ( No.1 )
日時: 2016/08/27 15:05
名前: 亜咲 りん ◆1zvsspphqY


「私っ、桐島くんのことが好きです! 付き合ってください!」

 雲一つ無い空の下、女の子の震える声が響いた。みーんみーん、と耳障りなセミの音が沈黙を包み込む。
 俺の目の前には、長い黒髪を後ろで1つに綺麗にまとめた可愛らしい女の子がいた。俯いて前髪に隠れた顔が、見なくても真っ赤になっていることがわかる。
 突然校庭に呼び出された時点でこうなることはわかっていた。けれど、行かないのも勇気を出してくれた女の子に悪い。というわけでこの炎天下の中校庭にやってきたわけなのだが……

「……ごめん。俺は誰とも付き合う気は無いんだ」

 だからといって、OKの返事をするわけでもない。

「……やっぱり、そうなんだね」
「うん」
「わかった。……迷惑かけちゃってごめんね」

 そう言って、女の子が顔を上げて微笑んだ。本人は隠しているつもりだろうが、目が潤んでいるのがわかる。そのまま立ち去っていく女の子を見ながら、心が痛んだ。

「……なにやってんだよ俺」

 ぽつり、と呟く。吐息と共に、想いがはじける。ずっとこの調子だ。俺は、告白を受けても断り続けている。

「もう、あっちも覚えているはずないのにな」

 独り言が、空に吸い込まれて消える。そのとき授業の始まりを知らせるチャイムが鳴り響いた。





「よう、 かなめ。授業に遅れてくるなんて不良じゃんか」

 授業が終わるなり、明るい髪色の男子が話しかけてくる。 海叶かいとだ。耳元のピアスが彼の笑顔をさらに輝かせていて、あ、コイツやっぱりモテるんだろうな、と毎度のことながら思った。

「まあ、いろいろあってさ」
「なんだよいろいろって。教えろよー」
「それより明日、英語テストだぞ?」
「げげげっ。まじかよ」

 テキトーに躱しながら、『数学1』と書かれた教科書を机に仕舞う。いわゆる置き勉ってやつだ。今日の授業はこれで終わりなので、俺は机にかけてあるリュックサックを背負い、スマホを取り出す。置き勉しているため、リュックサックはとても軽かった。
 電源を入れLINEを開くと、さっきの女の子から『やっぱり諦めきれなくて……』『1回付き合ってみたら、なにかわかるかもしれないし……』などと、しつこく通知が来ていた。

「ほうほう、こりゃモテ男は大変ですなぁ」

 いつの間にか、後ろから海叶が俺のスマホを覗き込んでいた。

「お前もだろ」
「いやいや、俺はそこまでじゃないなー。ほら、俺って軽いから」

 ひらひらと海叶は手を振ってみせる。確かに、海叶は顔は良いが、雰囲気や話し方はどこかチャラい。もしかしたら、渡り歩いているとか……などと考えるも、本人に失礼なので、その思考を振り払う。

「あ、桐島くん帰るの?」

 まだ教室に残っていた女子が話し掛けてくる。肩辺りで揃えられた髪が特徴的な子だった。

「ああ。俺、部活入ってないからさ」
「そっかぁ。……私は今日部活あるんだけどさ、体調悪いから帰ろうかなーって思って」
「大丈夫?」
「うん。だから……一緒に帰らない?」

 マスカラで縁取られた目がどこか必死に俺を見つめる。震える手をぎゅっと握りしめて笑っている。俺はそれをわかっていながら、彼女に微笑んだ。

「体調が悪いなら保健室で少し休んでから帰った方がいいよ。今帰ったら暑すぎて熱中症になるだろうから」

 お大事に、と言って、俺は教室を出る。おい、俺にはなんもないのかよ!? という声が聞こえるも、わははは、と笑ってやり過ごす。
 わかっている。あの子の気持ちは。
 俺は酷い人間だろうか。あの日出会った少女のことを忘れられないなんて。

「……やっぱり優しいなぁ」

 俺が教室を立ち去った後、彼女がぼそりとそう呟いたことは、もちろん知らない。





「ただいま」

 誰もいない家に、俺の声が響く。いつも通りのことなので、戸惑わず玄関で靴を脱ぎ、階段を上って自分の部屋へ向かう。
 両親は仕事が忙しく、ほとんど家に帰ってこない。きっと、今日も遅くまで帰ってこないだろう。いつものことだ。

 部屋に入り、リュックサックをベッドの上に置いた。俺自身はそのままベッドに倒れ込まず、部屋の奥の勉強机の前に座り込んだ。
 受験勉強の名残でたくさんの参考書が溢れかえる中、ぽつりと男子高生の持ち物としては異質なものが置いてあった。オパールのようなそれを手に取り、静かに見つめる。

 6年前。俺は、訪れた海で出逢った少女から、この貝殻をもらった。オパールのような綺麗な淡い水色の貝殻。それはまるで、彼女自体を表しているかのようだった。俺はあの日からずっと、彼女を想い続けている。

「……また、会いたいな」

 今日も1人でぽつり、と呟く。この願いが届かないとわかっていながら。

 

第2話 ( No.2 )
日時: 2016/09/04 11:54
名前: rira ◆qzYgrSbEbo

 
すず!」

 突然後ろから声をかけられ、びくりと固まる。私の名前は、 山口やまぐち すず。誰? 私の名を呼ぶのは……

「お弁当一緒にたーべよっ」

 ぽん、と肩に手を置かれる。恐る恐る振り返ってみると、それは 美佳みかのものだった。長い髪を束ねたポニーテールが揺れる。ほっと息を吐き、彼女を睨みつけた。

「びっくりするから後ろから話しかけないでっていっつも言ってるでしょ!」
「ごめんごめん」
「もうっ」

 美佳の短い髪が揺れて、私の手を引く。

「そうと決まれば、中庭に行きまっしょーう」
「……そうだね!」

 一転して、私は笑顔になる。この美佳の強引さが、なぜか私は嫌いにはなれないのだった。

 小さい頃から、私は人見知りが激しかった。親友と呼べる存在は美佳だけで、それ以外に喋れる人なんて、高校に入ってからはほとんどいない。でも、現状にそんなに不満は無かった。

「今日の数学、あたし完全に寝てた」
「私も」

 形の良い唇を綺麗に歪めて、美佳は楽しそうに話す。美佳はすごく良い子だ。そしてすごく可愛い。もそもそとお弁当を食べながら、私は彼女の睫毛の長さに見惚れていた。

「んで、現代文のとき、先生噛んでてウケた」
「わかるわかる。噛み噛みだったから、内容入ってこなかった」
「あの先生滑舌大丈夫かな?」
「言えてる」

 そんなこんなで、お喋りと共に箸が進む。そんな折、私は美佳のお弁当の中に苺が入っていることに気がついた。

「ねぇねぇ」
「ん? 嫌だけど」
「まだ何も言ってないよ!」
「どうせ苺が欲しいんでしょ」
「ぐ……」

 図星だった。しょぼん、と肩を落とす。苺は私にとって正義だ。甘くて赤くて美味しい果実。私も苺みたいな女の子になりたいなぁ。
 そのままがっくりと塞ぎ込む私の様子を見て、

「もう仕方ないなぁ」

 と言って、結局美佳は私に苺をくれる。

「いいの!?」
「そうしないと私と口聞いてくれないでしょ」
「美佳ちゃんありがとう、大好き!」

 むっとしながらも差し出された苺に私は齧り付いて、その味を噛み締める。ん、甘い。でもちょっと酸っぱいかも。
 嬉しくて、思わず彼女をぎゅ、と抱きしめてしまった。

「もう、あんたレズみたいだよ!?」
「違うもーん。可愛い女の子が好きなだけだもん」
「なにそれ嫌味なの?」

 嫌な顔をしつつも、美佳もそれを拒絶しない。
 私は人見知り。それゆえ、人の温もりを求めるのかもしれない。





「じゃあ私、こっちだから。また明日ね」
「うん。気をつけて!」

 帰り道、私たちは途中で二手に分かれてしまう。そうすると私は1人になるのだけど、たまにはこんな時間もいいか、と思うのが正直な気持ちだった。


 田園風景が広がる。周りを見渡せば、木でできたお家と、田んぼ。私の住んでいるところはこの先で、住宅街だから少しはまじだけど、ここは確かに田舎だった。
 空気も良い。食べ物もおいしい。けれども。

「……あの人は、きっと」

 都会の綺麗なところに住んでいるんだろうなぁ。そう独りごち、私はふと携帯を取り出した。
 時代遅れで機械音痴な私は、まだガラケーを使っている。といっても、メールのやり取りなんて美佳とぐらいしかしないから、不便は無かった。
 しゃらん、と鈴の音が響く。携帯のストラップに付けられた鈴の音だ。オパールのような淡い水色の貝殻が揺れ、心地の良い音をたてる。
 6年前。たまたま訪れた海で、私は彼と出逢った。夕日の光を受けてきらきらと煌めくそれは、まるで彼自身を表しているように見えた。あの日から、私はずっと彼に恋をしている。
 でもそれが苦しくて。私はぎゅっと、目を瞑り、ガラケーを鞄に仕舞い込む。しかし数秒後には、気になって取り出してしまう。
 毎日これの繰り返しだった。

「もう、あっちも覚えているはずないのにな」

 小さく吐いた言葉が、空に吸い込まれて消えていく。そうわかっていながらも、その貝殻を見ずにはいられなかった。





「ただいまー」
「おかえりなさあい!」

 私が家のドアを開けるなり、瞬速でなにかが飛びついてきた。いつも通りのことなので、私は平然と受け止める。
 私に抱きついてきたのは、兄だった。私を大事そうに抱きしめ、ぽんぽんと背中を叩いている。

「……わかったからそろそろ離れてくれる?」
「おう、ごめんな」

 ぱっ、と一瞬で兄は手を離した。その手が優しくて、どこか美佳を思い出す。兄は私と同じ色の瞳で、にこにこと私に笑いかける。こうして溺愛されているのはなんだか不快だけど、私とお兄ちゃんは、やっぱり兄弟なんだな。
 そう考えつつ、私は玄関からすぐの階段に向かう。

「え、もう行っちゃうの?」

 悲しそうな声で、呟く。お前は犬か!

「私も忙しいの」
「うう、我が妹ながら冷たい……でもそんなところが好きっ」
「はいはい、わかったから」

 呆れ声を出しつつ、私は階段をのぼり、自室のドアを開ける。後ろからぎゃーぎゃーと犬の鳴き声がきこえたが、もう気にしないことにして、ドアを閉めた。

「よっと」

 鞄を投げ捨て、ベッドにダイブする。ふかふかのベッドが私の疲れも吸い取っていくのような気がした。
 あさっての方向に飛んでいったスクールバッグに手を伸ばし、ガラケーを取り出す。淡い輝きを放つ、彼と私を繋ぐ、ただ一つの大切な大切な宝物。

「……また、会いたいな」

 今日も、1人でぽつり、と呟く。それが届かない願いだと知っていながらも、私は愛おしさで貝殻にキスをして、眠ってしまった。

 


Page:1



スレッドをトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


E-Mail


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。