コメディ・ライト小説(新)
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- 天使と悪魔の説明書
- 日時: 2016/12/04 01:28
- 名前: ろんく ◆ezgtNbb9Yg
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11610
初めまして、ろんくと申します!
ろん「く」です!長いやつと同じにしないで下さいね!
<注意事項>
・今回が初投稿です。完全初心者です。
・文才は、産まれたての赤ちゃん達に分け与えたので残っていません。というか元々ありません(;ω;`)
・超絶不定期更新です。気長にお待ちくだせぇm(_ _)m
・小説を読む際は、下の目次のページをタップして読んで頂けると、見やすいかと思います!
・是非是非コメントで感想・アドバイス等いただけると幸いです。
<登場人物>
・天野 悠牙
主人公。一尾宮高校一年。学力は中の上。
ごく普通の少年だが、ある日の帰り道、何故か捨てられていた天使と悪魔を拾い上げる。
・樹又 智予
愛称は「チヨ」、悠牙と同じクラスで幼馴染。
純情可憐、成績優秀、温厚篤実であり、男子からの人気は計り知れない。
・宮嶋 隆矢
悠牙と同じクラス。ただのアホでお調子者。だが、いざという時には頼りになる。
バスケ部の新人戦でも活躍し、将来有望の選手だが……?
・森 俊彰
悠牙と同じクラス。放課後は数学の問題集を解いていて、見るからに秀才。実質、成績は学年トップ。
よく隆矢に子供騙しなイタズラされ、うっとうしく思っている。
・三咲 彩名
一年の学年長。智予とは小学校からの友達であり、智予にちょっかいを出すとすぐに突っかかる。
男子に、特に悠牙にはやたらと厳しい。
・ルピア
ハルデと共に、道に捨てられていた女天使。
悪魔のハルデとは、犬猿の仲。
・ハルデ
ルピアと共に、道に捨てられていた男悪魔。
天使のルピアとは、犬猿の仲。
・
・
・
<本編>
プロローグ >>1,
第1話:天使と悪魔 >>2, >>3, >>5,
Page:1
- Re: 天使と悪魔の説明書 ( No.1 )
- 日時: 2016/11/23 21:29
- 名前: ろんく ◆ezgtNbb9Yg
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11610
〜プロローグ〜
俺がまだ小学生くらいだった頃、母さんから聞いた話だ。
「悠ちゃん、世界にはね?困った人を絶対に助けてくれる、優しい”天使”さんがいるの。」
当時うちの母親は、こんな感じの話をしていた時があった。
いつも決まって優しい声で、にっこり笑って。何故か今でもしっかり覚えている。
「てんし…さん?」
「そう、天使さん。悠ちゃんみたいに優しい天使さん。」
小学生というのは、本当に素直な心を持っているなと思う。自分でも恥ずかしいくらい、そう思っていた。
「ぼくみたいな……?」
「そう。でももう1人、その天使さんとよくケンカをしている”悪魔”さんがいるの。」
「あくまさんは…悪いひとなの?」
「全然。よく悪魔さんが怖いって言う人がいるけど、ちっとも怖くない。
むしろ凄く優しいのよ?今の天使さんみたいに。
優しくて仲良し同士、だから…ついついケンカしちゃうの……」
話の続きがあったのだろうが、内容はそこまでしか覚えていなかった。
____困った人を絶対に助けてくれる、優しい天使。
____天使とよくケンカしていて、怖がられているが、実は天使の様に優しい悪魔。
人々は皆、そういった話を信じるのだろうか?
そもそも天使や悪魔なんて、どこぞのファンタジー物語にしか出てきそうにない非現実的なモノじゃないか。
そいつらの存在自体を、信じる人間はいるのだろうか?
俺は信じられない。信じられるはずもない。
せめて実物が目の前に現れて、それが夢でないと証明されるなら、まだ信じられない事もない。
____そう、目の前に現れたなら………
いつもの学校の帰り道。
ふと目をやった道の脇にいるのは、いかにもそれらしき、大きな違和感を感じる2人組。
1人の少女(?)は、全体的に白っぽい衣装で、頭の上に光り輝く輪っかの様なものが。
もう1人の青年(?)には、全体的に黒っぽい衣装で、頭に2本のツノが生えていた。
____誰でもいい…これは何かの夢だと言ってください………。
- Re: 天使と悪魔の説明書 ( No.2 )
- 日時: 2016/11/25 16:54
- 名前: ろんく ◆ezgtNbb9Yg
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11610
第1話:天使と悪魔
1.
「……まずはこの、506という数を素因数分解することから始まる。えーと初めの数は___」
数学教師が声を響かせ、すらすらと黒板に数式を並べていく。
それに続く様に、シャーペンでそれらをノートに書き写す。
もちろん俺も、他の生徒達と同じ様ように、慌てながら黒板の一式一式をノートに書き写していった。
この一尾宮高校では、もうじき2学期の期末考査がスタートする。
これから卒業後の進路を決める、最も大切な考査と言っても過言ではない。
卒業後とは言っても、俺らはまだ1年なので、そう気にすることはないと思うが……。
「506は大丈夫だな。次は437だ。すぐに出来るだろうから当てるぞー」
教師が出席簿を手に取り、チラッと一瞥した。指名する生徒を考えているのか。
参ったな、俺はまだ計算できてないんだが…。
「じゃあ天野、天野 悠牙!答えを言ってみなさい。」
マジか……教師が速攻で俺の名を呼ぶ。てか当てるの早すぎだろ、せめて10秒くらい迷ってくれ。
俺は慌てて答えを出そうとする。しかし、テンパってるせいか、なかなか当てはまる素数が浮かんで来ない。
「悠牙君、19と23。」
焦っていると、隣の女子が小声で話しかけてきた。
樹又 智予だ。というか、もう計算できてるってのか?早すぎだろ。
とにかく質問に答えないと。俺は彼女に言われた通りの数字を答えた。
これ合ってたら、相当変人的な計算スピードだなオイ。
「に……23と19。」
「____よし正解だ!よく出来たな!」
合ってんのかよすげーな。
てかこえーよ。こんな超短時間でどうやって計算したんだよ。
当の智予はというと、何事も無かったかのように黒板の方に向き直っている。
「ここのユークリッドの互除法は、次期末考査にも出るぞ。ちゃんと自力で解けるようになれよー。」
ギクッ!なんか自分のことを言われたようで、肩が勝手にビクついてしまった。
____確かに…今のは完全に智予のおかげだった。こんなんじゃダメだ、真剣にやらないと!
俺は自分で自分に気合いを注入し、残りの授業に集中した。
- Re: 天使と悪魔の説明書 ( No.3 )
- 日時: 2016/11/27 16:14
- 名前: ろんく ◆ezgtNbb9Yg
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11610
勉強めんどい(・ω・`)
……早速更新していきますねw
2.
_____キーーンコーーンカーーンコーーン……
6限終了のチャイムが鳴る。やっと授業が終わった。
HRが終われば、部活動に励むも良し、ダッシュで帰宅したり、寄り道をするも良し。自由時間にできる。
まぁ、今はテスト期間ということで、自習室に残って勉強する者以外は下校しなければならないのだが。
「よし、今日の授業はここまで!号令!」
「起立、ありがとうございました!」
室長が号令をかけ、他の生徒が続いて声を揃える。
みんなすっかり疲弊した様子で、数学の用意をカバンの中にしまっている。
この時期の授業…数学は特にペースが早いからかな。仕方ないだろう。
「じゃあこの後、HRが終わり次第すぐに下校するように。ああ、掃除当番はちゃんと掃除していけよー!」
数学教師はそう言い残し、教室を後にした。
そうだった…今日掃除当番だったんだ。
どうせ汚されるんだったら、掃除せずに放置しておけばいいのに。なんて面倒な。
ぐったりしながら用意を片付けていた、その時…
____掃除したくねぇんだろぉ?サボって帰っちまえよ、ヒヒヒヒヒヒ………
「!?」
ふと俺の頭に、1つの不可解な声が響いた。
まるで、極悪非道な悪魔のような声が………
すると、その直後
____そんなことしちゃダメよ、やる事はさっさとやってしまった方が良いよ。周りが綺麗になったら、心まで綺麗になるでしょ?
今度は、さっきとは違った雰囲気の声が響いた。
まるで、心を包み込む天使のような声が………
何が起こってるんだ?面倒なことになる前に、早くどこかに行ってくれないだろうか?
すると、
____何だてめぇ?横から口出すんじゃねぇよ…。
____あら?私はいけないことだと思ったから言っただけよ?掃除はとても大切な事だと思ってるもの。
____だから何だぁ!!ナマイキ言ってっとぶっ飛ばすぞぉぉ!!
____あら、やれるものならどうぞ。やれるならの話だけど…フフッ。
何やら、勝手に脳内で壮絶な喧嘩が始まった模様。やめて下さい。
分かりましたから…掃除なら真面目にやりますから。一刻も早くどこかに行ってどうぞ…
頭を抱えていると、急に脳内が静寂に包まれた。2つの声はもう無い。
俺の想いが通じたのだろうか?いや、そんなはずは……
「…おい、悠牙?」
ハッと我に返ると、俺は自分の席に座っていた。
目の前には、同じ掃除当番の小沢と岩崎が、不思議そうな目でこちらを見ている。
「あ…ど、どうした?」
俺は慌てて、2人の話を探ろうとした。
「どうしたって…もうHR終わったぞ。」
「だから早く掃除しようぜ?俺ら掃除当番だったじゃん。」
「そうだったな……よし、さっさと終わらせようぜ!」
「「……?」」
何て事だ、もうそんなに時間が経っていたなんて…
そういえば、昨日あまり寝ていないせいか、今日はずっと頭がボーッとしていたな。午後からは何とか持ち直したが。
それはそうと、さっきの声は何だったんだろう?やたら煩かったが。
本当に、天使と悪魔みたいな感じの2人?だったな…
気にはなるが、いちいち拘泥していてはキリがない。
さっきの事は忘れるとしよう。何かの間違いだろう。そうであって欲しい。
ふと窓の外を見ると、もうすでに空が薄暗くなっている。やはりこの時期は日没が早いな。
「よし、やるか!」
俺は徐ろに立ち上がり、掃除道具入れからほうきを一本取った。
とりあえず、今日は色々な事があり過ぎた。さっさと終わらせて早く寝ようかな。
- Re: 天使と悪魔の説明書 ( No.5 )
- 日時: 2016/12/04 01:33
- 名前: ろんく ◆ezgtNbb9Yg
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11610
どうも皆様、ろんくです。遅くなりました……m(_ _)m
ですがしかし、不定期更新と初めに書いたので、その辺りはお許しを(ウルサイ
3.
「せいやっ!」
___カキーーーーン!!
「なんのっ!秘技、ギャラクシーサイバァァァッ!!」
___カキカキーーーーン!!
只今掃除当番のため、教室に残って掃除中。
とはいえ真面目に取り組んでいるかと言われれば、この有様である。
掃除に飽きてしまったのか、小沢と岩崎がホウキを刀代わりにして、チャンバラを始めてしまう始末。
「おーいお前ら、ホウキで遊ぶなって…」
緩〜い口調で注意する俺。
床を雑巾で乾拭きしながら、ふぅと軽く溜息を吐く。
「そうそう、早く終わらせて部活行きてーだろ?
速攻でやっちまおうぜ?」
俺が注意した後に、そんな事を言った生徒がいる。
こいつは宮嶋 隆矢。
どうやら彼は、早く部活に行きたくてたまらんようだ。
バスケ部に所属し、一年の中で頭一つ分抜けた実力を評価され、将来有望な選手だと聞いた。
だが隆矢、申し訳ないが今日は…というかしばらくは……
「……隆矢?今テスト期間なんだから、部活はやらねーだろ?」
「そうだぜ、何浮かれ気分になってんだよ?」
チャンバラ(笑)をしていた小沢と岩崎も、笑いながら隆矢の可笑しな発言を指摘する。
まぁ少しの勘違いなら、人間誰しもあるものなのだが…
「ん、そうか……そうだったな!まぁやりたい事はいつでもやりてぇよな!」
俺が知っている限り、コイツは彼此1日6回ほどこんなやり取りをしている。
しかも、テスト期間中ほぼ毎日続いていた。
____そう、この宮嶋 隆矢という男、とんでもないアホなのである。
普段話している時も、やたらうるさい奴だった。
いつもバスケか、何か訳の分からない話題しか聞いた事がない。
話題と言っても、好き勝手に熱弁して気付いた時には何処かに消えている。
とりあえず、終始何が言いたいのか理解不能なのだ。
要するに、この男、ただのアホ…スポーツアホなのである。
「そう思わねー?悠牙?」
「ん?…あー、そうだな。」
なぜか話を振られ、適当に返事して流す。こういった変なノリは、流すに越した事はない。
「何つーか、俺にパズルは向いてねーや、ハハハハハ!!」
____いやいきなり何の話だよ。
バスケから急にパズルの話か。いつ切り替わった?
こういう事があるから、隆矢は色々と面倒というか、侮れない。
そんな時、
「おーい」
突如、不思議そうに呼びかけたのは、岩崎だった。
「お、どうしたんだ?」
「何かお宝でもあったかー?」
俺たち3人は、岩崎の元に駆け寄っていく。
彼の手には、何やら怪しげな冊子?的な物が握られていた。
表紙には、ギリシャ神話にでも出てきそうな、天使と悪魔の絵が乱雑に描かれている。
題名と思われる文字らしきものは、見た事のない記号だった為、読めなかった。
「何か、この辺掃除してたら出てきたんだけど…」
「誰かの落し物かな?中も変な記号で読めねー。」
「でも今頃、こんな感じの本なんて、古本屋でも売ってなさそうな感じだよな…」
「んな事より部活行こうぜ?」
みんな口々に、自分の思った事を思い思いに口に出す。
まぁ、約1名変な奴がいるが、それは置いておこう。
「じゃあさー……悠牙、持って帰ってみてよ。」
1分経つか経たないかで、なぜか俺が持ち帰ることになった。
「いや何で俺なんだよ!?放置って選択肢は無いのかよ!」
「「無い」」
「んな事より部活行こうぜ?」
ナンテコッタ、下手に扱ったら呪われそうな紙の束を。
よりによって俺が?あと隆矢、何回言うねん。
「岩崎、見つけたお前が持って帰れよ。」
「いやぁ、そこは主人公の悠牙さんに。」
意味不明な理屈で、俺に冊子を押し付けてくる岩崎。
というか主人公とか言うんじゃない。メタいし読者が混乱する。
よし、この冊子は溝にでも捨てるということに_____
「んじゃ掃除も終わったことだし、今日のところは解散としますか。」
いや冊子はどうするんですか?俺持ち帰りたくないんだけど。
「そうだな、まぁお互いテスト勉強頑張りましょうって事でな。」
いや、だから冊子は?
「じゃ、おつかれしたー!」
「もう部活始まってねーかな?」
「だから今テスト…もういいや疲れた………」
しばらくしないうちに、彼らは何事も無かったかのように、逃げるようにして去っていく。
教室には、俺1人だけがぽつんと取り残された。
「何て薄情な奴ら…」
聞こえるはずのない独り言を吐いたが、不思議と失望はしなかった。
こういう事には、無意識に慣れていたのかもしれない。我ながら恐ろしい事だ。
俺はしばらく、押し付けられた冊子をじっと見つめていた。
「…………」
見れば見るほど、畏怖の念が湧いてくる。
マジで怖いんだが。もし死んだりしたらシャレにならんぞ。
……バカバカしい、どうせただの落書きだろ。
そう思い込む事にし、俺は教室を後にした。
本当に今日は、いろんな意味でどっと疲れが出てきたな。
帰ったら何よりも真っ先に寝よう。そうしよう。
俺は小さく欠伸をしながら、校門を通り抜けて帰路に着いた。
____この後____あんな災難が降りかかる事になるとは知る由もなく……。
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