コメディ・ライト小説(新)

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下書きだらけ
日時: 2018/10/07 03:04
名前: モズ



【意味を為さない目次】

「」>>1-2
「」>>18-19「」>>20「」>>21-22「」>>34-35>>37「」>>43>>45>>49-50「」>>62-64
「」>>69-70「」>>75-76「」>>84-86>>89-90「」>>96-99(不可)

「」>>160-162 途中
「」>>163
「」>>165
「」>>166
「」>>167
「」>>168


「」>>170 続く
「」>>171 供養
「」>>172

 初心を忘れずにごろり寝転んで初心者ぶって書く場所、
珠に溢したくなる、仕方ないやろ、なんてな。

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Re: 下書きだらけ ( No.168 )
日時: 2018/09/15 12:41
名前: モズ ◆hI.72Tk6FQ




 『』


 暗がりの道、街灯だけが固定された光であり確実な光であった。途切れることの無い、光だ。
時折、ライト瞬く車が蠢いては過ぎていくがそんなのは確実な光とはならん。
確実な光、月下、星、そして街灯の元。無表情なコンクリ壁に体重を傾ける少女が居た。
フードを被っているため表情やらは伺えないが、確実な光は真実を届けてくれた。
突き抜けるように鋭い光が俺の眼を突く、目を凝らして見るとその原因は鋭利な刃物だった。
彼女からは死角、であろう角に潜みながら彼女を観察していた。
どうして見ているのか、と聞かれても理由なんて無いのだから答えように困る。
興味があったから、それをせめてもの理由に上げておこうではないか。


 「どーしてだっか、そんな刃物なんて持ってんだかな」


 思わず俺は呟きを漏らす。奴は確実に刃物、凶器になりうる物を所持していた。






































保存、修正

Re: 下書きだらけ ( No.169 )
日時: 2018/09/14 23:39
名前: モズ ◆hI.72Tk6FQ

 『』



 暗闇に打ち上がる色鮮やかな花火が目の前の景色を、僕らを彩っていく。花火色に。
下を覗けば祭り提灯がほんのりと灯され、各々が浴衣やらカジュアルな服を纏って砂利を踏み締めて歩いていく。
中には花火を見上げて立ち止まったり、屋台で遊んだり買ったりする者も当然居るわけで。
まぁ、そんな彼らはそこから少し離れた所から登ることのできるこの石階段には見向きもしないのだろう。
 後悔はしているのか、ともう一人の僕が問い掛けてくる。居る筈も無い存在だと言うのに何様だ。
それに対して端からは独り言、僕から見たら僕への返答をする。

 「嗚呼、今のところはしてない。人の笑顔をぶち壊すのは楽しいよ」

 今の僕はどんな表情をして居るのだろう。自然と笑えている、そんな気がする。
下にある素敵なものを見つめながらそれからしゃがんで近付く。
そうだ、と思い出したようにそれを持ち上げて運んでいかなければ。
 石階段を登る。一段一段がそこまで高くないお陰で楽に登ることが出来るのは有り難いことだ。
まだ軽くなったとはいえ、決して重くない訳ではない荷物を抱えて歩くのは大変だ。
足首に巻き付くように触れる草が擽り痒いがそれを我慢して歩き進める。
今日で全てを終わらせる予定が狂ってしまうんだから気にしている暇なんて無いんだ。
自然に何を言おうと無駄なことくらい分かっていても心はそれさえ漏らしてしまう。
 それから暫く、時間にして20分程。目的地に到着したことに気付き、安堵の息を漏らす。
荷物を下ろして自分も腰を下ろす。まだまだ若いのに爺のような声を出してしまった。
日頃の運動不足が祟ったのだろうか、きっとそうだろう。
それから荷物を何度も確認しながら此処からでも見える花火を鑑賞した。
いつも屋台の方で見る花火とは全然違う景色に僅かに驚くばかりだ。
人の群れに、温度に邪魔されることなく自分だけの空間で花火を観ている。
視界に何も障害物の無い、目の前には夜空、打ち上がる花火だけが映されている。
 花火を観ていたら荷物のことを思い出してしまった。嫌なもんだ。
毎年お馴染みだった花火をすっぽかすなんて、ぼくが一体何をしたって言うんだ。
問い詰めても何も教えてくれなかった君が悪いんだから。君が悪いんだ。
 もう、良いや。荷物を解体して仕舞わないと。
水色の生地に金魚が愉快に跳ねている浴衣、それから赤い帯。
元々はそんなものが所々に赤黒い点が跳ねたり、染み込んでいるじゃないか。
それから一箇所にはやたら大きな血の痕が残っている。細長い穴も幾つかと。
 横暴だって言われそうだ。たった一言で勝手に想像して君を殺したんだからね。
毎年お馴染みだった花火をすっぽかした君を根拠なく疑って殺したんだから。
もしかしたら僕が気付かない内に彼氏を持っていたのか、とか僕を嫌いになったのか、とか。
君から僕は害虫のように見えていたのかは知らないが、
訳さえ教えてくれずに僕と行くことを拒否して、一人で花火に行くなんてずるいよ。
きっと、僕は君に恋してたのだろうか。だから、こんな風に感じてしまったのだろうか。
嗚呼、生きてない君を見ている内に僕がとても愚かだったと思ってしまうではないか。
鋭利な刃物で浴衣を、皮膚を、血管を打ち破られた感覚は想像しがたい。
それなのに笑顔で居る君は何なんだ、遠くに本命が見えたからか。
そもそも僕の事なんて眼中に無かったのだろう、それくらい当たり前だ。
 どうして殺すことは容易いのに笑顔の君を土に投げ入れる、ことが出来ないなんて。
子供用スコップを持ってきていたが、それは無駄足になってしまった。
何故君を土に埋めることが出来なかったのか、体が動かなかったのかは分からない。
結局、死んだ君でも僕は君の虜だったから、まだ最もらしい理由を挙げるならそれくらいだ。
 これからどうしようか、と迷い続けていたのだが大した答えには辿り着かなかった。
僕が君を殺したことは事実で過去に戻ってその事実を変更するなんて某青狸でも居なきゃ、無理だ。
殺してしまったんだ、殺してしまったんだ、君を。
花火に照らされ、僕らはどのような表情をしているのだろうか。
僕は笑い、君も……苦しい筈なのに笑ってるじゃないか。
君が、あんなことさえ言わなきゃ。僕は君を殺さなかったというのに。君は不幸だ。






Re: 下書きだらけ ( No.170 )
日時: 2018/10/07 03:02
名前: モズ ◆hI.72Tk6FQ

 『高一』4/##~


 私は気付かない内に色んなことを知っていった。少なくとも中学の頃よりも成長はしていると思う。
そんな私を認めてくれる人が少なくても私にとっては沢山居るんだから。


 四月の始めだというのに桜はさっさと散ってしまい、
歯抜けだらけの桜の木を見上げながら私は駆け抜けていく、道路を。
高校生活初日、自転車で学校へ向かう。まだ走り慣れない道を不安げに行く私。
道の途中で真新しい、キラキラと輝くランドセルを背負う小学生、
セーラー服に心ときめかせる中学生の女の子らが背景として映る。
彼らが抱くのは期待、そして希望なのだろう。
中学生の子とはそこまで年齢差は無いというのにそんなことを考えてしまう自分にため息が出る。
私には学校というのは一つのダンジョンのようなもので大変で苦しいものにしか思えない、と。
地味で可愛くも美人でもなく、性格が明るいわけでもないから誰かと行動するというのが多くなくて。
むしろ人と関わるのが苦手で直ぐに緊張して、とパーツを並べていくと私は本当に悪い子だ、と思ってしまう。
数少ない友達もつい最近までは傍に居たのに、高校ではお別れ。つまり私は一人だ、もう慣れたことだが。
花びらの無い桜のように何かが抜けたような私は校内の駐輪場に到着し、自転車を停める。
一人で知らない教室へ向かわねばならない、孤独感が私の心に犇めき、闇で染めて、表情をすんと暗くさせる。
新学期に似合わない顔、そして気持ちを抱えたまま目当ての教室へ向かった。


 「ねぇ、しーちゃんと同じクラスなのかな?」


 「どうなんだろ、同じだと良いね!」


 羨ましい声が指定された私の席の傍から聞こえてくる。
席順はどうやら出席番号順らしいが、まさかこのクラスのままなのだろうか。


 「隣の教室に居たポニーテールの女の子、滅茶苦茶可愛くなかった!?」


 「うん、そうだねー。でも洸、誰にでも惚れやすいのはどうにかしないとまずいよ」


 何とも賑やかな声が聞こえてくる。孤独じゃないから虚勢を張れる。なんて内心で愚痴を吐いてみたけど、
それは孤独でしかない私の敗北宣言のようなものだ、私は一人なのだから。
そんな暗い気持ちを抱えて入学式が、そして始業式も始められようとして居た。
 誰かも知らない先生が生徒を席に着かせると隣には一人の女の子、内なる美しさを秘めた女の子だった。
各集団ごと、計4ブロックに分けられ、四列ずつ並んでいく。私は丁度端っこだった。
後ろに上級生が居るのに少し緊張してたけど、隣の子の一言でそんなの吹き飛んだ。


 「貴方、誰かは知らないけど宜しくね」


 緊張というより不安が吹き飛んだのかもしれない。私なんかに話しかけてくれる人がいるんだって。


 「あ、はい、宜しく御願いします」


 私の口から出た言葉を聞いて静まる体育館とは反して彼女はクスクスと笑っている。
隣のブロックの生徒が気になってこちらを見るも、私の隣の彼女に目が向き、慌てて逸らしていた。


 「また、後で話しましょ?」


 「あ、はい」


 謎の期待感を抱えたまま、式が始まっていった。高校とは何たるもの、という校長の長々しい話、
生徒代表がただ高校生活を語っていくもの、吹奏楽部の演奏コーナー、他にも色々。
新鮮味が無いなぁ、と思いながら見ていたのだがそれは周りも同じ様らしく、背中を丸めて前屈みになる者、
友達同士なのかこそこそと喋る者、髪の毛を弄る女子が居たり、飽き飽きしている人も居るようだった。
 最後に生徒会長の言葉、という名目で出てきた人物に女子のハッと息を吸う声が聞こえてきた。
少しざわさわとした体育館だったが、暫くすると彼だけに注目を集めるように静寂に包まれてしまった。
先程まで髪の毛を弄っていた彼女も目を点にして彼だけを見ていた。
つまり、生徒会長がそれなりの顔立ちだった訳だが、私も隣の彼女も大した反応はしてなかった。
 式典がすべて終了し、教室へ向かうために廊下はごった返す。
何せ、一斉に生徒が我先にと狭き道を通ろうとするのだから、滞るのも仕方あるまい。
それからその流れに無理矢理押し込まれ、流されてる最中。誰かに肩を叩かれた。


 「一緒に教室に向かいましょ?」


 彼女が差し伸ばす白くもキメ細やかで私なんか触るのがおこがましい手を掴むと。
彼女は私を強引に引き寄せ、すいすいと道を抜けていった。
誰かが道を空けている訳でもなく、彼女が体をくねらせて道をすいすい抜けているだけだ。
とはいえ、連れられた私もすいすいと抜けられて教室にはあっさりと着いてしまった。
正直な感想、彼女は何者なのだろう。とさえ、感じた。
二人きりの、暗がりの教室。式典中の先生の話によると集合したクラスがそのまま今年のクラスになるそう。
つまり彼女とはクラスメイト、そんな彼女と二人きりである。
 窓際にて、さわさわと風が遊ぶように彼女の真っ黒で艶やかな髪が揺れていく。
彼女の席は窓際なんかではなかったが、別にそんなことはどうでも良かった。


 「そうね、お話をしましょう」


 彼女がそう口を開いたなら従うしかない、クラスメイトになる存在なら尚更。
勝手に彼女へ良くない印象を抱いていたが、それは妄想だった。


 「私はさぎさわひさぎ、貴方は?」


 「坂口蒼です、宜しくお願いします」


 彼女に聞かれた通り、名前を答えそれから礼をした。
すると、またクスクスと笑い声。まだ誰も来ていないのが不思議だった。


 「私なんかに敬語だなんて。それに律儀に礼なんてしなくて良いの。
だってクラスメイトだしそもそも同級生なんだから」


 楸、聞いたことのある単語だったけど何だったかなぁ。
脳内に問い掛けてみたが、反応は薄い。
漢字は思い出せても秋っぽいなぁ。という微妙な情報しか入ってこない。
そこから人がぱらぱらと教室へ入り始め、一瞬彼女のことを見ながら話しているクラスメイトが見えた。


 「蒼、私のことは嫌い?」


 「嫌い、ではないです」


 いきなり、この人は何を聞いてくるんだろう。
ほぼ初対面、何も知らないのに人を嫌う人間だと思われてしまったのだろうか。
もし、そうだとしたら私の高校生活は此処でthe end なのだが。


 「私は人として蒼に興味がある。だから友人でいさせて」


 もう一回、心の中で言わせてもらう。この人、何を聞いてくるんだろう。
人として興味がある、だから友人でいさせて。どういうことだろう。
ほぼ初対面の人間にそんなことは言うべきではないと思う。
とはいえ返答をしないわけにはならない。


 「……前半の言葉はよく分かりません。後半の言葉は認めます」


 私なりに正直に話したつもりだ。
そして友人が居ない高校生活が始まるのは困るから、そう答えた。
彼女の顔をじーっと見ていたが、彼女は学年でも数少ない美人の部類に入る人間だと思う。
クラスメイトがちらちらと彼女のことを、知らない誰かが覗き見ていたのも納得が行く顔。
対して私は地味、というか空気みたいな存在。この学校なら尚更。
今更ながらにどうしてこのような存在が彼女に興味を持たれたのかが疑問だった。


 「ねぇ、私の名前、呼んでくれない? 楸って」


 私の返答に一切関係ない話題を投げ掛けてきた。
名前を呼んで、ってまだ初々しい彼氏と彼女か。とツッコんでおいた。心中で。
その言葉に私は声を出すなんかせず間抜け面して頷くことしかできなかった。


 クラス、というものが私は好きではなかった。理由は簡単、人間だらけだから。
そもそも人間と話すことが得意ではない私にとってそういう環境自体が苦手だった。
それに学校は何をする、無理矢理にでも協調させようだの一緒に楽しめだの。
私にとって数少ない友達もそういうのが苦手な、いわば同類であったから仲良くなれただけなのだ。
一人でいるのが嫌だから、一人だと可哀想って思われちゃうでしょ。
誰かが提言した訳でもない。けど、自然とそういう流れが存在しているのが学校。
友達が居ない一人ぼっち、力も人望も何にもない。周りには孤独のみ。
それを避けるために同じ利害を共有していた、それだけなのかもしれない。
それでも会話をしていたし楽しくなかった訳ではないから完全に否定はできない。
 つまり、私にとって鷺澤楸とは異分子、というかぶっ飛んでいるという認識である。
折角話し掛けてくれたのは嬉しいのだが、彼女のようなコミュ力カンストしてそうな人間とは面識が殆ど無い。
未経験、接し方が分からない。一般的な人間の価値としては高値なのだろうが、私にはそれは分からない。


 今日はホームルームだけで終了とのことだった。まぁ、知っていたが。
私の席と鷺澤さんの席は前後の関係、とても距離が近かった。
やはり彼女にはオーラやら何かしら見えない何かがあるようで私が苦手な派手なグループが彼女に興味を持っていた。
他のクラスだろうお調子者らしい男子が覗き見をしていた。きっと彼女を見ていた。
担任となった20代なのに童顔な女性職員が解散、のよう旨を伝え教室を出ていくと肩をポンポンされた。
誰かは分かっていたからゆっくりと振り返ると、


 「蒼、一緒に降りよう?」


 満面の笑みでそう声をかけてきた。それを見つめる一部の女子、男子の視線が痛かった。






Re: 下書きだらけ ( No.171 )
日時: 2018/09/30 23:23
名前: モズ ◆hI.72Tk6FQ



※過去放置物にて応募してもらったキャラの供養もしています。
お三方、本当に申し訳ありません。



 恋とは、何だろう。何も知らない、無垢な少女は友人にそう問いかけた。
すると、友人は頭を抱え、悩みながらもこう答えた。

 「言葉で表現するのは難しいけど、胸が温かくなったり痛くなったりするんだよ」

 そんな友人の言葉を聞き付けた誰かが少女に新たな言葉を投げ掛ける。

 「恋とは誰かを好きになることで生まれる感情、簡潔に言えばそんなもんじゃないの?」

 どれも間違ってはいない。というより、恋とは何なのか。この問いに正解はあるのだろうか。
その後、少女はネットを駆使して調べてみたが正確な答えは出る筈も無かった。
恋、とは何とも語れない不思議な感情。少女は最終的にこう纏めて脳内に記憶させることにした。
曖昧、具体性がまるでない解答。だが、これも間違いではないのだろう。


 そんな少女時代はもう終わり、気付いたら高校生になっていたのだ。
華のJK、華の十代、青春時代とか、大人が勝手に付ける謳い文句、その区間に生きる。
高校生になり見た目は大人に近づいていても未だに恋は知らない心は少女。
 周りには無垢だね、純粋だね、ピュアだね、と言われ続けた。どうしてだかは分からない。
でも皆揃ってこう言うのだ。


 「恋もしたことはないし、考えはピュアなんだよ」


 大体こんな内容だったと記憶している。私は少し真面目でそれ以外は至って普通の人間なのに。
幼い頃からの疑問、恋とは何なのか。これも未だに解けることはなかった。
それでも周りの女の子、それに男の子は恋というのを頻繁にしているようでそういう話も私の耳にも入ってくるのである。


 「ねぇ」


 前の席、北山さんに声を掛けた。彼に声を掛けた理由は彼が私の前の席だから、これしかない。
私の一言を聞いてくれたのだろうか、北山さんが面倒臭そうな顔をしながら振り向いてくれた。
友達のゆきちゃんによると北山さんは学年でも結構人気あるみたいだよ、って笑顔で教えてくれた。
それを見て私なんかより遥かに真面目な里穂ちゃんはその情報は知らないらしく、顔面が恐怖に染まってた。
理由は何となく分かった。

Re: 下書きだらけ ( No.172 )
日時: 2018/09/30 20:18
名前: モズ ◆hI.72Tk6FQ



 『黒嶋さんは眼鏡を取りたがる』

 永遠に冬だと思われた僕に春が訪れそうなのですが、信じられません。
ですが、そのきっかけがあんなことだとあんまり嬉しくないのですが。
簡単に言うと僕はとある女子に気に入られてしまっています。
しかもスクールカーストにおいて群れを為さないのに上位、つまり顔が良いだけの人に。
それも好かれている、それだけなら問題は何もないのです。ただ、問題は……

 「ほら、今日もあの姿を見せてよ……あの顔、好きなんだから」

 「……ここ、学校だってこと分かって付きまとってるんですか?」

 本人無自覚の半ストーカーにでもなっていたこと、でしょうか。
それから周りに人が居ようとそんな風に懇願してくること、ですね。
 当の本人こと黒嶋さんは先程も説明したように顔が良いだけで学校生活を満喫している人です。
上位グループの他の群れを為すだけの派手な女子は黒嶋さんのことを気に食わない人も要るみたいですが、
一部のただ単に人が良い派手な女子は彼女と楽しそうに会話しているのを見掛けました。
他にもそれでいて天真爛漫だから男子にも好かれない筈が無いわけで。
つまり本当に人気者、という表現が似合う人、それが黒嶋さん。
本人意識せずとも人が寄ってくるのが黒嶋さん、そんな彼女に近づかないのが僕であり。
そしてそんな彼女が僕とよく一緒に居る、これは誤解しか生まない。
その被害を減少させるため(とはいえ被害が及ぶのは自分だけなのだが)彼女に忠告をしている。
離れてください、女子と歩いててください、あの顔は虚像ですから、と行っているのにも関わらず。
どうして黒嶋さんは尚も付きまとうのか、僕には一切理解ができなかった。
 もしかして本当にあの事件のことを言っているのなら、忘れて欲しい。忘れてくれ。



 あの事件、これは一月前のお話である。
とはいえ誰にも誤解をして欲しくないのだが、元凶も何もかも黒嶋さんである。
つまり僕の学校生活を乱したのは完全に黒嶋さんである、ここが大事である。
そして本人はそのことに一切自覚がない。とてもまずい事態だ。
 さて話を戻すだが、何が起こったかというと黒嶋さん曰くあの顔、を見られてしまったわけだ。
そもそもお互いに同学年ではあるが、住む世界が違うのだからすれ違っても顔を見ることさえ無かった二人。
九月に入り肌寒くなってきた時期の話、僕は空き教室にて睡眠を取っていた。
これだけの文章だと僕に対する印象が悪くなってしまうから言葉を付け足して補足をしていこう。
相当眠くなるであろうこの時期、僕は放課後、倉庫状態の空き教室にて睡眠を取っていた。
つまり寝てしまうのは仕方なかったし、人が来ることはあり得ないと踏んでいた場所で寝ていたのだ。
実際、テストが近付いてきていて数学にて演習を繰り返していたら刻々と時間は過ぎていくのだ。
だがそこに何故か黒嶋さんが侵入、そして何を思ったのか僕の眼鏡を、命とも呼ばれた眼鏡を取られたのだ。
それからは何者かが居る雰囲気、声、何だか温かい空気に違和感を覚えながら寝ていたのだと思う。
それから暫く、僕が完全に意識を覚ますと目の前には僕の眼鏡を掛けた黒嶋さんが居たわけで。

 「……え、は? それ、僕の眼鏡……って僕の眼鏡返してくだ」

 僕の悲痛な叫びを無視して黒嶋さんは喋りだした。

 「ちょっと、動かないで」

 その言葉で動きを止めてしまった僕、とても良い奴とか思いながら待っていると、
パシャ、という嫌な音が聞こえてくるではないか。

 「今、何したんですか」

 「眼鏡を取ったあなたの写真を撮ってたの、可愛かったから」

 厳密には黒嶋さんに取られたことにより眼鏡の無い、僕の写真だろ。と思ったのだが。
そんなのお構い無し、のようだった。
そんな風に語る黒嶋さんの表情は見るからに「どうして止めちゃうのよ」とか言ってそうだ。

 「ねぇ、誰かは知らないけど。眼鏡なんて止めたら?」

 「……視力が悪いから眼鏡は掛けているんですけど」

 名前ばれを防ぐために名前だけは名乗らないでおいた。
ぼやけた視界でも分かったのは黒嶋さんが裸眼の僕の顔に自らの顔を近付けたこと。

 「あの、距離が近くないですか」

 尚、黒嶋さんに肩を掴まれて身動きは殆ど出来ない状態。
動いたら動いたで黒嶋さんに何かさせてしまっては僕の身が無くなるのだから、
動ける筈もなかったのだが。

 「眼鏡じゃなくてもコンタクトがあるじゃない。折角の顔が勿体無いじゃない」

 「そんな大した顔、してないですから。離れてください」

 「分かったわよ、じゃあこの眼鏡は私が掛けてるわね」

 「はいはい、分かりましたよ。勝手に見てれば良いじゃないですか!」

 多分、この言葉が一番まずかったように思える。というか、まずかった。
その日は黒嶋さんの気が済むまでひたすら見られている、という謎の時間だけで終わった。
勿論、眼鏡はしっかりと返してもらったのだが……

 「また、見せてよね? そうじゃないと付きまとうから」

 「それは嫌、止めてくださいよ。僕の学校生活が崩壊するのでそれだけは止めてください」

 こんな会話でも合ったような、気がする。夢だったら、どんなに嬉しいことか。
 これが僕的には事件、黒嶋さんにとっては何かしらであろう事である。



 つまり、とてもヤバい状況なのだ。命とも呼ばれた眼鏡を伊達にして人の視線を避け始めたのもその影響だ。というのに、

 「」






修正するの、最早恒例。


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