コメディ・ライト小説(新)

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彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~
日時: 2017/05/22 18:14
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o
参照: http://From iPad@

■:プロローグの中のプロローグ。



──きっと相手が君じゃない、君に似た他の誰かだったら今みたいな感情は生まれなかったと思う。

いつも僕の横にいて、笑う姿も泣く姿も怒る姿も、珈琲牛乳を飲む姿も……。
全部の君の部分をひっくるめて。


……僕は君が大好きだった。

今ならあの時素直になれずに言えなかった気持ちを伝えることが出来る気がするんだ。

だからもう一度……僕の前に姿を表してくれないか──?



*

「彼女+僕=珈琲牛乳。~bitter&sweet~」
>>1

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Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.36 )
日時: 2018/02/21 19:37
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o
参照: http://From iPad@

~3~

■:第1話 「復活」

「城本環、今日から完全復活」
そう言いながら、片方の手は腰に当ててもう片方の手で自信満々に珈琲牛乳を突き出してくる環は、僕のよく知っている環だったけどしばらくここで会わなかったせいか、随分と別人のように感じた。

「良かった」
「……寂しかった?」

後ろからグイっと僕の顔を覗き込む環の表情はこれでもかというくらい、嬉しそうで「あぁ、遊ばれてんな」と感じるような──そんな表情だった。

「別に」
「そっかー。 私はずっと退屈だったし、寂しかったけどな」
ズコーっと音を立てながら、環は珈琲牛乳を飲んでいる。

「……ねぇ、やっぱり寂しかった?」
「ん。 まぁ寂しかったかな」
つっぱってそう言うと、素直じゃないなぁと笑われた。
──今のは完全に言わされたと思う。


「また授業受けにきなよ」
沈黙が続くと、気まずいので僕は何とかして言葉をかけた。
妙に間が空いて変な感じだなと思い、環の方へ視線をうつすと若干困ったような顔をして考え込んでいた。
困ったり、笑ったり……ほんの少しだけ目を伏せて悲しそうにしたり、コロコロと変わる環の表情に追いつかない。

「まぁ……君の頼み事ならば聞いてあげないことも、ないかな」
「珈琲牛乳おごるから……」
「よし決まり」
やっぱり環にとって、珈琲牛乳に勝るものはないらしい。
簡単だ。──だんだん環のことが分かってきたような気がする。


*


学校が終わり、帰宅後。
僕は特に見たい番組があるわけでもないが、テレビ画面をボーッと見ていた。

とあるドラマの3話が流れていた。
クラスで結構話題になっているが僕はもともと見ていなかったので、展開についていけない。

仕方なく電源を切って、ソファに勢いよく座った。


──喉乾いた。
冷蔵庫を開けると、自分でも買ってみた珈琲牛乳があり、明日学校に持っていこうか迷いつつ手に取った。

ふわっと口に広がる甘さとほろ苦さ。
何だかんだ、環に珈琲牛乳の良さを教えてもらってから自分でも買うようになり、今ではお気に入りの珈琲牛乳まで見つかった。


たかが珈琲牛乳──されど珈琲牛乳。
自分にとってこんなにも大切なものになるとは思いもしなかった。

Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.37 )
日時: 2018/03/13 23:07
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o
参照: http://From iPad@

■:第2話 「仲間」

「じゃあまた城本さんに授業受けに来て、って新羅くんから伝えておいてよ」
「うん、わかった」
教室。学級委員の佐久間と、日向に僕は環がしばらく屋上にいなかったがまた復活したという話をした。

「いやー、でも本当にここまで環と壮馬が仲良くなっちゃうなんてなぁ」
日向は感慨深そうに腕を組みながら、うんうんと頷いているが内心はやっぱりからかっていると思う。
佐久間が日向に僕をからかうな、と注意している。

何かと学校では屋上で過ごしている割合が高いけれど、席が近い今だけの付き合いだろうと僕は佐久間や日向を勝手にそう決めつけていたが席替えを行って離れた今もこうして、ほぼ1日に1回はこうして言葉を交わす仲になった。


「あ、そうだ。 今度さみんなでどっか行かね?」
誘いは唐突で日向の何気ない一言で、僕も佐久間もほぼ同時に「え」と言って、パッと日向の方へ顔を向けた。

「まぁ3人でも俺は良いけど、蒼はきっと気にするだろうから環でも誘って4人でどっか行かねー?」
さっきよりも具体的になった。

「僕は別に良いけど、環来るかな」
多分佐久間もそこが1番引っかかっているんじゃないかと思い、そう言いながらちらっと佐久間へ目をやったが考えは的中だったようで不安そうに頷いた。

「そっかー。 じゃあここは誰かしら他の女子を誘ってみるか!」
ここで「じゃあ今回は一旦お預けで」とならないところが僕と日向の差だと思う。

教室にいる女子に声をかけに行く日向の背中を見ながら、僕は横にいる佐久間に話しかける。

「行くことになったとして、都合とかは大丈夫なの?」
「まぁ。 土日は基本図書館や塾で勉強だから」
……さすがは委員長。学校以外でも規則正しい真面目な生活を送っているらしい。

「あと少しでテストだけど、範囲内の勉強は結構順調だからここらで1つどこか遊びに行ってもいいかなって思って」
そう言っているものの、表情を見るとかなり楽しみにしているように見える。



月出ひだちさん、良いって言ってくれたー!」
バカでかい声だ、と思ったら日向がそう言っていて横に月出さんがいた。
──ちなみにあまり話したことはないけれど、月出さんは俺と隣の席だ。

「よろしくー」
不思議な感じで、ふわふわした感じの人だがよくこんな誘いを引き受けてくれたなと思った。

……こんないきなりの展開に戸惑ってはいるが、どうやら行くと決まった今は楽しくしたいという気持ちが大きくなっている。

Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.38 )
日時: 2018/03/29 02:33
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o
参照: http://From iPad@

■:第3話 「不意打ち」

昼休み、僕は屋上へ行った。──珈琲牛乳を2つ持って。

「環ー」
いつもの定位置で環は柵に頬杖をついて、景色を眺めていた。
名前を呼んでもなかなか気づかないので、仕方なくすぐそばまで行って肩を叩いた。

「ん……来たなら言ってよ。不意打ちは心臓に悪い」
「呼んだよ」
そう言って、2つの珈琲牛乳のうちの1つを環に渡した。

「気が利くー! 君もだんだん分かってきたね」
嬉しそうな環を見ていると、なぜだかこっちも嬉しくなるのだから本当に不思議だなと思う。

「そりゃどうも」
横に立って、僕も珈琲牛乳にストローを挿して少しずつほろ苦い牛乳を吸っていく。

「……なんか今日、いいことでもあった?」
「いや?……特には」
いいことなのかは分からないけど、今度遊びに行くことになった。──言おうと思ったのに、喉に言葉が突っかかった。
「そっかー。 なんかいつもより幸せそうに見えたんだけどなー」
そういえば、なんであの時……「環来るかな」のあとに「あとで確認してみる」と言わなかったんだろう。

月出さんが悪いんじゃない。
遊びに行こうって言った日向も悪くない。

もちろん環も悪くない。

──でもこれじゃあ何か悪いことをして、隠しているのと同じじゃないか。

こういう時にも「ごめん。実は……」って切り出す勇気もない。
心のどこかで「でも本当は何か隠してる?」って踏み込んで来てくれるのを待ってる。

でも環はきっとこの件に関して、踏み込んで来ないだろうと思う。


「もしかしたら、逆だった? 辛いことでもあったなら、変なこと聞いちゃったよね」
──やっぱり表情だけで相手の気持ちは理解できないね。

小声でそう言って、環は屋上を出ていった。


取り残されたのは僕だけ。
やみくもにストローから珈琲牛乳を吸っていると、空になったらしい軽い気の抜けるような音がした。

手でパックを軽く握り潰す。



──空は青くなかった。 分厚いどんよりとした雲が全体を覆い隠していた。
まるで今の僕の心が映し出されたようで、いい気分ではなかったけれど。

Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.39 )
日時: 2018/05/05 19:16
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o
参照: http://From iPad@

■:第4話 「隠し事」

次の日、教室に行ったら環が席に座っていた。
一瞬何か幻かと思い、目を擦ってみたが
「そんな入口前で強く目擦ってたら、周りにも目にも悪いよ」
日向が僕の手をパッと掴んで入口のど真ん中から端に寄せる。
後ろで入りたくて困っていた人がいたらしい。 ごめん、と言って日向にもお礼を言う。

一連の流れを見ていたのか、環が僕を見てクスッと笑ったのでようやく幻じゃないんだなと確信した。

「壮馬、昨日環に教室来いって言ったのか?」
いや、言った覚えはない……──と急に思い出した。

珈琲牛乳おごるから授業来いと取引を持ちかけたのは自分だということを。

「まぁ昨日じゃないけど」
「すげぇな!」
バシバシと背中を叩く日向。

「それと今ちょっと時間あるから、4人で遊びの予定について話そ?」
そう日向に引っ張られていくと、月出さんと委員長もいた。
──ちょっと環に対する後ろめたさが拭えない。


「……どうかしたの?」
委員長が心配そうに僕のことを見てくる。

「いや! なんでもない。 話そうか」
そこから時間やら待ち合わせ場所やら、色々と決めたけれど上の空でほとんど頭に入らなかった。
見はしなかったもののずっと環が気になって──どうしても気になってしまうんだ。


*

「遅いよ」
昼休み、ムスッとした様子で環が屋上で僕を待っていた。

遅いと言われたって何も約束をしていないのにそれはちょっとひどくないか……という言葉を無理やり飲み込んで
「ごめん……」
と素直に謝った。


つい今朝のことが気になって無言になってしまう。 けれどパンも喉を通らない。

「……4人でどこか行くの?」
どストレート。 パンが変なところに入ってむせてしまった。

「な、なんで?」
「動揺し過ぎ。 別にやましいことじゃないんだから、普通にしてればいいのに。 まぁ興味本位で聞いた、かな」
少し寂しそうに見えるのは気のせいだろうか。

「そう。 今度遊びに行くことになった」
「でも今朝4人で話してる時はあんまり楽しそうに話してなかったように見えたよ?」
……まさかそんなところまで見られてたとは。 しかもそんなふうに見えてたなんて──。

「いや、それはその──」
環が気になって、なんて言ってしまったらまるで環のせいにしているように聞こえてしまう。

「楽しみではあるよ」
あぁ、なんか変な言い方になってしまった。

「今度、私ともどこか行こうよ」
え……と、それは素直に頷いて良いんだよな。 思わぬ嬉しい展開にも怖気づいてしまう自分が情けない。

「うん、行こう」
「じゃあ、予定とかは屋上でね」
ふんわりとした環の笑顔に僕はまた、きっとこの先何度も惹かれるんだと思う。

Re: 彼女+僕=珈琲牛乳。 ~bitter&sweet~ ( No.40 )
日時: 2018/10/29 21:58
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o
参照: http://From iPad@

■:第5話 「意識」

日向と委員長と月出さん、それから僕の4人で出かける日がやってきた。
誰かと待ち合わせして出かけるなんて、すごく久しぶりなことでどうしたらいいのか分からない僕はとりあえず15分前くらいに待ち合わせ場所に到着した。

「……なんか想像はしてたけど、委員長は早いな」
「いやいや新羅くんもね。 あと学校じゃないんだから委員長呼びはやめて」
「んじゃ、佐久間にするわ。日向とか結構時間ギリギリに来そうだな……」
「まあそうなるだろうね。 あっ、月出さんだ」
佐久間が向いた方向に僕も視線を合わせると、そこには学校とは雰囲気が違う月出さんの姿があった。
というか月出さんも佐久間も、学校での雰囲気と違って──何というか大人びて見える。

「ごめんね、待たせちゃったよね!?」
いやいや僕らが早すぎるだけで月出さんは悪くないよ、と佐久間と僕は声を揃えて言った。
「でもすごい今日楽しみにしてたんだ! まさか声かけて貰えるなんて嬉しいよ」
「私も! 月出さんってなんだかよそよそしいから嘉奈かなでいい?」
「じゃあ私も蒼ちゃんって呼ぶね」
……なんだか目の前で、「the女子同士」みたいな会話が繰り広げられている。
なかなか流れについていけず、ちょっと気まずい。
ちなみに僕が急に「じゃあ僕も嘉奈って呼ぶから、壮馬でいいよ」なんて言われたら何を思われるか考えたくもないので黙っていた。
「──なんか新羅くん、難しい顔してるけどやっぱり怒らせちゃった?」
手を合わせながらそういう月出さんに、僕は慌てて
「ごめん! そういう訳じゃないから気にしないで」
と言った。

それから間もなく、日向が着いて僕らは今日の計画を進めるべく目的地へと向かった。

「壮馬、一番乗りだったらしいじゃん」
「それは……」
「いやいや、悪いことじゃないんだから! ただ学校で話してる時は暗かったから、行きたくなくなっちゃったのかなとか俺思ってて……良かった」
「日向、そんな風に見えてたの?」
もしかして佐久間や月出さんもそう見えてたのだろうか。
僕が明らかに動揺したのを一瞬で察したのか、日向は
「多分蒼とか月出さんは、そんな風には思ってないと思うから心配しなくて大丈夫大丈夫!」
笑いながら日向はさらに言葉を続ける。
「もしかしたら俺が思ってるよりも、何なら壮馬が思ってるよりも──壮馬は今日を楽しみにしてたのかもな」
改めて言葉にされるとさすがに耐えがたいものがある。

でも本当にその通りかもしれない。
僕が思っているよりもずっと、僕自身は今日を楽しみに待ち遠しく思っていたのかも。


*#…#*

ご無沙汰しておりました。
生きてます。てるてる522です( ᐛ )و
すっかり寒くなりましたね、夜もすっかりハロウィンですよ。

毎日時間に追われていて、なんだか1人世に置いてかれてしまってる気がしてなりません。

よかった、半年ぶりになるのだけは避けられて幸せです。

byてるてる522


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