コメディ・ライト小説(新)

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《☆人気投票開催中☆》エンジェリカの王女
日時: 2017/09/20 16:33
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10967

初めまして、こんにちは。四季といいます。
今回は更新が遅くなる可能性がありますがご了承下さい。また、本編がシリアスになる可能性があります。
感想・コメント、いつでもお待ちしております。
※この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。

短編集へはURLから飛べます。

それでは天使の物語、お楽しみ下さい♪

《本編 目次》
序章 >>01
第1章 〜天使の国〜
1節 >>02-11 >>14-17 >>20-23 >>28-31
2節 >>32-41
3節 >>46-47 >>50-62
第2章 〜地上界への旅〜
1節 >>64-71 >>73-76 >>80-83
2節 >>84-88 >>90-92
3節 >>93 >>95 >>98-101 >>106-111
第3章 〜未来へゆく〜
1節 >>112-114 >>118-121 >>125
2節 >>128-130


《紹介》 随時更新予定
登場人物紹介 >>63

《イラスト》
ジェシカ >>27
ノア >>49
アンナ >>72
エリアス >>105
キャリー(章叙さん・画) >>94
フロライト(章叙さん・画) >>103

《気まぐれ企画》
【作品紹介】流沢藍蓮さんの作品「カラミティ・ハーツ 1 心の魔物」 >>89
【人気投票】 >>115 (ただいま投票期間中……)

《素敵なコメントをありがとうございました!》
ましゅさん
てるてる522さん
岸本利緒奈さん
羅紗さん
流沢藍蓮さん
ひなたさん
氷菓子さん
アンクルデスさん
白幡さん
チェリーソーダさん

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Re: 《☆人気投票開催中☆》エンジェリカの王女 ( No.126 )
日時: 2017/09/19 09:22
名前: チェリーソーダ

四季さんどうも!
人気投票!まってました!

一位 アンナ
二位 ヴァネッサ
三位 エリアス

これですかねぇ。
ヴァネッサ、結構好きなんですよ~
なんかアンナと話してるとこ見ると、微笑ましいです笑
やっぱいいですね!
(よく分からんけど納得)
これからも更新楽しみにしています!

Re: 《☆人気投票開催中☆》エンジェリカの王女 ( No.127 )
日時: 2017/09/19 09:44
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

チェリーソーダさん
投票ありがとうございます♪ ヴァネッサ、気に入っていただけて嬉しいです!
これからも遅いですが更新していきますね。改めてありがとうございました!

Re: 《☆人気投票開催中☆》エンジェリカの王女 ( No.128 )
日時: 2017/09/19 14:29
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

92話「彼女は敵だ」

 悪魔が攻めてきたことを知らせに来てくれたツヴァイと、緊迫した空気が流れる中で話していた。
 直後、カシャァンと甲高い音をたてて部屋の窓ガラスが割れた。もはや原型を留めていないぐらい粉々に。
 突然のことで呆気にとられていると、そこからコウモリに似た小型の悪魔が大量になだれ込んできた。気持ち悪いぐらいの多さ。目視で数えてみたところ五十匹——いや、百匹はいる。
 エリアスは即座に私を庇うように前へ出た。
 聖気をまとった長槍で小型の悪魔たちを一気に追い払う。奇跡的に残った悪魔も、二振り程度で完全に消滅させた。雑魚悪魔相手なら余裕か。
「親衛隊が片づけるのではなかったのか」
 光の速さで悪魔をすべて消滅させたエリアスは、ツヴァイを冷ややかに睨む。
 まるで敵を見るような目。長い睫が威圧感を加える。私が向けられたら失神してしまいそうな、そんな目つきだ。
「まさか……嘘を言ったのではないだろうな。もしそうなら容赦はしない」
 エリアスはツヴァイのことを疑っているらしく、長槍の鋭い尖端をツヴァイへ向ける。数秒で首を落とせそうな位置に尖端が待機する。
 武器を向けられ慌てて「嘘じゃないっす」と否定するツヴァイに、エリアスはねっとりとした疑惑の視線を送る。
 まぁ、ツヴァイが親衛隊が片づけると言った後の襲撃だもの、疑ってしまうのも無理はないわ。エリアスはそもそも最初からツヴァイをあまり信用していないみたいだし。
 私はツヴァイを疑ってはいないけれど、エリアスを制止するほどではない。このまま放っておいても、エリアスは根拠もなくツヴァイを殺めたりはしないはずだ。少しでも戦力がほしいこの状況下なので尚更。
 そんなことを思って様子を見ていると、青ざめたレクシフが走ってきた。かなり全力疾走したのか、呼吸が荒れ肩が上下している。
 親衛隊員でも呼吸が乱れたりするのか、と少し意外だった。
「おー、レクシフ。どうした?」
 ツヴァイは軽く片手を上げ、いつものように挨拶の仕草をする。
「どうしたではありません!親衛隊が……ほぼ壊滅しました」
 ——壊滅?
 エンジェリカ中から選りすぐりの強い天使を集めている親衛隊だ。普通の天使では入隊するのすら不可能に近しいと言われている。その親衛隊がやられたなど何かの間違いではないだろうか。例えば誰かが流した悪質な噂とか。
 とにかく、そんなこと、ありえるわけがない。いくらカルチェレイナでも親衛隊員全員に同時にかかられて勝てるほど強くはないだろう。この世にそんな者がいるとすれば化け物だ。
 だから、私たちはただ愕然とする外なかった。
「……まじかよ」
 やがて沈黙を破りツヴァイが漏らす。さすがの彼もいつものように軽いノリではいられなかったようだ。
「カルチェレイナたちがこちらへ向かってきます」
 ようやく呼吸が整ったレクシフが報告する。
 彼の報告によれば、主力はやはり三人らしい。カルチェレイナと、ヴィッタとルッツ。それは予測の通りである。
 しかしまだ信じられない。あれだけの戦闘力を誇る親衛隊が「ほぼ壊滅」だなんて。

「……え?」

 刹那、何かが一瞬煌めいた。そして大爆発が起こる。近くにいたヴァネッサが覆いかぶさるように私を抱き締める。
 鼓膜を突き破るような轟音、飛び散るあらゆる物の破片。煙の匂いが漂う。
 私が目を開けた時、部屋は半壊していた。
 そして、むこうから歩いてくる影が目に入る。
「キャハッ!こっぱみじーん!」
 一番に聞こえてきたのはヴィッタの甲高い声。一言聞いて彼女だとすぐに分かった。
 エリアスは鋭い表情になり長槍を構える。
「わざわざ来てあげたわよ」
 水色の長い髪、彫刻のように均整のとれた顔立ち、そこに浮かぶ不気味さすら感じさせる笑み。人間離れした容姿の彼女は間違いなくカルチェレイナだった。
「天界に来るのは初めてだったものだから、ルッツがいなければ今日中に着けないところだったわ」
 ……方向音痴なのかな?
 だが今はそんなことを考えているほどの余裕はない。一歩誤ればいつ殺されてもおかしくない状況なのだ。
「エンジェリカの王女……決着をつけましょう。今日あたしは貴女を殺す。その忌々しい力諸共王女を消し去って、四百年に渡る憎しみを晴らす」
 カルチェレイナの唇から溢れる言葉は、もう四百年前のエンジェリカの王女への憎しみではなくなっていた。彼女は今、私を憎む対象としているのだと分かった。
 彼女が持つ、ずっとやり場のなかった憎しみという感情の矛先は、私に向いている。彼女はもう普通の友達だった頃のようには笑ってくれないだろう。
「……さぁ。あたしの復讐の幕開けよ」
 向けられたのは、憎しみに満ちた黄色い瞳。彼女はもう二度と私をアンナとしては見てくれないのね。
 私は心のどこかで無意識にまだ信じようとしていたのかもしれない。「話せば分かってくれるかも」と。
 だが今はもう微塵もそうは思わない。
 彼女は——敵だ。

Re: 《☆人気投票開催中☆》エンジェリカの王女 ( No.129 )
日時: 2017/09/20 01:20
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

93話「役立てる嬉しさ」

 カルチェレイナは口元に怪しい笑みを浮かべたまま片手をそっと掲げた。
 どうやらそれが合図だったらしい。
 ルッツはおどろおどろしい大剣を持ってこちらへ迫ってくる。
 同時に、ヴィッタはその場に立ったまま両手を広げる。すると三体の大型悪魔が地面をメリメリ突き破って出てきた。ジェシカを救出するため魔界へ行った時に見た大きい悪魔と同じ類いのものだ。
 接近してくるルッツの前に立ち塞がるエリアス。
 できればエリアスをルッツと戦わせたくなかった。堕ちて天使じゃなくなっているとしても、同じ血が流れている二人だ。殺しあうなんて辛すぎる。
 槍と剣が交わり、鋭い金属音が宙に響く。
 エリアスとルッツは互角の戦いを繰り広げる。今日は、エリアスの槍の扱いに迷いがない。一切躊躇っていないように見える。
「邪魔すんな!デカブツは引っ込んでやがれっ!」
「口が悪いですよ、ツヴァイ」
 ツヴァイとレクシフはヴィッタ率いる大型悪魔たちと戦っている。大型悪魔たちもなかなか善戦しているが、ツヴァイとレクシフのコンビネーションの前には無力。
 ツヴァイは短剣と肉体で近距離、レクシフは自由自在に動く鞭で遠距離。お互いに弱点をフォローし合いつつ戦っている。
 しかしヴィッタは大型悪魔を次々作り出す。きりがない。
「ルッツ……お前は私が仕留める!」
 エリアスは一歩踏み込み、積極的に攻め込んでいく。いつもと違って今日は彼が攻める側。戦いを有利に運んでいる。
 このままいけば案外勝てるのでは、と思った。
 ——しかし。
 ヴィッタの赤い稲妻がエリアスに当たる。予想外の方向からの攻撃に反応が遅れ、まともに電撃を浴びてしまい、エリアスは顔をしかめる。
「……ぐっ!」
 その隙をルッツは見逃さない。大剣を半ば殴るように豪快に振る。エリアスはすぐに避けようとするが、電撃を浴びた直後の痺れた体では間に合わない。
 大剣で斬られたらさすがのエリアスも無事では済むまい。斬られ所によっては致命傷となることも考えられる。
 ——助けなくちゃ。
 強くそう思った瞬間、急に光景がスローモーションのようになった。
 そうだ。私の力を使えば。
「止まれっ!」
 私は二度心の中で念じてから言葉を発した。
 ルッツの動きが止まる。
 ……成功した。即興なのでダメもとだったが、ルッツの動きは確かに止まっていた。完璧な成功だ。
 エリアスはすぐに後ろへ飛び、ルッツから距離をとる。
「ありがとうございます、王女。おかげで助かりました」
 エリアスの体はまだパチパチ音をたてている。しかしそのぐらいでは弱音を吐かない。彼の表情は余裕すら感じさせるものである。
 ……それにしても何だろう、この達成感は!
 私の持つ力が初めて役立ったような気がして高揚してくる。
「終わりだっ!」
 大剣を手に突っ込んでくるルッツ。
 彼の剣を軽く受け流し、即座に反撃に出る。
「——っ!」
 エリアスの槍がルッツの腕に掠る。今度はルッツが距離をとる番だ。
 二人の距離はまた遠くなる。剣を構え直すルッツの片手首からポタポタと赤いものが垂れていた。
「エリアス、何をしたの?」
「腱を断ちました。あれで片手は使い物になりません」
「どうしてなの?」
「腱を断てばまともに動かせなくなります」
 ふぅん。勉強になったわ。
 片手が使えなくなるということはかなり不利になるはずだ。エリアスが勝てる可能性がようやく出てきた。少しだけだが心が軽くなる。
 ルッツは剣を片手に持ち直しながら、鬼の形相でこちらを睨んでいる。……正しくは、エリアスを。
「キャハッ。だーっさっ!やっぱ元・天使に四魔将なんて務まらないんじゃなーい?キャハハハッ!」
 大型悪魔を次から次へと作り出しているヴィッタが、ルッツに対して挑発するように大きな声を出す。相変わらず甲高い声で笑いながら。
 ルッツはヴィッタを睨む。
「ヤーン、ヴィッタ怖いよぉ。カルチェレイナ様、ルッツが睨んでくるぅ!」
 彼女は淡々と様子を眺めているカルチェレイナへ寄っていき勢いよく抱きつく。カルチェレイナは慣れているらしく、黙ってヴィッタの頭を撫でている。
 こうして見るとヴィッタも普通の女の子だなぁ……って違う!和んでいる場合ではない。
 エリアスは長槍の先に白い聖気を集結させる。光の塊は徐々に膨らんでいく。
 そして、その場で長槍を勢いよく振り下ろした。見るからに威力が凄まじそうな白い衝撃波がルッツへ飛んでいき、見事に命中した。
「そんな技できたの?」
 こんな大技を持っていたとは知らなかった。
「はい。消耗が激しいのであまり使いませんが」
 エリアスは私を見て幸せそうに微笑む。自然体の、柔らかな笑みである。
「もう不覚は取りません。王女を必ずお護りします。常に貴女の傍に」
 ルッツは今の一撃でかなりダメージを受けたようだ。服は所々破れ、肌が見えている。
「キャハッ!やられてやがんのー。雑魚だねぇ!」
 ふざけて挑発するヴィッタにカルチェレイナは「止めなさい」と注意する。その姿はさながら子どもに注意する母親だ。
「ルッツ、一旦引くといいわ。もう一度出直してきなさい」
 カルチェレイナは怒るでもなく落ち着いた態度でルッツに言う。ルッツは大人しく従い、私たちの目の前から消えた。
「さて……」
 水色の長い髪を色っぽく掻き上げながらカルチェレイナは言った。
「そろそろあたしも参戦しようかしらね」

Re: 《☆人気投票開催中☆》エンジェリカの王女 ( No.130 )
日時: 2017/09/20 16:33
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

94話「王妃の戦い」

「そろそろあたしも参戦しようかしらね」
 艶のある笑みを浮かべて歩き出したカルチェレイナを見て、ヴィッタは驚いた顔で目をパチパチしている。
「カルチェレイナ様!ヴィッタに任せて下さればぁ、あんな奴らはまとめて倒してみせます。キャハッ!」
 ヴィッタは地面から大型悪魔を生み出す。むくむくと湧くようにたくさんの悪魔が現れてくる。
 全身が薄紫の皮膚に覆われていて、白目は血走っていて、ギョロッとした大きな瞳。唇はなく、鋭い歯が丸見えになっている。体からはねっとりとした粘液が垂れている。
 何とも気味の悪い姿だ。
「あたしは王女を殺るわ。ヴィッタはあの二人組を止めておいてちょうだい」
 カルチェレイナはツヴァイとレクシフを指差す。それを見てヴィッタがコクリと頷く。
 それから彼女はこちらへ向かって歩いてくる。エリアスは長槍を構えて前に出た。
「戦える?」
 少し下がり一応聞いてみる。
 彼はさっきの赤い電撃によるダメージもある。雑魚なら倒せるかもしれないが、カルチェレイナを相手にするとなると厳しいかもしれない。
「もちろん。王女に手出しはさせません」
 エリアスは落ち着いた様子で答えた。瑠璃色の瞳には鋭い光が宿っている。
 カルチェレイナは余裕のある笑みを浮かべたまま片手を前に出す。すると水色に輝く蝶が大量に飛んでくる。
 蝶の群れを長槍で消滅させていくエリアス。疲労はあるはずだが動きは衰えていない。まるで舞うように華麗な動きで蝶を薙ぎ払っていく。
「なかなかやるわね。貴方、さすがだわ」
 だがカルチェレイナの表情は余裕に満ちている。負ける気は微塵もないのだろう。
 彼女は王妃になるほどの悪魔だ、一筋縄にはいかないだろう。どんな技を持っているか分からないので油断はできない。
「あたしも頑張るわね」
 水色に輝く蝶がカルチェレイナの体に集まっていき完全に包み込む。しばらくして蝶が散ると、彼女の姿は消えていた。
 エリアスは困惑した顔をして辺りを見回す。私も見回してみるが、彼女の姿はない。

 刹那、エリアスの背後にカルチェレイナが現れる。
「——くっ!」
 カルチェレイナは蹴りを繰り出した。エリアスは反射的に両腕を交差させて防ぐも、かなりの威力だったらしく数メートル後ろへ飛ばされる。
 エリアスですら防げないとは凄まじい威力。私は見ているだけで戦慄する。
 あの蹴りを食らったのが私だったら……かなり危険だ。少なくとも怪我は免れない。
「悪魔は天使より強いのよ。生まれつきパワーが違うわ」
 少しして立ち上がったエリアスに向かってカルチェレイナは針を飛ばす。この前私が受けたのと同じ技だ。
 あれはかなり痛かった。あれを食らえばエリアスでもしばらくは動けない。
「止ま……」
 私は力を発動して止めようとした。
 ——だが間に合わない!

 しかし、針がエリアスに刺さることはなかった。彼は覚悟を決めて身構えていたが、針が刺さることはなく、キョトンとした顔になっている。
 彼の前に紫のシールドができていた。
「お待たせー」
 それはノアの声だった。
 声がした方を向くと、ジェシカに支えられてノアが立っていた。支えられていても少々苦しそうだ。
「ノアさん!ジェシカさん!」
 奇跡だと思った。こんなナイスタイミング、滅多にない。
「王女様、大丈夫っ!?助けにきたよ!」
「お待たせー」
 カルチェレイナは凄まじく冷ややかな瞳で二人を睨む。とても不愉快そうな顔だ。
「余計なことをしてくれるじゃない……」
 エリアスを仕留め損ねたカルチェレイナは機嫌が悪くなっている。
「王女以外に用はないわ!」
 ジェシカとノアに向けて針を飛ばす。ノアはシールドを張る。ジェシカは彼を抱えて私のところへ走ってくる。そしてノアを地面に座らせると、聖気を集めて剣を作り出す。
「あたしが相手になってあげる!カルチェレイナ!」
 ジェシカはまだヴィッタにやられた傷が治りきっていない。一対一で戦ってもカルチェレイナには勝てないだろう。それは本人も分かっているはず。だが、そんなことで逃げる彼女ではない。
 カルチェレイナは振り返りジェシカを嘲笑う。
「貴女、ヴィッタに拷問された娘ね。体の調子はどう?」
「黙れっ!」
 ジェシカは剣を握り締めてカルチェレイナへ飛びかかる。対するカルチェレイナは水色に輝く蝶を大量に出して迎え撃つ。蝶たちはジェシカの剣にまとわりつきカルチェレイナを守る。
「……蝶?」
 ジェシカは剣にまとわりつく蝶を怪訝な顔で見つめる。
 直後、カルチェレイナが指をパチンと鳴らす。すると水色に輝く蝶たちが爆発した。
「うあっ!」
 爆風に煽られしりもちをつくジェシカ。聖気で作られた剣は消滅してしまった。
 にやりと笑ったカルチェレイナは水色の蝶を大量に飛ばしてくる。
「ちょ、何これ……」
 ジェシカは群がる蝶を手で払い除けるが、努力も虚しく体中に止まられる。
「……あ。あぁっ!」
 聖気を吸われ悲鳴を上げる。
 捕まっていた時、私もやられた技だ。あれは失神しそうなぐらい本当に痛かった。
 苦しみもがくジェシカの体からは桃色のもやが出ている。
「ジェシカさん!」
 でもどうすれば助けてあげられるか分からない。術をどう解除するのか知らないので、心苦しいがどうしようもない。
 私は隣に座っているノアに視線を移す。
「どうすれば……」
「うん、僕に任せてー」
 この状況にあってもノアは穏やかな表情だ。さすが、レベルが違う。
 ノアは口元に両手を添えて叫ぶ。
「ジェシカー!終わったら桃缶食べようー!」
 飛び出したのは予想外な発言で、ついつい首を傾げたくなった。


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