コメディ・ライト小説(新)

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メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】
日時: 2019/08/19 04:26
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: 82jPDi/1)

「本日配属されました山田璃音です。どうぞ恋して玉の輿させてくださいませ、ご主人様」


 と言ったら捨てられました。腹が立ったので次のご主人様は落として見せます。






お金にしか興味ないがめつい守銭奴毒舌美形メイドと普通の少女漫画ならドS系として大成できた筈の貧乏めなお坊ちゃんの話。


なんとなんと、2年越しに更新再開いたしました。
大変長らくお待たせしましたというかなんというか……。
まったりやっていきますので、よろしければ見て行ってください。

若干修正しました。


Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.6 )
日時: 2019/08/19 04:23
名前: ハガ音 ◆qlZ12PpBk. (ID: 82jPDi/1)
参照: 滝宮くんはとても泣き虫だと思う

「そんな訳で私、無事凰院学園の高等部の三年生になったので」
「編入試験に受かるやつなんて、本当にいたんだな……」

道路に車を走らせながら、ご主人様と雑談中でございます。勿論免許は持っておりますよ? 私、18歳ですから。

「で、今日はご主人様は高等部の入学式ということですね?」
「あぁ、まあな」
「写真撮影の準備はバッチリですよ、ご主人様!」

一眼レフ、ミラーレス一眼、三脚等など。色々揃えてまいりました!
ご主人様は私のグッズを見ると、とても苦々しげな顔になっています。

「……僕の入学式など、本家の奴らは来たことがない。そんな中で、写真をそんなに撮られてもだな……」
「何を言うんですかご主人様! ご主人様(の写真)は非常に価値がありますよ! 自分を卑下するのはおやめください! ご主人様が素晴らしいことはこの不肖山田が保証いたします!」

 むしろ自分の顔だけで稼げるのが羨ましいくらいですよ!という言葉はなんとか飲み込んだものの、本当に羨ましいのでかなり真剣かつ勢いよく否定してしまいました。怒られるでしょうか。

「……山田」

 ご主人様は目を見開いて私を見つめています。心底驚いた様子で、一瞬目に涙が滲むとはっと私から顔を背けた。ちょっと大声を上げただけで泣いてしまうとは、これから叱るときがあれば優しくしくては……。

「泣かないでくださいご主人様、綺麗なお顔が台無しですよ」
「……泣いてない」




 入学式が無事始まりました。因みにもう写真撮影は始まっております。入場の時に連写しました。

「嬢ちゃん随分といいウデしてんなあ」
「そちらこそ」

 ……私の隣にいる、誰かのお父様に覗かれて好敵手と思われてしまいましたが。
 可愛いには程遠いごつくてワイルドなお父様であります。非常に美形なおじ様ですが。

「嬢ちゃん、その服はメイドだよな……どこの家の?」

 えぇ、いくらメイドが絶滅危惧種で周りから変な目で見られようとも私はメイド服を着ます。ちなみにクラッシックの古き良きメイド服が好みなので秋葉原のミニスカメイドちゃん達を見ると複雑な気持ちになります。仲間は仲間ですが違う、そうじゃない。
 と、そんなくだらない話は頭の中に留めておき。

「私の名前は、山田璃音でございます。滝宮シズル様に使えております」
「山田、ってあの……!?」

 伝説ですか?
 
「あー……そこは触れてほしくないんだな?
  俺は日向ひかりの父親の日向剛。ひかりはお前の主人と同じ高等部の一年だ」
「日向様ですね、保護者同士仲良く致しましょう」
「お前は保護者じゃなくてメイドじゃないのか……」

 日向様……聞いたことはありますが、子供は娘はおらず高校生の息子と成人済みの息子の二人、だったような。
 日向様の手元の一眼レフをちらりと覗かせていただきます。海外の血が混ざっているのでしょう、明るい茶髪を可愛らしいリボンの髪留めでハーフアップにしていて、可愛らしいお嬢様です。染髪している人などいないため必然的にその茶髪が目立ち、顔も目立つので周りの男の子たちがチラチラと視線を送っていますね。ふむ、やはりこのワイルドなおじ様には似ても似つきません、きっと何かやんごとなき事情があるのでしょう。

「ひかりは可愛いだろう。素直で本当にいい子でなあ。まあ、ちょっと天然なのが玉に瑕だがな」
「そうなのですか。私のご主人様は見た目は俺様年下男子ですが中身はとっても可愛らしいですよ」

 嘘つけ、と豪快に笑うお父様。……といっても小声ですが。
 なんでも、ご主人様は孤高なモテモテ男子らしいです。ご主人様ったら意外と猫被りなんですね。


「……あ、生徒会長の挨拶か」

 代理だそうですよ。とは言わず、無言で金髪さんを見上げる。照明効果によりキラッキラッしております。いつもキラキラしておりますが三割増しどころか十割増しですよ。

 あ、目が合いました。軽く会釈をすると、柔らかい笑みで返してもらえました。もちろん写真を撮りました。ブロマイドとして売りましょう。……隣りのエロジジ……失礼、日向様がによによしながらこちらを見ています。

「……私、少女漫画より少年漫画の方が好きです」
「そうかあ? お前、眼鏡外したら美少女とかじゃないか」
「ふふ、そうですよ、見ますか?」

 が、日向様は微妙な顔をして「いや、いい……」と言ってしまいました。私の美貌お披露目会は後なのですか。残念ですが、まだ早いですから。


 いろいろ日向様とお喋りしていると、気付いたら入学式は終わっておりました。タイムトラベラーではございません。



「ひかりー!」
「あ、お父さん!」

 入学式が終わるや否や、日向様はひかり様の元へ駆けていきました。親バカですね、きっと。
 なぜかは知りませんがご主人様もひかり様の近くにいらっしゃったので付いていきます。

「いやあ今日も可愛かったぞひかり、入学おめでとう!」
「えへへ、ありがとうお父さん! ……あれ、その子はだあれ?」

 きょとん、とした顔でこちらを見るひかり様。近くで見ても可愛らしいですね。後で数枚写真を撮らせていただきましょう。

「山田璃音、俺の専属のメイドだ」
「えぇっ、メイド? メイドって、あのメイドっ?」

 私が応える間も無くご主人様が答えます。日向様のお話は本当だったようで周りからのアツい視線を受けていました。

「ひかり様のおっしゃる『あのメイド』と同じかはわかりませんが、滝宮様に仕えるメイド、山田です」

 すっごーい、と目をキラキラさせてこちらを見つめるひかり様。なるほど、聞いた通り素直で良い子のようです。

「やっぱりシズルくん、すごい人だったんだぁ! かっこいいし優しいしお金持ち出し……
 さっき、私が転んでぶつかっちゃって助けてもらったの」
 
 なるほど、そういう事情だったのですね。ただ……それは本当に天然でやっているのでしょうか。
 どう考えてもお嬢様お坊ちゃんが通うこの学校には相応しくない短いスカートをひらひらさせながらご主人様の腕に抱きつくひかり様。並大抵の男ではイチコロでしょう。ご主人様は眉ひとつ動かさず「あぁ」と肯定の声だけでしたが。
 知らない男にぴったりくっつく娘を見て日向様は若干不服のようです。私も可愛い可愛い弟分に悪い虫がついたようで不服です。ご主人様に見習って無反応をつき通しましたが。まあ、元々眼鏡のおかげで表情はわかりにくいのですけれど。

「……ありがとう、娘がお世話になったようだ。同学年だしこれからも仲良くしてやってくれ。さ、行くぞひかり」
「え〜っ、もうちょっとシズルくんとお話したかったな……でも、クラス一緒になったしまた喋れるよね! じゃあねシズルくんっ」

 私のことは視界にも入れず今度は日向様の腕に飛びついたひかり様は去って行きました。はてさて、今後私は彼女と仲良くできるのでしょうか。不安ですね。


「帰るぞ、山田」

 まあ、今日のところは帰って現像に勤しみます。

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.7 )
日時: 2017/09/09 15:07
名前: アンクルデス (ID: q8mdXrcq)

上げます!また来ます!!

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.8 )
日時: 2019/08/19 04:49
名前: ハガ音 ◆p51RVEp752 (ID: 82jPDi/1)

2年ぶりにこんにちは、ハガ音です。


本当に2年ぶりです、更新再開致します。更新速度はかなり遅いと思われます。
唐突にこの小説の存在を思い出し読み直して「ええやんメイド!」と思ったので再開します(雑)

名前の後ろの奴とか本当もう何も覚えていませんがなんとかやって行こうと思っているのでどうぞよろしくお願いします。

手始めに一番最後に更新したお話を主に、色々修正しました。流石に2年前ともなるとちょっと恥ずかしい部分もありました笑

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。あ、これだけしか読んでないって方はぜひ本編の方も読んでいただけると嬉しいです。
これからよろしくお願いします。

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.9 )
日時: 2019/08/21 12:54
名前: ハガ音 ◆p51RVEp752 (ID: fMHQuj5n)
参照: スマホからの投稿です


さて、本日は私の登校初日でございます。クラス替え直後とはいえ皆様2年の付き合いです、上手く馴染めるかが不安ですね。
タイミングがタイミングなので、わざわざ私が教壇で紹介されて____ということはありません。

「えー、では初めてクラスメイトになった者もいる訳だし、今日は自己紹介だね。
……ああ、僕は如月。1年間よろしく頼むよ」

このクラス、3-Bの担任は如月先生と仰るそうです。黒縁眼鏡の地味めな先生ですが若くてカッコイイですね。女子生徒たちも若干嬉しそうです。
というか、メガネ多くないですか?

如月先生に呼ばれ、1番出席番号の早い女の子が席を立ちました。

「相田菜緒です! テニス部部長やってます! この高校最後の1年、楽しくいきたいです! よろしくお願いします!」

ポニテで小麦肌な快活そうな見た目にそぐわず元気な子ですね。笑顔が素敵でいらっしゃいます。

私は何を喋りましょうかね? 幸い、私の名前は山田で、自己紹介は後ろから2番目になるので考える時間は十分にあります。もちろん、クラスメイトの名前もしっかり覚えなくては行けませんが。
因みに今日一日で40人全員覚えるつもりでいます。まあメイドなのでこの程度朝飯前ですよ。



そうこうしている間に私の番になりました。意外と早かったですね。まあ、皆さん3度目の自己紹介となればあまり話すこともないのでしょう。

「山田璃音と申します。元々メイドとして皆様より先に働かせていただいていたのですが、仕えている方がこの学園に入学すると聞き編入する運びとなりました。皆様どうぞよろしくお願い致します」

私の綺麗なお辞儀にぽかーんとする皆様。ほら相田様、可愛いお顔がアホ面で台無しですよ。
……冗談です。ちょっと暴露しすぎたでしょうか?
まあ、今後毎日ご主人様の送迎をしますしここで言っておいた方がのちのち楽でしょう。ご主人様は目立ちますから。

やっと皆様が正気を取り戻しざわつき始めます。

「あー、ほら静かにして。次、吉井くん」

パンパン、と手を叩き静まらせる如月先生。

そういえば次の方がいらっしゃるのでしたね。この雰囲気で自己紹介とは可哀想です。私のせいではありますが仕方の無いことなのです。いつかパシられてあげましょう。

「……えっと、吉井一斗っていいます。…………山田さんが凄すぎて話すこと忘れちゃったな……パソコン部部長で、えー、うん、よろしくお願いします」

マスクも外さず長い前髪に隠れるようにして言い切る吉井くん。ちょっと申し訳ないことをしてしまったようです。あの様子だと私がいなくてもこんな感じだったでしょうが……。

「……じゃ、これで全員自己紹介終わりかな? 今日のところはこれで終わりだよ。持ち物とかの連絡はメールの方でしておいてあるから。じゃ、起立」

ざざ〜、と立ち上がる皆様。おお、帰りの挨拶なんて何年ぶりでしょう。懐かしい気持ちになりますね。

「礼。明日教室間違えないでね〜」

一斉にざわめきが広がり、私の方を見てくる人も多数。居心地が悪い……という訳ではありませんが、早くここを出てご主人様を迎えに行きましょうか。

Re: メイドさん、玉の輿狙い。【ラブコメ】 ( No.10 )
日時: 2019/09/19 22:55
名前: ハガ音 ◆p51RVEp752 (ID: w8XrQ/7V)

 皆様ごきげんよう、スーパーハイスペックメイドこと山田でございます。

 ホームルームが終わったのでご主人様をお迎え に来た次第でございます。
 ちょうど終わったところだったのでしょう、騒々しく笑笑と生徒達が教室から出て来ました。どの方も興奮した面持ちです。何かあったのでしょうか?

「あ、ご主人様〜!」

 出せる一番高い大声でブンブンと手を振って駆け寄るとご主人様は態とらしく顔を顰めました。
 ……少しふざけただけではありませんか。それに、今後の私のメイド業を妬みなどで邪魔されては困るので早いうちに厄介な方は炙り出させていただくという作戦でございます。

 ……本当ですよ?

「あれっもしかして山田さんっ?」

 と、ご主人様の後ろからひょこ、と顔を出したのはひかり様でした。見事な一本釣りです。しかし彼女、スカートを短くして胸を押し付けないと気が済まない性分なのでしょうか。とりあえず今度制服のスカートを採寸し直させていただきたいです。

「そういえばひかり様はご主人様と同じクラスだったのですね」
「えへへ、そうなんだぁ〜、私もシズルくんがいて安心してるのっ」

 毎度毎度キラン☆とつきそうな語尾でいらっしゃいますね、ひかり様は。
 まあどんな破廉恥な方でもご主人様のお友達には変わりません。今後とも仲良くしていただきましょう。

「ひかり様……申し訳ないのですが、私ご主人様のお迎えに来た次第ですので、本日はこれで」
「お迎え? それって二人で帰るってこと?なら私が一緒に帰るから大丈夫だよっ」

 にっこり笑顔でそういうひかり様は本当に天使かくやですね。ですが滝宮家の他の使用人の方に頼まれておりますのでそういうわけには行きません。

「私運転免許を持っておりまして……車での送り迎えをご主人様のご家族及び使用人の方に頼まれているのです」
「うぅ、そんな使用人って保護者みたいなの……シズルくんっ明日は放課後遊ぼうよ!」
「は? いや、俺は」
「まあっいいですねひかる様!」
「はぁっ?おい山田……」

 入学二日目にしてお友達と放課後に遊ぶなんて幸先がよろしいですねご主人様、という意味を込めて親指を立てるとご主人様だけでなくひかる様にも若干微妙な顔をされました。はて。

「あ、ですがひかる様、それは構わないのですが私もついていただきます」
「えぇっ!やっぱり山田さんって保護者なの?」
「まあ使用人なんてそんなもんですね。ママです」
「ま、ママ」
「待てお前は俺の保護者でも母親でもないぞ山田」

 ご主人様に肩を掴まれて正気に戻れと言わんばかりに揺さぶられました。失礼な! 少なくとも姉のような気持ちです。あ、将来はガッツリ稼いでいただいて嫁がせてもらいます。

「ふーん……まあ、明日は構わないけどいつかはシズルくんと二人でデートするんだからねっ」

 子供っぽく口を尖らせてなにやらおっしゃっているひかり様ですが、とりあえず今日のところは納得していただけたようです。


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