コメディ・ライト小説(新)
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- No Name
- 日時: 2017/11/23 17:29
- 名前: やうゆ (ID: j24nS2D/)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12071
目を覚ますとまた寝た。
そしてまた目を覚ますと空は赤焼けか青黒く染まっていた。
「バイト行くか」
自堕落な生活を送っている自覚はあったが、友人も少なからずいたし、バイトでそれなりに稼いでも居たから、最悪大学を卒業できなくてもどうにかなると思っていたのかもしれない。
バイトはいつも日にちを跨ぐまで入っていて、バイトが終わると自転車で帰るを繰り返すだけの日常だった。
「一人で飲みに行ってみるか」
酒を飲むのは好きだった。
よく友達と何かしらの理由を付けて飲みに行ったり、宅飲みをしたりもしていたが、何故か一人で飲みに行ってみたいという好奇心に駆られ、0:30にふらふらと飲み屋を探しに行った。
まだ大学生の私にとって一人で飲みに行くのは、変な人に絡まれそうで、怖いイメージしかなかった。
でも、何故かこの日は怖いもの見たさの様な好奇心が頭の中を満たしていた。
(ここにしよう。。。。)
バイト先からも家からもさ程遠くない一軒のバーの前で足を止めた。
ログハウスの様なウッドテイストの建屋で、入口の側に一台の白バンが停まっている。
外からはあまり中が見えず、小窓からは薄暗い明りだけが漏れていた。
(怪しげな雰囲気だなぁ)
いざ入店するとなると恐怖心が過ぎる。
ただ、ここまで来て家に帰るのも面白みがない。
周りを見渡しても夜中と言うこともあり、人はあまり見当たらず、よりいっそう恐怖心を駆り立てた。
(まぁ、ここで変な道に進むのも面白いかもしれない)
大学生活にマンネリを感じていた私は、若干の手汗を感じながら、ドアの取っ手を引いた。
- Re: No Name(1) ( No.1 )
- 日時: 2017/11/23 17:30
- 名前: やうゆ (ID: j24nS2D/)
店内は外から見た印象とは違い、明るく、広かった。
外観がウッドハウスだったこともあり、落ち着いたバーで渋めのオジさんがバーテンをしているのを想像していたが、完全に裏切られた。
別にガッカリしたわけでは無かったが、肩透かしを食らった感じだ。
店内にお客さんはおらず、カウンターに女性の店員さんが一人立っているだけだった。
「すみません。一人なんですけど。。。。」
「いらっしゃいませ〜。って、優輝じゃない?」
「あれ?麻希じゃん」
女子店員さんは同じ大学の友達だった。
友達と言っても、友達の友達みたいな感じだったが、何度か遊びに行ったこともあったため、顔も名前も覚えていた。
「まさか麻希がここでバイトしてるとはね」
「優輝もこんなとこに来るキャラだっけ?」
「いや、何となく一人で飲みに行ってみたくなっただけなんだけど、まさか知り合いがバイトしてるとこだったとはね」
頭の中の恐怖心と不安感が消え去り、久し振りの再会で驚きと嬉しさに変わっていった。
改めて店内を見渡すと照明自体は薄暗く、思ったより明るく感じさせているものは見慣れない筐体だった。
「とりあえず、生下さい」
「はいよ〜。少々お待ちを〜」
「もう少し店員さんらしく接客しないもんかね」
この語尾を伸ばして話すのは彼女の癖の一つだ。
ただ、白のシャツに黒のスラックス、腰回りに長めの黒エプロンという姿はまさに想像していたバーテンダーで、少しカッコイイなぁと見惚れた。
完全に緊張から取り払われた私は、カウンター席の角に座って麻希と談笑をしながらほろ酔いになって行った。
「そう言えば、さっきから気になってたんだけどあれってダーツ?」
「そだよ。このお店はダーツバーだからね〜」
見慣れないその筐体はソフトダーツのマシンで、自動的に点数計算をしてくれたり、ゲームの進捗をモニタに映し出してくれるものらしい。
ダーツと言えば矢先が針になっている物をイメージしていたが、日本では矢先がプラスチック製の物を使用する方が主流らしかった。
ダーツのルールや投げ方を教えてもらっているとカラカランッという音と共に5人の男性が入って来た。
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