コメディ・ライト小説(新)

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「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】
日時: 2018/12/16 14:08
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

────たった一つだけ、頑丈で分厚い壁際にそれぞれ私達は立っている。──







ちょっと切なくて、歪んだ恋愛の話。────


**

こんにちは、こんばんは……てるてる522と申します。

新作です←
のんびり更新です←


【注意事項】
①「荒らし」……無視します。
②「なりすまし」……無視 or 度合いによっては管理人さんの方への報告です。
③「更新ペース」……不定期です。ナメクジです。
④「内容」……ペラペラです。けして実話ではないので「こんなのありえない」みたいな展開もあるかと思います。
⑤「コメント」……返信します。コメント下さった方の小説にも時間見つけてお邪魔します。


【小説情報】
Start…2017.11.28

【小説内容】
>>1

【訪問者様】
~Thank you always~
・ラビ2様
・麗楓様
・睦月様
・モズ様
・いろはうた様
・四季様
・美奈様
・ちくない様
・Garnet様

【作者情報】
受験生の中3女子٩( ᐛ )( ᐖ )۶
元バレーボール部所属٩( ᐛ )( ᐖ )۶
カキコ歴4年٩( ᐛ )( ᐖ )۶

Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.31 )
日時: 2018/04/17 18:09
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

巴side

「いただきまーす」
「いただきます」
夕食。大家さんと私と──先生。
ふわふわと上がる湯気、冷めないうちにと大家さんに急かされて私と先生は取り皿に食べる分もおかずを盛る。

プシュっという弾けるような軽さの音がした。横を見ると先生がビールを開けていた。

「あんまり飲みすぎないでください」
「だーいじょーぶだって」
ひらひらと手を振る先生。 まだ数口なのにもう酔いが回ってきているのか喋り方が面白い。
普段の学校での先生とは違う……私だけが知ってる先生。

一応私も先生の生徒なのに、一切こういう部分を先生は隠そうとしない。
もしかして生徒と思われていない……?──いや、そんなことはないはず。
だったらただ抜けてるだけ?──ちょっとそれも違うような気がする。

……もしも先生が、先生が私を生徒だと思っていないなら私って一体……?
「先生、私は先生にとって…… 」

呼吸の音。──先生は机に伏せて寝ていた。
いつの間にか私がちょっと考えてる間に取り皿に取ったおかずを食べきったみたいだ。
ビール缶を持ち上げる。 多分半分くらい残っている。

「また駿さんってば……寝ちゃってるわね~」
毛布をふわっとかける大家さん。
「最近帰ってくるの遅かったみたいだし、こうして一緒に夕食食べるのも少し久しぶりよね。 疲れ溜まってたのかしらね」
しばらくしたら起こしましょう、と言って大家さんはまたどこかへ行ってしまった。

先生の寝顔を見ながら食事。 すごく変な感じ。


「ん……」
腕を組み直して、頭の向きを変えて私の方を向いた。

こうして見てみると相手は先生だと分かっているけれど、すごいまつ毛長い。
寝顔だけだと一気に子供に見えなくもない。

パラッと先生の前髪が、落ちてまぶたにかかる。
起こさないように注意しながら、そっと前髪を横に流す。


──可愛い。
素直にそう感じた。


「とも、え……」
寝言だからはっきり聞こえなかったけれど……──今、多分私の名前呼んだ。

「──ともえ」
「はい……」
先生の頬にそっと、指先からゆっくりと手を重ねた。





──好きです。
触れてるだけなのに、ただそれだけで自分の気持ちを先生に読み取られているような気がして。
寝ぼけて名前を呼ばれただけなのに私はこんなにも意識してる。


……先生からすれば、私はただの生徒Aに過ぎないかもしれないのに。



それは嫌だ──そうではないことを心のどこかで祈っている自分がいる。


──この時から私にとって先生は本当にかけがえのない存在です。

Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.32 )
日時: 2018/05/17 19:57
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

巴side

きっと強い気持ちを持っていれば、ちょっとくらいの壁は自力で破れると思っていた。

好きになって気づいた。
──実は私が思っていた以上に先生との間に立っている壁は何層にもなっていて、頑丈で。

仮に破ることができたとしても……すごく時間を費やしてしまう。


……どうしたら距離を縮めることができますか?


*


「せんせー! おはよー」
「おはよう」
私と同じ学年の女子生徒が馴れ馴れしく先生に話しかけている。
……あんなに爽やかに返してしまったら私のライバルが増えてしまうじゃないか。

自分の気持ちに気づいてからというもの私は先生のことをじーっと観察する癖がついてしまった。
そうしたら思った以上に先生の周りにはたくさんの人がいて、「私はみんなが知らない先生の一面を知っているから大丈夫」なんて思っていたけれど、全然そんなの役に立たない。


モヤモヤして胸がキュッと締め付けられる。

「朝香、なんか今日のお前はお前じゃない。 変だ」
いやお前のその言葉も負けてないくらい変だ──そう返したかったけど、さすがに望月にまで言われてしまったら、やっぱり今の自分の異変っぷりを認めるしかなさそうだ。

「変じゃない……から」
「変だろ」
「絶対変じゃない」
「絶対に変!」
「絶対絶対変じゃない!」
「絶対絶対絶対に変!」
どう考えても不毛すぎるこのやりとり。
お互いに顔を見合わせて吹き出した。

「普通に笑うんだな」
「え? なんか言った?」
望月の口からなにか聞こえた気がしたのだけれど……「何でもない」と本人から否定されればそれ以上問いつめるのは気が引ける。

一緒にご飯を食べる時の先生と学校でたくさんの生徒に囲まれている姿はまるで別人。


どっちの先生もかっこよくて……なんていうか私よりも年上なはずなのに少しだけ頼りなさげところとか、ちょっと可愛いなぁって思う。

すぐ寝ちゃうところとかも。

「でも朝香はさっきからずっと結城先生のこと見てるよな」
「そ、そう?」
「ん……ごめん俺の勘違いか」
ストレートに謝られることに私は弱い。

「いや合ってる。 先生のこと今日は結構見てる、かも」
語尾をなんとなくごまかした。

「それってさ……」
望月は鋭い。 もしかして私の気持ちにもう気づいたのか? 口から出る続きの言葉を聞くのが怖くて、唇をキュッと噛みしめた。

「ズボンの裾がずっと靴下に入ってるから?」
望月が先生の足元を指さして聞いてくる。

──本当だ。 今日ずっと目で追っていたのに気づかなかった。

「あー……うん、そう! 気になっちゃって」
なんだ鋭いから「朝香はもしかして先生が好き?」なんて言われるかとばかり思っていたから、思わず笑いそうになって焦った。

Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.33 )
日時: 2018/06/02 10:14
名前: Garnet (ID: 5Zruy792)



 こんにちは。いつもお世話になりまくってます、Garnetです。
 最近、てるりんのところにコメント行ってないなと、思って小説一覧をぶらついていたら、この作品を見つけました。○

 ズボンの裾を靴下に入れっぱなし、で笑ってしまって、しばらく感想が吹き飛んで大変でした笑 先生何してくれるんですか。
 三角関係、いいね。土9月9あたりに放送していそうなドラマを観てるみたいで、ドキドキしちゃうわっ。恋の行方やいかに……。
 主人公たちはもちろんですが、大家さんが良い味出していて、けっこう好きです。
 続きを楽しみにしてます。素敵なお話になりますよう!

 同期の友だちが今でも変わらずカキコにいてくれて、Garnetは嬉しいです(^^)
 
 
 

Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.34 )
日時: 2018/06/16 17:39
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

~Garnet~

お久しぶり!!
コメントになかなか気づけなくてごめんなさい(°°;)
やっと模試テストやら漢検やら定期テスト……そういうのから解放されました笑

ちょっと先生の抜けてる可愛いところをその文章で表したかったから、しっかり気づいてくれて嬉しい!!❀.(*´▽`*)❀.
結構ありきたりな三角関係って感じだけど、これからもっと色々膨らませていきたいなって思ってます( ᐛ )و

そう!! 私も大家さん好きで( ̄∇ ̄*)ゞ←
何かと出てもらってます。


ありがとう! Garnetも頑張って!!

カキコ始めて、4年くらい経つんだけど本当に自分が始めた頃とか始める前からいる作者さんって少ないから私も本当に嬉しい٩( ᐛ )( ᐖ )۶
ついつい言い訳して更新サボってばかりいるけど、立てた作品はしっかり完結させたいなって思うから頑張ります笑٩( ᐛ )و

これからもよろしくね⌣̈⃝♡⌣̈⃝♡

byてるてる522

Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.35 )
日時: 2018/12/16 14:07
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

結城side


「先生、ズボン」
休憩時間中に朝香と望月が俺の元にやってきた。
何を言われるのかと心構えしていた自分にかけられた言葉はまさかの「ズボン」──。
何事かと慌てて目をやるとなんと裾が靴下の中に。
「今朝は、時間がなくて慌ててたんです」をこれ一つが物語っている。

「……ありがとう」
「先生気をつけないとですよ」
ニヤニヤしながら言う望月の背中を朝香が軽く小突いて、俺の前から去っていった。


*


もう恥ずかしい。思い出すだけで恥ずかしい。
言われるまでにいくつも授業があったはずで行く先行く先で何か言われて笑われていたのか。
しっかりしろ、なんて俺が言えたもんじゃない。

周囲には誰もいない、こんな夜道でも裾が気になってズボンを少しひょいと上げて確認してしまう。



「あ、ちょうどいいところに。 巴ちゃん、もう大丈夫よ」
大家さんの元へ訪れると椅子の上に立ってしきりに腕を伸ばす朝香がいた。
「これ、電球の取り替えをしたいんですけど、届きません」
なんで俺に向かって少し八つ当たりを──?
その言葉を飲み込んで、電球を受け取る。

「はい、できましたよ」
登った椅子を端に寄せながら大家さんに声をかける。
「ありがとう。それじゃあ夕食を食べましょう」
「……え」
てっきり食べ終わっているかと思っていた。そんな俺の気持ちを読み取ったのか、大家さんは
「私も食べてしまおうかと思ったんだけど、巴ちゃんがあと少しだろうし待ってよう、って。それで待ち時間の間にと思って、電球の取り替えを頼んでたのよ」
「朝香……」
「別に大家さんのご飯じゃないと、先生の食生活が大変なことになりそうだなと。私なりの考慮です。そう大家さんに伝えたら、笑って賛同もしてくれました」
早く食べましょう、と朝香が俺を急かした。

「二人とも若いわね」
懐かしいものを見るような目で俺と朝香を見る大家さんに、思わず
「生徒と教師ですよ」
と返したら、
「あら嫌だ。そんなの分かってるわよ。一体私が何を考えていると思ったの?」
と、上をいく返しをされ、焦った。

「先生情けないですよー」
何気ない朝香の一言一言が、今日はやけにグサグサと刺さる。

けれども、やっぱり一人よりもこうやって何人かで、食卓を囲み言葉を交わしつつ楽しむ食事というものが俺は大好きなのだ。

今日一日もいい日であったなぁと、この夕食の時間に感じるのだ。


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