コメディ・ライト小説(新)

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噛ませ犬が愛しすぎてツラい
日時: 2018/10/26 21:17
名前: mono

ダメに決まってるでしょ、自分の立場弁えたら?

グダグダで適当な不満や文句を並べてみたら、噛ませ犬系に萌え始めた今日この頃。

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Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.11 )
日時: 2018/11/08 07:44
名前: mono

「金髪美女と…交際…」

馬鹿馬鹿しくて、廊下の掲示板に貼ってある、瑛人と日南が描かれているゴシップ記事風の紙をを破いた。後ろからでもわかるように肩に手を置かれた。この毎度イラッとする同情のされ方は、多分、雪成孝也である。

「人気者は大変だな」
「民度が低いだけだよ」
「そこまで言うか」

メガネでどこか飄々としている。いつもはコンタクトらしいが、最近目の調子が悪いらしい。雪成孝也、見るからに頭が良さそうで人望も厚そうだ。

「まぁ瑛人があんな頭悪そうな女の子と一緒にいるわけないもんな」

吉木日南が聞いたらブチ切れそうな一言を吐いている。

「そうかな」
「え?まさか」
「そんなわけないだろ」

だよなぁ、と関心する孝也を置いて教室に戻る。またダルい一日が始まる。それならむしろ、何か災害でも危険なことでも、面白いことがあればいいのにと思った。

Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.12 )
日時: 2018/11/10 07:23
名前: mono

「吉木って援交してるってマジなの?」
「さぁー、知らね」
「やってそう普通に」

日南は男子からあまり評判が良くない。怖がられているのが一因であり、何かと派手な言動が目立つからだ。サッカー部では、そんな話をしていた。どうやら日南は援助交際や未成年不純行為を重ねているようなイメージらしい。高校生の噂話は適当なものが多く、すぐその噂は消える。

「凌って吉木と小学校から一緒なんだろ?」

ロッカールームで着替えていた凌に声が掛かる。強豪校だけあって、県外や地方からの外部受験者が多数在籍する。その中で、女の子の幼なじみとは貴重な存在であった。凌は日南と礼のことで度々イジられる。登校してまだ3限目なのに、サッカー部は部室で着替えたりわんさかしていた。今日は学校のグラウンドで午後から公欠を取っての練習試合がある。相手校は3校に及び、いずれも地方から来る。もうすぐ大会の本戦が近いし、凌もキャプテンとして負けられない意地があった。時たま、プレー中にキャプテンマークが目に入り「負けたら俺世代は弱いとか言われる」「今日真面目にやったかな」とかなんとか不安に駆られる。あぁ考えたくもない。

「ぶっちゃけどうなの?」
「何が?」
「吉木と栢野」
「あいつら顔可愛いじゃん」
「あいつらは…」

言いかけたところで口が止まる。ただの仲良しと言えば仲良しだが、日南と礼は不思議な関係である。たかが一度、引っ込み思案だった日南に礼が声をかけただけで、礼はそれから小中高とずっと日南を要して一緒にいる。日南は元々小三までいじめられっ子というか、からかわれたり冗談を言われるだけで泣いてしまう子で。

「おれにもわかんねぇや」

凌も周りと同じように呟いた。分からないものは、分からないから。


Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.13 )
日時: 2018/11/10 07:44
名前: mono

日南の額にはガーゼが当てられている。2年の中では日南が流血した話は広まり広まり、会う人会う人に日南は見られている気がして無性に気に触る。

「平賀瑛人と会う日いつなの?」
「今日かな」
「約束したの?」
「校門の前で待ってたら来るだろうから」
「私も行きたいなぁー」
「いいよ、ってか礼の方がいいと思う!」
「そう?」
「まじで!」

また始まったァ…日南の礼推し。千夏は2人を見てやれやれと言った雰囲気で見ている。

「でもさ、日南いなかったら何の話か分からなくない?」
「大丈夫だよ。礼が説明したら大丈夫だって」
「そうね。千夏も来る?」
「わ、私は遠慮するわ…」

日南はむしろ会いたくなかったので、良かった。いつ見てもバカにしてくるし、「日南」と呼ばれると返事をしようがしまいが、思わず黙り込んでしまう。

「2人で会いに行くの?」
「いや、私はいいや」
「日南いなかったらお詫びとお礼の意味がないだろっつってんの」

あ。日南と礼は「そういえばそうだ」と同時に表情が変わった。

「じゃあ今回は、日南だけで頑張って」
「えー。礼いないと無理だわ」
「つべこべ言うな!次会う約束して来いよ」

舌打ちをして、わかったよと一言。

「あたしも乗りたい、玉の輿」

まだ言うか、礼は本当になんでも日南とお揃いにしたがる。いや、日南もそれは同じで。女の子の友情とは固いものであり、むしろ共依存である。片方に変化が生まれるともう片方はその変化に着いていこうとするか、もしくは変化を拒むか。変化を拒むと人間として付き合いたくない、という事態になることがある。

Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.14 )
日時: 2018/11/10 22:27
名前: mono

放課後、日南は瑛人の学校の校門の前に来た。4時半だから、もうそろそろ来るのでは。と一向に来る気配がない。悲しいというよりむしろ、寒い中待たせるなよとまだ約束もしていないのにイライラで気持ちが先走りしている。

「…あいつ何してんだよ」

1時間経った。まだ来ない。短気な日南にしては、我慢した方である。もう今日は帰ろうか、カラオケにいる礼たちに合流しよう。日南が校門から離れて歩き出すと、後ろから革靴の足音が響いた。

「日南?」

うわっ。

「…平賀瑛人」

誰もいない校門に、平賀瑛人の姿だけがあった。日南が振り向くと本当に瑛人はいる。

「何?要件は」

要件、と言われることになんだかただ単に自分は社交辞令の付き合いと言われているように感じた。日南がちょっと顔を顰めたのはそのせいだろうか。

「あのさ、」

どうしてもこいつに「ありがとう」と言わなくちゃいけない。それがプライドを捨てないと出てこない。

「こないだは、あ…」

確かにありがとうと言った。が、しかし到底瑛人に聞こえる声量ではない。

「聞こえないよ」
「ウザイ」
「ウザイって言いに来たわけ?」
「ちげーよ」

強くなる日南の語勢に瑛人は思わず顔を上げた。睨みつけた日南とばっちり目が合った。逸らしたら負けor逃げという華麗なるDQNの鉄則を知らずに、また瑛人はどこか明後日の方向を向いている。

「…礼と詫び」

日南がそっぽを向いて俯いた。今度は瑛人が日南の顔を見ている。2人は全く合わない、お互いに違うほうを向いてばっかりで。

「いいよ。素直に受ける」

どんどん校舎から生徒が出てきた下校時刻だろうか、瑛人が歩き出すと日南は慌てて後ろについて行った。

「どこ行くの?」
「飯でも奢ればいいんでしょ」

めちゃくちゃ気が狂う。瑛人はそう感じて、時たま深呼吸をしている。日南のために歩幅を小さくして、遅くしたが日南は一向に自分の隣に来ることはなかった。

Re: 噛ませ犬が愛しすぎてツラい ( No.15 )
日時: 2018/11/11 22:12
名前: mono

「こんなとこでいいわけ?」
「学生は金ないからね」

平賀瑛人が行きたいと言った場所は、まさかのただのチェーン店の牛丼屋である。駅や街中にちらほらある。てっきり、かなり高そうな3万じゃ足りなそうなイタリアンとかフレンチだのなんだのを要求されるかと思っていた。

「3万までなら出せるんだけど」

日南と瑛人はカウンターに案内され、隣に座った。日南は携帯片手に足を組んで頬杖をついている。スカートが短いので、少し離れた場所からサラリーマンのオッサンが日南の足をずっと見ている。確かに脚は綺麗だし、とりわけ細すぎる訳でもなくて1番ベストな太さである。日南自身「脚ムチ子」と礼と千夏たちから言われ、よくブチ切れをかましているが、男の人は好きそうである。でも瑛人は大して興味無さげで、逆に視線を感じてサラリーマンの方を向くと、なんだただの変態か。とサラリーマンを目線で一蹴りしておいた。

「日南、場所変わって」
「なんで?」

いいからいいからと言いくるめられてしまい、邪魔だからそっち行ってとも言われた。こうなればサラリーマンからは日南の後ろ姿しか見えない。日南はそんなことも気にする様子はなく、ピアスを弄りながらまだ携帯を触っている。

「そんなにスマホ見て楽しい?」
「インスタと通販見てる、てか暇つぶしな」
「俺といるとき暇なんだね」
「なんも面白いこと言わないから」

確かに。DQN男子のギャグ線というのは人に迷惑をかけない範囲であれば、とても高い。それに比べ、瑛人が取り出したものは文庫本サイズの小説である。日南は、何かキモイと感じた。

「じゃあ質問するけど」

瑛人は口を開いた、自然と日南は携帯の手を止めた。

「なんでギャルになったの?」
「…あーね。まず黒髪が似合わなくて茶色入れてったらいつの間にか金髪になってて、友達がグレたから一緒にグレた」
「俺もグレた」
「は?どこが?」
「会社の跡づきになるの嫌で、教育学部目指してるから」

グレるの根本的な捉え方が違かった。日南はご想像の通り全面的にガラッと印象が変わり、社会とはかけ離れたものになった。一方、瑛人は親の期待を自ら損ねるということで、それが自分では悪いことをしているということから「グレる」に至った。

「全然グレてねーじゃんかよ」
「俺の中ではかなり反抗した方だから」

ちょっと瑛人は笑った。

「金持ちのことはわかんねーな」
「金持ちじゃないから」
「お前頭沸いてんじゃね、だってテレビで…」
「アレ、別荘だから」

牛丼が手元に運ばれたのも気がつかず、日南は目を丸くしている。

「冷めるよ、食わないと」
「わかってるわ」

別荘って、金持ちなの間違いないじゃん!日南は心の中でツッコミを入れながら、チーズ塗れの牛丼を口に運んでいる。日南の顔より大きい丼にスプーンを突っ込んで、一口は小さいものの黙々と食べている。普通に美味いわ、とご満悦の様子である。よく食うな、俺より食うんじゃないかコイツ。頬杖をつきながら、瑛人はぼーっと日南の食いっぷりを見ていた。お待たせしましたぁと店員がカウンター越しにシンプルな牛丼を差し出すと、瑛人はハッとして牛丼を自分の席に寄せた。手を合わせて湯気の中に箸を入れてやると、ご飯粒が汁に浸されていて箸を伝って落ちた。チェーン店というか牛丼自体久しい。多分日南とじゃなきゃ食べに来る機会はなかったかもしれない。

「ごちそうさまぁ」

日南は食べ終えたかと思うと、すくっと顔を上げ厨房にいるであろう定員に向かって叫んだ。店内にいた人は皆、日南を驚きの表情で見つめている。なんだコイツ…性格悪いのかいいのか分からないな。日南が一足先に食べ終えてしまったが、瑛人はマイペースに食べ進めている。

「男なんだからもっとがっついて食えや」
「日南ががっつきすぎなんだよ」
「なわけないから、さっさと食え」

謎の根拠によって否定されまくった瑛人は、意外にも直ぐに完食した。日南は水を飲んでいる。

「あ、待て」

瑛人は伝票を手にしてすぐさま立ち上がってしまった。日南は透かさず、レジと瑛人の間に入り込み3万を叩きつけた。

「さ、3万円からで宜しいでしょうか?」

困惑した店員が日南に尋ねると、日南は大人しく財布から1000円を出し、3万を財布にしまった。背後で瑛人の咳き込んだような笑いを堪えているような声がすると、自分の左足を下げて瑛人の足を踏みつけた。

「なんで?私がお礼するって言ったよね?」
「女子に奢らせるのは違和感ある」

真顔でそんなことを言うから、多分コイツはたらしかなんかだろう。


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