コメディ・ライト小説(新)

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魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。
日時: 2019/02/22 16:49
名前: ミーミ

初めましての方、初めまして!もう知ってる方、超お久しぶりです‼︎
小説『タイムスリップ☆スター』の作者ミーミです。
『タイムスリップ☆スター』、2ヶ月程更新が止まっていて本当にごめんなさい(土下座)‼︎ネタが……、思いつかないのです、ガチめに。
そんな時国語の授業で書いたのが、この物語。
『シンデレラ』の世界で魔法が使えなかったら(=魔法使いが存在しなかったら)どうなるのかな〜と考え、連載を始めさせて頂きます。
授業で書いたのは他人に読まれる為恋愛なしバージョンでしたが、こちらではたくさん恋愛要素を入れますのでご安心を!
ちょっと不思議な異世界トリップっぽい物語、お楽しみ下さい。


0,プロローグ
皆さんは知っているだろうか。『シンデレラ』の世界なかに、魔法など存在しないことを。
カボチャの馬車も、12時で解ける魔法も、全て1人の人間が苦心して「そう見せかけた」だけだということを。
このお話は、その《1人の人間》の物語である。

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Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.13 )
日時: 2019/03/12 00:32
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

金茶色の波打つ髪に淡紅色の瞳。華奢な身体と誰よりも愛らしい顔立ちは、挿絵の『シンデレラ』そのものである。
「……現実逃避ヤメロ」
「イエッサー」
現実逃避の為にシンデレラの可愛いさを褒め称えていたら、クロに怒られた。これが世に言うエンカウントか。物語でこういう状況でのエンカウント率高過ぎる。
ナカトはニッコリ笑顔を浮かべる。(別名・困った時の愛想笑い)
「失礼いたしました。わたくし、王太子殿下の使いにございます。来月王宮で開催される、王妃殿下の生誕祭記念パーティーの招待状をお届けに参りました」
恭しく招待状を渡した。シンデレラは微笑む。
「ご丁寧にありがとうございます。確かに受け取りました」
うおおおおおっ、お貴族様が平民相手にお礼を言ったよ⁉︎初めてだわ。この人ホントに子爵令嬢なの?(良い意味で)
驚きで仰け反りそうになったのを堪えたナカトは、結構ガチめで凄かった。
その後はボロを出さない為、早々に退散するナカトであった。
「疲れた……。この世界に来て、私の寿命何年縮んだんだろ」
「まあ、5年くらいは」
「冗談でも言うなああああ‼︎あんたが言うと冗談じゃなくなるー!」
こんな会話が、人間と黒猫の間で繰り広げられていたとかいなかったとか。

その時、グレイスはある書類を前に考えていた。
「うーん、お手上げだなぁ……」
きっかけは、僅かに消し後が残ったそれをナカトに提出されたことだ。
見たことのない文字に似たものだった。グレイスはなんとなく気になったので、鉛筆をその文字の上で滑らせる。
浮かび上がってきたのは……どの国のものでもない{文字}だった。
グレイスは大国の王太子だ。外交の為数カ国語を操れるし、大陸に存在する全ての文字は知っている。つまり、少なくとも大陸内の文字ではない筈。
何故彼がそれを文字だと判断したかというと、規則性があったからだ。
[丸みを帯びたもの][角張ったもの][複雑なもの]
大きくこの3つに分けられる。
そこまで辿り着くのはさほど難しくなかった。問題は、その後である。
なんせ、ノーヒントで外国語(異世界語⁇)を解読しなければいけないのだ。普通不可能。流石のグレイスも断念する。3つに分類出来ただけで充分神ってる。
諦めた彼の脳内に、疑問が湧き出た。
「この{文字}は何処の国の文字ものか」「どうして、ナカトは大陸内に存在しない筈の{文字それ}を知っていて、尚且つ使えるのか」
1人しか居ない執務室に沈黙が訪れる。
ふと、グレイスは思い付いた。馬鹿馬鹿しい、けれどそうであるならば辻褄の合う答えを。
「はは、まさかね」
乾いた笑い声を上げる。そうだ、違う世界から人間が来るなんてありえない。
彼は気付かない。それが答えだということに。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.14 )
日時: 2019/03/21 15:12
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

5,魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。〜ミッションその3 男装・素性を隠し通せ〜
運良くシンデレラの家の場所を知って一週間。ナカトは再び王太子の執務室に呼ばれていた。
「またですか?最近、みんなの視線が羨望じゃなくて“こいつクビになんじゃね”って気遣いの視線になってきてるんですけど」
「いい変化じゃないか」
「いやどこが⁈」
彼のツッコミをあしらうグレイス。どこかで見たような光景である。
会話がひと段落つくと、グレイスは本題を切り出した。
「昨日、母上に言われたんだ。“貴方の部下の黒髪の子、なんで男の子の格好しているのかしら?この前会った時は可愛い女の子姿だったのに”と。……いつの間に会ったんだい?」
思わず逃げ出したくなる程恐ろしい、キラッキラの笑顔で。
ナカトは一瞬固まった。なんのことか分からなかったからだ。
そしてすぐさま頭を回転させる。女の子姿……つまり奈々花の姿で会った女性。思い当たるのは1人だけ。王太子がパーティーの不参加を決めた夜、止めに行こうとして迷いこんだ部屋の住人。
「(あの銀髪のめっちゃ綺麗な美人さん、王妃殿下だったのおおおおおおッ⁈⁉︎)」
物凄くヤバいこと(ヘタしたら不敬罪で死刑レベル)をやらかしてしまったのだと理解するナカト。
観念して大人しく白状した。
「あっはは〜……実は二週間程前、(貴方を説得する為に)女子の格好でこの部屋に来ようとしてうっかり王妃殿下(のお部屋に入ってしまって。その時)にお会いしたことをおっしゃっているのかと」
嘘は言っていない。ただカッコを多用しただけだ。カッコ最高最強万歳。
今回の誤魔化しは上手くいった様で、グレイスはそれ以上追及しなかった。けれど、だたったそれだけで怪しい者を見逃す程、彼は甘くはない。
「……君は、何処から来たんだい?」
主の核心を突く発言に、臣下の息が止まった。

「領地の経営の方はどうなっているのかしら?子爵令嬢」
王城の東屋あずまや。そこは予約すれば貸し切りが可能なので、よく密談に使われる。
今日は、銀髪の女性と金茶髪の少女が使用していた。
女性の方が立場が上なのだろうか。彼女の問いに、少女が丁寧に答える。
「一応切り詰めて何とかはなっているのですが……。正直に言いますと、少々厳しい状況になっております」
少女の報告した現状に頭を悩ませる女性。
「そう、大変ね。必要とあらば代理領主を派遣する所だけれど、きっと3日と経たず帰ってくるわよね……はぁ。貴女にばかりあの面倒な母娘達を任せっきりで、申し訳ないわ」
「もったいなきお言葉でございます。王妃殿下」
しばらく今後について話し合い、密談は終わりを告げる。
「では、また会いましょう」
「はい、またの機会をお待ちしております」
銀髪の女性ーーメアリ・マクファーソン・ディ・アルファ王妃と、金茶髪の少女ーーシンデレラ・エモラ・クレイア子爵令嬢は東屋を後にした。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.15 )
日時: 2019/03/18 23:50
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

非常にまずい。ナカトは焦っていた。
例えば、この状況でバカ正直に「異世界から来たんです!」と言ったとする。予想される相手の反応は主に3つ。
①「ラノベ読みすぎ」とツッコまれる。
②頭を心配され、救急車orカウンセリングを奨められる。
③引かれる。
①が理想だ。その人の心が地中海よりも深くエベレストよりも高かったら、優しめなこの対応になるだろう。腹黒王子がこんな素敵な対応をする訳がないが。
②はヤバい。この世界に救急車とカウンセリングがあるのか知らないが、あった時本当に大変になる(医師達に迷惑をかけるという意味で)。……性悪王太子なら冗談半分でやりそう、とナカトは戦慄した。
③が一番恐怖だ。この世に引かれること程惨めなものはない。精神的にられる。
しかし、嘘誤魔化しが通用する相手ではない。ココで下手に誤魔化して不審を買われるよりは真実を口にする方が、幾分ましなのではないか。そういう結論に至った。
幸い、この世界の文化水準は日本に比べだいぶ低い。対価として日本の豊富な知識を提供すれば、危険人物として追い出される可能性は減る筈だ。
ナカトは、潔く覚悟を決めた。頭を下げながら言う。
「ラノベかよ!とツッコみたくなるような信じられない話ですが、とりあえず最後まで聞いてください。お願いします」
「……(‘らのべ’とは何か聞きたいけれど)分かった。話して」
空気を読み、真面目に応えるグレイス。
そしてナカトはーー否、奈々花は話した。これまでに起こった出来事、自らが把握している現状、彼女の住んでいた世界のこと、全てを。
長い長い奈々花の話を、グレイスは約束通り黙って聞く。
彼女が話し終えた時、部屋は沈黙に包まれていた。
それを破ったのはグレイスだ。
「信じ難い話ではあるけれど、真実ほんとうなんだろうね」
そう結論に至ったのは、王族としての勘だ。彼の勘は当たるからこそ、次期国王という地位に居れるのである。
「聞いた限り、君の提供する対価はかなり重要そうだ。だから、お礼に【素性がバレても大丈夫な位の立場の用意】を追加してもいいよ?」
グレイスの提案に目を見開く奈々花。土下座する勢いで、すぐに提案に乗った。
「ぜっ、是非とも‼︎よろしくお願い申し上げます‼︎」
彼女に笑顔を向けつつ、グレイスは先程の一連のやりとりを振り返った。
「……(対価を提示した所までは良かったんだけど、対価に対して要求が少なすぎる。もうちょっと強請らなければ、相手にナメられ利益を全て吸い取られてしまう。その辺の交渉はもっと実践して勉強すべきだね)」
そこまで考えて彼は驚く。いつの間にか奈々花のことを対価抜きで‘注意すべき人物’ではなく‘1人の部下’として見ていたからだ。
少し苦笑混じりで笑う。
「ま、こんな簡単に人の懐に潜り込めるなら生きてけるか」
肝心の本人ナカトはなんとかなったことに安堵し、全く聞いていなかったが。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.16 )
日時: 2019/03/21 22:05
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

「……という訳で、早速母上に会ってもらうよ」
「殿下、“……という訳で”の使い方おかしーです。そして意味通じません」
グレイスの突拍子もない発言に条件反射でツッコむナカト。本音だ。
余裕の表情を崩さない王太子は言った。
「大国の王妃に気に入ってもらえば、素性がバレても多少は何とかなると思ったんだけどな〜」
確・信・犯!
ナカトは感じる。コレ絶対回避出来ないやつだな、と。
画して、ナカトと王妃殿下の顔合わせ(仮)は決定された。

「……何故に私はこんな格好をしている」
せぬ、と奈々花は呟く。奈々花、と表現したのは彼女が女の子バージョンだからだ。
グレイスに素性を暴露してから数日後。とんとん拍子で話は進み、奈々花はいつの間にか【東の小国トリスティン帝国の王位継承権争いから逃げて来た庶子の王女】になっていた。彼お得意の戸籍操作が炸裂した結果である。
確かに、王女という立場なら王妃との面会は可能だ。しかも‘小国の’と付けるだけで一気に世間知らずなイメージが着く。要するに《多少無礼な発言してもOKだよ☆》ということ。ついでに庶子にしておけば存在が公になっていない理由になる。あいも変わらず抜かりが無さ過ぎる王子・グレイスであった。正直怖い。
……話が脱線したので戻そう。
東屋で王妃を待つ奈々花は、侍女達の手によりドレスアップさせられていた。
具体的に言うと、黒い髪は香油を塗りハーフアップにし、群青色の美しいドレス姿だ。本人は「ドレス綺麗すぎ。私完全に服に着られてるやん」と思っているが。
回想を終えると、とうとう王妃がやってきた。
奈々花はその姿を見ると、光の速さで土下座をする。
「ふふっ」
王妃はそんな彼女を見てクスリと笑う。……いきなり赤の他人に土下座されても笑えるなんて、随分と肝が据わっている人物である。
奈々花は土下座の姿勢を崩さず言った。
「ワザとでないとはいえ、勝手に王妃殿下のお部屋に入ってしまい、誠に申し訳ございませんでしたー‼︎」
後ろに控えている侍女達がざわつく。
「(こんな所に犯人が!とか思われてんだろな〜)」
果たして王妃殿下の反応は?と顔を上げると……。
「不可抗力なのよね?ならば仕方ないわ。何かを盗んだ訳でもないし」
意外に心が広かった。高飛車王妃じゃなくて良かったと、心底思う。
和やかな顔わせになりそうである。
「ところで、トリスティン帝国のニセモノ王女さん。グレイスからおおよその事情は聞いたけれど、貴女から詳しく説明して頂戴ね」
彼女が耳元で囁いた言葉に、甘っちょろい考えは霧散する。
蛙の子は蛙。この王妃殿下頭良過ぎだよ、と奈々花は項垂れた。
長い顔合わせの始まりだ。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.17 )
日時: 2019/03/23 00:58
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

銀色の綺麗な巻き毛を揺らし、王妃は微笑む。
「でも、まずは名乗るのが先よね」
彼女の台詞にハッとする奈々花。確か、身分差のある場合は下の者から名乗らなければならない筈だ。身分社会面倒臭い。
「名乗りが遅くなり、申し訳ございません。トリスティン帝国第四王女、ナナカ・ヒノ・トリスティンと申します」
そして、グレイスに用意された名を言う。第四王女って子供多くない⁉︎と驚いた奈々花はグレイスの「あの国は側室有りだからね。そのせいで王位継承権争いなんてアホなことが起きているんだ」という発言に怒りを覚えた。平安貴族みたいな一夫多妻制なんて廃止しちまえ、と思う。
奈々花の名乗りを受け、王妃も口を開く。
わたくしはアルファ王国王妃、メアリ・マクファーソン・ディ・アルファよ」
……名前長ッ!
それが奈々花の、王妃の名前を知った感想だった。言ったら不敬罪に当たるので留めておいた。

「なるほどねぇ。貴女も苦労しているのね」
「はい。正直、とっっても大変だったんです」
話終わる頃には、2人はすっかり打ち解けていた。奈々花の口調が親しげになる位には。
ちなみに、内密な話なので侍女達は外に控えている。
メアリは意外と笑い上戸で、奈々花の話に爆笑していた。心外である。
「殿下は黒くてワザと空気読まないし!第二王子殿下は遭う度に私のこと無視するし‼︎なんなんですか、2人共私に恨みでもあるってんですか⁈」
奈々花は日頃の愚痴を吐いて突っ伏す。
そんな奈々花に、メアリはころころ笑って言った。
「グレイスは元々そういう子だから無理よ〜。お気に入りの嫌がることをするのが趣味なの」
「うっわなんて悪趣味!こっちまでとばっちり来てるんですけど」
「うふふ。ランスは……そうね、人見知りというか他人への警戒心が人一倍強いから。特に女の子が嫌いで、夜会なんて私が蹴っ飛ばさないと誰とも踊ろうとしないのよ。困った子よね」
「……王妃殿下、ソレ‘困った子’のレベル越してますよ」
王妃とこんなコントを出来るのは、この国ではきっと奈々花ぐらいだろう。

続く


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