コメディ・ライト小説(新)

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魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。
日時: 2019/02/22 16:49
名前: ミーミ

初めましての方、初めまして!もう知ってる方、超お久しぶりです‼︎
小説『タイムスリップ☆スター』の作者ミーミです。
『タイムスリップ☆スター』、2ヶ月程更新が止まっていて本当にごめんなさい(土下座)‼︎ネタが……、思いつかないのです、ガチめに。
そんな時国語の授業で書いたのが、この物語。
『シンデレラ』の世界で魔法が使えなかったら(=魔法使いが存在しなかったら)どうなるのかな〜と考え、連載を始めさせて頂きます。
授業で書いたのは他人に読まれる為恋愛なしバージョンでしたが、こちらではたくさん恋愛要素を入れますのでご安心を!
ちょっと不思議な異世界トリップっぽい物語、お楽しみ下さい。


0,プロローグ
皆さんは知っているだろうか。『シンデレラ』の世界なかに、魔法など存在しないことを。
カボチャの馬車も、12時で解ける魔法も、全て1人の人間が苦心して「そう見せかけた」だけだということを。
このお話は、その《1人の人間》の物語である。

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Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.19 )
日時: 2019/04/01 22:49
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

「客人?ランスロット殿下、お戯れを。このような汚らわしい者が、王家の方々の客人なわけありませんわ」
眉をひそめ、キャシーは蔑みの目を奈々花に向ける。
奈々花はイラっとした。さっきから散々汚い汚らわしいいいやがって、アンタの性根の方がよっぽど汚れとるわ!やっぱ殴っちゃダメかな。
取り巻き2人も口々にそうだと言う。それを止めたのは、ランスロットだった。
「……五月蝿い。王家の客人かどうかを決めるのは王族だ。そして、僕はいつお前の発言を許可した?」
絶対零度の視線にブリザードを纏いながら、冷え冷えとした声で告げる。
びくりとする3人。それでも伯爵令嬢はめげなかった。
「しかし、その者はドランローク伯爵令嬢である私を侮辱したのです‼︎」
「……(いや侮辱したのアナタですハイ)」
彼女の言い掛かりに、奈々花は呆れて物を言えない。
未だに奈々花が自分より下だと思っているキャシーを、ランスロットはゴミを見るような目で見た。
「君、馬鹿なの?」
「なっ、いくら殿下でも今のお言葉は見逃せませんわ!」
相手は王子だというのに食って掛かるキャシー。咎められてもおかしくない。
けれど、そんな無知な彼女も次の言葉に止まった。
「そこのご令嬢は、トリスティン帝国第四皇女、ナナカ殿下だよ」
無理もない。散々ディスった相手が実は皇女(仮)でしたー☆なんてテンプレ、普通ありえないだろう。実際あったけど。
キャシーの反応に満足した奈々花は、とても丁寧に自己紹介する。
「初めまして、ドランローク伯爵令嬢キャシー様。私、トリスティン帝国皇女のナナカ・ヒノ・トリスティンと申します」
トドメに〈真似っこ・淑女の礼〉を披露した。彼女は器用なので、こういう真似っこがうまいのである。
現実を受け入れられなかったキャシーは感情のまま叫ぶ。
「嘘!嘘よ‼︎その女が皇女だなんて、みんな騙されているんだわ‼︎」
ランスロットが、本日一番の冷たい空気を抱え言った。
「本当のことだ。それに、先程言っただろう。『いつお前の発言を許可した?』と」
3人の令嬢は彼の台詞に真っ青になり、土下座する勢いで謝る。ランスロットが命じると、大人しく去っていった。
その様子を見届けたシンデレラは、淑女の礼をする。
「王子殿下、皇女殿下、ご挨拶が遅れてしまい誠に申し訳ございません。クレイア子爵令嬢、シンデレラでございます」
「ああ」
「ご丁寧にありがとう」
礼を言う皇女は、うなづく王子に話しかけた。
「ランスロット殿下、助けて頂きありがとうございます」
その言葉れいに、意外にも彼は冷たく言う。
「助けたつもりはない。ただ、貴女は‘皇女’で‘留学中’なのだから、揉め事に首を突っ込まないで頂きたい」
……怒りの声を上げなかった奈々花を、どうか褒めてほしい。
必死に激情を抑えた。
「……申し訳ございません。以後気をつけます」
彼女の返事に適当にうなづき城へ入っていった王子殿下に、奈々花は心の底から怒鳴りたかった。
「(だったらテメエがどうにかしろや、このド阿呆放任主義王子ー‼︎‼︎)」
こうして、後々深〜い関係になる第二王子とニセモノ皇女は出会ったのであった。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.20 )
日時: 2019/04/14 00:24
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

プルプル怒りに震える奈々花に、シンデレラが話しかける。
「あの……殿下、先程は助けて頂きありがとうございました」
我に返った皇女は慌てた。そりゃあ本来自分は平民いっぱんじんなのに、貴族で未来の王妃(予定)のヒロインに《殿下》なんて敬われると罪悪感が半端ないだろう。
「あわわ、殿下なんて恐れ多いです!普通に【奈々花】でいいですええNo problem」
……慌て過ぎて何故か英語が出た。しかもやたら発音良く。ホントなんでだろ、と現実逃避する。
目を丸くするシンデレラ。次の瞬間には噴き出していた。
「もっ……申し訳、ございませんふふ……笑いが止まらなくて……うふふふふ」
笑い方がザ・貴族な感じがする。自分も一応皇女だから、こんな風にお淑やかに笑えるよう特訓した方がいいだろうか。
「ところで、‘のーぷろぶれむ’とは?」
シンデレラの質問に、奈々花は真顔で即答した。
「私の故郷の言葉で[問題ない]って意味です」
この世界に来てサラっと嘘つくスキルが上がった気がする。彼女は思った。
シンデレラは首を傾げる。
「なるほど。けれど……本当に良いのですか?ファーストネームでお呼びするなんて」
「もっちろん!よろしくね、シンデレラ」
奈々花が名前で呼ぶと、シンデレラも諦めたようだ。
「かしこまりました、ナナカ様」
「やり直し、様付け禁止ね。さあシンデレラ、リピートアフターミー。【奈々花】‼︎」
「はあ……」
仕方のない子を見るような目をして言った。
「【奈々花さん】が最大限の譲歩ですからね?」

奈々花はシンデレラとちゃっかり友達になった後、城に入り報告を終えた。
ただ、今日という日は彼女にとってカナリ悪い日らしく、またしてもランスロットに会ってしまう。
お互い自分に素直なので、全く隠さず“げっ”という表情を浮かべた。
「……どうも」
「……あの後は何も揉め事に首を突っ込みませんでした?」
奈々花の顔に、青筋が見える。
本音をオブラートに包んだ言葉の応酬が始まった。
「いやですねぇ、殿下。鶏じゃあるまいし、3歩歩いて忘れる程バカではないですよ(アンタは私を鶏頭だと思ってんの⁈)」
「そうでしたか、それは失礼。てっきり懲りずに何度もやるように見えたので……(うん、勿論。てっきり鶏も真っ青の記憶力かと)」
「あら、それは心外です。……私も驚きました。あんな悪質なことをする女子を平気で放っておく人も、外交問題になりそうになったら動くのか、と(……へぇ、私も意外だったよ?放任主義者も動けたんだ〜って。何もできないのかと思ってた)」
ランスロットの額にも、青筋が浮かんだ。
「は?バカにしないでくれる?僕だってやろうとすればできるし」
「知ってる?そうゆーの、できない人の台詞だよ」
「自分の立場すら理解できない人が何言ってんの」
「それキャシーだし。私なるべくあの単細胞怒らせないようにしてたし」
もう両者本音すら隠していない。応酬は続く。
「けど結局水ぶっかけられてんじゃん」
「だって、まさか生粋のお嬢様があんなことするとは思わなかったんだもん。普通のお嬢様ってお淑やかなもんじゃないの」
「もんとか言わないで似合わない。後、典型的な貴族令嬢は健気なフリした凶暴腹黒バカだから。だいたい君まだ微妙に濡れて汚……え?」
そこでランスロットの勢いが止まった。まじまじと奈々花の姿を見る。
その視線に耐えきれず、彼女は憎まれ口を叩く。
「……今絶対‘汚い’って言おうとしたよね?これただの水だから、汚くないから!」
「それよりも、まさかとは思うけど……あの後、着替えた?」
「いや、時間なくてそのまんま」
奈々花の応えに頭を押さえるランスロット。
「信じらんない‼︎あれからもう1時間位経ってるよね、その間君は一体何をしてたの⁈」
「え、えと、ちょっと殿下に用があって……。っていうかなんで急にキレたの」
「殿下?ああ、兄上ね。あの人はバカか、何故びしょ濡れの人間を前に着替えさせず風呂にも入れさせず放置するんだ!普通に風邪引くだろ。それとも馬鹿は風邪を引かないと?いくらバカでも風邪を引く時は引く」
「……ぶえっっくしゅえええ‼︎」
「ほら言わんこっちゃない。ああもう、これ着て早く部屋戻って風呂入って着替えてろ!」
超高級そうな上着を渡された。
慌てる一般庶民ななか
「えっ、こんな高級そうなの無理バチ当たる」
「五月蝿い。さっさと着て帰れ」
鬼のようなオーラを発する彼に逆らいきれず、奈々花は大人しく超高級上着を着て退散した。
遠ざかる背を見届け、ランスロットは振り向く。
「さて。何企んでるんですか兄上?」
「やだなぁ。可愛い弟にお似合いの女の子を会わせただけだよ」
振り向いた先、グレイスはニッコリ笑った。
吐き捨てるように言うランスロット。
「馬鹿らしい。あのじゃじゃ馬が僕にお似合いだと本気で思ってるんですか?」
「うん」
「しかも僕が可愛いとか気持ち悪いです。強いて言うなら可愛いのはじゃじゃ馬……」
そこまで言い、はっとする。グレイスはにやにやした。
「へぇ、可愛いって思ったんだ。珍しいね、っていうか初めてじゃない?女の子を可愛いと思ったの」
「黙れ」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないか。確かにあのお転婆姫は可愛いもんね。ランスが女の子に優しくするなんて、母上が聞いたら泣くよ」
「気色悪い」
「……酷いね」
兄弟の話し合い(またの名を口論)はしばらく続く。
「ふぇっくしゅん。うー、またくしゃみ。そうだ、借りた上着どうしよ」
追伸:被害者一名。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.21 )
日時: 2019/04/13 17:12
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

たとえ何が起ころうと、仕事は行かなければならない。
「要するに、風邪でも仕事は休めんってことよ……」
マスクをした真っ赤な顔で奈々花(ナカトver.)は一人ごちる。
昨日ヒステリック令嬢に水をぶっかけられたまま小1時間放置した結果、彼女は見事に風邪を引いた。この世界に体温計がないので熱は計っていないが、おそらく38℃はいってる気がする。ついでに冷えピタ欲しい。
「おい、大丈夫かよナカト」
「相変わらずバカですねアルは。彼が大丈夫に見えます?」
「とりあえず頑張ります……」
アルとユージーンに休みを勧められたが、仕事の進行状況が状況な為に休めない。お父さん毎日こんなに頑張ってくれてたんだね、ありがとう……。
「うう、頭ガンガンする」
そう呟きながらも手を止めることなく頭はフル回転。幸い咳は出ていないので、他人に感染することもないだろう。
あまりにも死にそうな顔をしていたのだろうか。一人の同僚が濡れたタオルを乗せてくれた。
「ナカトー、くれぐれも死ぬなよ〜?」
「ありがとうございます。けど殺さないでください」
ついでに死ぬ心配をされる。
更に、便乗した親切(お節介とも言う)な同僚達が濡れタオルを彼の頭の上にどんどん乗せていく。その結果、
「ぬわんじゃこりゃーー!他人ひとの頭で遊ぶなぁぁぁ‼︎」
頭の上に芸術作品とも言えるタワーオブタオルが出来上がった。
一瞬、彼は刺すような視線を感じる。だが気の所為か、とすぐ忘れた。
今日も職場は平和である。

扉の中でののほほんとした会話に、部屋を出て舌打ちをする人物がいた。
「ちっ、忌々しい……」
手に握っている書類に数え切れないほどのシワが寄る。
彼は、いきなり現れて同僚とーー敬愛する上司に気に掛けられている“ナカト・リヴィス”という少年が大嫌いだった。
先ほどは周囲に合わせ濡れタオルを置いたが、何故新人にそんな気を使わなければならない?確かに年齢の割に仕事は出来るが、もっと出来る人は沢山居る。
なんと言っても彼が一番気に食わない理由は、ナカトの主・グレイスに対する態度だ。
ある日、偶然にも食堂でナカト・リヴィスとアル・ヘレス、ユージーン・カトル・ソルレスの会話が聞こえた。そして、ナカトのグレイスから呼び出しがあったと言われた時の表情に我が目に疑った。
頭を抱え、恨むかの様にため息を吐いたのだ。
その信じられない反応に卒倒しそうになった。
グレイスといえばこの世界で1・2を争う大国の王太子で、まだ22歳ながらこの国の政治を担う優秀な青年だ。更にカリスマ性もあるイケメン。国民の誇りと言っても過言ではない。そんな素晴らしさの塊で形成された様なお方からの呼び出しに泣いて喜ぶわけでもなく、恐れ多いと慌てるわけでもなく、ため息……?
彼の中で、ナカトが[意外と頭の良い少年]から[分不相応な糞野郎]に成り下がった瞬間だった。
その時のことを思い出すと、今でも怒りが沸いてくる。
挙句の果てに、近頃は第二王子のランスロットにも近付いていると聞く。
だいたい今日の熱だって自作自演じゃないのか?
ナカトが聞いていたら「ちゃいます!アレは上着を返しただけ‼︎熱だって昨日ヒステリック令嬢にゲフンゲフン、……何でもありません」と力の限り否定しただろう。
だが不幸にも、ナカトは不名誉な噂を知らなかった。
「アイツに、少し身の程を教えてやった方がいいかなぁ……?」
彼がニヤリと口角を上げる。
その様子は、どこか狂気じみていた。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.22 )
日時: 2019/04/27 16:44
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

6,魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。〜ミッションその4 お偉い方とのフラグを回避せよ〜
己に迫り来る悪意に露ほども気付かず、日々は過ぎてゆく。
ナカトは椅子に座り、ボーッとこの前のことを思い出していた。

「うーむ、本音を言うとランスロット殿下に会いたくない。めっちゃ殿下(兄の方)に任せたい。けど直接返さないとシツレイかなぁ」
彼が悩んでいるのは、ランスロットから借りた超高級上着の返却方法についてだ。
最近やたらとお偉さん方に会うからつい忘れそうになるが、本来ナカトは平民で、彼らは雲の上の人。むしろ話せている現在が奇跡なのである。
さあ、どうすればいいのだろうか。ナカトは結論を出した。
「しゃーない、皇女バージョンで行くか」
一番安心な方法な気がする。部屋に戻って女装(注・もともと女)しようと旋回すると、目の前にランスロットが居た。
「(うおわぁああああ)‼︎⁉︎⁈」
必死に叫び声を止めた彼は、本当によく頑張ったと思う。だって不敬罪怖い、身分差社会怖い。
ランスロットはそんな彼の様子に目もくれず、ただナカトが持っている上着を凝視した。
「……あのさぁ、」
「はいぃッ!」
話し掛けられてどう言い訳しようかと冷や汗を流すナカト。
ランスロットは、青緑色の冷たい瞳で彼を見据える。
「その上着、僕がある女の子に貸した物なんだよね。なんで君が持っているのか、説明してくれる?」
ヤベェ生命の危機かも。ナカトは思った。この人視線だけで人殺せるわ。つーか頼んでる風に言ってるけど今の命令だよね⁇
そして、内心の動揺を‘王子を前に緊張している’と見せかけ、咄嗟に嘘を言う。
「実はわたくし、ナナカ殿下の従兄なのです。彼の方の母君が叔母で、私自身は皇帝陛下の血を引いていません。今仕方偶然再会した時に《ナカトって王太子殿下の元で働いてるんでしょ?なら王子殿下に会ったりするよね。ってことでこの上着、あの人に返しといてヨロシク☆》と、止める暇も無く渡されて走り去っていかれ、どうしようか考えていた所です」
……何だか大変な設定を増やしてしまった気が、とってもする。
ランスロットの強い視線に耐え切れず俯く。心の中で今告げた嘘を整理する。
「……(たかが平民が、庶子とはいえ皇女の従兄ってどんな奇跡よ。でもそうすれば‘ナカト’と‘ナナカ’が似てるのに説明がつくよね。これはいつか言及されそうな事だから良い嘘吐けた。もちろん上着の件も)」
そして、そろそろ何か言って欲しいのだが。
もう一度顔を上げると、丁度彼が口を開いた所だった。
「ふぅん、そうなんだ。じゃあソレ返して」
「はい」
大人しく渡す。いろいろ予定外だったが、これで目的は達成できた。さて墓穴を掘る前にこの場を失礼するか、と踵を返す。が。
「では、私はこれにて」
「待って」
「……何でしょうか」
ランスロットに引き止められる。後方を振り向くと、彼が歯切れ悪く言った。
「あの子、僕のこと何か言ってた?」
「(ナナカのことか?)いえ、特には」
首を傾げる。ランスロットは引き止めて悪かった、と言った。
ナカトが背を向けると、彼は小さく漏らした。その顔はほんのり朱い。
「初対面の人間に何聞いてんだろ、はぁ……。それにしても、顔も性格も良く似てた。警戒するのが馬鹿らしくなるあの雰囲気まで一緒とか、流石従兄」
想像以上に、ナカトの嘘は説得力を持っていたらしい。
ついでに言うと2人はナカトが城に来た当日に会っているのだが、興味の無いランスロットはそのことをすっかり忘れていたのであった。

続く

Re: 魔法使い不在のまま、『シンデレラ』の物語は進む。 ( No.23 )
日時: 2019/04/28 16:16
名前: ミーミ
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12258

ほとんどの方が忘れていただろうが、王妃殿下の生誕祭が近づいてきた。
何故かどんどん偉い人と知り合う最近。この舞踏会でナカトとクロの運命が決まるのだ。
そういう訳で、ただ今1人と1匹は作戦会議をしている。
「私的には、どうやってシンデレラを殿下と会わせるかは計画出来てるの。けど、ドレスとか馬車とかをどうするか思い付かなくて」
「金の問題か。皇女として買うことは出来ないのか?」
「いや、罪悪感がね……」
両者頭を抱える。ナカトの給料じゃ何も買えない。
このままだと、舞踏会でグレイスとシンデレラをくっつけられずナカトもクロも元の世界に帰れない。原作シナリオ通りに進めたいが為に焦りを感じる。
とりあえず気分転換する?と1人と1匹は夜の散歩を始めた。
前回の教訓を生かし、見つかっても捕まらない皇女バージョンで。

警備の為に、夜でも城内はある程度明るくなっている。
グレイスから支給された部屋着用ドレスの裾が歩く度に揺れた。
うんうん唸りながら足を動かすナナカ皇女は、向こう側から来る人影を認める。
それは、オレンジがかった金髪に菫色の瞳の年若い男だった。
彼はナナカに気が付くと、さっと頭を垂れた。
大人イケメンに頭を下げられ、慌てるナナカ。
「かっ、顔を上げてください。頭なんて下げなくても……」
「いえ、そういう訳には参りません皇女殿下」
更に《殿下》呼びされ、彼女は諦めた。やはり人間は諦めが肝心である。
男が口を開く。
「お初にお目にかかります。わたくし、この国の宰相を務めるウェルシュタイン公爵と申します」
身分差がある場合、身分の低い者から名乗るのが決まりだ。
公爵といったら貴族の頂点に立つ人。つまり王族の次に偉い貴族である。その上、宰相とは日本でいう総理大臣。この人絶対国の重鎮やん!
ナナカは、やたら高い身分を寄越したグレイスを心の底から怨んだ。正体がバレたら不敬罪で殺られる未来が見える。
そして、身に付けたポーカーフェイスで言う。
「もう知ってらっしゃると思いますが、私はトリスティン帝国の第四皇女です」
内心「ニセモノでごめんなさい‼︎」と土下座した。

後日、ウェルシュタイン公爵家が筆頭公爵家であることを知った。なるほど、マジで国王の次に権力持っているな。
冷や汗が止まらない。
「公爵家に行ってきたら?」とさりげなくナカトをお偉い方に会わせるグレイスは、一体何がしたいのだろうか。
その日、黄昏る少年の姿が王太子の執務室で見かけられたという。

続く


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